予約システムに便利なMicrosoft Bookingsとは？基本的な運用法などを紹介

個人サロンや美容室などでよく目にする予約ページは、従来までは有料のプラットフォームを利用するか、専用のサイトを立ち上げるなどを行う必要がありました。

しかし現在では、無料でオンライン上に予約ページを作成できる「Microsoft Bookigs」というサービスが提供されており、誰でも手軽に予約管理を行える時代です。

また、利用用途は「顧客向けの予約管理」だけでなく「社内向けの備品管理」などにも活用でき、アイデア次第ではさまざまな用途に応用が可能です。

本記事では、Microsoft Bookigsの特徴や利用できるサービス、必要なライセンスを紹介します。具体的な予約ページ設定方法なども併せて解説しているので、活用したいという方はぜひ参考にしてみてください。

Microsoft Bookingsとは？

Microsoft Bookingsとは、Microsoftが提供する予約管理サービスです。無料で利用でき、かつ誰でも簡単に独自の予約ページを作成できるため、さまざまな利用シーンで活用されています。

概要

Microsoft Bookingsは、Microsoft 365やOffice 365に含まれる「予約管理」を効率化できる業務効率化アプリケーションです。専用の予約フォームの作成から、予約変更・キャンセルなどを一元管理できます。

具体的な利用シーンとしては、美容室やサロン予約、採用面接、オンラインウェビナー予約などがあります。ユーザーと管理者側のスケジュール調整が必要なもの全てに利用可能です。

また、登録されたスケジュールは、Microsoftが提供するOutlookやTeamsなどのアプリケーションとも連携が可能で、予約管理プロセスを自動化することができます。

主な機能

主な機能は、「顧客の予約管理」がメインですが、予約のデジタル化をすることで過去の利用状況や連絡先を簡単に参照できたり、予約確定時にメール通知や予約日になるとリマインダーを送信したりできます。

また、担当スタッフの管理や割り当てなども可能で、予約管理業務における負担と予約処理を正確に完了できるようになります。

Microsoft Bookingsのメリット

無料で利用できるMicrosoftBookigsのメリットについてご紹介していきます。予約管理だけでなく、備品管理にも応用できとてもメリットが高いサービスです。

予約サイトが簡単に作成できる

主なメリットは、予約サイトが専門的な知識やコーディング、専用プラットフォームなどが不要で、誰でも手軽に作成できる点です。

情報を表示する機能を持つホームページなどと異なり、ユーザー操作に対して予約結果の返答を行う必要があり、予約サイトを1から作成するとなると、初心者がいきなり作成するには難しいものがあります。また、有料のプラットフォームを使えば簡単に作成できますが、月々のランニングコストが必要です。

その点、Microsoft Bookingsでは、アカウントさえあれば無料で作成できるため、予約サイト作成のハードルがかなり下がるでしょう。

ダブルブッキング防止に役立つ

予約サイトを通して、顧客の予約管理をすることで、連携不足によるダブルブッキングを防止できます。

予約状況はリアルタイムで反映されるため、誤って「同一の時間帯に複数の顧客の予約を入れてしまった」といったこともなくなります。

顧客の予約情報だけでなく、備品や対応するスタッフなども割り当てが可能なので、予約管理における手間や間違いが軽減されます。

備品管理ができる

Microsoft Bookingsは、対象が顧客の予約管理だけでなく、社内スタッフに対して行うことも可能です。社内会議室やプロジェクター、ICレコーダー、Webカメラなどの備品も管理でき、社内のどこでいつ誰が使っているのかを把握できます。

社内備品を管理できることは、「会議直前に備品がなかった」「会議室の予約が重複してしまった」といったことを防ぐことができ、円滑な業務のサポートになります。

Microsoft Bookingsのデメリット

Microsoft Bookigsは、メリットがある一方でデメリットも存在します。よい面だけでなく、悪い面も許容ができるのか、理解した上で導入を検討しましょう。

大企業には向いていない

デメリットとして、もともとはサロンや美容室を経営する個人事業主など向けの小規模向けサービスであり、大規模な会社には適していない点があります。

特に、カスタマイズ性の観点では、独自のデザインや企業ごとの特徴を出したい場合などにはデザインの自由度が低く、不便に感じてしまうかもしれません。

カスタマイズが難しい

誰でも手軽に簡単に予約サイトを導入できる点がメリットである一方で、複雑な設定を必要としないため、デザイン変更や機能追加などが難しい点がデメリットとして挙げられます。

予約機能に、顧客ごとの利用頻度調査を組み合わせたり、社内の売上データと連携した分析を行ったりと、予約機能以上のものを求める場合には不向きです。

そのため、ノーカスタマイズで、予約機能としてのみ活用したい場合に有効なサービスであるといえます。

基本的な使い方

Microsoft Bookigsの基本的な使用方法について説明します。まずは、下記を参考に汎用的な予約ページを作成してみましょう。

予約ページを作る

基本的な予約ページの作成方法について、説明します。基本的な作成方法は同じで、応用できるため「一般顧客の来店予約」や「備品管理」などさまざまな用途で活用できます。

Step1：Microsoft Bookigsにアクセス

Step2：「作成」または「共有予約ページの作成」を押下

Step3：「最初から作成」を押下
※既存の予約ページを複製する場合は、対象のページを選択

Step4：予約サイトの基本情報を入力
「名前」：作成する予約ページの名称
「業種」：作成する予約ページの業種
「勤務時間」：予約を受け付けできる時間・曜日を指定

Step5：対応するスタッフを登録

Step6：提供するサービス内容（予約対象のサービス）を設定
「サービス名」：提供するサービスの名称
「サービス時間」：サービスの提供時間
「稼働日と時間」：予約を受付できる時間

Step7：予約ページにアクセスし、予約できる利用者を設定

以上で、基本的な予約ページの作成は完了です。作成が完了すれば、予約ページを共有できるURLリンクが表示されるので、URLをコピーして、さまざまな場所で掲載できます。

予約ページをカスタマイズする

基本的な予約ページができれば、用途や使用シーンに合わせてデザイン・設定を独自にカスタマイズが可能です。

予約ページの設定をカスタマイズ

提供するサービスによっては、予約時に住所や電話番号などの個人情報を入力が必要なケースもあります。その際には、個人情報保護の観点から、顧客に同意してもらった状態で予約を成立させてください。

Step1：Microsoft Bookigsからカスタマイズした予約ページを選択
Step2：「予約ページ」の「顧客データの利用の同意」を選択
Step3：「顧客データの収集と利用目的」を入力

また、顧客側から予約をキャンセルできる日数も設定可能です。

Step1：Microsoft Bookigsからカスタマイズした予約ページを選択
Step2：「予約ページ」の「既定のスケジュールポリシー」から設定・変更が可能

予約ページのデザインをカスタマイズ

Step1：Microsoft Bookigsからカスタマイズした予約ページを選択
Step2：「予約ページ」の「ページをカスタマイズ」から、設定が変更可能

予約ページの色味や企業ロゴなどの表示有無を変更することが可能です。デザインの自由度は低いですが、提供するサービスに合ったデザインに変更できます。

全ての設定が終わったら、画面上部にある「保存」を押下する必要があるため、注意してください。

Microsoft Bookingsが使えるライセンスは？

Microsoft Bookingsは便利なツールではありますが、Mirosoft 365を全てのライセンスで利用できるわけではありません。以下に記載する、対象となるライセンスを利用しているユーザーのみが、追加費用なしで利用できます。

Microsofy Bookingsが利用できるMicrosoft 365のプランは、以下の通りです。

Microsoft Bookingsが使えるシーン

Microsoft Bookingsは、下記のようなシーンで利用できます。

Microsoft Bookingsの予約問題を解決する

サービス利用中に、不具合や重複予約などのトラブルが発生してしまった場合の対処方法について説明します。まずは、下記の内容を実践し、それでも解決できない場合にはMicrosoftに問い合わせてみてください。

「不具合時」の対応策

重複予約の回避と対処法

重複予約の確認をし、発生している場合は予約の削除・調整をしてください。事前に設定を行っていない場合、同じ日時に複数の予約が入ってしまう可能性があります。

担当スタッフのリソース状況は、常に最新の状態になるように管理が必要です。

備品管理をする

冒頭でもお伝えしたように、Microsoft Bokigsは予約管理だけでなく備品管理にも活用できます。以下で、具体的な設定方法について解説しています。

備品予約の設定方法

基本的な作成手順は、予約ページの作成と同様ですが、新規で予約ページを作成した後、サービスの詳細を入力する際に「サービスの種類」を「備品」に設定する必要があります。

種類を備品に変更することで、社内で使用する備品を予約ページに設定することが可能になります。予約ページを作成した際と同様に、備品の予約状況がOutlookなどの予定表にもリアルタイムで反映されます。

備品管理を効率化するヒント

重要な備品や数が少ない会議室などは、利用状況を予約表で管理するだけでなく、予約が入った際に自動的に返却期限や期日のリマインダーなどの通知を行うことで、返し忘れや利用頻度の高い備品の長期利用を防ぐことが可能です。

また、備品管理をデジタル化すると、直接備品を確認して利用可否を判断する機会が減少します。しかし、故障やトラブルが発生していた場合に発見が遅れ、いざという際に使用できなくなる可能性もあります。

そのため、Microsoft Bookigsの導入と同時に、備品の定期的な点検やメンテナンススケジュールを設定するなどを行い、備品の状態を管理しておくことが重要です。

予約ページの作り方と調整削除

予約の調整は、予定表から簡単に行うことができますが不要な予約ページを完全に削除するには、管理者権限が付与されたアカウントでなければできないため、注意が必要です。

また、予約キャンセル時に関係者へのメール通知設定方法なども併せて記載しています。ぜひ参考にしてみてください。

不要な予約の調整・削除方法

予約ページに予約が入ると、「新しいご予約」というメールが届きます。また、Microsoft Bookingsの予定表およびOutlookなどの予定表に予約スケジュールが反映されます。

これらの予約を「変更」または「キャンセル」したい場合には、該当の予約を選択し、表示されたウィンドウで変更を行います。

予約をキャンセルする場合には、「予約をキャンセルして、顧客とスタッフに通知します」というウィンドウが表示されるので、必要に応じて顧客や関係者にメッセージを送付できます。

不要な予約ページの削除方法

予約ページそのものが不要になった場合は、Microsoft Bookigsからでは削除が行えないため、「Microsoft 365管理センター」にログインして予約ページを削除する必要があります。

管理者権限を持つMicrosoftアカウントでログインすると、作成した予約ページが表示されているので、「ユーザーの削除」から不要な予約ページを削除しましょう。
管理者権限が割り当てられたアカウントによる操作が必要なため、注意が必要です。

まとめ

本記事では、Microsoft Bookigsの特徴や利用できるサービス、必要なライセンス、具体的な予約ページ設定方法などを解説しました。

Microsoft Bookingsは、小規模事業向けのサービスであるため、機能のカスタマイズ性や企業ごとの特徴を出したい場合にデザインの自由度が低いなどのデメリットはあります。しかし、基本的な予約機能から自動通知、予定表連携などを無料で簡単に行えるとても便利なツールです。

この記事でも紹介したように、予約ページの作成や設定もとても簡単で、ITの知識やツールに詳しくない人でも手軽に対応できるのが利点です。

ぜひ、この機会にMicrosoft Bookigsの利用を検討されてみてはいかがでしょうか。