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Office 365のテナント移行を完全マスター

Office 365は日本の多くの企業で導入されており、業務において必須のソリューションであると言えます。その反面、なかにはテナント移行において課題に直面することもあるでしょう。本記事では、これからデータを移行しなくてはいけない企業のために、確実な移行方法を紹介します。

Office 365のテナント移行を完全マスター

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テナント間移行のトータルソリューション「On Demand Migration」とは

Quest社が提供するOn Demand Migrationは、Office 365のテナント間移行ソリューションです。「アカウント」「メールボックス」「OneDrive」「Exchange」など、Office 365のデータをスムーズに移行できます。このソリューション1つでOffice 365全てのワークロードに対応しているため、他のソリューションを併用する必要がなく大変便利です。

On Demand Migrationは、移行だけでなく問題の検出や評価、計画、スケジューリングなどにも対応しています。移行するデータは共存が可能で、セキュリティもISO認定によって確保されているため、セキュアなソリューションと言えるでしょう。また、移行に関するエキスパートがサポートしているため、何か問題が起きた時でも安心です。テナント間移行では多くのデータを扱うため、こうしたソリューションを活用してデータを移動しましょう。

QUESTが考えるテナント間移行のベストプラクティス

ここからはテナント間移行をマスターするために、その準備や順序、正しい実施の仕方について解説していきます。

テナント間移行

テナント間移行でトラブルを起こさないためには、事前準備が一番重要です。このプロセスを疎かにしてしまうと、トラブル時に対応ができなかったり、あとで問題発生の原因となったりします。あまり時間がかけられないケースでも、なるべく順序を守って移行を行いましょう。

最初に移行すべき範囲を確認します。「アカウント」「Eメール」「OneDrive」など、移行を行うべきデータを把握します。さらに現在の環境のバックアップも行ってください。バックアップがあれば、データ破損などのトラブルが起きても復元できます。

そして、移行データのインベントリも作成しましょう。インベントリに含めるものは「全ユーザーのアカウント」「全ユーザーのデータ」「Eメールアーカイブ」「OneDriveデータ」など、移行に関係するもの全てです。このときシャドーITのEメールアーカイブやOneDriveデータなどの漏れが出ないように、業務部門・技術部門の各担当と話し合いも必要になります。

業務部門の担当とは、移行する必要のないデータについても確認しておきます。不必要なデータが多いと移行を遅めリスクが増大するため、移行時に残すようにしましょう。これら全ての工程が終わったら、移行スケジュールの計画を立てていきます。通常業務に支障が出ないように各部門に配慮して、移行の始めから終わりまでの段階を組み立ててください。移行と業務が共存できるように綿密な戦略を打ち立てることで、よりスムーズなテナント間移行が可能になります。

アカウント移行

アカウント移行では、必要・不必要なアカウントの振り分けから行います。移行元の「Active Directory」「Azure AD」にあるアカウントと、そのアカウントが最後にログインした日付を調べます。さらに退職した人材などの現在使用されていないアカウントを人事部門と協力して割り出します。こうすることで不必要なアカウントの移行に時間をかける必要がなくなるため、リスクを最小限に抑えられるでしょう。

また、Azure ADのクラウドサービス専用B2BアカウントやB2Cアカウントの整理も行います。企業によっては相当な数を所有している場合がありますので、作業にある程度の時間を見込んでおきましょう。これでアカウント振り分けは完了ですが、サービスアカウントに関しても移行計画に必要であるか議論しておいてください。

次の作業は、移行に関するコンプライアンス要件や法令などの確認です。アカウントは個人情報にあたるため、移行に関して問題となることがあります。企業としては、こうした要件に準拠しなければいけないため、法務部門と相談しながら実施に移りましょう。

また、移行フェーズでは、現場作業との兼ね合いが重要です。一気に全ての移行を行うと作業に支障が出るため、グループ単位で移行していきます。その際、各グループの要求や作業のフローを考慮して実施します。計画をスケジューリングするのも良いでしょう。スケジュール作成の注意点としては、企業にとって重要な期末などの時期に移行が重ならないようにすることです。

メールボックス移行

メールボックスの移行でも、必要・不必要なアカウントの振り分けを行いますが、加えてメールボックス内にあるメールの選定もしなければいけません。1通のメール容量は小さいものですが、企業全体が管理する量となるとテラバイトに達することもあります。そのため、不必要なメールは既存テナントに残します。

メールの振り分けは膨大な数になることもあり、アカウントユーザー全員が振り分けを実施するというのは現実的でありません。そこでメールに優先順位をつけて、割り振りを決めるという手段がおすすめです。たとえば、直近3ヶ月以内のメールのみ移行するといったような基準を設けましょう。なお、このとき、決めた期間よりも過去のメールが必要な場合もあります。そのため、業務部門と連携して特定のユーザーのみ例外を設けるなどの対処をすると良いでしょう。

また、Eメールに関するコンプライアンス要件によって、保存期間が定められている場合は注意が必要です。3ヶ月までのメールのみを移行すると決めたのに、コンプライアンス要件で「2年間の保存」とある場合は、その期間のメールがいつでも確認できる状態でなくてはなりません。このような場合は、アーカイブなどに保存し、いつでもアクセスできる状態にしておきましょう。

これら準備作業を終えたら、移行フェーズに移ります。まず実施前に、移行先テナントのライセンス数を確認し、全てのメールボックスを割り振りできるか確かめておいてください。問題がなければ、移行を行います。移行では、メールボックスのサイズが大きいほど時間がかかるので、その点を考慮して完了時間にばらつきが出ないようにしましょう。

OneDrive移行

OneDriveの移行も同様に、必要・不必要の割り振り作業から入ります。業務部門と共に振り分けるデータを考えていきましょう。振り分けの考え方は、メールボックスと同様に優先順位を付ける方法が簡単です。コンプライアンスに引っ掛かる場合は、準拠できるようにデータを保存する場所を確保します。

割り振りが完了したら移行作業に移りますが、メールボックスのデータと同じタイミングで移行することが重要です。これは作業の効率という観点から考えると、自ずと理由がわかると思います。前述しているようにデータ容量が大きいほど、移行に時間がかかってしまいます。メールボックスとOneDriveの移行でタイムラグが発生することは望ましくないので、その点を考慮して移行するデータに優先順位をつけると良いでしょう。

また、OneDriveには、作業データなど重要なデータが含まれていることが大半です。場合によっては、アクセス権限がかけられたデータもあるでしょう。こうしたデータは、セキュリティやコンプライアンスとの兼ね合いもあるため、取り扱いには注意しなければいけません。移行後は、かならず移行前と同様の権限が設定されるようにしておきましょう。

まとめ

Office 365のテナント移行では、数多くのデータを確実に移行するために「On Demand Migration」などのソリューションを活用することをおすすめします。このようなソリューションを利用し、事前準備を適切に行って順序を守ることで確実なテナント移行が可能となるでしょう。

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