運用管理

システム運用管理とは?業務内容や管理項目、おすすめのツールを紹介

ITインフラの安定稼働を担保するためには「システム運用管理」が不可欠です。本記事ではシステム運用管理の基礎知識や業務内容、具体的な管理項目などについて解説します。併せておすすめのソリューションもご紹介しますので、自社でシステム環境を整備する際の参考とされてください。

システム運用管理とは?業務内容や管理項目、おすすめのツールを紹介

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システム運用管理とは

システム運用管理とは、自社のデータセンターで管理するITインフラの安定的な運用を目的として、ハードウェアやソフトウェアなどの稼働状況を管理する仕組みを指します。たとえば、サーバーの定期的な点検や稼働状況の監視、データやファイルのバックアップ、ネットワーク機器の設定情報やアカウント情報の管理などがシステム運用管理の業務領域です。

システムの「運用管理」と「保守」は同義として扱われる傾向にありますが、厳密にはそれぞれの意味は異なります。運用管理は「ITインフラの安定稼働を維持すること」であり、保守は「ITインフラに不具合や故障が発生した際に復旧すること」です。運用管理と保守は異なる定義の概念ですが、中小規模の企業では情報システム管理部門が運用管理と保守を兼任するケースも少なくありません。なお、システム運用管理を行う際には、各企業等において規定が設定されることも多いですが、必ずしも各種資格が必要ということはありません。必要な知見をもった人材が担当することが重要です。

システム運用管理の必要性

1990年代後半から2000年代初頭にかけてIT革命が起こり、デジタル化の恩恵を受けてさまざまな産業が飛躍的な発展を遂げました。しかし、デジタル化の加速とともに市場の在り方は大きく変化し、現代ではITシステムの活用なくして事業の発展はあり得ないといっても過言ではありません。たとえば、ハードウェアの老朽化によって基幹系システムにトラブルが発生した場合、業務プロセスそのものが停止する可能性を孕んでいます。

大規模なECサイトやWebサービスを運営している企業であれば、サーバーダウンやネットワーク障害などのインシデントは事業活動そのものに多大な影響を及ぼし、最悪の場合は事業停止にまで追い込まれる可能性も否定できません。また、自社だけでなく、自社サービスを利用しているユーザーや顧客に悪影響を与えることになります。このような事態を防止するためにも、ITインフラの継続的な運用管理が不可欠といえるのです。

システム運用管理の業務内容

システム運用管理に携わるエンジニアの業務内容は大きく分けて3つの領域に分類されます。それが「ネットワーク管理」「システム管理」「業務運用管理」の3つです。ここからは、それぞれの主な業務内容について見ていきましょう。

ネットワーク管理

ネットワーク管理は、サーバーやルーター、スイッチングハブ、ファイアウォールなど、ITインフラにおけるネットワークの稼働状況を管理する業務です。企業の基幹系システムやデータベース管理システムには、従業員の個人情報や製品開発情報などの決して流出してはならない機密データが保管されています。こうしたデータを不正アクセスやマルウェアなどから保護するべくネットワーク領域を管理し、インシデントの監視やセキュリティの強化などの施策を実行します。

システム管理

システム管理は、ITインフラの安定的な稼働を担保すべく、物理的な管理業務を行います。たとえば、ITインフラの稼働を管理する基本運用をはじめ、システム内におけるIT資産の記録、物理的なハードウェアの部品管理などが主な業務領域です。また、日本は地震大国と呼ばれる国であり、地震や火災の発生に備えてシステムの可用性を確保しなくてはなりません。こうした万が一の災害に備えてシステムの冗長化を図るのもシステム管理の領域です。

業務運用管理

業務運用管理は、ネットワーク管理やシステム管理といった業務プロセスそのものの管理を指します。一例としては、ITインフラの定期的な点検を実施するスケジュールの調整や、冗長化を図るスケジュールの策定などが主な業務領域です。その他にもシステム運用管理における人的資源の配置、ソフトウェアライセンスの更新、運用管理規程の策定なども業務運用管理の担当領域といえます。

システム運用における9つの管理項目

  • 構成管理
    サーバーのスペックやネットワーク機器の機能、各種システムのシステム要件や業務要件など、ITシステムの物理的な構成要素を管理します。システム運用管理における最も基本的な業務領域であると同時に、ITインフラ運用の方向性を左右する重要なプロセスです。
  • 資産管理
    自社で運用するITインフラ全域におけるIT資産を管理します。ハードウェアやソフトウェアはもちろん、プリンタやコピー機のような周辺機器、アプリケーションやドキュメントなど、保有するIT資産の状況を可視化し、税務処理やコスト削減に役立てることが目的です。
  • 性能管理
    コンピュータの処理速度やサーバーの容量、ネットワーク機器の伝送速度といったパフォーマンスデータを管理します。パフォーマンスデータを的確に把握することで、ITシステムの中長期的な運用計画を立案・策定できます。
  • 稼働管理
    ITシステムやアプリケーションなどの稼働状況を管理します。業務要件を満たすパフォーマンスを維持しているか、トラブルや不具合が発生していないかなど、稼働状況を監視することでオペレーションの最適化を目指します。
  • 変更管理
    OSのアップデートやセキュリティパッチの更新、既存の業務プロセスを廃止、ハードウェアの刷新など、システム環境に生じる変化を管理します。変更や更新に関するデータを管理することで、システムの運用状況を俯瞰的に把握できます。
  • リスク管理
    サーバーダウンやネットワーク障害、情報漏洩インシデントなど、事業活動に多大な影響を及ぼすリスクを管理します。システム運用管理におけるリスク管理では、サーバーの冗長化やデータガバナンスの整備といった施策が必要です。
  • 配布管理
    ソフトウェアやファイル、セキュリティパッチといったコンピュータリソースの配布を管理します。OSやシステム環境に応じた最適なソフトウェアやツールを配布することで、コンピュータやサーバーを最適な状態に保ちます。
  • 回復管理
    ITインフラや業務システムに障害が発生した際の復旧・修理を管理します。冒頭で述べたように、本来はITシステムの復旧や修理は保守に該当しますが、システム運用管理の領域として実行する企業も少なくありません。
  • 機密管理
    基幹系システムやデータベース管理システムなどに保管されている機密データを管理します。個人情報や顧客情報、営業秘密などの機密データをレベルによって分類し、それぞれに最適化されたセキュリティ対策を実施します。

システム運用管理におすすめの「統合運用管理ツール」とは

システム運用管理の業務領域は多岐にわたるため、人的資源や時間といった相応のコストを投入しなくてはなりません。そこでおすすめしたいのが、ITシステムの一元管理に特化した「統合運用管理ツール」の導入です。統合運用管理ツールは、システム運用管理をひとつのプラットフォームで実行できるため、組織が抱えるシステム運用に関する課題解決に寄与します。

統合運用管理ツールを導入するメリット

統合運用管理ツールの導入によってシステム運用管理を一元化できれば、情報システム管理部門の業務負担を大幅に軽減できるため、業績向上に直結するコア業務にリソースを集中できる点が大きなメリットです。システムの稼働状況を24時間体制で監視できるため、アプリケーションのパフォーマンス向上に寄与するとともに、システム運用管理における人件費の大幅な削減に貢献します。

まとめ

システム運用管理はハードウェアやソフトウェアなどの運用状況を管理し、ITインフラの安定的な稼働を確保するための施策です。システム運用管理の体制を整備するためには、統合運用管理ツールの活用が欠かせません。システム運用管理の最適化を目指す企業は、ぜひMicrosoft 365の導入をご検討ください。

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