建設・ビル管理

仕事スペースのこれから。AIを活用した未来のオフィス空間とは?

今注目される、異なる企業や組織の人が、事務所や会議室、打ち合わせ場所などの仕事場を共有する「コワーキング」というスタイルです。この記事では、その場所となるコワーキングスペースの発展と現状を紹介します。そして、AIやIoTを活用した未来のオフィス空間としてどのように進化していくのかを事例と共に解説します。

仕事スペースのこれから。AIを活用した未来のオフィス空間とは?

Smart Buildings & Spaces 総合カタログ

コワーキングスペースの現状

昨今、コワーキングスペースの市場規模は年々拡大しています。CBREが2018年に発表したレポート「コワーキングオフィス - 新たな働き方のプラットフォーム」によると、東京23区内の賃貸オフィス全体の面積におけるコワーキングスペースの割合は微小ながら、成約数からみる新規開設数は着実に増加しているといえます。

2015~2016年における新規開設数が20件程度だったところ、2017年は40件超、2018年は80件超となっており、その増加は短期間に急激に起きたものであることがわかります。また全国のコワーキングスペースを検索できるウェブサイト「コワーキングスペース検索」における登録物件数は、2020年7月時点で1,190件です。

市場規模が拡大している背景

コワーキングスペースの市場規模が拡大する背景には、複数の理由があると考えられます。

まずは、様々な職種におけるフリーランスの増加です。ランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査2018年版」によれば、2015年に913万人だったフリーランス人口は、2018年にはおよそ1.2倍の1,119万人まで増えています。なお1,119万人とは、日本の労働力人口の17%にあたる数値です。

その他、海外企業のコワーキングスペースビジネスへの参入や、働き方改革の一環としてテレワークが拡大したことも、市場拡大の背景として考えられます。総務省の調査では、企業のテレワーク導入率は2012~2014年は10%前後での推移だったところ、2018年には19.1%まで上昇していることがわかります。

テレワークは、新型コロナウイルスの影響によりさらなる広がりをみせています。株式会社パーソル総合研究所によれば、緊急事態宣言が行われる前の2020年3月9日~3月15日におけるテレワーク実施率は13.2%だったところ、宣言後の4月10日~4月12日には27.9%に増加したとのことです。

仕事スペースは今後どうなる?

フリーランスの増加や働き方の多様化、感染症の拡大などを背景に、今後もテレワークが推奨される傾向は続いていくと考えられ、それに伴いコワーキングスペースの需要も増加すると推測されます。

またコワーキングスペースビジネスに参入する企業が増加すると、企業間競争が増し、他社と差別化をはかる動きも生まれます。たとえば2019年7月に開設した「point 0 marunouchi」では、AIやIoTを活用し、働く人の動きや設置機器の運用データ等を収集・分析して新しいサービスを創出する実証実験を行っています。このように、AI、IoTの活用を初めとした品質向上・改善の動きは各コワーキングスペース事業者間で広がっていくことでしょう。

未来のオフィスワークに向けた動きを紹介

では、これからのオフィスワークに対応するため、コワーキングスペースではどのような取り組みがなされているのでしょうか。今注目されている動きをピックアップしていきます。

wecrew/ISID(電通国際情報サービス)

wecrew(ウィクルー)は、オフィスの利用状況と空調や照明等の自動制御システムを連携するソリューションです。オフィススペースの利用状況を把握・可視化し、利用状況に応じオフィスの照明・空調などの使用のコントロール、会議室の予約状況の管理などを行うことができます。

たとえばスペースに利用者がいないと判断される場合は、照明を落としたり空調を調整したりします。また予約時間になっても会議室が使われなかったり、予約時間前に会議室からユーザーが退出したりした場合には、会議室を開放して他の利用者が使えるようにします。
これによってスペースのファシリティの稼働効率やエネルギー効率を向上させながら、利用状況をリアルタイムで可視化・分析できるようになります。またシステムの自動制御のおかげで、管理者の負担も軽減されます。

DEXPF™/ぷらっとホーム

DEXPF™はプラットフォームやクラウドを超えて、デバイスやデータ・サービスの通信ができるようになるデータ伝送基盤です。

多くのIoTシステムはシングルドメイン型であり、プラットフォームをまたぐかたちでデバイスを利用したり、異なるクラウド間でデータ・サービスの連携をしたりすることができません。それに対して、EXPF™はクロスドメイン型なので、プラットフォーム間・クラウド間の違いを吸収し、別のクラウド・プラットフォームでもデバイスやデータの利用を可能にします。

前の項で紹介したコワーキングスペース「point 0 marunouchi」は、DEXPF™を採用しています。point 0 marunouchiでは、設備内のあらゆる機器のデータを複数の企業が利用していることから、DEXPF™のように柔軟なデータ伝送基盤が役に立つわけです。

まとめ

近年、フリーランスの増加や働き方改革の一環としてテレワークが広がっていることを背景に、コワーキングスペース市場が拡大を続けています。コワーキングスペース間の競争も激しくなっており、AI・IoTを活用した品質向上によって差別化を図ろうとする動きが顕著となっています。

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