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Microsoft Dynamics AXとは?いますぐアップグレードすべき理由も解説

Microsoft Dynamics AXは、統合基幹業務システムとして多くの企業に利用されています。とくに財務会計部門のソフトウェア強化を検討している企業にとって、不可欠なソリューションと言えるでしょう。そこで本記事では、Microsoft Dynamics AXの概要や特徴について詳しく解説します。

Microsoft Dynamics AXとは?いますぐアップグレードすべき理由も解説

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Microsoft Dynamics AXとは

「Microsoft Dynamics AX」とは、Microsoftが提供する大企業・中堅企業向けのERPシステムです。ERPとは「Enterprise Resource Planning」の頭文字をとった略称で、日本語では「企業資源計画」と訳されます。広義では企業の経営資源を効率的に運用するマネージメント手法を意味する用語ですが、近年は基幹業務を統合管理するITシステムを指してERPと呼称する傾向にあります。そんなERPシステムとして1998年にリリースされたのがMicrosoft Dynamics AXです。

Microsoft Dynamics AXは、最後にリリースされた「AX 2012 R3」以外はメインストリームサポートが終了しており、現在は2016年にリリースされたクラウドベースのERPシステム「Microsoft Dynamics 365」へと統合されています。Microsoft Dynamics 365は、複数のソリューションによって構成されており、旧Microsoft Dynamics AXに該当する「Dynamics 365 for Finance and Operation」や、営業戦略を統合支援する「Dynamics 365 for Sales」、マーケティング戦略をサポートする「Dynamics 365 for Marketing」など、ERPだけでなくCRMとしての機能も備えています。

Microsoft Dynamics AXの特徴

Microsoft Dynamics AXの優れた特徴は、「使いやすいUI・操作性」「自由なカスタマイズが可能」「グローバルビジネスにも対応」の3つです。ここからはMicrosoft Dynamics AXの特徴について詳しく見ていきましょう。

使いやすいUI・操作性

Microsoft Dynamics AXが多くの企業から高い支持を得ている理由の1つが、使いやすいUIと操作性のよさです。MicrosoftのソリューションであるMicrosoft Dynamics AXは、WindowsやOffice製品と同様のUIを継承しており、多くのユーザーが扱い慣れた操作性やインターフェイスを備えています。

一般に、新システムの導入時は、担当者が操作に慣れるまでに多くの時間を要するでしょう。しかしMicrosoft Dynamics AXなら、普段から扱い慣れた環境での作業ができるため、業務効率を落とす心配がありません。また、ほかのMicrosoft製品との親和性や連携性に優れるという点も大きなメリットです。

自由なカスタマイズが可能

ERPシステムは財務会計管理や人事管理、生産管理や販売管理など、企業の基幹業務を統合的に管理するソリューションです。組織全体の基幹業務情報を一元管理することで、意思決定の迅速化や経営状況の可視化、部門間での情報共有や業務連携の強化を図ることがシステムの主な導入目的でしょう。

しかし、ERPシステムの運用成果を最大化するためには、自社の業務プロセスに最適化されたシステム環境を構築する必要があります。導入したものの、標準化や統一ができなかったり、扱いにくかったりと、その性能を発揮しきれない企業も少なくありません。Microsoft Dynamics AXはほかのモジュールに対する影響を限りなく少なくし、自由にカスタマイズ可能な拡張性と柔軟性を備えています。

グローバルビジネスにも対応

グローバル企業にとって、海外拠点との情報共有は非常に重要な経営課題です。海外の現地法人の経営データをリアルタイムに把握できなければ意思決定の遅れを招き、致命的な損失につながりかねません。

また、国境を越えた事業展開で大きな障壁となるのが言語や文化の違いです。言語や文化の違いはコミュニケーション不全によるトラブルを招く原因になります。通貨も異なるため、当然ながら決算処理もため替レートを確認しながらの作業になるでしょう。

海外事業を展開する際は、各国の言語や通過、法規制や会計制度などに対応できなければなりません。Microsoft Dynamics AXは40ヶ国以上の言語や通貨に対応しており、現地の法制度や会計制度などにも柔軟に対応できる点が大きな魅力です。

Microsoft Dynamics AXはアップグレードを検討すべき

先述したように、Microsoft Dynamics AXは、最後にリリースされた「AX 2012 R3」以外はメインストリームサポートがすでに終了しています。そのAX 2012 R3でさえも、2021年10月12日にメインストリームサポートが終了する予定です。

メインストリームサポートが終了すると、延長サポート期間に入ります。延長サポートで提供されるのは主にセキュリティ更新プログラムのみとなり、新機能の追加や仕様変更といった支援は基本的に提供されません。そして、AX 2012 R3の延長サポート終了日も2023年1月10日と間近に迫っています。したがって、Microsoft Dynamics AXを導入している企業はアップグレードを検討せねばなりません。

サポート期限が終了すると起こる問題

延長サポートが終了すると、Microsoftによる公式セキュリティアップデートは停止されます。システムの脆弱性が増加するため、セキュリティリスクが高まることになるでしょう。確かに、近年の情報通信技術は目覚ましい進歩を遂げており、さまざまな産業がIT化の恩恵を受けて発展しました。しかし一方で、情報通信技術の進歩に比例してサイバー攻撃の脅威も年々高度化かつ多角化しています。

こうした状況でセキュリティのアップデートが停止されれば、情報漏えいインシデントの発生率が飛躍的に増大すると予想されます。これを避けるためにも、現在Microsoft Dynamics AXを導入している企業は、Microsoft Dynamics 365への移行、もしくはシステム環境の刷新が喫緊の経営課題と言えるでしょう。

まとめ

現代の企業経営において、基幹業務情報を統合的に管理するERPシステムは必要不可欠なソリューションです。Microsoft Dynamics AXを活用している企業は、延長サポート終了日までにMicrosoft Dynamics 365へのアップグレードを検討しましょう。

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