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SCM選定を成功に導く鍵とは?

サプライチェーン全体の最適化を実現するためには、SCM(サプライチェーンマネジメント)ソリューションの導入が欠かせません。ITを活用し情報を一元的に管理することができれば、物流コストの削減や人的リソースの有効活用など様々な導入効果を得ることができます。

しかし、こうした取り組みへの最初の障壁となるのが「最適なSCM選び」です。自社環境にフィットしたSCMを選ぶことができなければ、サプライチェーンの全体最適化などは難しいでしょう。

今回は今後SCM導入を予定している企業に向け、SCM選定のポイントを紹介していきます。

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SCMを導入する目的は?

そもそもSCMを導入する目的とはなんでしょう?企業によって多様な目的を持ちますが、一般的な目的として次のようなものが挙げられます。

  • 一連のサプライチェーン管理で在庫を最適化
  • 一元的な情報管理で人的リソースを有効活用
  • 市場分析で急激な需要変動にも対応
  • 物流プロセスの最適化でコスト削減

「SCM」という言葉自体にスポットが当たるようになったのは2011年の東日本大震災以降です。東北地方は産業技術が集約している地域でもあり、多くの製造会社が東北工場からの部品供給で製造を行っていました。

東北地方にある多くの向上が被災したのち、「サプライチェーンの寸断」といったフレーズが多く報道されたことで注目されるようになりました。

また、同年にタイで大洪水が起こったことでグローバルレベルでサプライチェーン問題が露呈しました。

以降本日に至るまで、サプライチェーン管理は全ての小売業、製造業、建設業、食品業、薬品業などにとって需要な経営課題として浮上しています。

SCM選定のポイント

SCM選定において、まずは上記で紹介したような導入目的を明確にすることが大切です。目的がハッキリとしていれば一貫したSCM選定を進めることができます。逆に目的が不明慮だと、SCM選定の指針がブレてしまう可能性があるので十分に注意しましょう。

ここでは、SCM選定の目的がハッキリした後、どのようにして選定を進めていけばいいかについて紹介します。

ポイント1.流通全体の業務洗い出し

SCMソリューションは購買、仕入、入庫、在庫、棚卸、販売、出庫、配送といったサプライチェーン全体の情報管理を行い、全体最適化を図っていくためのシステムです。従って、まずは流通全体の業務洗い出しを行う必要があります。

SCM導入プロジェクトでは現段階から各部署の責任者を巻き込み、業務の洗い出しを行うと良いでしょう。

ポイント2.要件定義に落とし込み

サプライチェーン全体の業務洗い出しを行ったら、無駄に発生している業務やSCMで最適化できる業務などをグルーピングしていきます。グルーピングした情報をもとに「自社に最適なSCMとは?」を考え要件定義に落とし込んでいきましょう。

この時、各部署の責任者を集めて要件定義を行えればいいのですが、現場業務の忙しさもあり満足な招集ができないケースが大半です。従って基本的には導入チームあるいは担当者だけで要件定義を進めていくことになるでしょう。

ただし、現場責任者という業務を熟知している人材を欠いている状態なので、十分な要件定義を行えないことが少なくありません。ですので「カカシ」というテクニックを用いて要件を定義してみましょう。

カカシとは、導入担当者が大方な要件定義を行い、その後各部署責任者に確認をしてもらうという方法です。ポイントは「批判されることを前提に要件を定義する」ということです。

要件定義が固まっていない状態から「SCMにどんな機能を求めますか?」を聞いても、満足な回答は返ってきません。多くの人はゼロから何かを作り出すことが極端に苦手なためです。

しかし、もとからあるものを批判することは簡単です。そうして導入担当者が定義した要件をブラッシュアップしていくのです。一つ注意する点は、否定されてもカチンとこないうようメンタルを整えておくことでしょう。

ポイント3.クラウドかオンプレミスかを選ぶ

ソリューションを導入する上で、クラウドかオンプレミスかを選ぶことは今や当たり前の作業となりました。クラウド型SCMならば導入コストを抑えて運用の効率化まで行えるので、人的リソースが不足しているという企業でも導入できます。

対してオンプレミスはインフラを社内で整えるので、ネットワーク構成や製品カスタマイズなど自由度の高い環境を構築することができます。

近年はクラウドを選択する企業が増えていますが、自社にとって最適な導入形態をしっかりと見極めましょう。

ポイント4.要件定義をもとに製品を選ぶ

各部署責任者と共にブラッシュアップした要件定義をもとにいよいよ製品選定を行っていきます。ここで注意すべきなのは、多機能や低コストなど表面上のメリットにとらわれず選定を進めることです。

他製品よりも多機能であったり低コストだと一見メリットのように感じますが、当該製品が自社のサプライチェーン課題を解決できるものとは限りません。つまり「多機能・低コスト=良いSCM」ではないのです。

従ってあくまで事前に定義した要件をもとに製品選定を行ってください。コスト面を比較したい場合は、製品価格よりも導入後の費用対効果で比較しましょう。

ポイント5.導入パートナーを選ぶ

導入パートナー選びはSCM選定と等々に重要なポイントです。SCM導入のノウハウをしっかりと持ち、導入後の運用まで相談できる導入パートナーを選ぶことでSCM導入をより成功に近づけることができます。

導入実績や、実績の特徴(どういった業界業種に強いか?など)を確認した上で導入パートナーを選んでください。

ポイント6.実際に使用してみる

SCMを実際に使用してみることは、導入後のイメージを明確にすることができます。ですのでSCMベンダーが提供するデモやトライアルは確実に利用してください。実際に導入するまで自社にとって100%最適かはわからないのです。

ポイント7.サポート体制を確認する

最後に、SCMベンダー並びに導入パートナーが提供するサポート体制をしっかりと確認しておきましょう。初めてのSCM導入では多くのトラブル発生が予測できるので、強力なサポート体制が整っているに越したことはありません。

まとめ

今回はSCM選定ポイントを詳細に解説しましたが、各企業によってサプライチェーンの特徴が異なるので選定方法としてはこの限りではありません。ここで紹介した選定ポイントをもとに、自社独自にブラッシュアップしていただければと思います。

また、SCMソリューションとして導入されている製品以外にも、Microsoft Dynamics 365のようにサプライチェーン管理を最適化できるソリューションも存在するので、広い視野で選定を進めていきましょう。

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