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業務プロセスを効率化して企業競争力を高めるのは

競争力のある企業体質を作り出すためには、競争力のある製品開発やサービス提供が可能な環境を整えなければなりません。さらに、そうした環境を整るために業務プロセスを見直し、効率よく行える新たな業務プロセスを創出しなければなりません。

業務プロセス管理(BPM:Business Process Management)は現状のとしての業務プロセスを見直し、改善して、競争力を高める新たな業務プロセスを創出するための管理手法です。

今回はこの業務プロセス管理を中心に、競争力の高い企業体質づくりについて紹介します。

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業務プロセス管理とは何か

普段何気なく使っている“業務プロセス”という言葉についてまず整理しましょう。これは、複数の業務を通じて特定の成果を得るための、業務の集合体です。例えばカレーライスを作るためには、食材を調達したり、材料を切ったり、煮込んだりといった複数の行動から成り立っています。この一つ一つの行動を業務とするなら、その一連の業務の流れが業務プロセスです。

ただし、企業ではこの業務プロセスがさらに細分化されています。カレーライスを作るという最終目標に対して、食材調達という行動には食材の決定や食材リストの作成、購入資金調達など細かい業務があります。材料を切るという行動なら、材料の切り方を決めたり、切る順番なども業務の一つです。

つまりカレーライスを作るという最終目標に対して、食材調達や材料切りといった、いくつもの業務プロセスが存在します。企業にはこの業務プロセスが無数にあり、日本中を網羅する路線のように、組織の至るところで複雑に絡み合っているのです。

この業務プロセスを管理することがどういうことかというと、簡単に言えば可視化・改善・監視の3つを行うことになります。

複雑に絡み合っている業務プロセス一つ一つの関係性を可視化し、問題点を改善、その後の経過を監視して、必要に応じて再度改善を加えます。そうして業務プロセスが次第に効率よくなっていき、高い競争力を持つ企業体質へと変化していくわけです。

業務プロセス管理を実践するための10ポイント

業務プロセス管理を実践していくためには、いくつか大切なポイントがあります。

1.改善は誰が行うのかを決める

業務プロセス管理では手当たり次第に改善していけばいいというわけではありません。特に部署ごとに改善業務を任せてしまうと、後々大問題にもなります。なぜなら、組織全体の業務プロセスというのは密接に絡み合っており、一つの業務プロセスのみに焦点を合わせてしまうと、他に歪が生まれてしまうためです。

従って、全体としての業務プロセス管理を推進するための責任者が必要になります。

2.対象業務プロセスの問題点を把握する

どの業務プロセスに問題があるのかということは、現場従業員が日々うすうすと実感しています。しかし、改めてこれを明確にすることが大切です。どのような問題が発生しているかは分かっていても、その原因まで理解していることは多くありません。

業務プロセス管理ではこの原因まで特定した上で改善を行わなければならないので、まずは対象となる業務プロセスの問題点を改めて把握し、改善活動に取り組みましょう。

3.業務プロセスごとに繋がりを見えるようにする

しつこいようですが、業務プロセスというものは、常に複数の業務プロセスが絡み合い、結果として一つの成果を出しています。つまり、その業務プロセスごとの繋がりを見えるようにし、影響の範囲を特定しなければなりません。

4.関連プロセスの改善は同時に行う

業務プロセス管理において、複数の関連プロセスを同時に改善することは鉄則です。Aという業務プロセスを改善する場合、そこに関連するBというプロセスにも問題点が潜んでいる可能性があります。もしかすると、根本的な原因はBというプロセスにあるかもしれません。

従って業務プロセス管理を実施する場合は、改善対象となる業務プロセスだけでなく、関連プロセスも同時に改善しなければなりません。

5.定例会議は関係者を参加させる

複数の業務プロセス(関連プロセス)を改善する場合、関連部署の責任者などは必ず定例会議に参加しましょう。業務プロセス改善の影響を実際に受けるのは現場従業員です。良かれと思って行った改善も、現場にとって不利になるようなものであれば意味はありません。

現場の声を反映するためにも、関係者の協力は必須です。

6.時間をかけずに行う

物事を完璧にこなそうとする完璧主義は日本企業特有の性格です。常に完璧を目指すという思想は素晴らしい反面、PDCAサイクルの周りが遅くなるという問題もあります。完璧を目指した結果大した成果を得られなければ、それは時間の無駄です。ならば、完璧ではなく80の完成度を常に目指してPDCAサイクルを回す方が、結果として早く完璧に近づくことができます。

7.改善が成功か失敗かを評価する

取り組んだ改善活動には常に評価が必要です。成功したのか失敗したのか、これを判断しなければ次につなげることはできません。

8.失敗するケースを想定しておく

業務プロセス管理では当然ながら成功ばかりではありません。むしろ失敗することの方が多く、そこから何を学び、どう活かすかが重要となります。ただし、失敗するケースを想定し、予め対策を取っておく必要もあります。

「改善しようとしたけど、失敗しました。次は成功させます」では、失敗した際のしわよせがすべて現場にのしかかります。従って失敗することも想定した上で、業務プロジェクト管理に取り組むことが大切です。

9.改善に改善を重ねる

業務プロジェクト管理を成功させるために大切なのはPDCAサイクルです。如何に改善を重ね、取り組みをの精度を上げていくかが大切になります。従って業務プロセス管理を実践する際は、継続して改善を加えていくという姿勢が大切になります。

10.根気よく長期目線で改善活動に取り組む

最後に、業務プロセスは一朝一夕でなるものではありません。一つの業務プロセスを改善するのにも、それなりの時間がかかります。ですので根気よく、長期目線で改善活動を行っていくことが、業務プロセス管理における最も大切なポイントです。

業務プロセス管理では慎重な計画・実行を

実践することで競争力の高い企業体質を作りあげる業務プロセス管理ですが、手当たり次第に業務プロセスを改善していいわけではありません。確実な改善を加えていくためには、入念な計画と実行が必要になります。

従って、先に紹介したポイントを押さえつつ、慎重な業務プロセス管理計画の立案を、改善策の実行を心がけてください。

まとめ

競合他社に負けない競争力は、企業にとって永遠の課題です。その課題を解決するための答えの一つが、業務プロセス管理だと言っていいでしょう。無駄の多い業務プロセスを大幅に削減したり、さらに効率良い業務プロセスを創出できれば、企業としてまた一つ上にステージへと昇ることができます。

現状の業務プロセスに問題を感じているのであれば、ぜひ業務プロセス管理を実践し、競争力の高い企業体質へと変化していきましょう。

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