業務効率化

業務改善とは?その必要性やポイントからフレームワークまで解説

昨今、DXや働き方改革の一環として業務改善に乗り出す企業が増えています。しかし、なぜこれほど多くの企業が今、業務改善に取り組んでいるのでしょうか。そして、業務改善はどのように進めればいいのでしょうか。本記事では、業務改善の概要やその必要性、業務改善を効果的に進めるためのフレームワークなどを解説します。

業務改善とは?その必要性やポイントからフレームワークまで解説

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業務改善とは

業務改善とは、より効率的かつ効果的に業務を遂行するために行動、プロセス、考え方、ルール等を改良する取り組みのことです。具体的には、自社の業務プロセスに潜む問題を可視化した後、改善計画を策定・実行し、その効果を計測することで生産性向上などにつなげるのが、業務改善の大まかな内容となります。

カイゼン(kaizen)という言葉は、自動車の製造プロセスにおける「ムリ・ムダ・ムラ」の3Mを徹底的に排除していくトヨタ自動車の取り組みを通して海外においても知られるようになりました。今日では、この3Mに「モレ」と「ミス」を加えて5Mと言う場合もあります。いずれにせよ、業務改善においては自社の業務プロセスの中から、このようなマイナスの要素を排除・改善していくことが重要です。

業務改善の必要性

業務改善は多くの企業が定期・不定期に実施している取り組みです。各企業が既存の体制や業務の進め方を変えてまで業務改善を実施するのはなぜでしょうか。以下では、業務改善の必要性を解説します。

コスト抑制

業務改善を行う理由その1はコストの抑制です。非効率的な形で業務を進めていると、従業員の労働時間が増えて残業代が発生したり、資材・エネルギーを無駄に消費したりしてしまいます。こうしたコストの増加が、事業の収益性に悪影響を及ぼすのは言うまでもないでしょう。コストを抑制したい企業にとって、業務改善は人件費をはじめとした余計な支出を減らすための一手段として重要です。

人手不足

業務改善を行う理由その2は人手不足です。業界や職種の特性などにより、慢性的な人手不足に悩まされている企業は多く存在します。あるいは、今は問題なくとも、少子高齢化に伴って既存の業務体制では将来的に人手不足が生じてくる可能性も否定できません。

人手不足を放置すると、製品・サービス品質の低下、ヒューマンエラーや事故リスクの増加、無理な負担が積み重なった従業員の離職などが懸念されます。こうした人手不足への対策を課題にしている企業は、限られた人数で業務を遂行できる体制づくりを目的に、業務改善に取り組んでいます。

働き方改革

業務改善を行う理由その3は働き方改革です。現在、日本政府は少子高齢化への対策や働き方の多様化を目指す取り組みとして、既存の業務体制を変革することを企業に推奨しています。働き方改革の中でも、特に政府が力を入れているのが労働時間の短縮です。

例えば2020年4月には全ての企業がひと月当たりの時間外労働時間を上限45時間までにするように法的に義務付けられました。従業員の労働時間を減らしつつ、既存の生産性を維持するには、業務改善が欠かせません。また、仕事における「ムリ」を解消し、従業員が無理なく働き続けられる労働環境をつくるという意味でも、働き方改革において業務改善は非常に重要です。

業務改善のポイント

実際に業務改善へ着手する際にはどのように進めればいいのでしょうか。以下では、業務改善を進める際のポイントを解説します。

現状を把握し計画的に進める

ポイントその1は、現状を正確に把握し、計画的に改善を進めることです。闇雲に業務改善を進めると、かえって業務が非効率的になったり、現場の従業員に大きな負担が発生したりしかねません。したがって、業務改善を行う際には、既存の業務体制のどこに問題があるのかを可視化し、優先順位を付けながら計画的に改善していくことが必要です。また、業務改善の実施後は、必ず効果計測を行って施策の有効性を検証し、必要に応じて修正していくことが欠かせません。

ツールを活用する

ポイントその2はITツールを活用することです。ITツールを活用することで、業務の効率化・自動化を進め、少ない人数で業務を回したり、ヒューマンエラーを抑制したりすることが可能です。コミュニケーションツールやタスク管理ツールを活用すれば、テレワーク下における業務管理などもしやすくなるでしょう。その他、営業活動に役立つSFAや、マーケティングの効率化・自動化を促進するMAなど、特定の部署に特化したITツールの導入も大きな効果が見込めます。

フレームワークを用いて進める

ポイントその3は業務改善のためのフレームワークを活用することです。業務改善を行う際には、現場に負担を与えすぎないためにも、既存のフレームワークを用いて効率的に進めることが大切です。業務改善に役立つフレームワークは次項で紹介するように複数種類あるので、自社のニーズに合わせて採用しましょう。

業務改善のフレームワーク例

続いては、業務改善に役立つフレームワークの具体例を紹介します。

QCD

QCDとは、Quality、Cost、Deliveryの頭文字を取った言葉で、日本語ではそれぞれ品質、費用、納期を意味します。「品質を上げれば費用がかかる」「納期を短縮すれば品質が下がる」というように、これらの3要素は基本的にそれぞれトレードオフの関係にあります。QCDとは、これら3つの最適なバランスを改善したいときに主に活用されるフレームワークです。

BPMN

BPMN(Business Process Model and Notation)は、業務プロセスを描画する際に役立つフレームワークです。先述のように、業務改善を進める際にはまず、自社の既存の業務を見直し、問題の所在を把握することが重要になります。そして、その際に効果を発揮するのが業務の流れを分かりやすくモデリングできるBPMNです。BPMNでは業務の流れをイベント、アクティビティ、ゲートウェイ、シーケンスフローの4要素に分けて描画します。BPMNは国際基準に認定されたモデリング手法なので、グローバルに事業を展開している企業が業務改善をする際にも適しています。

ECRS

ECRSとは、業務改善をどのような順序で進めればよいのかを示すフレームワークです。ECRSはEliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(順序の入れ替え)、Simplify(簡素化)の頭文字を取ったもので、業務改善もこの順番に進めていきます。それぞれの手順で行うことを簡単に説明すると、以下のようになります。

E:無駄な業務、価値の低い業務を排除する
C:重複している業務、一本化できる業務を統合する
R:業務の手順を並び替える
S:ツールなどを用いて、複雑な業務をより簡単にできるようにする

ロジックツリー

ロジックツリーとは、複雑な問題を体系的に分解し、より小さな構成要素へと掘り下げて考えていくためのフレームワークです。例えば先に紹介したQCDは、業務を品質とコストと納期の3要素に分解して考えるものでした。しかし、コストにしてもその内部でさらに「原料費」や「人件費」などというように、再度分解して考えることができます。ロジックツリーはこのように、大きなテーマを小さなテーマへと枝分かれさせていき、業務改善においてどこに問題があるのか、何を変えればよいのか、物事を詳細に分析したいときに役立つ方法論です。ロジックツリーをつくるときには、問題の構成要素を見逃さないように、もれや重複がないよう、徹底的に考え抜いていくことが重要になります。

まとめ

Microsoft 365には、定番のOfficeソフトをはじめ、チームのコミュニケーションを円滑化するMicrosoft Teamsや効率的な情報共有を可能にするSharePointなど業務改善に役立つ機能が搭載されています。業務改善に取り組む際には、ぜひご活用ください。

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