SFA (Sales Force Automation) を導入することで営業活動を効率良く行い、組織的なセールスを実現し、売上向上にも貢献します。他にも以下のようなメリットがあります。
- 営業活動が可視化される
- イレギュラー案件を早期に発見できる
- 営業実績をすぐに把握できる
- 次のアクションが分かりやすい
- 管理者が適切なアドバイスを下せる
- ミス・漏れが無くなる
- 日報作成時間を短縮できる
- 経営戦略を具体的に立案できる
- 教育コスト削減につながる
- 適切な人事評価につながる
- 売上着地を早期段階に把握できる
こうしたメリットから、SFA導入に魅力を感じている方は多いでしょう。SFAを導入することによって多くの効果を得られれば、事業成長につながるような営業活動を実施していけます。
しかしながら、SFA導入に失敗するケースも少なからずあります。その理由として特に多いのが、「適切なSFA製品を選べなかった」です。現在のSFA市場では実に多様な製品が提供されています。汎用的で、カスタマイズを加えることで様々な業務要件に対応できる製品。業界標準の機能を備えていてカスタマイズを最小限に抑えられる製品。限られた機能で素早く低コストに導入できる製品など多種多様に存在しています。
製品が多様化したSFA市場において、自社にとって最適な製品を選ぶことは、決し容易ではないのです。本稿では、中小企業が失敗しないSFA選定について、そのポイントを紹介していきます。
SFA選定のポイント
それではさっそく、中小企業がSAF選定で失敗しないためのポイントを紹介します。
Point①クラウドサービスを優先的に検討する
クラウドサービスとは、システムに必要なインフラや開発基盤、あるいはソフトウェアをインターネット経由で提供するサービスです。SFAの中にもクラウドサービスとして提供されている製品が多数あり、社内インフラを構築したり、サーバーを調達したりしなくてもSFAを導入できる利点があります。
IT人材が限られている中小企業にとっては、システム運用やメンテナンスをクラウドサービスベンダーが行っているため、運用負担を最低限に抑えつつSFAを導入できます。
オンプレミスには自由度が高いというメリットはありますが、それを上回るコストメリットがクラウドサービスにはありません。
Point②SFAの機能・役割を理解する
SFAには多様な機能があります。失敗しないSFA選定を目指すためには、まずSFAが持つ機能や役割をについて理解することが大切です。SFAは主に次のような機能を持ちます。
- 顧客情報管理
- 案件情報管理
- 商談情報管理
- 営業プロセス管理
- 売上予測
- 予実管理
- スケジュール管理
- ToDo管理
- 営業アラート
- 日報・週報作成
- 見積書作成
- ワークフロー
- 集計・分析レポート
- モバイルデバイス対応
こうして機能について理解するだけでも、SFAで何ができるかを具体的にイメージすることができます。このイメージがあるか否かでは、適切なSFAを選定できるかどうかに大きく影響します。
Point③営業課題から目的・目標を明確にする
SFA選定で欠かせないのは、経営課題を整理した上でSFAを導入する目的と目標を明確にすることです。SFA市場で流通している製品は多種多様にあります。それらの製品から適切なものを選択するためには、営業課題を整理しつつそれにマッチしたSFAを選定することが大切です。
営業課題にはさまざまなものがあるかと思います。その上で目的と目標を明確にして、SFA選定の指針としましょう。
Point④機能要件を定義する
SFAが持つ機能や役割について理解し、営業課題を整理して目的と目標を明確にしたら、自社の機能要件を定義していきます。機能要件とは、自社がSFAに求める機能のことです。機能要件の際の注意点はIT部門などが主導権を握って定義するのではなく、営業責任者などを巻き込んで機能要件を定義していくことです。
IT部門が考える理想のSFAと、営業部門が考える理想のSFAとでは乖離している可能性があります。それぞれにとって理想のSFAについて意見を交換し、認識をすり合わせて全社的に理想のSFA像を作ります。
その際には、不要な機能要件を極力排除して、必要な機能要件だけをまとめていけるように配慮します。
Point⑤グローバル展開の必要性を検討する
昨今では中小企業のグローバル展開が活発になっています。日本市場の飽和状態を受けて、海外市場にビジネスチャンスを見出す企業、酒造業界など海外での日本商品人気を受けてグローバル展開を目指す企業など理由はさまざまでしょう。もしもグローバル展開を検討していたり、すでに着手しているという場合は導入すべきSFAがかなり限定的になります。
グローバル展開で大切なのは、海外現地拠点の情報をリアルタイムで集約できるシステム環境を作り、グループ全体で一貫して経営方針を取ることです。そのためにはクラウドサービスとして提供され、かつ海外の商習慣にも対応したSFAが必要になります。
SFA製品の中には海外ベンダーが提供するものも多く、その場合は多言語・多通貨対応によって海外現地拠点での活用ができ、情報集約に貢献するものがあります。
Point⑥RFI・RFPを作成・提出する
RFI (Request for Information)は入札や調達の事前準備として、SFAベンダーに保有製品や提供可能なサービスの概要、あるいはその組み合わせや実績などの情報を提供してもらうための情報提供依頼書です。一方、 RFP (Request for Proposal)はベンダーにシステムの提案を作成してもらうための提案依頼書です。
RFIとRFPを作成してSFAベンダーに提出することで、各ベンダーが自社の営業課題に対してどのようなソリューション(解決)を用意できるかが明確になります。
Point⑦ベンダーサポートを比較する
初めてSFAを導入する企業にとってベンダーサポートはとても重要な成功要素になります。SFAは導入してすぐに効果を発揮するものではなく、一定の期間を経過して効果を実感するようになります。
運用が軌道に乗るまではベンダーサポートを頼ることも多いため、サポートの対応範囲や対応時間等を正確に把握し、比較し、幅広いサポートを提供するSFAベンダーを選ぶことが大切です。
SFA導入にあたってパートナー企業を選出する場合は、パートナーが提供するサポート体制についても明確に理解しておきましょう。
Point⑧ 他システムとの連携性を考慮する
企業がビジネスを円滑の行うためには、業務システムが必要不可欠です。これらは有機的に結合することで業務の 生産性 を高めることが可能になります。例えば営業部門はSFAで案件管理をするかもしれませんが、見積り作成や請求業務は経理部門が会計ソフトウェアで行なっているケースがあります。また、 コールセンター や フィールドサービス 部門が作業をした顧客情報は CRM に入っており営業部門はこれらのデータも閲覧しながら営業活動を行うことが望まれます。このような背景からSFAシステムは、他システムとの連携が必要不可欠ですので業務全体感から導入を行うことが重要です。
SFA導入は製品選びが肝心!慎重な選定を
いかがでしょうか?これからSFA導入を検討している企業では、以上のポイントを抑えて正しいSFA選品の選定を行っていただきたいと思います。SFAは製品ごとに多種多様な機能を提供していますし、導入や運用にかかるコストも違います。安いから良い、多機能だから良いというわけでは決してないので、あくまで自社にとって最適な製品を選べるように、SFA選定は慎重に行いましょう。
「 CRMとSFAの違いを解説! 」の記事で詳しく調べてみましょう!