「 Microsoft 365 のサインインはどんな方法があるのか。」
このような疑問を持つ方に当記事では2つのサインイン方法やMicrosoft Authenticatorを用いた多要素認証の方法を解説します。またサインイン時によくあるエラーの内容と対処方法を解説しているので、サインインできない場合に備えて、当記事をブックマークしておくことをおすすめします。
Microsoft 365へのサインイン(ログイン)方法
Microsoft 365には以下2つのサインイン方法があります。
- アプリでのサインイン
- Webブラウザでのサインイン
2つのサインイン方法に加え、多要素認証を実現するMicrosoft Authenticatorの使い方も解説します。
アプリでのサインイン
アプリでサインインする方法は基本的に以下の流れです。
- WordやExcelなどMicrosoft 365のアプリを開く
- 「ファイル」「アカウント」の順に選択
- 「サインイン」をクリック
- サインイン画面が開いたらメールアドレスとパスワードを入力
細かい画面遷移や項目名がOS、デバイスごとに異なります。しかし、自分のアカウントを設定する画面を開き、メールアドレスやパスワードを入力する流れは同じです。
Webブラウザでのサインイン
Webブラウザでサインインする方法は基本的に以下の流れです。
- ChromeやEdgeなど任意のWebブラウザを開く
- www.office.comにアクセス
- 「サインイン」をクリック
- サインイン画面が開いたらメールアドレスとパスワードを入力
上記でサインイン完了後は、ブラウザで開くアプリはサインインされた状態になります。Webブラウザの操作のため、デバイスやOSでも同じ操作ができることが特徴です。
Microsoft Authenticatorを使用する場合
Microsoft Authenticatorを使用すると、多要素認証やパスワードレス認証が可能です。
Microsoft Authenticatorを使用する場合には、事前設定が必要になります。 事前設定方法は以下の通りです。
- パソコンで Microsoftアカウントダッシュボードの「高度なセキュリティオプション」を開く
- 「サインインまたは確認する新しい方法を追加する」をクリック
- 「アプリを使用する」をクリック、QRコードが表示される
- スマートフォンまたはタブレットでMicrosoft Authenticatorを開く(ない場合はインストールする)
- プラスアイコンを選択
- 「個人用アカウント」をクリック
- 「QR コードのスキャン」をクリックして3のQRコードを読み取る
事前設定後は以下の流れでサインインできます。
- サインインするページにアクセス
- サインイン画面でユーザー名を入力し「次へ」をクリック
- 「通知の送信」をクリック
- Microsorft Authenticatorに通知が届くので承認、または通知時の番号を選択
上記によってサインインが可能です。
Microsoft 365へのサインイン(ログイン)できない場合の基本操作
Microsot 365にサインインできない原因はユーザー名、またはパスワードが間違っていることが大半です。以下の操作をして、再度ログインを試してみましょう。
- ユーザーが存在するか確認
- パスワードリセット
また、大文字と小文字のミスや、CapsLockが有効になっていないか、なども確認してみてください。
ユーザーが存在するか確認
サインインするMicrosoft 365のユーザーが本当に存在しているか確認してみましょう。
Microsoft 365のユーザー名はメールアドレスです。よくあるミスとして複数アカウントを使用している場合に、現在サインインすべきアドレスが間違っている可能性があります。別のアカウントのメールアドレスでのログインを試してみましょう。
他にも考えられる原因として、ユーザー名が変わった可能性です。企業でMicrosoft 365を利用している場合は管理者に問い合わせてユーザー名を確認しましょう。
確認方法として自身のパソコンのWindowsOSのアカウントを確認することも有効です。同じMicrosoftアカウントでサインインしていれば確認できます。
この場合の手順は以下の通りです。
- 「スタート」をクリック
- 「設定」をクリック
- 「アカウント」をクリックし、アカウント名を確認する
パスワードリセット
上記を確認し、ユーザーが正しいようであればパスワードが誤っている可能性が高いです。パスワードリセットをかけてサインインできる状態にしましょう。
パスワードリセットの方法は以下の通りです。
-
企業アカウントの場合
a. 管理者アカウントで https://www.office.com/ にサインイン
b. 「Microsoft 365 管理センター」を開く
c. 「ユーザー」「アクティブなユーザー」の順にクリック
d. パスワードリセットをするユーザーを選択
e. 「パスワードのリセット」をクリック
f. 新しいパスワードを作成、または自動生成を選択
g. 「リセット」をクリックすると、ユーザーにパスワードをメールで通知 -
個人アカウントの場合
a. https://www.office.com/ のログイン画面でメールアドレスを入力し「次へ」をクリック
b. 「パスワードを忘れた場合」をクリック
c. 登録しているメールアドレスまたは電話番号に確認コードが届く
d. 確認コードを入力する
e. 新しいパスワード設定画面が開くので、設定する
注意点として、企業アカウントの場合は管理者でないとパスワードリセットができません。自身が管理者でない場合は、管理者に連絡しましょう。
Microsoft 365の各サインイン(ログイン)エラーと対処方法
まずはMicrosoft 365へのサインイン時によく発生する、エラーメッセージについてそれぞれ解説します。
- ユーザー名またはパスワードを認識できません
- 正しくないユーザー ID またはパスワードで何度もサインインしようとしました
- アカウントが無効にされている可能性があります
- Sorry, that didn't work
- You're automatically signed in as a different user
- パスワードを変更しようとしています
- Microsoft 365 デスクトップ アプリケーションへのサインイン中にエラー "問題が発生しました [1001]"
ユーザー名またはパスワードを認識できません
組織によって割り当てられたユーザーID、あるいはパスワードのどちらかが間違っている と表示されます。先述したユーザーが存在するか確認、パスワードリセットのいずれかで解決できる可能性が高いです。
正しくないユーザー ID またはパスワードで何度もサインインしようとしました
ユーザーIDまたはパスワードを間違ったまま10回サインインに失敗すると1分間ユーザーアカウントがロックされ、このメッセージが表示されます。 さらに何度もサインインに失敗するとロックされる時間が増大されるので注意しましょう。
この場合も一旦落ち着き、先述したユーザーが存在するか確認、パスワードリセットのいずれかを試してみましょう。
アカウントが無効にされている可能性があります
何らかの原因によって アカウントが無効となっています。 アカウント自体がそもそも存在しない可能性もあります。先述した先述したユーザーが存在するか確認を試してみましょう。
Sorry, that didn't work (申し訳ございません。もう1度やり直してください。)
ユーザーIDやパスワードが間違っている、あるいは何らかの原因によってアカウントが無効になっている 可能性があります。
先述したユーザーが存在するか確認、パスワードリセットのいずれかを試してみましょう。なおユーザーが存在しなければパスワードリセットはできません。
You're automatically signed in as a different user (別のユーザーとしてサインインしています。)
1つのWebブラウザ上で複数のユーザーが同一アカウントにサインインしようとすると表示されます。 別のブラウザでサインインをするか、現時点でサインインしているアカウントでログアウトをしてから再度サインインを試してください。
パスワードを変更しようとしています
パスワードが一時パスワードか失効している場合に表示されます。 先述したパスワードリセットを試してみましょう。
Microsoft 365 デスクトップ アプリケーションへのサインイン中にエラー "問題が発生しました [1001]"
このエラーは、原因として以下の2つが考えられます。
- 権限制御プログラム(WAMプラグイン)に影響を与えるセキュリティソフトウェア
- ユーザープロファイル管理
1つ目の原因の場合はまず、パソコンの再起動を試してみましょう。それでも解決できない場合はWAMプラグインの修復対応として、PowerShellでコマンドを実行する必要があります。詳細は 公式FAQ をご覧ください。
2つ目の原因の場合はレジストリキーを見直す必要があります。該当箇所が多く、変更になる可能性もあるため、詳しくは 公式FAQ をご覧ください。
以上が一般的に表示されるサインイン時のエラーメッセージです。この他にもエラーメッセージが表示される可能性があるので、詳細はMicrosoftサポートサイトをご確認ください。
サインインエラーが発生する原因と対策
サインインエラーが発生する原因は複雑ではありません。ほとんどの場合が基本的な見落としです。ここではその原因と対策について解説していきます。
- ユーザーアカウントが無効
- ユーザーアカウントがロックされている
- ユーザー名とパスワードが間違っている
- 一時パスワードを使用している
- シングルサインオンに不備がある
- Microsoft 365アカウントの種類が違う
ユーザーアカウントが無効
「ユーザーアカウントが無効になっている」ということは、 管理者が何らかの意図によってアカウントを無効かしている可能性が高いです。 Microsoft 365におけるアカウント無効かはユーザーアカウントは停止しつつも、データを残したいときに利用します(例えば退職者のアカウントなど)。
従ってユーザーアカウントが無効になっていると表示された場合は、まず管理者に連絡して無効になっている原因を尋ねましょう。ほとんどの場合「間違えて無効化してしまった」という返答があるかと思います。
ユーザーアカウントがロックされている
エラーメッセージ解説でも述べましたが、 10回続けてサインインに失敗するとユーザーアカウントがロックしてしまいます。 1回目のロックでは1分間と短い時間で解除されますが、それ以上はロック時間が増大するので何度もサインインに失敗している場合は一度ユーザーIDとパスワードを再確認しましょう。
また、 サインインを行った覚えがないのにユーザーアカウントがロックされている場合は、第三者が不正サインインを試行している可能性があります。 直ちに管理者に連絡し原因調査を依頼してください。
ユーザー名とパスワードが間違っている
ユーザーIDとパスワードが間違っている場合、ほとんどの原因がちょっとした見落としです。 例えば大文字と小文字の違いやスペルミス、あるいはパスワードを変更したばかりで以前のパスワードを使用している可能性が考えられます。よくあるのはCapsLockがかかったまま入力して大文字小文字が入れ替わってしまっているケースです。
ユーザーIDとパスワードを再確認しサインインを実行してください。基本的には先述したユーザーが存在するか確認、パスワードリセットのいずれかで解決できます。
もしも意図せず ユーザーIDとパスワードが変更されている場合、アカウント乗っ取りの可能性も考えられます ので、早急に管理者に連絡しアカウントを無効化するよう要請しましょう。
一時パスワードを使用している
一時パスワードを使用している場合は同一パスワードを使用することができないのでサインインできません。 パスワード変更画面が表示されれば画面の指示に従ってパスワードを設定しましょう。
シングルサインオンに不備がある
フェデレーションユーザーである場合、シングルサインオン(SSO)に不備があるとMicrosoft 365にサインインできない可能性があります。 管理者に連絡し、SSOが正常に機能しているかを確認しましょう。
Microsoft 365アカウントの種類が違う
複数アカウントを保有するユーザーがやってしまうミスとして、サインインすべきアカウントとは違うアカウントでサインインを試みてしまうことです。
Microsoft 365アカウントの種類としては企業アカウントと個人アカウントがあります。誤らないようどちらでサインインすべきか必ず確認しましょう。また企業アカウントが複数ある場合は、デバイスを分ける、同じデバイスで同時に複数アカウントを使わないなどの対応をすべきです。
分からないことがあれば直ぐにサポートへ連絡しましょう
Microsoft 365のサインインにおいて重大なエラーが発生することはほぼありません。従って、ユーザー独自に対応できるケースが大半ですが、 万が一分からないことがあれば直ぐにMicrosoftか導入パートナーのサポートに連絡してください。
むやみに設定を変更するとさらに重大なトラブルに発生する可能性があるので十分に注意してください。
まとめ
Microsoftが提供するSaaSサービスは同社が提供しているデータセンターで厳重に運用されているので、セキュリティ事件が起きるリスクは低くなっています。しかし、他サービスから搾取したユーザーIDやパスワードを悪用するようなサイバー攻撃が横行しているので、ユーザーIDとパスワード管理には十分に注意しましょう。
Microosoft 365のサインインにおいてエラーが発生した際は、今回紹介した内容をもとに冷静な対応をしてください。基本的にはユーザーが存在するか確認、パスワードリセットのいずれかを試すことで解消が可能です。エラーが出た場合でも当記事に記載している対処方法を確認することで、慌てずに対応できます。また、エラーが発生した際のフローに関して明確にしておくと業務時間の阻害を最小化することができるでしょう。
Microsoft 365を導入した目的は業務効率化のはずです。サインインができずに業務ができない状況になると本末転倒なので、素早く解消できるよう対処方法を確認しておいてください。