セキュリティ

Azure活用で何ができる?AIとセキュリティで業務を革新する方法

Azure活用で何ができる?AIとセキュリティで業務を革新する方法

Azureは、Microsoft社のクラウドプラットフォームです。Azureを導入すると、データ管理や開発効率化、AI、セキュリティなど、多岐にわたるソリューションが活用可能に。本記事では、AzureのAIサービスやAI Searchの概要、内部データと組み合わせた活用方法、セキュリティ機能について解説します。

Azureを活用するとできることとは

Azure上では、200以上の製品・サービスを提供。多彩な機能を備えたAzureの活用により、データ管理と分析の高度化が実現し、正確かつ迅速な意思決定と新たなビジネス価値を創出することが可能です。Azureは、IaaS(インフラの提供)、PaaS(開発・運用基盤の提供)、SaaS(アプリケーションの提供)のいずれも網羅しており、幅広い業務領域に応用できます。

代表的なカテゴリは以下の通りです。

データ管理・分析の高度化

  • 開発・運用の効率化:アプリケーション開発、運用自動化、コンテナ管理など
  • データ管理:SQL DatabaseやCosmos DBを使ったスケーラブルなデータ基盤
  • AIと分析:Azure OpenAI ServiceやCognitive Servicesで自然言語処理、画像解析、データ予測など幅広い分析に対応
  • セキュリティ:ゼロトラストを基盤とした認証・監視・脅威検知
  • ネットワークと統合:仮想ネットワーク、ハイブリッドクラウド、マルチクラウド対応
  • 業務アプリ連携:Power Platformと連動した業務自動化、BIダッシュボード

ID・アクセス管理の強化と統合運用(Entra ID/Azure AD)

Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)は、社内外のユーザー・デバイス・アプリケーションを一元的に管理できる統合プラットフォーム。
Azure導入において、ID・アクセス管理はセキュリティと運用効率の両面で極めて重要です。

  • 統合管理:従業員だけでなく外部パートナーやデバイスも一括管理。オンプレミスADとの連携も可能。
  • ロールベースアクセス制御(RBAC):業務や役割ごとにきめ細かいアクセス権限を設定でき、情報漏洩リスクを低減。
  • 条件付きアクセス・多要素認証(MFA):場所・デバイス・リスク状況に応じてアクセス制御を自動化し、ゼロトラストセキュリティを実現。
  • シングルサインオン(SSO):Microsoft 365や各種SaaS、社内システムへのログインを一度で済ませることができ、ユーザーの利便性と管理効率を向上。
  • 監査・コンプライアンス対応:アクセス履歴や認証ログを自動記録し、監査・法令対応も容易。

IT部門にとっては、ユーザー追加・削除、権限変更などの運用負荷を大幅に軽減できるほか、セキュリティインシデント発生時の迅速な対応・調査が可能です。
社内外のシステム連携やクラウド移行時も柔軟に対応できるため、ID・アクセス管理の強化はAzure活用の基盤となります。
このように、Azureは「基盤」「開発」「AI」「セキュリティ」の4つの観点から企業のIT環境を支え、組織全体の生産性を底上げします。

開発・運用の効率化

システム開発や運用において課題となりやすいのが、スピード・コスト・品質のバランスです。Azureでは、以下のようなサービスを組み合わせることで効率化の実現を目指します。

  • App Service:Webアプリに迅速な立ち上げ、スケールアウトも容易
  • Azure Functions:サーバーレスアーキテクチャでイベント駆動型の処理を実装
  • AKS(Azure Kubernetes Service):コンテナを大規模に管理し、自動スケーリングを実現
  • Azure DevOps:CI/CDパイプラインを構築し、開発からリリースまでを一元管理
  • Logic Apps:ワークフロー自動化を実現し、既存システムとの連携が容易

例えば、新しいアプリケーションを開発する際、Azure DevOpsを活用して自動テストとデプロイを組み込み、App Serviceを用いることで本番環境へ迅速かつ安全に公開可能。また、ユーザーアクセスが急増した場合でも、AKSにより自動でスケールアウトするため、安定したパフォーマンスを維持できます。

加えてAzureは、アクセス数や処理量の増減に応じて、必要なリソースを自動で拡張・縮小できる点が大きな特長。たとえば繁忙期やキャンペーン時でも、追加のサーバー調達や設定変更を行わずにシステム負荷に合わせて自動で最適化できます。そのため、余剰コストを抑えつつ安定したサービス提供が可能。従量課金制を採用しているため、スタートアップから大企業まで、事業規模に応じた柔軟な運用を行うことができます。

このように、Azureの導入は、システムの安定稼働とコスト最適化の両立に寄与。
サーバーの準備や手動での運用作業を自動化できるため、開発者は本来のコア業務に集中できます。その結果、リリースの迅速化とビジネス全体のスピードアップを後押しします。

Azure×AIの活用例2選

AzureのAIサービスを活用することで、専門性の高い業務プロセスも効率的に自動化。
ナレッジ検索や自動応答システムなど、業務を支える高度なソリューションを容易に導入できるため、担当者の負荷を軽減し、より付加価値の高い業務へのシフトを促します。

1.ChatGPTが社内ナレッジを元にした回答

Azure OpenAI Serviceを利用すると、ChatGPTを企業独自のナレッジベースと安全に連携することが可能に。例えば、社内規定やマニュアルをAzureに格納すると、AIが自然言語で検索・回答する仕組みを簡単に構築できます。従業員からの「経費精算の方法は?」「システム障害時の連絡先は?」といった質問に対し、AIが即座に正確に回答。従来のFAQシステムは情報更新に手間がかかりましたが、Azure Cognitive Searchと連携することで最新情報を自動的に反映できるため、メンテナンスの負担を大幅に軽減できます。

2. メンテナンス不要のAIヘルプデスクを実現

問い合わせ対応には人手が必要なうえ、繁忙期にはサポート担当者の負担が増大。

AzureのAIサービスを活用すれば、顧客や社員からの問い合わせに24時間対応する「仮想ヘルプデスク」を構築でき、業務の効率化が可能です。
特に、Azure OpenAI Serviceは自然な会話を実現し、パスワードリセットや契約内容の確認、業務フローの説明といった定型的な問い合わせを自動処理。

これにより、担当者はより複雑な案件に集中でき、サポート全体の品質向上につながります。
さらに、クラウドサービスで提供されるため、システムの管理や保守の負担も大幅に軽減されます。

Azure×セキュリティ強化の活用例2選

クラウドプラットフォームの導入に際し、多くの企業が重視するのがセキュリティ対策。
Azureは「ゼロトラスト」の理念を基盤に、認証・監視・脅威検知といった多層的な防御を体系的に提供しています。
代表的な活用例として、以下の2つが挙げられます。

ゼロトラストと多層防御

ゼロトラストは「すべてのアクセスを信頼しない」という考えに基づいたセキュリティモデル。Azureでは、以下の機能の組みあわせにより、ゼロトラストを実現しています。

  • Azure Active Directory(Azure AD):多要素認証(MFA)、条件付きアクセス制御
  • Key Vault:機密情報の安全な暗号化管理
  • Azure Information Protection:データへのラベル付けと利用状況の追跡

外部だけでなく、内部からの不正アクセスを防止し、従来の境界防御モデルに依存せず常に検証と制御を行う仕組みを構築できます。また、2025年5月からは、Microsoft Entraの新機能「Agent ID」が搭載。AIエージェントに対しても厳密なID管理と条件付きアクセスが可能となり、セキュリティがさらに強化されています。

統合監視とコンプライアンス

Azureは、セキュリティ運用を効率化するための監視・分析基盤も提供しています。

  • Microsoft Sentinel:クラウドネイティブなSIEM(セキュリティ情報イベント管理)で、ログを収集・相関分析
  • Defender for Cloud:脅威検知やセキュリティ推奨事項を提示し、運用を最適化
    コンプライアンス管理:業界規制(ISO、GDPR、金融関連規制など)に準拠を支援する機能を提供

これらの仕組みにより、セキュリティ担当者は膨大なログを効率的に分析し、脅威を迅速に特定。
その結果、インシデント対応までにかかるリードタイムの大幅な短縮が可能です。

さらに、監査や法令対応の自動化によりコンプライアンス負荷を軽減し、安全なクラウド環境の運用を実現します。

加えて、Azure Firewallの統合やSecurity Copilotの活用によって、自然言語で脅威を分析・調査できるため、運用効率と対応速度が飛躍的向上が見込めます。

PSCならAzureの活用を支援

Azureは多機能である一方、自社の業務にどう適用すべきか迷うケースも少なくありません。加えて、導入に際してIT人材の不足が課題となる企業も多いのが現状です。PSCのクラウド導入支援サービスでは、主に以下のような支援を提供しています。

  • コンサルティング:現状のIT環境を分析し、最適なクラウド移行戦略を提案
  • 設計・開発支援:Azureを活用したアプリケーション開発やAI導入を支援
  • セキュリティ導入:ゼロトラスト設計、多層防御構築、監視体制整備をサポート
  • 運用支援:導入後の監視・最適化・コスト管理まで一貫対応

さらにPSCでは、企業の規模や業種に応じたカスタマイズの提案も実施、業務フローや既存システムとの連携を考慮した最適な構成を設計することが可能。導入前のPoC(概念実証)やパイロット運用の支援も提供することで、導入リスクを最小化しつつクラウド活用効果の最大化を実現します。

導入後も定期的な運用レビューや最新技術のアップデート情報を提供するなど、企業の長期的な成長を支える体制が整っています。

業務革新の実現に向けて、Azureの導入効果を最大化したいと考えている方は、ぜひ資料をご覧ください。

まとめ

Azureは、IaaS・PaaS・SaaSを網羅した200以上のサービスを通じて、企業のIT基盤を包括的に支えるクラウドプラットフォーム。 データ活用やAIサービスにより、ナレッジ共有や自動応答といった業務プロセスの効率化を推進します。 また、App ServiceやAKSによってシステム開発の迅速化とコスト最適化を実現し、ゼロトラスト基盤やEntra IDなどの多層防御により、高いセキュリティ水準を維持できます。

Azureの導入を検討している企業の皆さまは、戦略設計から運用までを支援するPSCにぜひご相談ください。

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