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製造業で求められるKPIレポートを実装|SAP Analytics Cloud 製造業向けテンプレート

正確かつ迅速な経営判断を行うため、SAP Analytics Cloudを利用している企業も多いのではないでしょうか。本記事では、そのSAP Analytics Cloudを製造業で運用するために特化したテンプレート「HI-KORT Analytics」を紹介します。

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SAP Analytics Cloudとは

「SAP Analytics Cloud」とは、SAP社が提供するSaaS(Software as a Service)型のビジネスインテリジェンス(BI)サービスです。経営企画、財務管理、生産ライン管理などを担当されている方へ、予算・計画や予測分析を効率化するアナリティクス機能を提供します。

SAP Analytics Cloudの主な機能

SAP Analytics Cloudの軸となっているのは、「拡張型アナリティクス」と「エンタープライズプランニング」と呼ばれる2つの機能です。

「拡張型アナリティクス」はAIや機械学習での分析によってデータ処理やパターンを自動的に作成する機能です。対話型AIと自然言語処理が組み込まれているため、ユーザーはチャット形式で質問するだけで、ビジュアル化されたデータや説明を対話方式で受けることができます。

これにより、SQL、R言語、Python等といったクエリ言語の知識を持たないユーザーでも、さまざまな分析モデルを作成可能となります。加えて、Smart Insight機能を使うことにより、チャートやグラフをクリックするだけでAIが自動で原因分析してくれます。

「エンタープライズプランニング」は財務、販売および要員計画を統合的に作成・管理することのできる機能です。これを活用し、業務部門全体としての統合的な計画を立てることにより、各組織間でも整合の取れた計画を策定し得るのです。

このように、柔軟かつ念密な意思決定を可能とする機能です。しかも、機械学習やAIでの分析を利用することで、正確な計画・予測の自動作成までも実現します。

SAP Analytics Cloud用のテンプレート「HI-KORT Analytics」

「HI-KORT Analytics」とは、SAP Analytics Cloud用テンプレートです。特に製造業でSAP Analytics Cloudを効率的に運用していくために最適な機能を備えています。

開発元のコベルコシステム株式会社は長年、製造業向けのERPやBIツールについて、導入・運用事業を行ってきました。そうした確かなノウハウを基に開発された、製造業向けテンプレートがHI-KORT Analyticsです。

このテンプレートの大きな特徴として、「製造業の経理部門・経営企画部門・生産ラインでの利用を想定して、KPIのレポートをあらかじめ搭載している」という点があります。さらにこれらレポートは後述するように、「原価」「収益」「生産」「財務」の4つで構成され、それぞれのデータについて適切な可視化を実現します。

しかもSAP Analytics Cloudの機械学習機能を有効活用し、KPIに影響を及ぼした要因の分析や、収益や原価の予測などまで可能です。 

テンプレート導入のメリット

HI-KORT Analyticsを導入し活用することで、要件定義から運用までの期間を効率的に短縮していけるでしょう。しかしまずは、導入自体について、短期間・低コストで済む点が、メリットとして挙げられます。

HI-KORT AnalyticsはSAP Analytics Cloud上で稼働するため、新たにインフラ環境の構築やソフトウェアのインストールが不要。従来のBI導入よりも短期間で導入完了に至ります。

費用についても、月額サブスクリプション型のサービスで提供されています。これを契約すれば、大規模な投資を実施する必要もないため、導入時のコストを抑えることができます。

さらにコベルコシステムでは、導入企業に対してレポート開発の教育まで実施しています。これを受講することで、社員たちに開発スキルを習得してもらうことができるでしょう。こうしたサポートをうまく活かせば、さらなる業務効率化・コスト削減へつながります。

そして、HI-KORT Analyticsのレポートによって経営情報が可視化されると、既存システムの課題も明確になります。これにより、自社の抱える課題への対処方法も先鋭化され得るでしょう。

例えば、ERPのうまく実現されていない企業についても、新たなERPパッケージ導入が必ずしも最適解であるとは限りません。既存システムとSAP Analytics CloudおよびHI-KORT Analyticを併存させることで、充分に対応可能なケースもあります。可視化されたデータに基づけば、このような判断についても具体的・合理的に検討していけるのです。既存システムの見直しや、新規システム導入について、スマートな計画策定を展開できるでしょう。

機能・特長

HI-KORT Analytics は、以下のように「原価」「収益」「生産」「財務」の4つのレポートでデータを可視化します。これら4つは、工場経理・経営企画・生産ラインなど、各分野での利用に最適化したレポートを提供します。つまり、それぞれに特化した4レポートによって、総合的により高い効果を発揮する仕組みになっているのです。

原価レポート

工場経理を対象としたレポートです。

勘定科目ごとの実績・計画の原価を可視化し、状況を把握しやすくします。また分析軸を自由に変更可能。これにより、製品群別・工場別など、さまざまな視点から分析を実施していけます。

また、さまざまな数値を操作して、シミュレーションを実行可能。原価の見通しや、期末時点でのコスト状況について、柔軟かつ明確にイメージし得るでしょう。

Smart Insight機能を活用したAI分析を行うことで、原価差異に対して影響を与えている項目を自動で導きだし、迅速に原因を明確化します。

収益レポート

主に経営企画部門を対象としたレポートです。年間収益の推移・予実の対比を可視化し、予算の状況を明確化します。さらに、事業別・製品群別・地域別などにフィルターをかけることで、特定の範囲に絞った分析を実現。

そして販売数の調整による売上・利益・コストをシミュレーションすれば、収益改善策の検討が具体的に可能となります。

こちらでも、Smart Insight機能によるAI分析を活用できます。収益に対して影響を与えている原因を自動で特定してくれるなど、合理的・効率的な分析が提供されるでしょう。

生産レポート

生産ラインでの管理担当者を対象としたレポートです。工場ごとの生産予実差異について、状況を確認可能となります。各現場の直行率・合格率・不良率を切り替え、さまざまな角度から現場を状況させてくれます。

Explorer機能を活用すれば、分析軸・数値項目の追加・チャートの変更を独自に行うこともできます。これにより、管理者にとってより自由度の高い分析が提供されるでしょう。

さらにSmart Insight機能も活用すれば、生産現場でさまざまな課題を生じさせている要因一つひとつを、迅速に特定することへつながります。

財務レポート

経営企画部門や経営層を対象としたレポートです。財務指標(KPI)を各分類・各指標別に現状データを一括して可視化します。それらは、年度別、部門/事業セグメント別に比較可能となるので、効率的な経営分析へつながります。Microsoft Excelなどのファイルで保管された財務データや、SAP HANAなどSAP製品のデータも活用しつつ、財務状況を的確に表示するレポート機能です。

まとめ

HI-KORT Analyticsを活用すれば、製造業に最適化したKPIのレポートを、AIや機械学習機能により、簡単に作成可能になります。

クラウドサービスなため、短納期・低コストで導入できる点も大きなメリットでしょう。SAP Analytics Cloudを運用している製造業者の方は、ぜひ導入を検討してみてください。

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