データ分析、データベース

AIを活用したデータ分析とは?活用事例も解説

従来、データ分析は一部の専門家が高度な知識を駆使して実施する仕事というイメージでした。しかし、近年はAI技術の向上により、AIを活用して現場主導型でデータ分析を行うことも可能になりつつあります。そこで本記事では、AIを活用したデータ分析やその活用事例を解説します。

AIを活用したデータ分析とは?活用事例も解説

データ分析の工程と関連ツールを紹介

近年、データ分析が注目されている理由とは?

近年、「データ分析」や「データ活用」、あるいは「DX」などの言葉を耳にする機会が増えてきました。このようにデータ分析がいま注目を集めている背景には何があるのでしょうか。以下では、複数の観点からその理由について解説していきます。

データドリブン経営の普及

データ分析が注目を集めている第一の理由は、「データドリブン経営」というビジネスモデルが普及したことです。データドリブン経営とは、経営者の属人的な直感や勘などではなく、数値などで客観的に把握可能なデータに基づいて経営の意思決定をしていく経営手法を意味します。

データ分析が示す各種の情報は、データドリブン経営において、いわば事業を適切な方向に進めていくための地図や方位磁石のような役割を果たします。それゆえ、多くの企業がデータ分析を活用していく動きが進んでいるのです。

DX推進の活発化

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が活発化していることも、データ分析の活用が進んでいる理由の一つです。DXとは、新しいICT技術やデータ活用などを通してビジネスモデルを最適化ないし変革していくことを意味します。

他社に先駆けて新たなビジネスチャンスを素早く捉え、的確なサービスを提供していくには、多様な消費者ニーズに素早く対応してマーケットフィットさせることが必要です。データ分析はそうした新たなビジネスチャンスをもたらし、自社が抱える様々な事業課題の発見や課題解決のためのヒントを与えます。データ分析に基づいたDXを推進していくことで、生産性向上や売り上げ増加が期待できます。

BIツールの一般化

BIツールを提供するSaaS企業が増加し、多くの企業が資金的・技術的にデータ分析を活用できる環境が整備されてきたことも、データ分析が注目を集めている大きな理由です。BIツールは、1990年代には登場していた分析ツールですが、その頃のBIツールはデータサイエンティストなどの一部の専門家のみが活用するもので、導入のためのコストも高く、多くの企業にとって敷居の高いものでした。

しかし、近年では「セルフサービスBI」というように、現場が自分自身でデータ分析を行えるBIツールが一般的になってきています。また、クラウドサービス(SaaS)として提供する企業が増えていることから、コスト面での負担も低くなっています。つまり、BIツールの進化によって、誰もがデータ分析をできる環境が整いつつあるのです。

AIを活用したデータ分析のメリット

現代のデータ分析において人工知能(AI)の活用は不可欠と言えます。先に紹介したBIツールの分析機能においても、AI技術は革新的な役割を果たしています。以下では、AIを活用したデータ分析のメリットを解説していきます。

生産性向上が期待できる

データ分析にAIを活用する第一のメリットは、ビッグデータを解析して、業務改善を実施し生産性の向上が期待できる点です。昨今はストレージ技術やIoT技術などの発展により、リアルタイムで様々な種類の膨大なデータ(ビッグデータ)を取得できるようになりました。AIならではの情報処理能力を生かして、こうしたビッグデータを解析し、そこからビジネスにとって有用な情報を抽出することができます。

人材不足を解消できる

AIの活用は人材不足の解消にも役立ちます。ICTへの依存度が飛躍的に高まっている一方で、肝心のIT人材は不足しがちなのが現在の実態です。それゆえ、データ分析の活用においても、できるだけ専門的なスキルを要さないことや、煩雑な作業を効率化ないしは自動化してくれるような仕組みが求められます。この点、データ分析に要する多くの作業を肩代わりしてくれるAIを活用することで、これまで人力でデータ分析を実施していた担当者のリソースを他のコア業務に割り当てることが可能になり、人材不足を解消することが可能です。

数値を基に経営判断が下せる

AIを活用したデータ分析は、当然ながらAIの機械的なアルゴリズムによって遂行されます。それゆえ、分析プロセスから、人間の主観的・感覚的な判断や属人性を排除することが可能です。これによって、企業は客観的な数値を基に経営判断を下していくデータドリブン経営が実現できます。

AIを活用したデータ分析の活用事例

AIを活用したデータ分析は幅広い用途に活用できます。以下では、その具体例を5つ紹介していきます。

【1.音声分析「Empath」の事例】
「Empath」は、数万人分のサンプルデータを基に、音声から対象者の感情や気分の浮き沈みを判定できる音声解析AIです。Empathは、音声から4つの感情パターン(平常・喜び・怒り・悲しみ)を切り分けることができ、また人間の元気度も解析できます。Empathは、たとえばヘルスケアやコールセンターの業務などで活用されています。

【2.自動運転の事例】
AIは近年開発が進められている自動車の自動運転においても核心的な役割を担っています。膨大な量の交通データや走行シーンをAIに機械学習させることで、人間が運転せずとも安全な走行が可能になることが期待されています。

【3.人材採用の事例】
人材採用においてもAIの活用が可能です。たとえば採用を希望する応募者のエントリーシートをAIに解析させれば、応募者を属性ごとに分類したり、会社が求めているスキルを保有している応募者を抽出したりすることが可能です。定型的な書類チェック作業をAIに代用させることで、採用担当者の業務負担を軽減できます。

【4.コカ・コーラの画像検知によるソーシャルリスニングの事例】
日本コカ・コーラは、AIの画像認識機能を活用し、消費者が実際にドリンクを飲む場面をSNSから抽出・解析しています。消費者がドリンクを飲むリアルな場面を画像解析することで、事後的な感想だけでは分かりにくい、生の本音を見極めることが可能になりました。

【5.文章分析「ITAS」の事例】
「ITAS」は、文章を解析できるAIサービスです。企業は、顧客からの感想や各種の報告書・企画書、特許、論文など、数々のテキストデータを保有しています。ITASはそれらのテキストデータを、そこに込められた感情も含めて解析できるので、たとえば「お客様の声」の中から不満度の高い内容を抽出し、具体的な課題解決に結び付けていくといったことが可能です。

エンタープライズ(IT主導)型のデータ統合と課題点

従来、企業におけるデータ分析は、IT部門が主導するエンタープライズ型の方法が主流でした。エンタープライズ型のデータ統合は、専門のスキルを持ったスタッフが行うため、データの品質や整合性を高いレベルに保ちやすくなるという利点があります。

しかし他方で、IT部門は各現場の実情を肌身で感じることが難しく、現場が抱える真のニーズを理解しないままデータ分析を行っているケースもしばしば起こります。こうしたギャップを解消するには、一部の限られた人間だけがデータ分析やデータ活用をするのではなく、全社的なデータ活用を進めること、すなわち「データの民主化」が不可欠です。

まとめ

AIを用いてデータ分析することで、企業は膨大なデータの中から事業に役立つ情報を抽出したり、煩雑な作業をAIに代行させたりすることができます。Microsoft Azureを導入することで、企業はデータ分析を効果的に行うためのデータガバナンスの仕組みを構築できます。本記事を参考に、ぜひデータ分析をご活用ください。

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