建設・ビル管理

スマートビルディングとは?世界の市場規模や今後の展望を解説

スマートビルディングとは?世界の市場規模や今後の展望を解説-01

ビルや建物のさまざまな施設へのloTの導入は、省エネや管理業務の効率化、利用者にとっての利便性の向上などさまざまなメリットがあります。世界中でスマートビルディングの市場規模が拡大されているなか、日本でも総務省や経済産業省、民間企業などにおいて導入が進められている状況です。本記事では、スマートビルディングの概念や導入における課題、今後の展望について解説します。

Smart Buildings & Spaces 総合カタログ

スマートビルディングとは?

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スマートビルディングとはICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)を活用することにより、これまで以上に効率的に運用や管理ができるビルや建物のことです。

この章では、スマートビルディングの基本概念や注目されている理由、経済産業省の取り組みなどを解説します。

スマートビルディングのメリットなどについてはこちらの記事でも紹介していますので参考にしてください。

スマートビルディングの基本概念

スマートビルディングとは、loT(Internet of Things、モノのインターネット)技術を活用した建物のことです。空調設備や電力設備、それぞれの部屋など設備にloTを取り付けることによって一元管理し、利用者にとって利便性を向上したり管理業務の効率化したりすることが目的です。日本では、総務省がスマートビルディングを推進、経済産業省で民間企業におけるソリューションを提供しており、取り組みを進めています。

従来のビルや建物では、電力や照明、そのほかの設備が分散していることから監視や制御をそれぞれ個別に行うことが必要でした。しかし、スマートビルディングでは全ての設備やシステムを統合して管理できることから、業務効率化につながります。

さらに、利用者のデータを分析することでエネルギー効率を向上させ、コスト削減にもつながるのです。ほかにも、利用者にとっても快適な環境を提供できるなどさまざまなメリットがあります。

スマートビルディングが注目されている理由

スマートビルディングは2000年以降世界的にトレンドとなっており、世界中でビルの管理システムと連携するサービスが誕生しています。IotやAIを活用したデータ収集やセンサーなどの技術を活用し来客の動向を把握したり、 利用状況の把握によって適切な照明を調節したりするなど、さまざまな目的において利用されています。

スマートビルディングの導入により、不審な行動 や異常な状況を検知することをはじめ、ビル内のセキュリティや安全性の向上も期待できるでしょう。スマートビルディングはビルの管理と効率化に大きな革新をもたらしています。先進技術の活用により、快適な環境の提供やセキュリティの向上が実現し、ビルの運用管理がより効果的かつ持続可能となっているのです。

スマートビルディングにおける経済産業省の取り組み

経済産業省は、スマートビルディングにおける事業推進促進会の今後の取り組みについて発表しています。 取り組みの内容としては、主に次の3つが挙げられます。

  • スマートビルディングに関する課題や制作などをERAB(Energy Resource Aggregation Business、エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス)検討会に一元化
  • 新たに普及促進タスクフォース(仮)を立ち上げ
  • 民間主導による活動を推進

新たに普及促進タスクフォース(仮)を立ち上げることによって、スマートビルディングの普及と持続可能なエネルギー活動の推進中です。さらに、住宅メーカーや家電メーカー、スマートホームサービス提供事業者などの民間主導による推進を行い、サービスの拡大ができていない現状を解決するための取り組みをしています。

スマートビルディングの普及と持続可能なエネルギー活動を推進し、より多くの人々がメリットを得られるような環境の整備が進められているのです。民間主導の取り組みと政府の支援を組み合わせることで、スマートビルディングの普及における課題を克服しようとする試みです。

スマートビルディングの世界市場規模は年々拡大中です。ビルの管理業務における業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがあることから、2028年には1,417億ドルまで伸びるといわれています。

参考:経済産業省スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会・普及促進タスクフォース

スマートビルディングの機能例

スマートビルディングには次のような機能があります。

  • IotやAIによるビル管理の効率化・ビル環境の整備
  • ビルの利用データの分析

IotやAIによるビル管理の効率化・ビル環境の整備 

IotやAIの活用によって、空調や照明、電力などビル管理の効率化やビル環境の整備が実現します。例えばオランダ、アムステルダムの「ジ・エッジ」というオフィスビルでは、エネルギー効率のよい構造設計を活用して、少ない電力で効果的に稼働する仕組みが導入されています。エネルギーの使用状況を自律的にコントロールすることで、少ない電力で稼働していることが特徴です。

ビルのエネルギー使用量を削減するだけでなく、快適な環境の維持も可能です。さらに、IotやAIの活用でビルのトラブルを早期に検知し、適切な対応を行うこともできます。

ビルの利用データの分析

スマートビルディングを効率よく進めるためには、ビル内において利用データを活用することが重要です。例えば、空調履歴を把握しておけばエネルギー利用効率の分析ができます。利用データの活用は、ビルのエネルギー効率化や利便性の向上に大きく貢献するでしょう。

ビル内の利用データは、センサーやシステムなどを通じて収集されます。データを解析し、ビルのエネルギー利用効率や快適性を向上させるための改善点を見つけ出すことが可能です。

スマートビルディングの市場規模は拡大中 

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スマートビルディングの世界市場規模は年々拡大中です。ビルの管理業務における業務効率化やコスト削減などさまざまなメリットがあることから、2028年には1,417億ドルまで伸びるといわれています。

参考:PR TIMES

スマートビルディングの世界市場規模 

スマートビルディングは2022年から2030年にかけて世界市場規模が拡大し、2030年には5,700億2,000万ドルに達すると予測されています。IoTに対応しているBMS(Building Management System、ビル管理システム)の導入が増えたり、業界標準や規制が強化されたりしたことが大きな要因です。

参考:市場調査レポート(株式会社グローバルインフォメーション)

スマートビルディング市場の動向

商業ビルが増えたことにより、エネルギー消費量の削減が重要な課題です。そこで、ビルのエネルギー消費を最適化する動きが広まり、エネルギー管理システムであるBEMS(Building Energy Management System、ビルエネルギー管理システム)の構築をするケースが増えています。

BEMSの導入は、ビルを運営するため費用削減や環境負荷の軽減に大きなメリットをもたらします。エネルギーの効率的な管理によって、ビル所有者にとってメリットが生まれ、持続可能なビル運営に貢献できるでしょう。

スマートビルディングの導入における課題と対策

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スマートビルディングを導入するに当たり、次の課題が挙げられます。

  • データセキュリティとプライバシーの保護
  • 従業員の管理対策
  • 高額な初期コスト

データセキュリティとプライバシーの保護

スマートビルディング運用において最も重要なのは、セキュリティ対策やプライバシーの保護です。建物の管理者がインターネット回線を通じて、スマートビルディングを管理することが一般的ですが建物内の機能によっては、セキュリティがおろそかになる可能性があります。

セキュリティ対策が不十分だと、不正アクセスやほかの攻撃のリスクが高まるため、適切な対策が必要です。例えば、スマートビルディングの管理画面にアクセスされてしまうと、ビルに入居している企業に関連する情報が流出する可能性があります。

また、セキュリティカメラの配置や入退室管理システムの設置など、物理的なセキュリティ対策も重要な要素です。

従業員の管理対策 

スマートビルディングの導入は、該当のビル内で就業している従業員の管理にも役立ちます。例えば、出社時の顔認証により自動的に業務システムにログインするといったことが可能です。ほかにも、自分の席に着くと同時に業務リストを表示させたり、自動的に会議に参加するように促したりするなど、さまざまな活用方法があります。

スマートビルディングの活用により、従業員の管理や業務の効率化が容易になります。自動化されたシステムやセンサーを活用することで、社員は業務をより効率化できるようになるでしょう。

高額な初期コスト 

スマートビルディングにするには、少なくても数百万円、場合によって数千万円、数億円とかかる場合があるため、導入は容易ではありません。BEMSの導入費用だけでも100万円を超えることが一般的です。このため、スマートビルディングを導入するだけでもハードルが高い可能性があります。

初期コストは高額ですが、警備システムのAI化や空調設備の最適化などは長期的に見ると人件費や光熱費の削減が期待できるものです。初期投資とランニングコストのバランスを考える必要がありますが、導入にはメリットがあるといえるでしょう。

スマートビルディングの将来展望とトレンド

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2022年には、さまざまな企業がスマートビルディングの製品を発表しています。スマートビルディングには、コスト削減やエネルギーの効率化など持続可能であることが求められることが一般的です。

展示会「スマートビルディングEXPO2022」で発表された注目の製品 

「スマートビルディングEXPO 2022」では、次のようなさまざまな製品が発表されました。

  • LIXIL Toilet Cloud|(株)LIXIL
    トイレ空間を清潔に保つための管理ソリューションです。
  • らくタッチdearisシステム|アイホン(株)/ (株)PacPort
    誰にでも簡単に利用できるインターフォンであり、スタイリッシュなデザインを追求しています。
  • ビルIoTソリューション|(株)日立製作所
    ビルの利用状況をさまざまな角度で分析できるシステムです。
  • アートミュール|旭化成建材(株)
    高度な下地処理や専用の塗料を使って、卓越した持続性を実現するシステムです。
  • グロウアース菜園システム|大建工業(株)
    菜園システムを導入することで、建物価値を向上しほかのシステムと差別化をします。

それぞれの企業で、トイレや菜園システムなどさまざまな目的においてスマートビルディング関連の商品が展開されています。

持続可能なスマートビルディングの推進 

スマートビルディングを導入する上では、持続可能であることが重要です。空調や換気、冷暖房システムや照明などのコスト削減をはじめ、業務全体のエネルギー効率化に取り組むことが求められます。

例えば、省エネルギー設備の導入やエネルギー管理システムの活用などが有効です。これらの導入により、電力消費量を削減しコストを節約できます。

スマートビルディングのセンサーやデータ分析の活用で、エネルギー使用パターンを把握することも可能です。最適な運用方法を見つけて効率的にエネルギーを管理し、持続可能なビル運営ができるようになります。

スマートビルディングの持続可能性は、コスト削減と環境負荷の軽減につながる重要な要素です。適切な技術と戦略を組み合わせることで、より効率的で環境に配慮したビル運営を実現できるようになるでしょう。

まとめ

スマートビルディングとは、建物内の設備や施設、部屋などにIoTを活用してセンサーをはじめとした装置を組み込むことにより、一元管理することです。例えば、空調システムや照明を適切にコントロールしたり、社員の業務効率を向上したりなどさまざまなメリットがあります。

スマートビルディングの導入は、管理者や利用者にとっても大きなメリットをもたらします。今後、より需要が高まることが見込まれるでしょう。

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