業務効率化

業務改革と業務改善の違いとは? 改革のメリットや進め方を解説

業務効率化を図るうえで重要なのが「業務改革」です。似た言葉に「業務改善」がありますが、これらはどう違うのでしょうか。本記事では2つの違いを解説したうえで、業務改革のメリットや進め方についてご紹介します。自社で業務改革を進めたいものの、どうすればよいかわからないというマネジメント層の方は、ぜひご一読ください。

業務改革と業務改善の違いとは? 改革のメリットや進め方を解説

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業務改革(BPR)の意味とは?

BPRとは「Business Process Re-engineering (ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の頭文字を取った略称で、日本語では「業務改革」や「業務再設計」と訳されます。マサチューセッツ大学のマイケル・ハマー教授が提唱し、1990年代前半より日本でも広まり始めた概念です。

企業の業務プロセスは、過去に蓄積したノウハウや取引先との関係、企業文化や風習などに基づき、その時点で最善の方法が選択されています。しかし、長い時間が経過すれば技術も進歩し、取引先との関係や風習にも変化が現れるでしょう。

それにもかかわらず、いったん決定されたプロセスに固執し、見直しを行わない企業は少なくありません。本来なら技術の進歩により省略・自動化できるプロセスでも、形骸化したまま継続されているケースは多く見受けられます。

業務改革とは、そうした業務プロセスを抜本的に見直し、課題や問題点を洗い出したうえで、新たに最善の方法を再構成する作業です。それにより生産性を損ねているムダな業務や、顧客の満足度を阻害するプロセスなどが削減され、業務効率化や業績向上が期待できます。

現代は人手不足にもかかわらず、企業に残業や休日出勤を減らしたうえで、生産性の向上まで求められる時代です。そうした時代のニーズに応えるためにも、企業は定期的に業務改革を行い、常に効率的な業務プロセスの構築を心がける必要があるでしょう。

業務改善と業務改革の違い

業務改革と似た言葉で、混同されて使われることが多いのが「業務改善」です。この2つには、一体どのような違いがあるのでしょうか。

業務改革とは前項でご紹介したように、業務プロセス全体を抜本的に見直し、問題点や課題を洗い出したうえで再構成するものです。改革の範囲は広く、場合によっては組織全体に及ぶこともあります。

一方、業務改善とは業務プロセスの一部を見直し、効率化を図っていくもので、改善の範囲は業務改革に比べ小規模です。プロセス中に存在するムダを少しずつ減らしていくことで生産性向上を目指すため、持続的な活動を必要とします。

業務改善は、表向きには大きな変化が起こらないため、組織内の反発は少ないでしょう。しかし、一度の試みで大きな成果を得たいなら、既存のプロセスを壊して組み直す業務改革のほうが適しています。

業務改革のメリット

業務改革の主なメリットとして挙げられるのは、以下の2点です。それぞれ詳しくご紹介します。

顧客と従業員の満足度の向上

業務改革は顧客・従業員双方に利益をもたらします。まず費用面では、無駄なコストを削減することで、値下げやより充実した商品・サービス提供のための投資が可能になります。また、自動化などにより浮いたマンパワーを商品開発やアフターフォロー、サービス向上などに充てられるので、顧客満足度のアップも期待できるでしょう。

さらに、無駄なプロセスを省略したり短縮したりすることで、従業員の残業時間や休日出勤も減らせます。形骸化した業務に割いていた労力を、よりやりがいのある業務に充てられるため、従業員の満足度も向上するでしょう。

生産効率の向上

業務改革は、まず業務フローや組織構造全体を把握し、課題や問題点を洗い出すところから始まります。それにより、生産性が上がらなかった原因が意外なところで見つかることも少なくありません。

ローテーションの業務では見過ごされがちな課題を、俯瞰して見ることで発見できるのは大きなメリットです。効率化というとデジタル化・自動化にばかり目がいきがちですが、そうした業務プロセスのウィークポイントを排除・改善するだけでも、生産効率の大幅な向上が見込めるでしょう。

業務改革の進め方

では、業務改革はどのように進めていけばよいのでしょうか。ここからは、4つの具体的なプロセスについて詳しくご紹介します。

目標の設定

業務改革に取り組むうえでは、まず目標を設定することが重要です。業務改革は組織全体に影響が及ぶ場合もあるため、従業員が共有できる目標がなければ上手く進みません。

目標については「売上何%アップ」や「何%のコスト削減」など、具体的に数値で表せるものがよいでしょう。「業務の効率化」などの漠然とした目標では、個人の認識にズレが生じるおそれがありますが、数値なら皆が共通で認識できるからです。

また、業務改革は社内に大規模な変化をもたらすため、目標の設定にも従業員の同意を得ることが必要です。企業理念や社風なども考慮しながら、社内のコンセンサスを得やすい目標を立てましょう。

戦略の設計

目標が設定できたら、業務の流れや担当者を図式化した「業務フローチャート」を作成し、それを分析して問題点や課題を洗い出していきます。課題の分析には、専用の分析ツールを用いてもよいでしょう。

特に、物事を決定するために役職者の承認をもらう「稟議」のプロセスは、改善できる点がたくさんあります。アナログな書類からITツールに切り替える、現場の裁量権を拡大するなどして、効率化を図りましょう。また、データ処理などのノンコア業務をアウトソーシングしたり、経理・人事・総務などの業務にシェアードサービスを活用したりするのも、選択肢のひとつです。

さらに、ERP(統合基幹業務システム)やCRM(顧客関係管理)といったITシステムを導入することで、効率化を図る企業も増えています。これらのシステムはクラウドで運用されることが多く、コストを抑えながら情報を一元管理できるのがメリットです。自社の目標や方針と照らし合わせながら、適した方法を検討しましょう。

改革の実施

戦略が決まれば、いよいよ改革を実行します。実施後はマネジメント側と従業員側がともに情報を共有し、方針からずれていないか、ほかの業務に支障が出ていないかなどを適宜確認しながら進めていきます。

改革にあたっては、マネジメント側が主導権を握りがちですが、あくまで業務を遂行するのは現場の人間です。現場からの声には真摯に耳を傾け、従業員が忖度なく意見できる環境づくりを心がけましょう。

また、途中経過でも目標に向かって適切に進められているかどうかがわかるよう、中間地点や節目のポイントで目標を定めておくとよいでしょう。具体的な数値を細かく設定しておくことで、目標までの成果を社内で共有できます。

効果の評価

改革の実施後は、関係者にモニタリングを行い、業務プロセスを変更したことにより日常業務に支障が出ていないか、効果はどのぐらい上がっているかなどをリサーチします。併せて、目標としていた数値を達成しているかの評価も行います。

もし成果があまり上がっていなかったり、改善点があったりする場合は、該当プロセスに修正を加えなければなりません。場合によっては、目標設定からやり直す必要もあります。こうした作業を繰り返すことにより、より現場が働きやすい効率的な業務プロセスを構築できるでしょう。たとえモニタリングの結果が現在の改革に反映できなかったとしても、次回の改革に役立てられるので、効果の評価を行うことは非常に重要です。

まとめ

業務改革は既存の業務プロセスにメスを入れ、大胆な効率化を目指すために有効な手段です。改革の実施には、デジタルツールを活用するとより高い効果が得られます。「Microsoft 365」には、業務改革に役立つツールやアプリケーションが多数備わっていますので、ぜひ導入をご検討ください。

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