SAP2027年問題とは?対応方法についても解説

SAP2027年問題とは?対応方法についても解説

全社の経営資源を一元管理するERP製品でトップシェアを誇る「SAP ERP」が、変化の時を迎えています。一般的に「SAP 2027年問題」と呼ばれている、SAP ERPのメインストリームサポート終了が迫っているからです。サポート終了によりどのような問題が生じるのか、またその対応方法についても解説します。

SAP2027年問題とは?対応方法についても解説

SAP2027年問題とは

「SAP 2027年問題」は、元々は2025年だったことで、事態が複雑化しています。どのような点が問題なのでしょうか。

SAP ERPのサポートが終了

企業内には、製造管理システム・人材管理システム・経理システム・調達管理システム・販売システムというように、部門ごとに独自のシステムを所有している企業も多くあります。一方で、部門独自のシステムでは部門間での情報共有が非効率であるため、全社の経営資源を一元管理するシステム、ERPが開発されました。

SAP社はIDC Japanによる、国内におけるERP製品ベンダーシェアに関する調査(2018年度)でも1位を獲得し、全世界ベースのシェアでもトップベンダーです。このSAP社の主力ERP製品が「SAP ERP」ですが、2027年にはこの製品のメインストリームサポート(以下、サポート)が終了してしまいます。これが通称で「SAP 2027年問題」と呼ばれているものです。

(参照:IDC Japan  国内ERM市場ベンダー別 売上額シェア実績 2018年

なお、元々は2027年ではなく2025年が終了期限でしたが、欧州SAPが2020年2月に「SAP ERP 6.0のサポートを2027年末まで提供する」と延長を発表したため、「2025年問題」ではなく、今では「2027年問題」と呼ばれています。

導入企業に影響

2027年で終了するSAP ERPのサポートとは、バグの修正や機能の更新など基本的なサポートのパッケージです。特に総務や人事など、法規制が変更するたびに同期を取る必要がある部門で影響が大きいのが、法規制の変更をシステムに反映するパッチの提供もサポートに含まれていることです。

各企業でも何も手を打たないわけにはいきません。実際、矢野経済研究所による「2019 国内企業のIT投資実態と予測」調査によると、国内企業を対象とした「今後3年間でIT投資が増加するソフトウェア」について、ERP(基幹業務統合管理)が41.9%で8年ぶりにトップに立ち、セキュリティ関連ソフトウェアと同率1位になっています。

(参照:矢野経済研究所 今後3年間でIT投資が増加するソフトウェア 2019年

ERPがトップになった背景は、経営環境の変化への対応やERPをクラウド化するためという理由の他、SAP ERPのサポート期限が2025年(調査当時)に迫っていたためと分析されていました。 各企業ではすでに2025年(当時)のSAP ERPのサポート終了に向けて、対策費用の確保など、着々と準備を進めていたことが伺い知れます。

その後、2025年の終了予定が2027年になったことについては歓迎する企業もあれば、2年ほどでは意味がないという意見、さらなる混乱を招くという意見など、見方は様々です。

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SAP2027年問題への対応方法

「SAP 2027年問題」に対応するには、いくつかの方法があります。

SAP ERPの利用継続

サポートが終了しても、そのままSAP ERPを使い続けること自体は可能です。ただ、システム障害が発生した場合は対処の方法がありません。また、次のような対応を講じれば、一定期間はSAP ERPを安全に利用し続けられますが、サポート終了への対応を先延ばししたに過ぎません。

  • 延長保守サービスを利用する

保守基準料金に加え2%の追加料金を支払えば延長保守サービスが受けられます。延長保守サービスは2028年頭から2030年末までの3年間有効です。

  • 第三者の保守サービスを利用する

リミニストリートなど保守サービスを専門に扱う企業と保守契約を結ぶ方法もあります。メリットは安価な料金体系です。今後さらに長期間同じシステムを運用したい場合は、検討の余地があるでしょう。

  • クラウドへ移行する

インフラ基盤だけをオンプレミスからクラウドへ移行する方法もあります。現状のままSAP ERPを運用することができますが、データ肥大化などの問題は解消しません。

SAP S/4HANAへの移行

SAP社が推奨しているのが「SAP S/4HANA」への移行です。S/4HANAは、データベースの管理において、プログラム実行時にストレージを使わず、メインメモリ上にプログラムやデータを呼び込んでインメモリで処理します。そのため高速処理を実現しています。

SAP ERPからS/4HANAへ移行する方法にはいくつかあります。既存のSAP ERP内のデータをまるごとS/4HANAに移行する「コンバージョン」を行うか、S/4HANAを一から再構築してから既存のデータを取り込むなどです。

いずれの方法にしてもデータの移行方法をどれにするか、検討する必要があります。コンバージョン時には、データ移行時には数日間サービスダウンする必要があるため、移行作業は自社の業務都合によって決定しなければなりません。また、SAP技術者でないとデータの移行作業は困難です。場合によっては、データ連携ツールの使用を検討する必要があります。

その他のERP製品の導入

ERP製品を開発しているのはSAP社だけではありません。前出のIDC Japanによる、ERP製品ベンダーシェアに関する調査では、富士通が2位、オービックが3位です。ベンダーの変更に問題がないなら、他社のERP製品への乗り換えもひとつの方法です。

その場合はすべてを再構築する必要があります。そのため導入に関して適切な判断ができる人材が必要であり、導入にかかる作業負担なども検討しなくてはなりません。ベンダーの乗り換えによりインフラ基盤・ネットワーク設計に初期コストがかかり過ぎるようであれば、オンプレミス型ではなくクラウド型のERP製品を検討するのも選択肢のひとつです。

まとめ

「SAP ERP」のサポート終了は、多くの企業に影響を与えています。ただ、「SAP S/4HANA」への移行や他のベンダー製ERPへの乗り換えなど、様々な選択肢が考えられます。どのような選択をするか、サポートの終了期限までじっくりと検討し、最良の判断を下してください。

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