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中堅・中小企業にもERPが必要な理由とは?

ビジネスを最適化しうる統合型基幹業務システム「ERP」は、多くの企業で採用されています。近年、クラウド形式のものが開発され、コストパフォーマンスが向上したことにより、大企業だけでなく、中小企業のERP導入も現実的になりました。本記事では、中小企業におけるERP導入のメリットや注意点について解説します。

中堅・中小企業にもERPが必要な理由とは?

ERP導入で失敗する8つの理由と回避策

中小企業が抱える課題とは

昨今、人材不足の解消は社会全体の課題となっています。将来に渡って労働人口の減少が見込まれており、完全に解決するのは今のところ難しいとみられています。

特に中小企業はその影響を大きく受けてしまうため、人材確保が急務であることに加え、業務効率を上げる施策を講じることも求められています。こういった状況のなか、業務効率を向上させ、少人数で高い生産性を実現する上で、ITシステムが大きな役割を果たします。

単純な繰り返し作業などは人の手を使うことなく、ツールの導入によって代替できるケースがあるので、そうした面から自動化を推進するメリットは大きいでしょう。しかしながら、未だにITシステムの導入がまったくできていない企業も存在しますし、導入はしたものの旧来型の「時代遅れ」なシステムを使い続けているケースも少なくありません。

中堅・中小企業にもERPが必要?

積極的に最新情報を取り入れ、IT関連情報に関心を持っている方でなければ、既存システムからの移行を発想できないかもしれません。ERP(統合型基幹業務システム)は大企業が導入するものだと考えて検討すらしていないということも考えられます。

しかし、ERPも進化を続けています。さまざまなバリエーションが生まれ、より使いやすく、より多くのニーズに応えられるような製品も出てきています。もちろん、大企業向けのものも存在しますし、導入割合は規模の大きな企業のほうが多いかもしれません。

しかし「ERPそのものが中小企業に向いていない」と考えるのは早計です。むしろ、中小や中堅の企業のほうが組織や業務の構造が比較的シンプルであるため、ERPによる業務の最適化が図りやすいのです。そのため、より早く、より大きなメリットを得やすいと言えます。しかも同業他社・ライバル企業での導入が進んでいない今だからこそ、先んじて導入することに価値があります。

「コンパクトであること、柔軟かつスピーディな経営活動を行いやすいこと」が中小企業の大きな武器ですが、ERPによってこの長所をさらに強化できるのです。

中小企業がERPを導入するメリット

ここからは、ERP導入によって中小企業が得られるメリットを具体的に解説します。

業務の効率化

まず言えるのは「業務効率の向上」です。

ERPでは、ある業務を単体でみたときの業務効率の向上も期待できますが、特徴的なのは他業務・他部署とのシステム連携によって組織全体としての効率性向上が期待できるということです。それぞれが独立して遂行していた仕事も、上手く連携が取れるようになれば無駄な作業を減らせますし、少ない人数でこれまで以上の成果を出せるようになります。

作業内容によっては自動化も期待できますので、これまで手作業で長い時間かけて行っていた仕事が瞬時に終わることもあり得るでしょう。

情報や業務の一元管理

前項の内容とも関係しますが、ERPでは業務および情報の一元管理ができるようになります。企業活動において発生した幅広い情報を一元的に管理するからこそ、他部署との業務連携も実現されるのです。

わかりやすいメリットとしては、「データの二重入力の手間がなくなる」「入力頻度が減ることによりミスが減少する」「無駄なコミュニケーションを削減できる」「データの検索性が向上する」「多角的なデータ分析が実現できる」ことなどが挙げられます。広範囲に点在する業務上の非効率な部分・無駄を削減し得るでしょう。

ただし、ERPが本来担うべきは、より大きな目標の達成です。データ入力に関して業務効率が上がることも当然重要ですが、経営判断の支援やそのためのデータ分析などがその本領と言えます。ヒト・モノ・カネの動きがリアルタイムに把握でき、関連する情報すべてが連動的に更新されるため、迅速かつ効果的な意思決定をサポートしてくれます。

コスト削減

ERPに興味はあるものの、コストとの兼ね合いから自社には見合わないだろうと考える方も多いのではないでしょうか。

たしかに、導入に際しては初期費用が必要ですし、一般的にはランニングコストが生じます。しかし、コストの観点から判断するなら、ERP導入によって削減されるコストにも着目しなければなりません。実際、上手く導入することで全体のコスト低下を実現した企業もあります。

とはいえ、その評価を行うことは単純な問題ではありません。さまざまな視点からERPの影響を捉えなければならず、単純な支出の変化のみで判断することも避けなくてはなりません。経営判断の過程が効率化され、その結果売上や利益が伸びることもあり得ますし、従業員の満足度が向上するといった副次的な効果にも期待できます。

当然、従業員の満足度が変わったとしても、それがすぐにコストに影響を及ぼすわけではありません。ですが、離職を抑制し、さらには対外的な評価が向上して優秀な人材の確保につながることは大いに考えられます。これにより、将来発生し得るコストを抑えることにつながるのです。

つまり、単純な眼前のコスト計算で即断せず、「ヒト・モノ・カネすべてを考慮して運用後の効果を想定すること」が大事なのです。また初期費用を抑え、短期的に運用を開始するためにはクラウド型のERPを活用するとよいでしょう。オンプレミス型に比べて初期費用を抑えられますし、柔軟に機能の取捨選択ができるなど、中小企業にも適しています。

属人性の排除

属人性を排除することで、人材の流出入があっても対応しやすくなります。中小企業だと、ある人材に依存した企業活動をしているケースも多いです。そのような場合だと、その者が退職した場合に多大な影響を受けてしまいますし、作業する者によって成果にムラが生じてしまいます。

そのため、従業員個々が持っている知識やノウハウを社内全体で共有することを目指さなくてはなりません。ERPであれば情報共有が効果的に行えますし、これまで属人的になってしまっていた業務もナレッジ化させられます。属人性が低下すれば、「後継者が見つからない・事業承継計画が遅延する」といった問題も解決に向かうでしょう。

また、成功した他社と同様の業務管理手法や標準的経営ノウハウを取り入れられるため、これまで当たり前のように行ってきた業務の改善点に気が付くこともあるでしょう。

中小企業がERP導入の際に注意すべきポイント

これまで説明してきたように、ERPの導入によりさまざまなメリットが得られます。しかし、それは導入が成功することが大前提です。安易に導入すれば、それだけでよい効果が得られるわけではありません。主に以下の点に注意しましょう。

ERPの運用体制

「導入はしたものの、その後の運用が適切にできない」というケースも、実は多いです。その結果、コストだけが生じて失敗してしまうことになります。

このため、導入前から操作性を確認し、環境を構築できるIT知識に長けたスタッフを担当に置くなどして運用体制を整えておかなくてはなりません。

操作性に関してはベンダーへのヒアリングも行いつつ、トライアル期間が設けられている製品であればその期間を有効活用し、一度実際にテスト運用しておくことをおすすめします。同等の機能を持つ製品であっても、操作性が異なればその活用度合いも変わってきます。現場スタッフが使いにくさを感じるようであれば、別の製品も試してみるようにしましょう。

また、担当を置く場合であっても、その者に丸投げしてしまう状況はよくありません。これも中小企業でよくある問題です。一部の者しか積極的に取り組まず、肝心の経営層が意欲的にならないため、結局その効果を発揮できずに運用を止めてしまうケースがあります。逆に経営層だけが積極的に取り組み、運用方法などを従業員に周知できずに失敗してしまうこともあります。つまりどんな場合も、重要なのは「全社的に取り組む」ことです。

ERPの導入目的

全社的に取り組むためにも、まずはERPの導入目的を明確にしておきましょう。「業務効率が上がるという噂なので、試しに使ってみる」というような漠然とした目的で導入したのでは、具体的な運用場面は見出せず、機能も使いこなせません。

そこで、「なぜ導入したいのか」「なにを改善したいのか」「現状の課題はなにか」といったことを一つひとつ洗い出して明らかにしていきましょう。この過程を経ておくことで「ERPをどのように使うべきか・自社にとってどんな機能が必要なのか」といったこともわかるようになります。

費用対効果

また、費用対効果について製品を選定する段階で把握することが重要です。

特に買い切り型のERPは高額であることが多く、業務効率が改善できたとしても費用対効果としてはマイナスになってしまう恐れもあります。

そこで、搭載されている機能が「自社のニーズにフィットしているか・無駄な機能がないか」といったことをチェックしておかなければなりません。たとえ安価な製品であったとしても、それが焦点を絞られた機能性に由来しており、その機能で十分足りるのであれば、自社にとっては最適な製品ということにもなります。

中小企業のERP導入ならパシフィックビジネスコンサルティング

ここまで、ERPの価値や導入の際には選定が重要であるといったことをお伝えしてきました。しかしそうはいっても、「何から手を付ければよいのかわからない」と悩む企業もあるでしょう。このような場合におすすめなのが、ERPに関するコンサルティングサービスの活用です。

例えばパシフィックビジネスコンサルティングは「Microsoft Dynamics」に特化したERP/CRMの導入・コンサルティングサービスを展開しています。20年以上に渡って導入企業のサポートをしてきた実績があり、ERPに関して悩みを抱えている中小企業でも安心して導入を進められるようになります。

また、同社では日系企業の海外における導入や外資系企業の国内における導入など、さまざまなニーズにも応えてくれます。海外現地法人の展開を考えているなど、特殊な事情を持っていても問題なく対応してもらえるでしょう。

まとめ

ERPにもバリエーションがあり、中小企業に適した製品も展開されています。近年では大企業だけが導入するシステムではなくなっており、業務の効率化やコスト削減など、さまざまな観点からも中小企業での導入をおすすめできます。

効率的かつスムーズに導入するためにはパシフィックビジネスコンサルティングのサービスを利用するとよいでしょう。

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