フィールドサービス

なぜフィールドサービスソリューションはクラウドがいいのか

フィールドサービスとはソフトウェアやハードウェアの導入、機械設備や医療機器の設置、その後の点検や保守などを継続的に提供するサービスです。多くの調査会社はフィールドサービス市場は年々拡大傾向にあり、10%以上の高い成長率で伸びていると報告しています。

その背景には、近年顧客へのCX(カスタマー・エクスペリエンス)向上を目的としてフィールドサービスの重要性が再認識されたことが大きく寄与しています。

中でも最も重要な項目が「トラブル対処の迅速性」ではないでしょうか。ソフトウェアやハードウェア、あるいは機械設備などを導入した後に何らかのトラブルが発生する可能性はどんな企業にもあります。むしろ近頃の顧客は、そうしたトラブルを想定した上でフィールドサービスの質によってパートナーを判断している部分もあるでしょう。

つまり顧客はいかにトラブルを起こさないモノを提供するかよりも、いかに迅速にトラブルに対処してくれるかを重視するようになってきているということです。その結果、フィールドサービスの質は競争力に直結する時代になりました。

フィールドサービスの質を向上するために皆さんの会社ではどういった取り組みがなされているでしょうか?本稿ではフィールドサービスの質向上のために、クラウドソリューションの導入をおすすめします。

なぜクラウドなのか?その理由をこれからご説明しましょう。

Microsoft Dynamics CRM 自習書 フィールドサービス編

フィールドサービスソリューションとは?

最初にフィールドサービスソリューションについてご説明します。これはフィールドサービスにおける様々な課題をITシステムによって解決するためのものであり、フィールドサービスに関係するエンジニアやオペレーターの作業効率を向上し、その結果として顧客満足度を向上するためのものです。具体的には次のような機能を備えています。

スケジュール…顧客ごとに定期メンテナンスの予定を記録しスケジュールとして表示する

在庫情報…サービス提供に必要な部品や機器などの在庫状況を確認する

顧客情報…基本的な情報から1案件ごとの対応履歴などを記録する

関連資料…作業に欠かせない技術資料や設計資料を電子データとしてまとめる

作業指示…オペレーターからエンジニアに適切な作業指示を送る

予兆保全…センサーから取得したデータを整理してトラブルの予兆を察知して未然に防ぐ

このようにフィールドサービスに特化した機能を提供することで、サービス全体の生産性を向上し、初回対処率を上げることがフィールドサービスソリューションの目的です。

クラウドソリューションのメリット

では、クラウドで利用するフィールドサービスソリューションのメリットとは何でしょうか?

メリット①リアルタイムに強い

クラウドソリューションの特徴は「ブラウザ経由でシステムを利用すること」です。一般的なITシステムはサーバーにソフトウェアをインストールし、ネットワークで繋がれたパソコンからシステムを利用します。そのため、1日の業務の終わりにその日の顧客対応履歴が記録されることが多くリアルタイム性に欠けます。エンジニアが外出先からシステムにアクセスするのも難しいでしょう。

一方でブラウザ経由で利用するクラウドソリューションは、インターネット環境さえ整っていればどこからでもシステムへのアクセスが可能です。なので各案件の対応ごとに履歴を記録したり、外出先からシステムにアクセスして必要な情報を引き出すといったリアルタイムな業務の支援が可能になります。

メリット②運用保守の負担が少ない

すでに多くの業務システムが稼働している環境では、運用保守負担が増加するという懸念からフィールドサービス導入に踏み込めないケースも多いでしょう。フィールドサービス業務は複数の業務システムを駆使すれば代用できることもあり、そのためフィールドサービスソリューションの導入の優先度が下げられてしまいがちです。

クラウドソリューションならそうした心配なく新しいシステムの導入が可能になります。ブラウザ経由でシステムを利用するので手元にインフラを置く必要はなく、従って運用保守も発生しません。負担を軽減することで情報システムリソースが不足していてもフィールドサービスソリューションの運用は可能です。

メリット③IoTとの連携に優れている

IoTとはネットワーク接続を可能にした機器のことであり、最近ではフィールドサービスにIoTを取り入れる事例が急増しています。その理由は予兆保全によってトラブル発生を未然に防ぐことであり、顧客満足度を向上した競合優位性を保つためです。ハードウェアや機械設備をIoT化する、もしくはIoTを設置することで様々なデータを収集分析してトラブル発生の予兆を見逃しません。

クラウドソリューションではIoTとの連携が容易であり、かつリアルタイムに情報収集が行えるため、トラブルに対して「迅速に対処するサービス」ではなく、先回りした「未然に防ぐサービス」を提供することができます。

メリット④セキュリティが強化される

クラウドソリューションを導入するにあたって懸念されがちなのがセキュリティ問題です。ブラウザ経由でシステムを利用するから第三者による情報漏えいが起きるのではないか?と考える方が多いようですが、むしろクラウドソリューションを導入することでセキュリティが強化されるケースの方が多いでしょう。

多くのクラウドソリューションはサービス提供ベンダーが責任を持って堅牢なセキュリティ体制を敷いているため、第三者による不正アクセスなどに対しては一般企業が行えるレベルよりもはるかに高いと考えるほうが自然でしょう。ただしベンダーによってデータセンターの所在やどういったセキュリティ体制を敷いているかなどが異なるので、事前の確認が大切です。

クラウドソリューションの懸念点は?

フィールドサービスとの相性が良く、様々なメリットを持つクラウドソリューションにも懸念点はあります。これを把握し対策を立てているか否かでは導入の成否が大きく分かれるので、ここで確認しておきましょう。

懸念点①ネットワークの安定性

ブラウザ経由で利用するクラウドソリューションでまず注意すべきは安定した通信を常に提供することです。インターネット環境を利用するため、ローカルネットワークに比べてパフォーマンスが低下する可能性があります。特に辺境地などで通信環境がよくない現場対応が多い場合には、せっかくのメリットも打ち消されてしまうので、ネットワークの安定性を強化することが重要です。

懸念点②セキュリティ意識の向上

堅牢なセキュリティによって情報漏えいなどのリスクは少ないとしても、ユーザーのアカウントIDとパスワード情報で不正アクセスがされてしまうことがあります。というのも別のクラウドソリューションで同じアカウントIDとパスワードを利用していたりすることで、他のサービスで漏えいしたIDとパスワードを利用されてしまうケースがあるのです。従ってクラウドソリューションを導入する際は今まで以上にユーザーのセキュリティ意識を向上させ、問題が起きないようマネジメントしなければなりません。

以上がクラウドソリューションを利用するときに考慮したほうが良いポイントです。メリットのほうがはるかに大きいクラウドソリューションですが、いずれも適切な対策を取らないと後々問題が発生する可能性があります。クラウドソリューションによるフィールドサービスの質向上を成功させるためにも、こうした懸念点にまで目を向けて導入に臨んでいただきたいと思います。

そのためにも、導入事例が多く、ノウハウが蓄積されている製品を選択するのは合理的でしょう。Dynamics 365ではグローバルも含め多くの導入実績があるクラウドソリューションです。ぜひご検討ください。

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