AI OCRとは?その現状と適用領域について解説

AI OCRとは?その現状と適用領域について解説

AI(Artificial Intelligence:人工知能)が人間の知能をすでに上回っていることは、あらゆる分野で証明されています。世界のビジネスは今後、AIありきの業務プロセスを構築していうようになり、意思決定に必要な判断材料の多くをAIが提示してくれます。また、多種多様なシーンでのAI利用が活発化になっており、メディアでは度々AIに関するニュースが流れています。

本記事でご紹介するのは、そんなAIと搭載したOCR(Optical Character Recognition︓光学的⽂字認識)についてです。AI OCRとは何なのか?その現状と適用領域も踏まえてご紹介します。

AI OCRとは?その現状と適用領域について解説

AI OCRとは?

AI OCRは文字通り、AIを搭載したOCRのことです。では、OCRとは何でしょうか?ビジネスでは大量の資料を取り扱うことがあり、そのすべてを紙で管理するのは複雑かつ負担が大きいものです。OCRはそうした紙資料をデジタルデータに変換するための技術であり、画像データのテキスト部分を認識して文字データに変換します。

例えば「100枚ある資料を1つのデジタルデータにまとめたい」と考えた時、OCRを使えば1枚1枚をスキャンして画像データとして出力し、さらにデータ内のテキストを認識することで文字データへと変換します。これならば、100枚あった紙の資料も1つのデジタルデータとして保管できますし、資料の持ち運びもずっと楽になります。

このOCRにAIを搭載すると、自律的に考えてテキストを文字データへ変換する高度な技術へと昇華できます。特に機械学習による文字認識率の向上は、OCRで文字データへ変換した後のチェック負担を大幅に軽減してくれます。

AI OCRの利用実態

AI OCRなんて初めて聞いたという方も多いかもしれません。では、現在どれくらいの企業がAI OCRを利用しているのでしょうか?下のグラフは、AI OCRの利用状況と導入企業が実感した効果について表したものです。

<AI OCRの利用状況>

AI OCRの利用実態 1

<AI OCRの導入効果>

AI OCRの利用実態 2

出典:株式会社MM総研 『AI-OCRサービスに関する利⽤実態調査

ご覧いただいているように、AI OCRを導入している企業は合計で10%未満なので、決して多いわけではありません。しかし利用に関心があると回答した企業は51.9%おり、企業規模に応じてその割合が大きくなるところを見ると、業務効率化等に多大な期待が寄せられていることが分かります。

実際に、AI OCRを導入したことで「データ作成に要する時間」の削減と「ミスの発生率」の低減に関する効果を、80%以上の企業が実感しています。その他の導入効果においても多数の企業が実感しており、日常業務においていかにAI OCRが、有効的かがうかがえる結果です。

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AI OCRの利用シーン

ここまでAI OCRがどんなものか、どれくらい利用されているか、どんな効果が実感されているかについてご紹介しました。しかし、AI OCRが具体的にどのシーンで利用されているかというイメージはなかなか湧かないものです。そこで、AI OCR市場における世界的なリーダーであるABBYYのサービスを参考に、具体的な利用シーンをご紹介します。

シーン1. 帳票から必要なデータのみを抽出してデータベースに管理

請求書や見積書など所定のフォーマットによって作成された資料をシステムへ転記するにあたり、必要となる情報は数字部分のみです。しかし、通常のOCRでは資料全体のデータをデジタル化できても、必要なデータのみを抽出することはできません。AI OCRならそれが可能になり、必要なデータのみを抽出してデータベースへ管理できます。

シーン2. 資料全体を画像イメージとして変換し所定の場所に自動保存

もちろん、資料全体を画像イメージとして変換することも可能です。その際は、変換後に所定の場所(コンテンツ管理システムなど)に保管するような設定もできます。

シーン3. RPAと連携による大幅な定型業務効率化

AI OCRはRPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)との親和性が高い技術です。AI OCRでデジタルデータ化した資料を、ユーザーに定義に合わせてERPやCRM等のシステムへ統合したり、メールで関係者全体と共有したりする作業を自動化できます。

シーン4. 重要なビジネスデータを自動的に抽出、ルールに従って保存する

ビジネスにとって重要なデータは、それがどんな資料なのか?何に使用する資料なのか?によって異なります。AI OCRの機械学習によりAIが自動的に重要なビジネスデータを抽出し、ユーザーのルールに従って保存するため作業ミス低減による生産性アップが可能です。

シーン5. 大量の紙文書をダイナミックに検索可能なフォーマットへ変換

キャビネットや倉庫に、大量に放置されている紙文書もAI OCRによってすべてを検索可能なフォーマットに変換し、全文検索などダイナミックに検索できるようするため文書整理や業務効率化に大きく貢献します。

シーン6. 可変帳票を含むあらゆるドキュメントに対応する

企業では調査書やアンケートなどの固定帳票、請求書やインボイスなどの可変帳票、さらに契約書や手書きのメモなどの非定型文書など非構造化された文書が複雑に管理されています。AI OCRはそのいずれにも対応し、デジタルデータ化が可能です。

もちろん、AI OCRの利用シーンはこれに限りません。ビジネスのあらゆるシーンでAI OCRが利用可能であり、設計書など技術性の高い資料のデジタルデータ化なども可能になります。

AI OCRで働き方改革を加速させる

日本の経済界全体にとって、ここ数年注目のトピックといえば働き方改革です。2019年4月には労働基準法等を大きく改正した働き方改革関連法案が施行され、2020年4月からは中小企業で罰則付きの時間外労働上限規制が適用され、同一労働同一賃金は中小大企業共に適用されます。

その中で、生産性向上と時間外労働削減に追われている企業は非常に多いことでしょう。この課題を乗り越えるソリューション(解決策)として提案したいのがAI OCRです。企業の至るところに管理されている紙の資料をデジタルデータ化し、ダイナミックに検索できる環境が整えば業務効率は確実に向上します。作業ミスが少なくなることで効率化される部分も多いでしょう。

さらに、RPAと連携することで具体的な労働時間削減につながり、時間外労働の削減はもとより人件費削減など大きなコスト削減効果が期待できます。つまり、単純に法令に対応するための「守りの働き方改革」ではなく、法令遵守を通じて業務プロセスを変革し大きな生産性を手に入れる「攻めの働き方改革」が実践できるというわけです。

AI OCRの利用シーン拡大や導入効果の期待値は今後も広がっていきます。ぜひ、この機会にAI OCRを使って働き方改革・業務改革・業務改善をご検討ください。

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