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【ノーコード開発】メリット・デメリット・人気のツールを事例付きで紹介

【ノーコード開発】メリット・デメリット・人気のツールを事例付きで紹介

IT人材不足にも関わらず、アプリ作成の需要が増えノーコード開発にも注目が集まっています。
そこで、この記事ではエンジニアではない方もアプリ開発やWebサイトの作成ができるノーコード開発ツールを事例も交えて紹介します。ノーコード開発のメリットやデメリットも解説していくのでぜひご覧ください。

Microsoft PowerApps はじめてのアプリ開発

ノーコードとは

ノーコードとは

ノーコード開発ツールの紹介をする前に、ノーコードとはどういうものか理解しておきましょう。

ノーコードの定義

ノーコードとは、IT初心者でも簡単にアプリやWebサイトの開発ができるプログラム開発の手法です。

従来のプログラム作成では、プログラミング言語を学び、コードを書く必要がありましたが、ノーコードではその必要がなくなります。
代わりに、直感的なドラッグ&ドロップインターフェースを使ってアプリやWebサイトを作成可能です。

専門的なプログラミングスキルが不要な開発手段として、ノーコードとローコードの2種類があります。ノーコードとローコードの違いについては、以下の記事で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。

★詳しくはこちら:
ノーコード・ローコードとは?メリット・デメリットやツールも解説

ノーコードが注目される背景

ノーコードが注目を集める理由は、プログラミングの学習に時間を要せず、効率的に開発ができるためです。

多様な業界で導入事例が増えており、スピード感重視のビジネスに適しています。結果として、企業や個人が短期間でアプリやWebサイトを立ち上げ、アイデアを素早く市場に投入することが可能となりました。

具体的なノーコードの需要が高まっている要因は以下のものが挙げられます。

  • 急速に発展するDX
  • 深刻なIT人材不足
  • 内製化されていない現場環境
  • クラウドサービスが浸透してきたこと

ノーコードが注目される背景については、こちらの記事を参照してください。

★詳しくはこちら:
なぜノーコード・ローコードツールが注目されているのか

【ノーコード開発】の3つのメリット

【ノーコード開発】の3つのメリット

現在、ノーコード開発が主流となり、ノーコード開発のためのアプリやツールが多く提供されています。
ノーコード開発ができることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
そのメリットについて、大きく3つに分けて解説していきます。

プログラミングの知識なしで開発できる

ノーコード開発の最大のメリットは、プログラミングに関する知識を持っていない人でもアプリケーション開発やWebサイト作成ができる点です。

従来のアプリケーション開発では、専門的なプログラミングスキルを必要とし、初心者や非技術者にとってはハードルが高かったのですが、ノーコード開発では、直感的な画面操作を通じてドラッグ&ドロップやクリック操作だけでアプリケーションの構築が可能です。

これにより、プログラミングに慣れていない方やビジネス担当者、デザイナーなど、専門的な開発スキルを持たない方でも自分のアイデアを素早く形にすることができます。また、プログラミングの知識がないために、発生するエラーやバグのリスクを低減できるため、開発プロセスがスムーズに進みます。

開発費用や時間を節約できる

ノーコード開発は、従来のプログラムを書く開発手法に比べて、開発費用や時間を大幅に節約できる利点があります。

従来は、アプリやWebサービスを開発するために、プログラミングの専門的な知識を持つエンジニアに依頼していました。
一方、ノーコード開発では、プログラムを記述する必要がないため開発プロセスが効率化されます。

さらに、ノーコード開発ツールやプラットフォームは、事前に構築されたテンプレートやシステム構成をそのまま利用することが多く、これらを利用することで開発作業の時間を大幅に短縮できます。また、少ないエラー修正やテスト作業ですむため、全体的な開発コストを削減できるでしょう。

イメージしたまま開発できる

ノーコード開発のもう1つの大きなメリットは、イメージしたアプリケーションやWebサイトを、直感的な操作で具現化できる点です。

通常のプログラム開発では、アイデアや要件をプログラミング言語による実装が必要ですが、ノーコード開発では、アイデアを実際の構築やデザインに直接反映させることができます。

これにより、専門的なプログラミングのスキルを持った社員のいない企業でも、自社内でアプリ開発が可能です。

そして、変更が容易に行えるため、アプリケーションやWebサイトの要件が変わった際にも迅速な対応が可能です。
イメージ通りの開発が行えるため、顧客からの要望に対してもスムーズに対応ができ、顧客満足度の向上につながります。顧客からの要望に答えやすくなることで、より価値のある製品を提供できるでしょう。

【ノーコード開発】3つのデメリット

【ノーコード開発】3つのデメリット

ノーコード開発が可能になり、誰でも開発ができる、エンジニアの需要がなくなると感じている人もいるのではないでしょうか。

しかし、ノーコード開発ですべての開発が行えるわけではなく制限やデメリットもあります。
ここからは、そのデメリットについて3つ紹介します。

自由度が低い可能性がある

ノーコード開発の1つ目のデメリットは、制約された環境下で作業を行うため、自由度が低い可能性がある点です。

ノーコードツールは、決められたテンプレートやシステム構成、機能を使って開発していくことが一般的です。その決められたテンプレートの中から選択する形でアプリケーションやWebサイトを構築します。そのため、柔軟性やカスタマイズ性に制限が生じることがあります。

例えば、Webサイトを制作する際、このフォントにしたい、この色で表示させたい、こんな機能を実装したいと考えたとします。しかし、ノーコードツールに組み込まれている機能やオプションだけでは実現できないことも多いです。
このような場合には、デザイン用のプログラミングコードを書く必要が生じることもあり、結果的に従来のプログラム開発に近い手法を取ることになるかもしれません。

ほかの企業のWebサイトやアプリにはない、独自性のあるデザインや機能を実装し、自由な開発をしたいという場合は、ノーコード開発はあまり向いていないといえます。

ツールの操作を覚える必要がある

ノーコード開発を始める際には、専用のツールを使用するため、その操作を覚える必要があります。初めてのユーザーにとっては、ツールのインターフェースや機能に慣れるまでに時間を要するかもしれません。

特に初心者にとっては、ツールの使い方や機能を理解するためのサポートが重要です。幸いにも、多くのノーコードツールはチュートリアルやドキュメント、コミュニティサポートを提供しており、それらを活用することで基本的な操作は習得できるでしょう。

プラットフォームに依存する

ノーコード開発のデメリット3つ目は、特定のプラットフォームやツールに依存することです。
例えば、一度特定のノーコードプラットフォームに決めて別のプラットフォームに移行したい場合を考えてみましょう。
その場合は、ゼロから新たなプラットフォームの操作方法の学習が必要になるなど、大きな業務負荷が生じることもあるでしょう。

また、ノーコードツールの提供する機能やアップデートは、プラットフォームの方針や開発者の意向によって変わることもあります。
ノーコード開発には、突然サービスが終了したり、アップロード後に今まで使っていた機能が使えなくなる、などのリスクがあることを認識しておきましょう。

これらのデメリットを理解し、プロジェクトの要件や目標を見つめなおし、ノーコード開発が最適なのか、ノーコード開発のツールはどれがいいのか考えることが重要です。

ノーコードツールの選び方 

ノーコードツールの選び方

要件や目的に合わせたノーコード開発のツールを選ぶことが重要ですが、多くのツールがあり、どれを使えばいいかわからないという方も多いと思います。
そこで、ノーコードツールを選ぶときのポイントを簡単に解説します。

機能を確認 

ノーコードツールを選ぶ際に重要なのは、提供されている機能を確認することです。

自分のプロジェクトやアイデアに必要な機能がツールに含まれているかを確認しましょう。例えば、特定のデザイン要素やデータベースの統合、外部サービスとの連携などが必要な場合、それらがサポートされているかを注意深く調査することが重要です。

料金プランを確認 

ノーコードツールの料金プランをよく理解することも大切です。

利用料や追加オプションの料金、プランに含まれるサポート内容などを比較検討しましょう。
特に初心者の場合は、低コストから始められる無料プランがあるかどうかも確認するとよいでしょう。また、将来的な拡張やプロジェクトの成長に対応できるプランを選ぶことも考慮すべきです。

サポートの有無を確認 

ノーコードツールを利用する際には、サポートの有無を確認することが重要です。

初心者の場合や特定の機能に問題が生じた場合、適切なサポートが受けられる方がスムーズに開発できます。
サポートは、メールやチャット、Q&Aなどが充実しているか確認しましょう。特に重要なプロジェクトでは、トラブルの迅速な対応が求められるため、しっかりとサポート体制があるツールの選択が重要です。

【分野別】ノーコードツールを事例付きで紹介 

【分野別】ノーコードツールを事例付きで紹介

ここまで、ノーコード開発ツール全般の特徴やメリットを紹介してきましたが、最後にどのようなツールがあるのか、実際の活用事例も踏まえて紹介していきます。

ノーコード開発ツールには、アプリ開発、Webサイト制作、ECサイト制作、業務効率化の大きく4種類があるため、種類別にまとめて紹介します。

アプリ開発のツール 

まずは、ノーコードで汎用的なアプリ開発を行えるツールを紹介します。
モバイルアプリやWebアプリの作成をしたいという方には、ここで紹介する2つのツールがおすすめです。

Adalo(アダロ) 

Adaloは、Webアプリケーションとモバイルアプリケーションの両方を作成できるノーコード開発ツールです。

アプリの見た目を左右する重要なデザインのパーツが準備されているため、パーツを組み合わせるだけで、アプリ開発ができます。
直感的な操作で開発できるため、初心者にも使いやすいことが特徴です。

  • リスト機能
  • 支払い機能
  • フォーム機能
  • グラフ機能
  • ボタンやテキスト

などのアプリに欠かせないパーツが用意されています。
このパーツを組み合わせると、店舗の予約管理アプリや決済アプリ、配送アプリなど、さまざまなアプリの開発をノーコードで行うことができます。

Adaloには、無料プランも用意されていますが、より多くの機能を利用したい場合は有料プランを選択しましょう。
また、有料プランにもスターター、プロフェッショナル、チームと3種類用意されています。アプリ数やアプリ操作数などを考慮して適切なプラン選択が重要です。

Power Apps

Power Appsは、MicrosoftのPower Platformサービスの1つです。Microsoft社が開発したノーコード開発ツールで、利用する際はMicrosoftの組織アカウントが必要です。

Power Appsでは 、Microsoft 365の各ツールと連携したWebアプリ、スマホアプリを作成可能です。

在庫管理アプリの開発をしたり、これまで紙でまとめられていた工場の事故防止計画の資料を、手軽にどこでも確認するためにアプリ化したりするためにPower Appsが利用されています。

また、オンラインでの保険販売プラットフォームの作成、金融、保険、通信業界など、あらゆる分野・業界のアプリ開発の活用事例があります。

Power Appsの活用事例には、紙ベースで管理されていた資料をIT化する事例が多く紹介されているため、紙で保管されている社内データを、開発したアプリで管理したいという企業におすすめです。

★詳しくはこちら:
「PowerApps」入門編!機能一覧や使い方を画像付きで徹底解説

Webサイト制作のツール 

続いて、企業、組織、個人でWebサイトの開発をノーコードでしたいという方におすすめのツールを2つ紹介します。

STUDIO(スタジオ)

STUDIO(スタジオ)は、Webサイト、ランディングページの制作に特化しているノーコード開発ツールです。

直感的なユーザーインターフェース(UI)と豊富なテンプレートが用意されており、デザイナーがいない場合でもプロのようなサイトが作成できます。

WordPressも同様のWebサイト作成ツールですが、レンタルサーバー代やドメイン登録料が発生します。
しかし、STUDIOは無料プランと月額980円、月額2,480円の有料プランがあり、無料プランではSTUDIOのドメインを利用することで初期費用も抑えた開発が可能です。

  • サイトデザイン
  • サイト公開
  • CMS機能

など基本的な機能は無料プランでも利用できます。

企業のWebサイト制作はもちろん、フォトグラファーのポートフォリオ作成にも、STUDIOが利用されています。

ペライチ 

ペライチは、Webサイトを迅速に構築できるノーコードツールです。
テンプレートを組み合わせてデザインする方式で、特にシンプルなサイトやランディングページ(LP)に適しています。

シンプルなWebサイトでは、オリジナリティを出すことができないと不安に思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、無料プランでは29種類のテンプレート、有料プランでは合計60種類以上のテンプレートが用意されているため、組み合わせ次第では、独自のオリジナリティあふれるWebサイト開発が可能です。

開発時のサポートも充実しており、利用者による勉強会も開催されているため、サポート面でも安心して利用できます。

料金プランは、無料プランと4つの有料プランが用意されています。1カ月の無料試用期間もあるので、Webサイト初心者にもおすすめです。

ペライチを利用したWeb開発の事例として、サービスへの申し込みを目的とするランディングページの制作、ネイルサロンへの予約申込用Webサイト、オンライン結婚式の問い合わせサイトなどがあります。

ECサイト制作のツール 

続いて、ノーコードでECサイトの制作ができるツールの紹介です。
Webサイトを制作するツールでもECサイト制作自体は可能ですが、次に紹介するツールはECサイト制作に特化した機能を豊富に含んだツールになります。

Shopify(ショッピファイ)

Shopify は、ECサイトが簡単に制作できるノーコード開発ツールです。
先ほど紹介した、Webサイト制作のツールでもECサイト制作はできますが、ECサイト制作に特化した開発ができるツールが、Shopify です。

ECサイト用のデザインテーマがそろっており、自社の製品やショップのイメージに合わせたデザインに設定できます。

また、開発だけでなく、ECサイト上での売上管理やデータ分析が可能な点も Shopify の特徴です。

Shopifyは3日間の無料体験があり、各プランで最初の3カ月間は月額1ドルと、利用者獲得に向けたサービスを行っています。(2023年7月現在)
このサービスにより、ECサイト制作をしたことがなく不安に感じている方でも、コストが抑えられ安心して始められます。

ECサイトを制作したうえで、効率よく売り上げをあげたいという事業者は、Shopify でのECサイト制作を検討しましょう。

BASE(ベース)

BASEは、ノーコード開発ツールの1つですが、ECサイト制作に特化したツールです。

BASE利用者の7割以上が、個人でECサイトを制作された方というデータがあります。
副業、兼業でECサイトを運営されている方が多いことが特徴です。
アパレルショップやラーメン店、ハンドメイドやインテリアショップなど少人数で経営されている方が、ECサイトを制作するときにBASEを利用しています。

現代はネットの普及により、YouTuberやインフルエンサーなども個人でECサイトを制作し、アパレルやグッズの販売を行う時代です。
個人で製品やサービスをネット販売したいという方は、BASEを使って、ノーコードでECサイトを制作してみましょう。

業務自動化のツール 

最後に、ノーコードで業務自動化アプリやソフトの開発ができるツールの紹介です。

Zapier(ザピアー) 

Zapier(ザピアー)は、1,500種類以上のWebアプリを組み合わせて配置することで、業務効率化を自動化するノーコード開発ツールです。

企業で利用しているメールアプリに添付ファイル付きのメールが届いた場合を例に挙げて紹介します。メール内の添付ファイルをコピーして、クラウドのデータ保管サービス「DropBox」に保存することも Zapier 内で設定できます。

従来は、メールアプリとDropBoxを別々に立ち上げて操作する必要があったため、1つのツールで操作できることは、業務効率改善につながります。

1,500種類と多くのサービスと連携できるため、業務効率改善を図りたいが、技術力のあるエンジニアがいない場合やコストが限られている場合に利用を検討しましょう。

Make (旧:Integromat)

Makeは、マウスやキーボード操作で、アプリを配置し企業や店舗のワークフローを自動化するノーコードツールを提供しています。

レンタルドレスを扱うエンプティ株式会社が、Make のツールと、この記事内ですでに紹介したShopifyのツールを活用し、すべてのやりとりをLINEで自動化することに成功しています。エンジニアの手を借りず、1カ月でシステムを開発しました。

Makeは、マーケティングや販売、システム統合などさまざまな業務を効率化するために利用されており、500,000件以上の実績があります。

まとめ

この記事では、ノーコード開発のメリットやノーコード開発のツールを紹介しました。

現代は、顧客のニーズに素早く応えるために、迅速なアプリ開発が求められ、さまざまな分野で業務改善の取り組みが行われています。
その中で、専門的なプログラミングが不要なノーコード開発の需要が高まっています。

企業だけでなく、個人でもECサイト制作やアプリ開発が行われる時代です。ノーコード開発ツールを使いオリジナリティあふれるアプリやWebサイトを作成していきましょう。

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