- 仕事で使用するコミュニケーションツール第1位:メール
- 1日の仕事のうち、ビジネスメールの平均通数:送信12.62通、受信39.28通
- 仕事のメールを確認する頻度が「1日に10回以上」:回答数47.93%(最多)
- メール1通を作成するのにかかる平均時間:6分
これは、一般社団法人日本ビジネスメール協会が毎年発表している、ビジネスメール実態調査2017年版の調査結果です。
この調査結果をもとにすると、1日のうちメール作成に費やしている平均時間は1時間以上ということになります。さらに、メール作成以外にもフォルダ整理など、ビジネスメールに関する作業がたくさんあるので、少なくとも1日のうち1時間半以上メールに触れているとい方が多いのではないでしょうか?
1日1時間半だとすると、年間で367.5時間、1日8時間労働で換算するとなんと約46営業日にもなります。
では、ビジネスメール作業を1日30分削減できると、どれほどの時間短縮になるのか?上記と同じように計算すると、約30営業日まで短縮されます。1日30分作業効率をアップするだけで、年間で16日分も削減されるというわけです。
今回は、「ビジネスメール作業の時間短縮は、日々の効率化に繋がる」というテーマで、Office 365のメール振り分け機能について紹介していきます。
Office 365のメール振り分け機能とは?
複数のサービスで構成されているOffice 365の中で、ビジネスメールを提供するのはExchange Onlineです。サーバ製品としても高いシェアを持つExchangeの、オンライン版になります。
このExchange Onlineは単なるメールサービスではなく、予定表やアドレス帳機能なども備えており、グループウェアとしての役割も果たしています。その様々な機能の中で、ビジネスメール効率化に活用していただきたいのがメール振り分け機能です。正確にはルール機能といいますが、ここでは分かりやすくするためにメール振り分け機能と紹介していきます。
Office 365のメール振り分け機能が、他のメールシステムのそれよりも優れている点は2つあります。まずはテナントとユーザーという、2つの領域でメール振り分けが行ることです。
ビジネス向けOffice 365は、基本的に会社という組織に対してサービスを提供するものなので、テナントという単位でユーザーを組織的に扱います。テナントの下には複数のユーザーが存在するため、Office 365という建物の中にいくつものユーザーがいるというイメージです。
そのため、Office 365では様々な設定をテナントごとの管理も、ユーザーごとの管理もできるようになっています。
もう一つの優位点は、単語によってメールの振り分けが可能ということです。例えば「○×プロジェクト」という単語が含まれるメールは△△フォルダに保存するというルールを設定すれば、それに従ってメールが自動的に振り分けられます。
これらの機能を最大限活用することで、1日30分のメール作業時間短縮も夢ではありません。
ちなみに、メール振り分け機能はテナント単位の方が優先的に適用されます。例えば、「ギャンブル」という単語が入っているメールは自動的に削除される、というルールをテナント管理で設定していれば、ユーザーがどのようなメール振り分けをしても該当するメールは削除されます。
ビジネスメール効率で大切なことは?
一番大切なことは、メールを振り分けたり優先的に対応するための明確なルールを作ることです。ビジネスメールに多くの時間を費やしてしまう人は、往々にして明確なルールを設定しておらず、不必要に時間をかけてしまう傾向があります。
そのため、まずはビジネスメールを効率化するためのルールが必要なのです。ちなみにルールとはメール振り分け時に設定するものを言っているのではなく、いわば自分ルールのようなものです。
次に大切なことは、適切かつシンプルなフォルダ分類をしてメールを見やすくすることです。日々のメール作業を効率化するためにフォルダ分けを細かくする方は多いでしょう。しかし、フォルダを作り過ぎて、結果として複雑な管理になってしまいます。
以上2つの大切なことを念頭に置きながら、メール振り分け機能の活用方法を見ていきましょう。
メール振り分け機能の活用方法
①メールは3つの考え方で分類する
日々大量に受信するビジネスメールを、こと細かくチェックすることは明らかに時間の無駄です。そこでまずは、すぐ対応する、あとで確認する、残しておくという3つの考え方を身に付ける必要があります。
すぐ対応するというのは、緊急かつその日中に対応しなければならないメールです。取引先からの見積依頼であったり、業務指示メールなどが主に該当します。
あとで確認するは、対応の必要はあるけれど緊急ではないというメールです。業務日報メールやメールマガジンなどがこれに該当します。
最後に残しておくとは、対応の必要はないが情報として保存しておく必要があるメールです。例えば議事録メールや同僚から送られた参考資料などが該当します。
このように、3つの考え方を身に付けると、メール振り分けによる作業効率が劇的に上がります。
②プロジェクトで振り分ける
取引先とのメールは基本的に重要なものばかりであり、緊急的な対応が必要な場合も多いでしょう。しかし、取引先担当者ごとにフォルダを作って分けるとなると、メールフォルダが大量になり複雑化します。
そこで、プロジェクトごとにメールを振り分けましょう。取引先とのメールは件名にプロジェクト名が付いていることも多く、メール振り分け機能で単語ごとに振り分けルールを設定すれば、容易に振り分けが可能です。
③メルマガや参考資料用のフォルダを作成する
メールマガジンや参考資料は、すぐに確認しなければならないメールではありません。しかし、そうしたメールがメインフォルダに溜まっていくと、重要なメールがそれに埋もれて対応漏れが発生する可能性があります。さらに、手作業でフォルダ移動するのもかなりの手間なので、最初からメルマガや参考資料用のフォルダを作成し、自動的に振り分けられるように設定しましょう。
終業時、メインフォルダの中身は「メールゼロ」を目指そう
いかがでしょうか?Office 365のメール振り分け機能を活用すれば、ビジネスメール対応の作業時間を大幅に短縮し、ひいては生産性の向上に繋がります。最後にビジネスメール効率化のワンポイントアドバイスを紹介すると、その日の終業時、メインフォルダの中身はメールが残っていない状態を作ることが大切です。
出社してすぐというのは、1日のうちで最も活力がある時間なので、優先的に処理すべきタスクは朝一で行うことがベストです。しかし、メインフォルダにメールが大量にあると、どうしてもそちらの対応を優先してしまいがちで、メール作業という優先度の低い業務に朝のエネルギーを消費してしまいます。
ですので、終業時にはメインフォルダの中身はメールゼロを目指し、ビジネスメール効率化に取り組んでいきましょう。