RPA/ワークフロー

RPA化を進めて企業の働き方改革を実現!

多様な働き方を実現する「働き方改革」においては、長時間労働の是正や労働生産性の向上が求められます。それらを実現するために、業務の効率化や自動化は欠かせない取り組みであり、RPAと呼ばれる自動化技術の活用が期待されています。そこで本記事では、RPAの基礎知識をまとめて解説します。

RPA化を進めて企業の働き方改革を実現!

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RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、従来人間がコンピューターを使って行っていた作業を代替して実行するソフトウェアロボット、またはそれを作成する技術を指します。人の代わりに作業を行ってくれる存在であることから、「デジタルレイバー(仮想労働者)」と呼ばれることもあります。

RPAは、エンジニアがソースコードを記述しなくても、GUIの操作でRPAロボットを作成できるのが特徴です。これにより、プログラミング知識を持たない現場担当者でもロボットを開発でき、より現場のニーズに合致したロボット開発が可能になります。

RPAツールによって作成方法は異なりますが、大きく分けて2種類の作成方法があります。ひとつはパソコン上で人間が操作する内容を記録して再現するタイプ、もうひとつはツールに用意されているアクションをパズルのように組み合わせるタイプです。

また、ExcelやAccessのマクロが主にOffice製品を操作対象としているのに対し、RPAはWebブラウザやクラウドサービス、既存の基幹システムなど、パソコン画面上で操作する複数のシステム・サービスを横断して自動化できる特徴もあります。これにより、より幅広い業務を自動化の対象範囲にできます。

さらにRPAは、高い認識率で手書き文字を判別する「AI-OCR」などの各種AIを組み込むことで、より高度な自動化を実現します。近年では自治体での導入も盛んで、システムへの情報登録業務や申請書の入力作業をRPAで自動化し、大きな省人化効果を上げているところも増えています。

なおRPAは、機能によって以下の3つに分類することが可能です。現在RPAの主流とされているのはクラス1です。

  • クラス1(RPA):ルールベースで動作し、主に定型作業の自動化に使われます。
  • クラス2(EPA・Enhanced Process Automation):手書き文字認識など定型業務以外の作業も一部自動化可能です。
  • クラス3(CA・Cognitive Automation):高度なAIの機能を備え、データ分析に基づく意思決定が可能です。

RPAに注目が集まった背景

国内で大企業を皮切りにRPAの導入が進み始めたのは、2010年代後半のことです。この時期にRPAに注目が集まった背景としては、少子高齢化による生産年齢人口の減少や労働生産性の低迷など、深刻な労働力不足の問題がありました。RPAの活用により定型作業を自動化し、人間の作業負担を軽減することで生産性を高め、人員の適正配置を進め労働力不足の解消を図ったのです。

また、近年における多様な働き方を求める声や、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応も、RPAの注目度をより高めています。2018年9月に経済産業省が公表した「DXレポート」では、DXの遅れが2025年以降、年間最大12兆円もの損失を招くリスクがあることを指摘しています。これを回避するにはDX人材の確保やレガシーシステムの刷新が不可欠であり、そのための手段としてRPAが貢献すると考えられています。

RPAを導入しやすい業務

ホワイトカラー業務の中でも、RPAを適用しやすい業務とそうでない業務があります。RPAを適用しやすい作業は以下のとおりです。

  • パソコン上で完結する作業
  • 繰り返し行う作業
  • マニュアル運用できる定型化された業務

たとえば、Excelに記載された売上リストをクラウド上の会計システムに転記するような作業は、RPAの適用が容易です。また、Excelに記入された申請書のデータのエラーチェックを行ったあと、決められた手順で処理し、その結果をメールで申請者に報告するような作業もRPAの適用範囲です。

逆に、担当者によって対応が変わる作業や、マニュアル化できないような流動的な作業はRPAの適用が困難です。

RPA化を進めるメリット

続いては、企業がRPAを導入することで得られるメリットについて解説します。

ヒューマンエラー防止

入力・転記作業などの単調な業務は、作業漏れや入力間違いなどのヒューマンエラーが起こりやすくなります。RPAであれば決められた通りに作業を行えるため、ヒューマンエラーの防止につながります。

誤入力や誤送信などのヒューマンエラーは、場合によっては大きなトラブルに発展する可能性もあります。そのため、RPA導入はそうしたリスクの軽減に役立ちます。

業務効率化

RPAロボットは24時間365日休まず稼働できるため、人間が作業するよりもはるかに多くの作業量をこなせます。これにより、人間はより付加価値の高い業務に集中でき、少ない人数で効率的に業務を行えます。

コスト削減

RPA導入にはツールの費用や運用コストがかかりますが、省人化を進めることで、結果的に人件費を削減することが可能です。適切にRPAを運用することで、コストと成果を差し引いても人件費削減効果のほうが高くなるでしょう。

RPA化を進める流れ

企業がRPAを導入する際は、以下のような流れで進めていきます。

ゴールを明確にする

まずは「RPAの導入により何を実現したいのか」という導入目的を明確にします。「RPAが話題だから自社でもやってみたい」などの漠然とした目的だと、導入後にスムーズに運用できない可能性があります。残業が多い社員の負担軽減や生産性向上といった、自社が目指すゴールを明確にしておくことが重要です。

どの作業をRPAで自動化するか、業務を選定する

先述したとおり、RPAを導入しやすい業務とそうでない業務があります。導入しやすく、導入効果が高い業務を選定することが重要です。事前に業務の棚卸しを行い、業務プロセスの見える化と課題の洗い出しを行うとよいでしょう。そのうえでRPA化する作業範囲を決定します。

ツール選定、導入方法検討

対象業務を選定後、自社の自動化対象作業に適したツールを検討します。ツールによって得意分野や運用費用、動作要件などが異なるため、複数のツールを比較検討したうえで、自社の運用状況に合致したツールを見つけ出しましょう。

また、導入後は誰がどのように運用するのか、運用計画を事前に決めておくことが必要です。RPAには、現場担当者が自らロボットを作成するケースと、システム部門などのエンジニアがロボットを作成するケースがあります。前者であれば、対象者のスキル把握やサポート体制、社内の役割分担といったことも確認しておくべきでしょう。

テスト導入

本導入前にツールを試験導入してみて、操作性に問題がないか、社内の反応はどうかなどを確認します。導入が容易な部門に範囲を限定し、適用しやすい業務を対象に1ヶ月程度運用してみましょう。その際は、無料トライアル期間などを活用するのがおすすめです。

導入範囲を限定してテスト運用を行うことで、本導入後に想定される課題を事前に把握することが可能です。課題解決のための改善案を明確にし、本導入すべきか再検討すべきかを見極めましょう。

本導入

実際の導入にあたっては、現場担当者がうまくツールを活用できるような体制を整えることが重要です。操作研修を実施したり、ヘルプデスクの運用などがあったりするとスムーズに運用できます。一定期間運用後は効果検証を行い、問題があれば解消に努めましょう。

なお、費用対効果などの面からRPA導入がためらわれる場合には、無料または安価に利用できるRPAツールを活用してみるという選択肢もあります。たとえば、Microsoftが開発・提供している「Power Automate」は、月額1,630円(各ユーザー)で利用できるクラウド型のRPAです。デスクトップ版は無償で利用できるため、まずはデスクトップ版から導入して操作性を確認してみるとよいでしょう。

さらに、Power AutomateはMicrosoft製品との連携が容易なほか、豊富な機能を備えており、学習コンテンツが多数存在するのも魅力です。

まとめ

働き方改革では子育てや介護、地方在住など、さまざまに状況が異なる働き手にとって最適な働き方を選べるような社会の実現を目指しています。

ツールにより定型作業の自動化・効率化を行うRPAは、働き方改革を実現するうえで有効な手段として、多くの企業で積極的な活用が望まれます。「Power Automate」をはじめ安価で利用しやすいツールも数多くあるので、RPA未導入の企業は、それらのツールから試してみることをおすすめします。

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