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ERPとは何か?医療業界での活用方法を徹底解説

ERPとは何か?医療業界での活用方法を徹底解説

「医療業界でもERPを活かして業務効率化できないだろうか」
当記事をお読みの方は上記の考えをお持ちではないでしょうか。当記事では、医療業界に特化したERPの活用方法を解説します。「ERPとは何か」という基礎から確認できるので、初心者も含めて自社での業務効率化に役立ててください。

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ERPの基本:医療業界における定義と概要

ERPの基本:医療業界における定義と概要

はじめに「ERPとは何か」を説明しましょう。当記事で解説するERP(Enterprise Resourse Planning)は企業資源計画を意味する略語です。ERPという言葉は経営戦略の意味、あるいは経営戦略を策定するためのシステムとして使われます。

医療用語のERPとして「Effective Refractory Period(有効不応期)」や「Endoscopic Retrograde Pancreatography(内視鏡的逆行性膵管造影)」がありますが、当記事では無関係です。

ERPシステムの基本機能とは?

ERPは、社内の全体的な業務プロセスを統合し、情報を一元管理できるシステムです。

ERPを利用すると、財務、人事、生産、調達などの担当部署が分かれるであろう機能を統合管理し、リアルタイムで情報を共有できます。これにより社内の情報共有が効率化します。例えば財務状況を踏まえた調達量、生産量の調整や、採用人数の決定を部署間の情報共有を待たずに進められます。

ERPを使って情報を一元管理することで、社内の生産性向上や、リソースの最適化が進みます。その結果として意思決定の迅速化が可能です。意思決定の迅速性は、ビジネス環境の目まぐるしい変化に対応するために重要となり、社内にさらなる好循環を生み出します。

医療業界でのERPの役割

医療業界でもERPの活用によって、よりよい医療の提供や、リソースの最適化が可能です。もちろん、意思決定の迅速化にも貢献します。

医療業界においても、財務や人事を考慮した経営が求められるでしょう。例えば、財務状況に応じた医者、看護師の採用人数決定や、備品の調達量の判断などです。また医療業界の場合は、患者数や地域の医療現場との提携、感染症の状況などの事情も考慮する必要があります。

これらを踏まえても、意思決定を迅速化するためにERPが役立ちます。

医療業界でERPが求められる理由とは

医療業界でERPが求められる理由とは

医療業界でERPが求められる理由として、以下があります。

  • 業務プロセスが多岐にわたるから
  • 法規制が厳しく法に則した運用が大変だから
  • 正確性と緻密さが求められるから
  • 人材不足をカバーできるから
  • データ共有をすることでスムーズな医療提供につながるから

業務プロセスが多岐にわたるから

医療業界の業務プロセスは多分野にわたります。業務プロセスが多いということは、関係者の人数や必要なリソースも多いということです。よって、スムーズな情報共有は業務効率化につながります。

例えば病院の業務を考えてみましょう。患者の情報収集やカルテの管理はもちろん、診療の受付や会計業務、医薬品の調達、施術の管理や担当スタッフの管理、人員配置など非常に多くの業務があります。また人的リソースも、医師や看護師はもちろん、カウンセラー、窓口担当員、警備員など、多くの関係者がいます。他にも医薬品や医療器具、病室や施術室など物品や部屋単位の管理も必要です。

医療業界の多岐にわたる業務プロセスの中で、円滑な業務連携をするためにERPが必要となります。

法規制が厳しく法に則した運用が大変だから

医療業界にはさまざまな厳しい法規制があり、それに則した運用をする必要があります。安心安全な医療を確実に届けるためです。

例えば、医療機器や医薬品の調達をするケースを考えてみましょう。薬機法によって患者に利用できる医療機器や医薬品の品質が定められており、満たしていないものは利用できません。しかし、これを把握せずに発注をしてしまうと、当然医療行為に利用できないため、病院にとって損失となります。また法律が変更になる場合や、少しだけ改変される場合も考えなければなりません。

ERPで最新の法規制を反映した機能を使って、医療業界の厳しい法規制に従った業務をするべきです。

正確性と緻密さが求められるから

医療業界の各業務は正確性と緻密さが求められます。これらがそろわなければ、安全な医療を提供できないためです。正確性と緻密さを人間だけで維持することは大変ですが、ERPを利用することで、これをサポートできます。

例えば、患者の手術歴について確認するケースを考えます。この場合、患者がこれまでにどのような症状で、どの病院で、どの医師の施術を受けたのかを確認するでしょう。またどういった施術をしたのか、どんな薬品を使ったのかなどの情報も必要で、これらを把握し、現在の状態を踏まえて医療行為に当たります。しかし、情報が誤っていると適切な医療行為ができません。

医療業界では、少しのミスが生命を脅かす事態になることもあります。ミスを防ぐためにも、ERPを用いた正確な情報収集と連携が必要です。

人材不足をカバーできるから

ERPを利用することで、医療業界の人材不足のカバーにつながります。医療業界では慢性的な人材不足が続いていますが、解消の見込みが立たない状況です。加えて日本は高齢化により、さらなる患者が増加する可能性もあります。こうした状況のため、医療業界の人材不足に拍車がかかる可能性が高く、早急な対応が必要です。

人材の増加や患者の減少を見込めないため、ERPを使って業務の効率化を図る必要があります。ERPは情報共有や法規制への対応ができるため、これらの確認作業の時間を短縮できます。また適切な医療リソース配置をすれば、経営の好循環化も可能です。

ERPを用いて業務効率化を図り、人材不足をカバーする必要が出てきています。

データ共有をすることでスムーズな医療提供につながるから

ERPによるデータ共有はスムーズな医療提供につながります。医療業界は正確性だけでなく、スピード感も大切です。ERPによる情報共有は医療提供のスピードアップにつながります。

例えば、緊急時の対応を考えてみます。緊急時でも、確実な情報を確認できなければ医療行為はできません。しかし、情報確認に時間がかかると、症状悪化につながってしまいます。ERPで情報共有を円滑にすることによって緊急時にも対応しやすくなり、症状の悪化を防げる可能性が高まります。

他にも、最適な医療プランを検討する際に、情報共有がスムーズであれば検討の時間が短くなります。医者や看護師の長時間労働防止にも貢献できるでしょう。

ERPによるデータ共有の円滑化は、現場でも経営面でも欠かせないものとなりつつあります。

医療業界におけるERP導入のメリット

医療業界におけるERP導入のメリット

医療業界でもERPを導入することで、以下のメリットがあります。

  • 医療用品の在庫管理がしやすい
  • スムーズな情報共有ができる
  • システムのセキュリティ強化につながりやすい
  • 医療提供の品質向上につながる
  • データ分析のサポートをしてくれる

医療用品の在庫管理がしやすい

ERPを利用することで医療用品の在庫管理がしやすくなります。

医療業界にかかわらず、在庫管理は重要です。在庫管理によって適切な発注や、期限切れによるロスが防止できるため、余計な支出を抑えることにつながります。またERPを利用することで、需要予測に基づいた発注や、発注プロセスの自動化なども可能です。ERPには在庫管理のしやすさにつながる機能が搭載されています。

医療用品は、法規制に遵守したものを使用しなければなりません。ERPを使えば法規制に対応した医療用品を調達できるため、確認作業に追われることもなくなるでしょう。

ERPを使って医療用品を管理するだけで、多くの業務から解放されます。これにより、本来集中すべき施術や患者のケアに医療リソースを集中させることが可能です。

スムーズな情報共有ができる

ERPを利用することで、スムーズな情報共有が可能となるメリットがあります。

医療業界では複雑な業務プロセスが多岐にわたっています。しかし、業務プロセス間でも情報共有は必要です。例えば患者の情報や、医薬品の情報を踏まえて、最適な医療行為を判断しなければなりません。また、病院の経営情報と医療従事者の雇用状況はセットで考える必要があるでしょう。このように、業務プロセスが複数あっても、必要となる情報が同じ場合があります。

各情報を正確かつスムーズに共有するためには、大きな労力がかかります。ERPを使うことで、各情報が一元管理されるため、情報共有の円滑化がメリットです。

システムのセキュリティ強化につながりやすい

ERPを利用するとシステムのセキュリティ強化につながりやすいメリットがあります。

ERPの多くはクラウドサービスです。クラウドサービスは、クラウド事業者がセキュリティ強化を実施しています。このため、自社でサーバーやシステムを構築するよりも、セキュリティ強化につながりやすい場合が多いでしょう。

自社でセキュリティ対策をするためには、専門知識を持った人材や、セキュリティソフト、適切な権限管理などが必要となります。クラウドサービスを使えば、これらから解放され、安心して利用が可能です。

医療業界は、セキュリティ的に脆弱だと病院経営そのものが停止してしまう可能性があります。こうした事態を防ぐためにも、セキュリティ強化は必須です。クラウド型のERPは、安全な環境で業務効率化を実現できることがメリットとなります。

医療提供の品質向上につながる

ERPを利用すれば医療提供自体の品質向上にもつながります。

先述の通り、ERPを使用することで情報共有がスムーズになります。結果として、適切な医療の提供やスピーディーな対応が可能となり、医療提供の品質向上が可能です。

また、適切な情報共有は患者にも安心感を与えます。あなたが患者だとして、担当する医師によって、処置の方法や説明が異なっていたら不安を覚えるかもしれません。逆に考えると担当医師が異なっても、対応が同じであれば不安は少なく済みます。結果的に、患者やその家族からの信頼感にもつながるでしょう。

ERPを使って情報共有や経営体制を見直すことで、医療提供の品質向上が実現できます。

データ分析のサポートをしてくれる

ERPは収集したデータをもとに分析もサポートしてくれます。

ERPは各業務の情報を収集し、一元管理が可能です。これにより情報共有がしやすくなることは先述しました。加えてデータ分析をしてくれることも、ERPを利用するメリットです。分析結果を活用することで、さらなる経営体制の強化につながります。

例えば、在庫状況を踏まえた医薬品の調達量を予測します。また機器の故障時期やメンテナンス時期の予測によって、業者に点検を依頼する時期を提案してくれるため、トラブルが発生する前に準備を進めることも可能です。病室や機器の空き状況、患者の退院予定などを踏まえた人員配置の提案などもできます。

ERPは収集したデータをもとに分析ができるため、経営判断の一助となるでしょう。

医療業界でのERPの活用事例

医療業界でのERPの活用事例

医療業界におけるERPの活用事例を、以下のパターンで紹介します。

  • 医療機関
  • 保険会社
  • 製薬会社
  • 医療機器メーカー

医療機関での活用事例

アメリカにある「デイトン小児病院」は、MicrosoftのERPであるDynamics 365を利用して業務効率化を実現しました。

同院は訪問や診断、通話を全て複数のITシステムに記録しています。しかし、そのうちの1つのシステムを使用しているチームでは、患者の情報を適切に集めることができずに苦労していました。

そこでDynamics 365を導入し、各システムの情報を連携させることで一元管理をできるようになりました。今では適切な医療プランの提案や患者とのコミュニケーション強化を実現しています。

参考:Microsoft

保険会社での活用事例

アメリカにある「MVP Health Care」は、Dynamics 365を利用して業務効率化を実現しました。

同社は早期発見や合併症の予防、患者の復帰支援をできるよう、会員向けプログラムを運営しています。しかし担当者は複数のアプリにログインしなければならず、ウィンドウは最大16個になることもありました。原因は、古いデータベースやシステムを利用していたためです。

効率的な運用のために同社はDynamics 365を導入し、情報を一元化しました。また、よりよいプログラム運営にも成功し、自社のコスト削減だけでなく、患者の健康増進にも成功しています。

参考:Microsoft

製薬会社での活用事例

「Biologische Heilmittel Heel」はドイツにある製薬会社です。同社はDynamics 365を活用して、顧客ごとに個別のサポートを提供できるようになりました。

同社では50カ国以上の医師、薬剤師、獣医師に医薬品を提供しています。医師と獣医師向けでは扱う医薬品はもちろん、提供プロセスも異なり、情報共有に苦労していました。

同ではさまざまなツールを用いてデータを管理していましたが、連携しているものはほとんどなく、情報共有はできていませんでした。Dynamics 365を利用して情報を一元化することで、業務の柔軟性が高まり、顧客に新たな価値を提供できるようになっています。

参考:Microsoft

医療機器メーカーでの活用事例

「プライムテック株式会社」は、ライフサイエンス分野の研究者に対して医療機器やソリューションを提供する企業です。同社はGRANDITというERPを利用して、基幹業務システムの運用コスト低減に成功しました。

GRANDITを使うことで、コスト低減だけでなく顧客情報を共有して営業活動の効率化を実現するとともに経費管理やワークフローに対しても、情報の内部統制強化が実現しました。

参考:GRANDIT

医療業界でも評価されているDynamics 365

医療業界でも評価されているDynamics 365

Dynamics 365は、Microsoftが提供するERPです。Customer InsightsやSales、Financeなど分野に特化した機能が用意されています。医療業界ではCustomer Service EnterpriseやSalesを利用して、病院の経営効率化や患者情報を共有しています。

Dynamicsを利用することで、前述したように多くのメリットを得られます。法規制が厳しい医療業界において、違反の心配をすることなく業務に集中できることは業務の効率化につながるでしょう。また医療業界では、IT部門に詳しい人材が潤沢ではありません。Microsoftの強化されたセキュリティを利用できることもメリットです。

Dynamics 365を利用して、安全な環境で業務効率化を図りましょう。

まとめ

まとめ

医療業界でもERPの活用によるメリットが多く、実際に活用している企業が成果を上げています。少子高齢化が進む日本国内では、人材不足がさらに加速していくことが予想されるため、対策が必須です。Dynamics 365をはじめとしたERPを利用して業務効率化を図り、人材不足に対応していきましょう。

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