RPA/ワークフロー

RPAの利用上のリスクと必要な運用ルールを解説

業務の効率化や生産性の向上を目的に、RPAを導入する企業が増えています。RPAの導入によりさまざまなメリットを得られるのは事実ですが、運用上のリスクが発生することを理解しておかねばなりません。本記事では、RPAの運用で生じるリスクや求められる運用ルール、おすすめのツールなどについて解説をします。

RPAの利用上のリスクと必要な運用ルールを解説

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RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationの略であり、コンピューター上で取り組む作業の自動化を図れるツールです。すべての業務を自動化できるわけではなく、法則性があり定められた手順で進める定型作業に対応しています。たとえば、電話やメール対応、データ収集・分析、データ入力、Excelへの転記、データベース登録などが代表的な運用例です。

RPAに注目が集まる理由は、人手不足の解消に役立つためです。一部の業務を自動化できれば、限られた人材を有効に活用でき、人手不足の解消につながります。少ない人員で業務を遂行できるようになれば、人件費の削減にもつながるほか、システムが作業を行うためヒューマンエラーの発生も防止できます。

このように、さまざまなメリットを得られるRPAですが、運用保守に関するリスクや課題が生じるのも事実です。次章から具体的に見ていきましょう。

RPAの運用時に生じるリスク

RPAの運用においては、生じやすいリスクや注意点があるため注意が必要です。RPAがうまく動作しない、運用管理がきちんとできない、セキュリティに問題が生じるといったリスクが考えられます。

RPAがうまく動作しない

RPA運用で生じるリスクとして、RPAがうまく動作しないケースが考えられます。実務において動作しない、誤作動してしまうといったことが起きると、業務に支障をきたすおそれがあります。

RPAが動作しない原因として考えられるのは、コンピューターの環境変化です。たとえば、RPAを用いた処理を行っているとき、OSのアップデートが自動的に始まり、RPAの動作が止まるケースは少なくありません。

また、RPAの要件定義が適切に行われていないと、誤作動の原因となるため注意が必要です。さらに、ITツールである以上不具合が発生する可能性もあり、その結果誤動作を起こすこともあります。

RPAの管理が行き届かない

RPAの運用にあたっては、管理部門が適切に管理を行わなくてはなりません。稼働しているRPAがどれくらいあるのかを正確に把握し、連携するシステムや業務に使用するデータに変更が生じた場合には速やかに反映させる必要があります。

管理部門の目が行き届いていないと、管理下に置かれていないRPAが増える可能性があります。たとえば、RPAの作成や業務に携わっていた人が離職した、異動したといったケースでは、RPAがそのまま放置されることも考えられるのです。

システムやデータの変更を反映させていないRPAが量産されると、誤った動作を延々と繰り返すおそれがあります。誰もその事実に気づかず、気づいたときには甚大な被害が発生しているといったリスクも考えられるでしょう。

セキュリティの問題

RPAには、本来人が対応していた業務を任せるため、アプリケーションへのログインIDやパスワードを記憶させるケースが少なくありません。担当者に代わって、ロボットがデータやシステムへのアクセス権限をもつことになるため注意が必要です。

RPAがオンラインに接続されているケースでは、サイバー攻撃による情報漏えいや乗っ取りなどのリスクも考えられます。IDやパスワードを暗号化しないままプログラムに残していると、外部からの攻撃によるデータの詐取、誤動作の発生などのリスクが生じます。

このような問題が発生する可能性があるため、RPAの運用にあたっては適切なセキュリティ対策が必要です。外部からの攻撃だけでなく、内部不正による機密データへのアクセスも考えられるため、組織内外からの悪意あるアプローチに対処できる環境と体制が求められます。

RPAを有効活用するには運用ルールが必要

RPAの作成には、それほど高度な専門知識が必要なく、誰でも開発が可能です。これがRPAの魅力でもあるのですが、それゆえにどんどんRPAが増えてしまい管理しきれなくなるおそれもあります。開発者不明のRPAが量産されると、イレギュラーな事態が発生したときにスムーズな対応ができず被害を拡大させるおそれもあるのです。

誰でも気軽に開発できるゆえに、品質の差が生じてしまうのも課題です。同じ業務をRPAで自動化しているのに、スピードや精度に差が生じてしまうのは好ましくありません。さらに、RPAを量産しすぎると管理コストも増えてしまい、経営を圧迫する要因ともなりかねないのです。

上記のようなリスクを回避し、RPAをより有効に活用するため、適切な運用体制の構築とルールの設定が求められます。次章からは、具体的にどのような運用ルールを定めるべきなのかを見ていきましょう。

設定しておくべき運用ルール

RPAの運用に関するルールを定めることで管理しやすくなり、余計なコストの発生も抑制できます。リスクを回避して有効活用できるよう、以下を参考に運用ルールを定めるとよいでしょう。

登録を義務付ける

RPAを使用する部署や自動化の対象となる作業、開発者、管理担当者などの登録を義務付けましょう。これらの情報登録を義務付けることで、誰がどのRPA開発に携わったのかを把握しやすくなり、イレギュラーな事態やトラブル発生時に速やかな対応を行えます。

また、トラブル発生時に誰が対応するのかも明確にしておくと、よりスムーズな対応が可能になるでしょう。さらに、運用に関するルールやプロセスなどをマニュアルにまとめておけば、担当者や管理者の離職、異動などがあっても問題なく業務を引き継げます。

定期的な検査を行う

RPAの運用を始めたあと、そのまま放置してしまうのはリスキーです。何らかの要因で不具合が発生しており、業務に悪影響を及ぼすことも考えられます。放置により甚大なダメージをもたらすおそれもあるため、定期的に検査を実施しましょう。

定期検査に関するルールの策定も進めましょう。具体的に、何を検査するのかを定めるのです。たとえば、問題なく動作しているか、余計な負荷が生じていないか、トラブルの発生を迅速に把握できる体制が整っているか、などの検査項目が考えられます。

定期的に検査を実施することで、運用に関する安全性をチェックできるだけでなく、登録状況の見直しもでき一石二鳥です。

RPAツールはPower Automateがおすすめ

RPAツール選定に悩んでいるのなら「Power Automate」を選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。シンプルかつ操作性に優れるインターフェースを採用しており、誰でも簡単に自動化と管理を行えるのが特徴です。また、Dynamics 365やoffice、Twitter、Facebookなどさまざまなサービスやツールとの連携ができるのも特徴といえるでしょう。

「Power Automate Desktop」も、優れたRPAツールです。上記のツールがクラウドベースなのに対し、こちらはデスクトップベースであるのが特徴です。Windows10や11ユーザーであれば無料で利用できるため、コストを抑えてRPAを導入できます。

まとめ

RPAを導入して定型作業を自動化できれば、人件費削減や業務効率化、生産性向上、従業員の業務負担軽減などさまざまなメリットを得られます。ただ、本記事でお伝えした通り、管理が行き届きにくくなる、セキュリティに課題が生じる、管理コストが増えるといったリスクも生じるため注意が必要です。

RPAを有効活用できるよう、登録の義務付けや定期的な検査の実施など、運用ルールを定めましょう。適切なルールのもと運用を行うRPAであれば、成果につながりやすくなりトラブル発生時にも問題なく対応できます。

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