製造業

DX人材とはどのようなもの?確保する方法についても解説

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年問題」が差し迫っており、多くの企業でDX実現が喫緊の経営課題となっています。DXを実現するうえで不可欠となるのが、DX人材の確保です。そこで本記事では、DX人材の概要を解説するとともに、求められるスキルや想定される職種、人材確保の方法などをご紹介します。

DX人材とはどのようなもの?確保する方法についても解説

Factory of the Future

DX人材とはどのようなものか

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、「デジタル技術の活用による経営体制の抜本的な変革」を意味する概念です。DXの本質的な目的は、いわゆるデジタル活用ではなく、IoT・AI・クラウドコンピューティングなどのデジタル技術を活用し、市場の競争優位性を確立することにあります。そして、DXの推進に向けて中心的な役割を担うのが「DX人材」です。

求められる能力・姿勢

DXの本質的な目的を実現するためには、デジタル技術の導入だけでなく、その技術の活用によって経営体制を変革していく人材が求められます。たとえば、データレイクやBIツールを用いてビッグデータ分析基盤を整備しても、データ分析から得た知見を事業領域に活用するためには、統計解析や情報科学に精通したデータサイエンティストの存在が欠かせません。

同様にDXを実現するためには、最新のデジタル技術に精通するとともに、マネジメントやマーケティングの領域に関して深い知見をもつ人材が必要です。そして、DX推進における明確なビジョンを打ち出すリーダーシップや、新たな市場価値の創出に向けて主体的に取り組む姿勢も求められるでしょう。つまり、DX人材に求められる要素は「技術的な知見やスキル」「マネジメント力」「推進においての取り組み方」の3つと定義できます。

技術的な知見やスキル

DXはITに関する基礎的なものから、IoTやAIなどの専門的なものまでさまざまな技術的要素が関わるため、デジタル技術に関する総合的な知見やスキルが求められます。一例としては、クラウドコンピューティングに関する知見はもちろん、オンプレミス環境におけるシステムの設計・開発・保守・運用管理など、システム環境に関するさまざまな知識や技術が必要です。また、優れた顧客体験を提供するためには、UI・UXの設計に精通している必要もあります。

マネジメント力

DXを実現するためには、デジタル技術を活用して人的資源の配置や予算配分、納期の調整やスケジュール管理などのマネジメントを最適化する能力が不可欠です。技術的な知見やスキルをもつだけではIT化やデジタル化の領域にとどまり、本当の意味でのDX実現は困難といえます。たとえば近年では、開発工程を段階的に完了させていくアジャイル開発が注目を集めていますが、その恩恵を最大限に享受するためには、臨機応変な対応力とマネジメント能力が問われます。

推進においての取り組み方

DXを主体的に推進していくマインドセットも、DX人材に求められる重要な要素です。DXの実現は、1人で成し得るものではなく、組織全体をデジタル技術の活用による経営改革へと導けるような、周囲を巻き込む力をもった人材が求められます。

このようにDX人材には、デジタル技術に関する素養とマネジメントスキル、そして経営課題を分析・特定し、その解決に向けて新たな挑戦に取り組む姿勢といった、総合的な能力が必要といえるでしょう。

想定される職種

DX人材とは、先述した能力やマインドセットのすべてを兼ね備えた1人の人材を指す概念ではありません。デジタル技術に関する知見、マネジメント能力、組織やチームを牽引する推進力など、それぞれの分野に精通した人材を指します。ここではDX人材を具体的な職種に落とし込み、求められる能力を掘り下げていきましょう。

プロデューサー

プロデューサーは、DXの推進を統括・主導するリーダーです。DX実現の意義やビジョンを打ち出し、組織やチームを牽引する能力が求められます。マネジメント領域に精通しているのはもちろん、市場動向を見通す先見性や、人を動かすリーダーシップといった素養も必要です。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、企画・立案・推進などの領域を担う人材です。プロデューサーを補佐し、DX実現に向けたビジネスモデルやビジネスプロセスを具体的に描く役割を果たします。枠にとらわれない柔軟な発想力や、アイデアを具体化する言語化能力、それらを組織全体に浸透させる調整能力といったスキルが必要です。

アーキテクト

アーキテクトは、DXに求められるシステムの設計を行う人材です。ビジネスデザイナーが立案した企画やアイデアの実現に向けて、システムの要件定義や仕様策定といったアーキテクチャの設計領域を担当します。システムの設計や構築に関するスキルだけでなく、それらをビジネス課題の解決へと導く幅広い知見が求められます。

データサイエンティスト・AIエンジニア

データサイエンティストは、収集・蓄積された膨大なデータを分析し、戦略策定に活用する知見を引き出す人材です。片やAIエンジニアは、機械学習やディープラーニングなどのAI技術に精通したエンジニアを指します。データサイエンティストとAIエンジニアは、主にビッグデータ分析の領域における知見が求められる職種です。

UXデザイナー

UXデザイナーは、サービスの顧客体験をデザインする人材です。ユーザーがサービスやプロダクトに求めるニーズを分析し、その実現に向けてUIや仕様などを設計します。ビジュアル的なセンスだけでなく、人間工学や認知工学に精通し、その知見をUIに落とし込める能力が求められます。

エンジニア・プログラマー

エンジニアとプログラマーは、ITインフラの構築やシステムの実装などを担当する人材です。アーキテクトの設計に基づいてコーディングを実行し、システムを完成させます。担当領域によって異なりますが、PythonやJava、Ruby、JavaScriptといった複数のプログラミング言語を扱えるスキルが求められます。

DX人材を確保する方法とは

DX人材を確保する手段としては、「採用」「育成」「外注」の3つが挙げられます。人材確保の方法はこの3つに限定されるといっても過言ではなく、経営体制やビジネスモデルによって最適解は異なります。ここからは、採用・育成・外注の基本的な概要について見ていきましょう。

採用

DXの実現に寄与する優秀な人材を採用活動によって発掘し、自社の従業員として雇用する方法です。現代日本は少子高齢化の進展によって人材不足が深刻化しているため、企業にとって優秀な人材の確保は、最も重要な経営課題のひとつといえるでしょう。しかし当然、高度なスキルや深い知識を備えた人材は獲得競争率が高く、採用するのは容易ではありません。

育成

既存の従業員をDX人材に教育する方法です。DX人材の採用と比較すると即効性に劣り、育成には時間もコストも要します。しかし、DX人材の教育プログラムやフレームワークを体系化できれば、既存のリソースで経営基盤の総合的な強化を図れる点が大きなメリットです。そのため、採用や外注といった方法を選択する場合においても、同時に推進すべき施策といえるでしょう。

外注

高い専門性をもつ優秀な人材をアウトソーシングによって確保する方法です。豊富な知見を備える事業者からの支援を受けることで、DX人材を迅速かつ必要な場面で獲得できるメリットがあります。無論、あくまでも外部のリソースであるため、すべてを思った通りに進められるとは限りませんが、DXの推進を支援する存在として、やはり積極的に活用すべき方法といえるでしょう。

まとめ

DXを実現するためには、最先端のデジタル技術と高い専門性を備えたDX人材が欠かせません。競合他社にはない新たな市場価値を創出し、優れた顧客体験を提供するためにも、ぜひDXの実現に取り組んでみてください。Microsoft Azureのようなクラウドコンピューティングの活用は、その実現を支援する一助となるでしょう。

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