CRM/SFA

中小企業が知っておきたい営業管理の目的と基本

営業目標を継続的に達成できれば、売上が上がり、利益が増えていきます。ごく当たり前のことですが、これが難しいからこそ多くの企業は営業課題を抱えています。そこで実施されるのが営業管理です。

営業管理では主に4つの管理項目を設けて、営業担当者1人1人をマネジメントすることで、効率良く目標達成するための組織体質を作ります。中小企業にとって営業担当者は直接的に利益を生むための源泉です。本稿では、中小企業こそ実践していただきたい、営業管理の目的と基本をご紹介します。

 

CRMの利用実態と課題

営業管理とは?

営業管理を実施する最大の目的は「営業目標を達成すること」です。要するに、如何にして予算を達成するかの重点を置いています。そのために何が大切かというと、管理者層が営業担当者1人1人の目標、案件、行動、士気を管理し、問題があれば適宜修正をしたりアドバイスを与えたりすることです。従って営業管理の基本は、4つの管理項目を管理者層がマネジメントすることにあります。

1.目標管理(ギャップ・マネジメント)

営業とは、会社に利益をもたらすための部署です。なので、期初に設定した予算と日々の実績に生まれるギャップを埋めていくための管理が必要です。目標管理では、予算と実績のギャップをタイムリーに把握しながら、進捗状況をつぶさに管理しいてくことで予算達成を目指します。

2.案件管理(ケース・マネジメント)

予算と実績のギャップを埋めるためには、利益につながる案件を成約へと進展させる必要があります。営業活動の中で発生した案件の規模及び売上予定日、競合情報などを含む進捗状況をタイムリーに把握し、売上に至るまでの戦略を練ります。これらの情報を統合的に管理し、成約率を向上させるのが案件管理です。

3.行動管理(アクション・マネジメント)

いくら成約率が高くても、母数となる案件が少なければ利益を増やすことはできません。案件獲得のためには企業へのアポイントや訪問、電話でのセールスなど具体的な行動を取り、新しい案件をどんどん発掘していく必要があります。過去にとん挫した案件を掘り起こして、新たに案件化するという手法もあります。ただし、単に案件を増やすのではなく、確度の高い企業へ積極的に訪問し、成約率を高めるという戦略も必要です。企業ごとに優先度を付け、今積極的に訪問すべき企業とコンタクトが取れているかを管理するのが行動管理です。

4.士気管理(モチベーション・マネジメント)

どんな仕事でもモチベーションと成果は相関関係にあります。モチベーションが下がれば成果や品質は下がりますし、逆にモチベーションが上がれば成果も品質も自然と付いてくるものです。営業担当者にとってモチベーションが下がる理由は「売上が立たない」「ノルマを達成できない」「事務作業が多すぎる」など様々です。管理者層は、営業担当者ごとのモチベーション状況を把握し、問題があれば解決し、モチベーションが向上するような環境を整えることが大切です。これを士気管理と呼びます。

以上4つの管理項目はすべて関係しています。

そして士気管理は意外と見落としがちな管理項目です。営業担当者ごとのモチベーションを把握して、そこにある課題を知り、解決のための方法を提示することで次に取るべき行動を明確にできます。行動が明確になれば、次に行動の実績を管理し、効率良く行動目標を達成するためのアドバイスを与えます。気持ちと行動が伴えば案件は確実に増えますので、優先度の高い案件への対応を積極的に行い、成約へと繋げます。成約が取れれば最終的な目標を管理できるため、営業担当者の実績を次第に高められます。

営業管理はExcelで出来るのか?

Excelがビジネスツールとして幅広く活用されている理由は、単純な数値管理が行いやすく、かつほとんどのパソコンにインストールされており、営業担当者なら使えない人はいないからです。共有ファイルサーバーにExcelファイルを保存しておけば、営業担当者ごとに必要な情報を入力してもらうこともできます。

ただし、Excelファイルでは新しい情報をどんどん上書きしていくため、前回の情報入力時との違いや変化に対してどういった要素が関連しているかなど、ドリルダウンして考えることには不向きです。過去のバージョンを残そうとすれば、類似したExcelファイルが乱立し、管理が複雑になります。

Excelファイルがいつの間にか削除されていたり、予算と実績のギャップを埋めるための施策を考えようにも、それに必要な情報が不足しているため曖昧な戦略しか出てきません。Excelはビジネスツールとして素晴らしいソフトウェアですが、営業管理を確実に行うには、不向きだと言わざるを得ないでしょう。

営業管理を成功させるためには?

営業管理を確実に成功させるためには、いくつかのポイントがあります。ここでは、管理項目ごとのポイントをご紹介します。

1.目標管理(ギャップ・マネジメント)

●目標数値への納得感

与えられた目標数値に対して納得感が無ければ、営業担当者のモチベーションは向上しません。何度達成しても上がり続ける目標と要望に疲弊することも少なくないでしょう。目標数値に対する根拠を明確に、営業担当者から納得感を得ることが大切です。

●目標達成に対する合意

優秀な実績を達成している営業担当者の多くは、目標達成に向けて高い意欲を示します。目標数値への納得感を得られたら、目標達成に対する合意を得てモチベーションをさらに向上しましょう。

2.案件管理(ケース・マネジメント)

●見込み客の確度

案件ごとに見込み客の確度がどれくらいかを把握することはとても大切です。同じ見込み客でも、契約してくれそうな企業とそうでない企業、どちらに戦力を注ぐべきかは明確です。スコアリング等を実施して、見込み客の確度を常に把握しましょう。

●組織的な案件追従

管理者層として、時には営業担当者と客先へ動向したり、同行しない場合は担当の営業担当者の話を聞きながら、一緒になって案件を追いかけるということも大切です。この場合、案件ごとの営業プロセスと商談内容の共有が必要になります。

3.行動管理(アクション・マネジメント)

●KPIの設定

KPI(Key Performance Indicator:重要目標評価指標)とは、行動目標を達成するために設定する細かいゴールです。コール数、コンタクト率、コンタクトアポイント率、コールアポイント率、新規訪問率、有効商談率、訪問受注率などがあります。細かいKPIを設定することで、行動目標達成に向けて効率良く進捗管理を実施します。

4.士気管理(モチベーション・マネジメント)

●定期的な面談

営業は売上が立てられるからこそモチベーションが向上するものです。そこで、営業担当者とは定期的に面談を実施し、各人の主張や悩みに耳を傾けることが大切です。アドバイスをするのはもちろん、「話を聴いてくれている」という行動に、安心感を覚えることもあります。

いかがでしょうか?営業管理のプロセスは決して簡単ではありませんが、中小企業では大企業よりもマネジメントしやすいという傾向があります。そのため、中小企業こそ営業管理を積極的に実施し、効率良く営業目標を達成する組織体質を作っていきましょう。

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