業務効率化

ハイブリッド型デジタルワークプレイスの必要性と抑えておきたいポイント

近年、テレワークとオフィスワークを組み合わせた働き方を推進する企業が増加傾向にあります。そんなハイブリッドワークを実現するために欠かせないのが「デジタルワークプレイス」です。本記事では、デジタルワークプレイスの概要や注目を集めているハイブリッドワークについて解説します。

ハイブリッド型デジタルワークプレイスの必要性と抑えておきたいポイント

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デジタルワークプレイス(DWP)とは

「デジタルワークプレイス(以下、DWP)」とは、デジタル空間に構築された先進的な業務環境を指します。オンラインストレージやWeb会議システム、プロジェクト管理システム、ビジネスチャット、ワークフローシステムといったパブリッククラウドの特性を活かし、時間や場所にとらわれることなく働ける仕事空間がDWPです。

DWPが必要とされる背景には、2018年6月に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立したことが挙げられます。いわゆる「働き方改革関連法」は2019年4月より施行され、長時間労働の是正やワークライフバランスの充実、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保など、企業は新しい時代に即した労働環境の構築が求められるようになりました。
さらに2020年3月に新型コロナウイルス感染症がパンデミック認定され、働き方改革の推進と相まってテレワーク制度を導入する企業が増加しました。とくに新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、パーソル総合研究所の調査では2020年3月の時点で13.2%だった正社員のテレワーク実施率が、緊急事態宣言発令後の4月以降には27.9%と約2.1倍にまで上昇しています。

働き方改革の推進と新型コロナウイルス感染症の影響により、企業では従来のオフィス環境と同等以上の生産性を確保するテレワーク環境の整備が急務となりました。テレワーク環境を最適化するためには、時間や場所にとらわれることなく社内ネットワークにアクセスできる業務環境を整備しなくてはなりません。このような背景から、業務環境そのものをデジタル空間に構築するDWPが大きな注目を集めているのです。

デジタルワークスペースとの違い

DWPとデジタルワークスペースは、ほぼ同義語として扱われる傾向にありますが、厳密には異なる意味合いをもつ概念です。「Workplace」は「仕事場」や「職場」といった意味合いをもつ英単語であり、DWPはデジタル上に構築された業務環境や職場環境そのものを指します。一方で「Space」は「場所」や「空間」と訳される概念であり、デジタルワークスペースは業務の遂行に必要なデジタル上のソリューションを指します。

DWPはデジタル上に構築された組織全体の業務環境であり、企業に属するすべての従業員がコミュニケーションとコラボレーションを創出する場所です。デジタルワークスペースはオンラインストレージやビジネスチャット、タスク管理システムなど、DWPを構築する上で欠かせないソリューションや、それらが配置されている個人的なデジタル上の業務環境などを意味します。

一般的にDWPはすべての従業員に共通となる固定的なプラットフォームであり、デジタルワークスペースは個人のニーズや環境の変化に応じて柔軟に変化します。DWPはデジタルワークスペースを包括するより大きな概念であり、デジタルワークスペースはDWPを構成するための一要素といえるでしょう。しかし、どちらも基本的に必要なソリューションは同じであり、それぞれの定義の違いはそれほど重要なテーマではありません。

デジタルワークスペースで実現できること

冒頭で述べたように、働き方改革や新型コロナウイルス感染症などの影響により、企業では労働環境の抜本的な変革が求められています。長時間労働や残業が規制されるなかで従来と同等以上の労働生産性を確保するためには、より効率的な生産体制を構築しなくてはなりません。しかし、日本生産性本部の調査によると、日本は世界第3位のGDPを誇る経済大国でありながら、一人あたりの労働生産性はOECD加盟38カ国中28位となっています。

少子高齢化によって生産年齢人口の減少と人材不足が深刻化するなか、企業がより効率的な生産体制を構築するためには、デジタル技術の活用による経営改革「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が不可欠です。そして、DXを実現するためには優れたデジタルソリューションの活用が必須であり、デジタルワークスペースの導入によるDWPの構築が欠かせません。

なかでも重要となるのがクラウドサービスの活用です。アジリティとスケーラビリティに優れるクラウドをベースにITインフラを構築できれば、リモート型の労働環境における業務連携の強化と情報共有の円滑化に寄与します。その結果、組織全体の業務効率化と生産性向上に貢献するとともに、育児や介護といった事情を抱える人材確保につながり、ひいてはDXの実現へと至る可能性が高まります。

これからの時代はハイブリッドなDWPが主流に?

テレワーク環境では従業員の出社が不要になるため、企業側は通勤手当やオフィスコストを削減でき、従業員側は柔軟かつ多様な働き方が可能になるというメリットがあります。しかし、リモート型の労働環境では従業員同士のコミュニケーションが希薄化し、さらにプロジェクト管理や勤怠管理が困難になるなど、デメリットも少なくありません。

また、テレワーク環境ではセキュリティリスクが懸念されるため、自宅からVPN(Virtual Private Network)を用いて社内ネットワークに入るというのが一般的です。この場合、外部ネットワークから社内ネットワークへのアクセスが集中するほどVPN機器へ負荷がかかるため、過負荷によってシステムのレスポンス低下を招くというケースもあるでしょう。

このような背景から普及しつつあるのが、テレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークです。たとえば、週に3日はオフィス環境で業務に取り組み、あとの2日はテレワーク環境で働くといったワークスタイルがハイブリッドワークに該当します。このような労働環境に対応すべく、DWPもハイブリッドに対応した方式が主流になっていくと予測されます。

ハイブリッド型DWPで押さえておきたいポイント

ハイブリッドなワークスタイルを確立できれば、オフィスワークとテレワークそれぞれのメリットを得られます。たとえば、リモート型の労働環境は従業員の事情に合わせた働き方が可能になる一方でコミュニケーションが希薄になりがちですが、定期的に出社し、業務上の連携を取ることで解決が見込めます。

しかし、それぞれがもつデメリットや課題が完全に解消されるわけではありません。なかでもDWPを構築する上でセキュリティ対策は最も重要な課題のひとつです。従来の境界防御型セキュリティではクラウド環境に対応しきれないため、すべてのリスクに対して認証を実行するゼロトラストネットワークの構築や、EDRによる端末やログの監視といったセキュリティ対策が求められます。

また、オフィス環境とテレワーク環境で働く従業員が混在していると、組織の規模や状況によっては勤怠管理がより困難になりかねません。テレワーク環境で働く従業員は労働意欲や貢献意識といった情意考課が見えにくい傾向にあるため、人事評価制度の再設計も必要です。こうした環境に対応するためには、相応の性能を備えた人事管理システムの導入が欠かせません。さらにオフィス空間ではソーシャルディスタンスの強化といった感染症対策も必要となるでしょう。

まとめ

DWPとは、時間や場所にとらわれることなく働けるデジタル空間に構築された業務環境です。DWPを構築するためには優れたクラウドコサービスの活用が欠かせません。新しい時代に即した業務環境を構築するためにも、Microsoft 365の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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