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Microsoft Power Appsで業務アプリを開発! 特徴や活用事例を解説

IT活用によって業務改善に取り組みたいと考えてはいても、費用面や開発期間などが障害になって実現できないという企業は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、アプリ開発による業務効率化を負担なく実現するソリューション「Microsoft Power Apps」の概要やメリット、活用方法などを紹介します。

Microsoft Power Appsで業務アプリを開発! 特徴や活用事例を解説

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Microsoft Power Appsとは?

Microsoft Power Apps(以下、Power Apps)とは、Microsoft社が提供するビジネス向けのノーコード/ローコード開発ツールです。Power Appsではコードの記述を最小限で、もしくは記述なしでも業務用アプリ(ビジネスアプリ)を開発できるので、ITの専門家でなくても簡単かつ迅速に自社のニーズに合ったアプリを低予算かつ早期に導入できます。

Power AppsはMicrosoft Power Platformのサービスの一部であり、Power BI、Power Automateなど他のPower Platformサービスとの連携をしやすいのも特長です。例えば、Power AppsとPower Automateを使えば、ビジネスプロセスを自動化するためのフローを作成して業務改善できます。

Microsoft Power Appsによって解決可能な課題

Power Appsは、アプリ開発においてしばしば発生する「費用」と「開発期間」双方の課題を解決します。

課題1:費用(コスト)

多くの企業がシステム化の手段として考えるのは、「パッケージソフトの導入」と「開発ベンダーなどへの外注」の二択になりがちです。しかし、出来合いのパッケージソフトだと自社にフィットせず、かえって業務が非効率になる恐れがあります。他方で、開発ベンダーに自社専用のシステム(スクラッチ開発)を依頼すると、開発費用が膨大になり、コストの回収や導入の難易度が高くなるのがデメリットです。

PowerAppsを利用すれば、ローコード/ノーコード開発や豊富なテンプレートなどを活用することで、システム導入のコストを抑えられます。ローコード/ノーコードを実現できるPower Appsなら、内製化によるコスト削減もしやすいです。カスタマイズ性や拡張性にも優れているので、例えば、最初は最小限の機能の導入から始め、費用対効果や業務の変化に応じて徐々にシステムを最適化できます。

課題2:開発期間

ベンダーに依頼してスクラッチ開発する場合、システムの規模や内容によっては、開発期間が数年に渡ることも珍しくありません。しかし、開発期間が長期化すると、その間に外部環境や業務内容が変化し、システムが陳腐化してしまいがちです。その結果、費用対効果の見合わないシステム導入に陥りやすくなります。

ローコード/ノーコード開発ができるPower Appsならば、アプリ開発を迅速かつ簡単に進めることが可能です。その結果、開発期間は短縮され、システム導入の効果を長期間受けやすくなります。また、Power Appsが持つ拡張性の高さを活用すれば、常にシステムを最新化して最適な状態を維持可能です。

Microsoft Power Appsの特徴

1. 特殊な開発環境が不要

Microsoft Power Appsはクラウドサービスなので、Webブラウザ上でアプリケーション開発ができることが特徴です。アプリをスマートフォンで利用する場合は専用アプリが必要ですが、それ以外の場合は各種ソフトウェアのインストールも不要なので、開発環境の用意や維持にかかるコストや労力を削減できます。

2. 非エンジニアでもアプリを作成可能

Power Appsはローコード/ノーコードでアプリを作成できるので、非エンジニアでも使いやすいのが利点です。例えば、モデル駆動型アプリケーションでは、項目を追加する際にもコーディング不要で対応できます。また、Power Appsで構築したアプリなら、他の機能に影響を与えることなく、いつでも画面デザインを変更可能です。

3. 日本語化されているため誰でも利用可能

ローコード/ノーコード開発ツールには日本語化されていない海外製品が多いので、コーディング不要といえども、実際に使える人は限られるのが実情です。その点、Power Appsはツールからドキュメントまですべて日本語化されているので、利用者、開発者、保守・運用担当者の区別なく誰もが利用できます。

4. 各種Power Platformと連携が可能

Power AppsはPower Platformの一部なので、他のPower Platformのサービスと高度な連携がとれるのも魅力的な点です。Power BI、Power Automate、Power Virtual Agentsなどを使用すれば、データ分析、プロセスの自動化、チャットボットやAIの利用など幅広い機能を活用できます。また、Microsoft 365やMicrosoft Teamsなど、他のMicrosoft社サービスと容易に連携可能なのも無視できないメリットです。

5. 標準機能が豊富で拡張性が高い

Power Appsはアプリ開発に役立つ標準機能が豊富に搭載されているので、アプリの構築を簡単にできます。例えば、Power AppsではPower Automateの機能が利用できますが、これによってドラッグアンドドロップによる直感的な操作でアプリを構築可能です。また、ローコード/ノーコードのみで構築することによって拡張性を最大化し、必要とあれば開発不要で機能を拡張できます。

6. サービス自体の信頼性が高い

ツールを導入する際には、サービスの持続性自体はもちろん、セキュリティやサポートなど様々な点でベンダー企業が信頼できるかどうかも重要な点です。その点、Power Appsの提供元であるMicrosoft社は世界的な大企業なので、サービスを安心して長く使い続けられると期待できます。

【活用事例】Microsoft Power Appsで作ることのできる業務アプリ

勤怠管理アプリ

Power Appsでは、製造業や工場などでも利用できる出退勤や欠勤、休暇申請などの情報を管理できる「勤怠管理アプリ」を簡単に作成できます。このアプリを使えば、勤務時間の管理・集計・分析などの作業を効率化可能です。Power Appsで作ったアプリはクラウド上で利用できるので、リモートワークの勤怠管理にも対応できます。

営業支援アプリ

案件管理や顧客管理、日報管理など、営業支援系のアプリも作成できます。例えば、登録したスケジュールをリマインドしたり、案件ごとの問い合わせなどを管理したりすることが可能です。Power Appsでスマートフォンに適したレイアウトでアプリを作成すれば、外回りの多い営業職でも便利に活用できます。

プロジェクト管理アプリ

プロジェクト管理アプリも、Power Appsで作成できるおすすめアプリのひとつです。プロジェクト管理アプリでは、案件やプロジェクトの工程管理、タスク管理などが行えます。各プロジェクトにおけるコストの見える化なども実現できるので、予算対比が可能です。プロジェクト管理アプリは、メンバーと顔合わせする機会の少ないリモートワークにおいても重宝します。

まとめ

Microsoft Power Appsは、ローコード/ノーコードで業務アプリを開発できるソリューションです。Power Appsは、「非エンジニアでも利用できる」「業務に応じて拡張できる柔軟性がある」「Microsoft社のサービスなので将来性も安定して利用できると考えられる」という3つの特長があります。業務改善アプリを低コストで導入したい、内製化したいと考えている企業様は、ぜひPower Appsの活用をご検討ください。

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