セキュリティ

BYODのメリットとは? 導入に向けたステップをわかりやすく紹介

近年、人材を「コスト」ではなく「投資対象の資本」と捉える「人的資本経営」が注目を集めています。人的資本経営における重要課題は人材の能力開発や労働環境の最適化であり、その実現に欠かせない施策のひとつが「BYOD」です。本記事ではBYODの概要やメリット・デメリット、具体的な運用ステップなどについて解説します。

BYODのメリットとは? 導入に向けたステップをわかりやすく紹介

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そもそもBYODとは?

「BYOD」とは「Bring Your Own Device」の略称で、従業員が個人で所有している情報端末を業務で利用できるようにすることです。情報端末の購入・管理コストを削減でき、テレワークへの対応や業務効率化に寄与する点がBYODの大きなメリットです。近年は情報通信技術の進歩が加速し、一般的なPCやモバイルデバイスでも業務利用に堪え得る性能を備えていることもあり、BYODを導入する企業は増加しています。

特に「2024年問題」への対応が急務となっている業界ではBYODの推進は重要です。例えば、建設業界や物流業界では2024年4月より「時間外労働の罰則付き上限規制」が適用され、長時間労働が是正されるなかで従来と同等以上の生産性を確保するためには、既存業務の合理化が欠かせません。そのためには人材の能力を最大限に引き出す人的資本経営の推進が不可欠であり、その一環としてBYODの導入が求められています。

BYOD導入のメリットとは?コミュニケーションアップと社員の働き方可視化を実現

人材の能力や将来性を資本とみなし、企業価値を創出する源泉として捉える人的資本経営では、いかにして人材のパフォーマンスを最大化するかが重要な課題です。そこで必要とされる施策のひとつがBYODです。導入することにより、柔軟な働き方への対応が可能になり、業務効率の向上やコスト削減、シャドーITの抑制が期待できます。

テレワークなど柔軟な働き方に対応できる

働き方改革の推進や新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、テレワークを推進する企業が増えています。テレワークでは、環境の構築に相応のコストや手間が必要ですが、従業員の私物端末を利用できればPCやスマートフォンを配布する必要がなく、テレワーク環境を迅速に構築できます。建設業界や物流業界でも業務内容によってはテレワークが可能であり、働き方改革の実現に向けた柔軟なワークスタイルに対応できます。

使い慣れた端末を使用するため、業務効率の向上が期待できる

従業員がオフィスで使用する情報端末は、各部署からの仕様や機種などの希望を踏まえて、企業が用意するのが一般的です。扱い慣れていない情報端末を利用することもあり、労働生産性が低下するケースもあります。BYODを導入すれば、業務で使用するのは使い慣れている自分の情報端末です。結果的に業務の効率化につながり、労働生産性の向上に貢献します。

端末の購入・レンタルや維持にかかるコストを抑えられる

コストの削減もBYODの導入によって得られるメリットのひとつです。従業員が相応の性能を備えたPCやスマートフォンを所有していれば、企業側は購入やレンタルで情報端末を用意する必要がありません。情報端末の購入費用を削減できるだけでなく、保守・運用の管理コストも軽減できます。コスト削減によって浮いた資金を人材の採用・育成・定着に再投資できれば、人的資本経営の最適化に寄与し、経営基盤の総合的な強化につながります。

社内ルールを整備することでシャドーITを抑制できる

従業員が企業の許可なく私物の情報端末やアプリケーションを業務に利用することを「シャドーIT」と呼びます。例えば、私物端末がマルウェアに感染していた場合、企業のファイルサーバーに接続すれば、社内LANにウイルスが広がるリスクがあります。BYODも従業員の私物端末を業務に利用する点では同じですが、厳格な端末管理体制を整備した上で導入されるため、シャドーITの抑制とセキュリティリスクの最小化に寄与します。

BYODにデメリットはある?注意点を確認しておこう

BYODには、情報端末の紛失・盗難による情報漏洩や、従業員による意図的な情報の流出といったリスクがあります。導入の際には情報セキュリティに関する教育制度を確立し、データガバナンスを整備したり、運用ルールを策定したりする必要があり、相応のコストや手間が発生するデメリットです。また、私物端末を業務利用することで公私の境界線が曖昧になるため、勤務中にプライベートな利用をしたり、労働管理の複雑化を招いたりする可能性がある点にも注意が必要です。

テレワークに向けてBYODを導入してみよう!運用開始までのステップ

テレワークを推進する場合、BYODの導入は避けて通れない重要課題のひとつです。ここではテレワーク環境におけるBYODの導入ステップについて解説します。

1. 就業規則を確認する

BYODを推進する際は、まず私物端末の取り扱いに関して就業規則でどのように規定されているのかを確認します。なぜなら、常時10人以上の労働者を使用する事業者が作業用品に関わる費用を従業員に負担させる場合には就業規則で規定し、行政官庁に届け出なければならないと労働基準法で定められているためです。情報端末に関わる費用を従業員が負担しており、就業規則で規定されていない場合には、就業規則を変更する必要があります。

2. 社内ルールを策定する

テレワークに向けてBYODの導入を進める上では社内ルールの策定も重要です。先述したように、BYODには情報端末の紛失・盗難や意図的な情報の流出といったリスクが内包されています。BYODで業務を行う場合には、データ管理の指針を明確化し、厳格に運用しなければなりません。さらに「公衆無線LANや信頼性の低い通信サービスはBYODの端末では利用しない」「秘密情報はBYOD端末内には保存せず、使用後は必ず消去する」「BYODに使用していた端末を紛失した際には早急に会社に連絡する」などといったセキュリティ対策事項も社内ルールとして定める必要があります。

情報端末に関わる費用負担の取り決めも重要です。私物端末を業務利用する場合、仕事とプライベートの通信費の切り分けが困難となります。端末代金や維持費は従業員の負担になりやすいため、企業が通信料を一部補助したり、モバイルWi-Fiを提供したりといったルールの明確化が必要です。そのほかにもサービス残業を規制するために、勤務時間外はシステムへのアクセスを禁止するといったルールの整備も求められます。

3. リモートアクセスツールを選定する

BYODを実施する際には、複数台の情報端末を統合的に管理する必要があります。一般的にはリモートアクセスツールを導入して一元管理しますが、情報端末自体を管理する「MDM(Mobile Device Management)」では、従業員のプライバシーを侵害してしまう恐れがあります。プライバシー保護を優先し、かつ複数台の情報端末を一元管理するのであれば、業務用のアプリケーションとデータのみを管理対象とし、原則としてプライベートな領域には干渉しない「MAM(Mobile Application Management)」の導入がおすすめです。

4. 運用を開始する

BYODは運用開始がゴールではなく、情報セキュリティの強化や業務効率化に向けて継続的に改善していく必要があります。例えば、機密データにアクセスする職務分掌規定を明確化し、適切なアクセス権限を設定することでセキュリティリスクを最小限に抑えられます。そのほかにも教育・研修を実施したり、個人情報の保護体制に対する第三者認証制度を取得したりといった、データガバナンスを組織文化として浸透させるための取り組みが必要です。

BYODの運用に役立つMAMツール「moconavi」がおすすめ!

BYODの運用にはリモートアクセスツールの戦略的な活用が欠かせません。そこでおすすめしたいのが、クラウド型MAMツールの「moconavi」です。情報端末を統合的に管理できるmoconaviには、管理下にある端末内のアプリケーションのみを制御し、ユーザーのプライバシーは侵害しないという特徴があります。情報端末や通信経路に一切のデータを残さず、オンプレミスやクラウドといった環境を問わず社内ネットワークへのセキュアなアクセスを実現します。また、ログインできる曜日や時間帯を柔軟に設定できるため、長時間労働の防止にも有効です。moconaviの詳細を知りたい方は以下のURLをご覧ください。

moconavi

まとめ

「BYOD」は、情報端末の購入費用や管理コストを削減し、テレワークにも対応できます。人的資本経営の推進を目指し、人材の採用・育成・定着を重視するのであれば、BYODの導入は検討すべき施策のひとつです。テレワークとともに、従業員の柔軟な働き方をサポートし、従業員満足度の向上につながります。

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