企業は常に限られたリソースの中で利益を創出してかなくてはなりません。それは大企業も中小企業も同じことで、リソースをどのように分配し、どのようにして効率的にビジネスを展開するかが重要になります。
中でも営業は会社の売上を立てるのに欠かせない前線部隊なので、リソース配分と効率性がダイレクトに響く職種の一つです。そこで本記事では、営業活動を効率化するための15個の方法をご紹介します。効率化とは要するに、行動および時間の無駄をなくすことです。新しいリソースを生み出し、重要な場所に集中することで非常に効率的な営業活動が実現します。現在の、営業に何らかの悩みを抱えている方は、それを解決する糸口になるやもしれないのでぜひ参考にしてください。

顧客と接する中で営業を効率化する方法
1. 確度の低い見込み客からの問い合わせを減らす
問い合わせがあったため営業が客先に出向いたところ、具体的な導入検討はしていなかった、実際に話をしてみると製品・サービスの内容が課題とマッチしていなかったことはよくあります。そうした確度の低い見込み客と接する時間は、非常にもったいないのが事実です。
そこで、製品・サービスサイトに細かい情報やダウンロード資料、FAQ(よくある質問)を充実させて、情報収集段階の見込み客からの問い合わせを減らすことが案外大きな効率化になります。
2. 商談前に見込み客のステージを把握する
これから商談に入ろうという営業案件において、見込み客が現時点でどのステージに立っているかを把握するのも大切です。製品・サービスサイトにおける問い合わせフォームに、事前に知っておきたい情報の入力項目を設ける、問い合わせ時のヒアリングルールを明確にしていくなどの対策と取りましょう。
3. 営業サイクルそのものを効率的にする
見込み客創出から案件化、商談化、受注、契約といった営業サイクルそのものと効率化するには SFA ( 営業支援 サイクル)などのシステムが必要です。日報作業や見込み客情報の集約管理など、機能をフルに使うことで営業サイクルの短縮に成功します。
4. フォローアップの引き時を考える
見込み客のフォローアップは大切なことですが、確度の低い見込み客を追いかけ続けるのは時間の無駄です。必要なフォローアップ回数や、フォローアップを続ける際のルールなどを明確にして、引き際がきたらスパッと対象から外すことで 営業効率 は上がります。
5. インサイドセールスを採り入れてみる
インサイドセールス (非訪問型営業)はWebサイト運用、電話、メール、DMなどを用いて営業活動するスタイルです。効果を発揮するまで時間はかかりますが、効率化の観点から見れば一部で採り入れてみるのがよいでしょう。ちなみにインサイドセールスのみで全ての売上を創出している企業もあります。
時間を無駄にしないための方法
6. 1つ1つのタスクを精査する
そのタスクは本当に自分がやらなくてはいけないものなのか?を常に考えます。最初は慣れない思考に時間がかかるかもしれませんが、次第に自分がやるべきタスクとそうでないタスクを瞬時に判断できるようになり、なおかつそのタスクをどのように処理・移行すればよいかも判断でき、無駄な時間を短縮できます。
7. 優先順位を付ける
優先順位付けは常に意識しているという方が多いでしょうが、緊急度で優先順位をつけがちではないでしょうか?緊急度と合わせて重要度も含めて考えて、緊急度が低く重要度が高いタスクを予定に入れられるようにしましょう。
8. 外出日をまとめる
外出日をこことまとめておくと、意外と営業活動がはかどります。外出する日、内勤する日、エリアごとの外出など独自のルールで設定しておくとようでしょう。これらのルールを決めておくと、見込み客から問い合わせがあった際も複数の訪問日を提案して、営業がイニシアチブを握ることができます。
9. 同じ作業をまとめる
マルチタスクは有能なイメージがありますが、実は脳への負担が大きく 生産性 や成果物の品質が低くなることが報告されています。そこで、メール確認や返信、見込み客への電話など同じ作業をまとめられるところはまとめて、常に1つの作業の集中できる環境を自ら整えましょう。
10. 空き時間だけにやりたいことを用意しておく
打ち合わせ相手が遅れたり、訪問予定が突然キャンセルになったり予期せぬ空き時間が生まれることは多々あります。その際に暇つぶしをするのではなく、空き時間だけにやりたいことを用意しておきましょう。つい後回しにしがちなタスクをまとめておき、空き時間に処理するのが効果的です。
11. 移動ルートを考慮したリストを作成する
外出中の時間を有効活用するには、移動ルートを考慮したリストを作成することが大切です。見込み客訪問の際に近隣の客先にも訪問したり、これから出向くエリアでの案件を自ら増やすといった工夫が大切です。営業実績を決めるのは営業活動の質だけではなく、量も欠かせません。限られた時間の中で量を増やすためにも移動ルートを考慮したリストを作成しましょう。
日々の事務作業を効率化する方法
12. ITツールを積極的に活用する
パソコン作業時に一度コピーした文章や文字列を再度貼り付けたい時、他の文章等をコピーしたがために使えないという経験は多々あるでしょう。世の中にはそうしたちょっとした時間の無駄を効率化するためのツールが多数提供されています。ただし、無料ツールをダウンロードする際はマルウェア等に感染しているリスクもありますので、IT担当者に相談した上で利活用してください。
13. キーボードの辞書登録をする
ビジネスメール等でよく使う文章は辞書登録をおすすめします。たとえば「おつ」と入力すると「お疲れ様です。」、「あり」と入力すると「有難うございます。」と入力候補が表示されるようにしておくと、作業単位で細かい効率化になります。
14. メールテンプレートを用意する
似たようなビジネスメールを送信することは多々あります。ならば、メールテンプレートを用意しておくのがよいでしょう。テンプレートを使って枠組みに客名などを当てはまるだけにすれば、メール作成時間を大幅に短縮できます。また、過去に効果的だったメールをテンプレート化すること、効率的に営業活動が展開できます。
15. ショートカットキーを多用する
こちらも細かい効率化ですが、パソコンのショートカットキーを多用することをおすすめします。営業が事務作業でパソコンを操作する時間は長いですし、1秒でも10秒でも効率化することが、最終的な大きなリソースを創出します。すべてのショートカットキーを使いこなさなくても、よく使用するものを10個程度覚えておくだけで業務効率は上がるはずです。
効率化ばかりにとらわれず営業本来の目的を忘れないこと
最後に、営業活動の効率化は営業実績を上げるために欠かせない取り組みです。しかし、効率化にとらわれるばかりに営業本来の目的である顧客とのコミュニケーションや、顧客の課題を解決することを忘れてはいけません。また、近年では顧客と長期的な関係性を築くことが総合的に見て大きな実績をもたらすと言われているので、時には非効率的だと思っても顧客とのコミュニケーション等を優先すべき時があります。1つ1つの行動に意識を向けて、常に何が最適化を考えながら営業活動を展開していきましょう。