小売業

キャッシュレスとは?その意義と日本政府の取り組み

現金主義が多いここ日本において、キャッシュレスが広がっています。これは、現金を持ち歩かずそれ以外の方法で決済を行うものであり、経済産業省が主体となってキャッシュレスが推進されています。

本稿では、そもそもキャッシュレスとは何か?という基本情報から、その意義と日本政府の取り組みについてご紹介していきます。

キャッシュレスとは?その意義と日本政府の取り組み

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日本のキャッシュレス動向

現金を使わずに決済する方法をキャッシュレス(Cash Less)と呼びます。日本は海外諸国に比べてクレジットカード使用率が低い国です。海外諸国では治安的背景から現金を持ち歩くことの方が危険が多いため、クレジットカードやデビットカードのみを使用する消費者が多くなっています。各国のキャッシュレス比率について見てみましょう。

  キャッシュレス比率 同期間におけるキャッシュレス化進展の施策例
2007 2016 07⇒16
韓国 61.8% 96.4% +34.6%
  • 非現金決済利用時の消費者向け税還付制度の拡充(還付率や対象の拡大)
  • 小規模加盟店向け加盟店手数料の規制
イギリス 37.9% 68.7% +30.8%
  • ロンドン五輪(2012年)を契機とした政府主導の非接触決済(デビットカード)普及促進、決済インフラを担う専門組織による決済の高度化
オーストラリア 49.2% 59.1% +9.9%
  • 国産決済サービス(デビットカード)EFTPOSの非接触決済対応インターチェンジフィー等の手数料規制
シンガポール 43.5% 58.8% +15.3%
  • 国家の電子化に早くから取り組んでいたほか、近年政府による「スマートネーション構想」のもと、 キャッシュレス社会実現にかかる施策を推進中
カナダ 49.0% 56.4% +7.4%
  • 政府によるペニー硬貨の廃止や小切手の廃止
  • 低廉なインターチェンジフィー水準に関する当局と国際ブランドとの合意
スウェーデン 41.9% 51.5% +9.6%
  • 政府による脱現金社会に向けた法的な手当て(ex.店頭での現金決済お断り等)
米国

33.7%

46.0% +12.3%
  • VISA・MasterCardが中心となりカード決済普及を促進、近年は非金融事業者による決済サー ビスが普及
フランス 29.1% 40.0% +10.9%
  • 現金支払い上限(1,000ユーロ)の設定
  • インターチェンジフィー規制の導入
インド 18.3% 35.1% +16.8%
  • 国産のデビットカードシステムRupay開発・普及促進のほか、加盟店手数料の上限設定
  • 政府主導で「デジタルインド計画」を推進中
日本 13.6% 19.8% +6.2%
  • 電子マネーの利用が拡大しているものの、引き続き現金志向が強く、キャッシュレス化進展せず
ドイツ 10.4% 15.6% +5.2%
  • 現金志向が強く、キャッシュレス化進展せず
中国 40%
(2010)
60%
(2015)
+20%
  • 北京五輪(2008年)を契機とした政府主導の銀聯カードの普及促進
  • インターチェンジフィー・加盟店手数料等規制によるアクセプタンス促進

日本は海外諸国に比べてさまざまな電子マネー技術が拡大しているものの、キャッシュレス決済が進展していない理由は、ドイツ同様に現金志向が強いためでしょう。最近ではデビットカードサービスを提供する銀行会社もありますが、普及には今ひとつというところです。

多くの消費者は、クレジットカード等を利用することで後払いが当たり前になり、金銭感覚が狂ってしまうことに不安を感じています。もちろん、使い方さえ気を付ければキャッシュレス決済は便利なものですが、「手元にお金がないのにモノが買える」という点に注意が必要かもしれません。

キャッシュレスの種類

キャッシュレスは大きく分けて3つの種類があります。「前払いタイプ」「即時払いタイプ」そして「後払いタイプ」です。

前払いタイプ

現金をあらかじめチャージしておき、決済時に即時払いできるタイプのキャッシュレスです。交通系ICカードやプリペイド型カード、スマートフォン決済など多種多様な種類があります。各社が提供するキャッシュレスによって特徴が異なるので、ライフスタイルに合った方法を選択すると、日々の買い物をお得にできます。

即時払いタイプ

前払いも後払いもせずに、その場で決済できるキャッシュレスです。主にデビットカードが該当します。デビットカードは銀行口座と連携し、決済をした瞬間に銀行口座から購入代金が引き落とされます。現金を持ち歩かずに、かつ現金に近い感覚で買い物ができることから、キャッシュレス普及のキーマンとして注目されています。

後払いタイプ

クレジットカードに代表されるキャッシュレスです。決済時点と代金の引き落としタイミングが異なり、分割払いなどが可能なので普段は買わないような高額は買い物もできます。セキュリティ性も高く、カードを紛失してもカード会社に即連絡すればサービスを停止できるため、安心して利用できます。

キャッシュレスが広がることで変わる社会とは?

キャッシュレス社会が広がっていくことで起きる変化はいろいろとあります。まず、多くの無駄が減ります。現金を管理する必要はありませんし、ATMに立ち寄って現金を下ろすこともなく、そのためATM手数料も不要です。店舗での決済もごく短時間で済みますし、おつりのもらい忘れや間違いも起きません。こうして無駄がいろいろと無くなることで、消費者にとっても事業者にとっても効率的な生活が待っています。

さらに、キャッシュレス社会が広がることで現金の計算などを日々行う必要のある小売事業者の方々はプライベートに費やせる時間が増えます。日々の時間は微々たるものですが、1日で考えると数日分の時間を削減できるかもしれません。その時間をさまざまなシーンで有効活用すれば、生活がもっと豊かになります。

もう1つの変化点は、消費が拡大することです。クレジットカードなどのキャッシュレス決済は消費拡大効果もあることから、日本経済が活発になり、さらに消費以上の利益をもたらす可能性があります。

日本政府の取り組み

政府ではキャッシュレスの認知・普及に向けて、次のような動画を配信しているので一度ご覧ください。

<ひろがるキャッシュレス>

<つながるキャッシュレス>

そして、キャッシュレス社会を推進するために、日本政府では「キャッシュレス・ポイント還元事業」などを行っています。これは、対象のキャッシュレス方法で、対象店舗にて買い物をした場合、ポイントを還元するというものです。キャッシュレスを用いた方が結果的にお得に買い物ができることから、キャッシュレス拡大の効果が期待されています。

いかがでしょうか?これまで現金のみで支払いを済ませていた方は、いろいろな観点からキャッシュレス決済についてぜひ検討してみましょう。

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