CRM/SFA

営業活動における売上予測とは?

あらゆる企業では、営業(セールス)が存在します。そして、営業が営業活動を通じて売上を計上することによって、企業経営が成り立ちます。経営に必要な売上を確保するには売上予測を行い、それに応じた戦略を練っていくのが一般的です。しかし、企業の中には正しい売上予測を立てられず、営業活動や企業の意志決定に支障をきたす場合があります。正しい売上予測とは何なのか?本稿ではそれを紹介していきます。

CRMの利用実態と課題

売上予測とは何か?

売上予測とは文字通り、今期または将来の売り上げを予測することです。しかし、「予測」という言葉の意味を、そもそも間違って理解しているケースが少なくありません。

次のうち、売上予測として正しいのはどれでしょうか?

  1. 今期の売り上げは2,000万円を突破しそうだ
  2. 前期の売上は1,000万円で、今は景気が良いから今期は1,500万円に達するだろう
  3. 今期は設備投資が必要だから、最低でも3,000万円は必要だ

答えは、いずれも売上予測として正しくありません。

少々いじわる問題になってしまいましたが、実は売上予測を上記のようなものと間違って認識している企業が多いのです。

1は期待、2は予想、3は必要なものを示しているだけで、いずれも売上予測ではありません。

では、何をもって売上予測なのでしょうか?これを簡単に説明すると、過去・現在の様々なデータを用いて最終的に達する売り上げを推測することが、売上予測だといえます。

例えば「第1四半期の売上は3,000万円、当社は現在毎期ごとに平均5.5%の成長率で売り上げが伸びているから、今期は3,150万円に達しそうだ」というのが売上予測になります。

ただしこれは、あくまで最低限のデータのみで行った売上予測なので、ほとんど予想に近いものです。実際は過去の売上や平均成長率以外にも様々なデータを参照に、将来的な売上を予測するものです。

売上予測に必要な情報とは

売上予測には様々なデータが必要だと説明しました。具体的には、どのような情報が必要なのでしょうか?

  1. 見込み客から成約への確率(コンバージョン率)
  2. 案件化してから受注するまでの期間
  3. 契約期間
  4. 月別、四半期別、年別の売上
  5. 商品別の売上
  6. 現在の案件化数
  7. 契約期間
  8. サービス更新率
  9. 解約率
  10. 平均成長率

ここで列挙したデータに関しては、あくまで基本的なものです。以上のデータを収集して分析すれば、ある程度正確な売上予測が立てられます。ただし、業種によってはこれ以外にも様々なデータが必要になるので、自社の売上予測にとって重要なデータとは何か、という定義から始めましょう。

売上予測のために欠かせないツール

売上予測を完全に人手で行うことは困難です。なぜなら、各システムから生成されるデータを収集し、分析可能な状態に加工した上で売上予測を行うからです。データの収集や加工だけでもかなりの時間とコストがかかるので、リアルタイムな予測ができません。そこで、いくつか重要なツールがあります。

Excelなどの表計算ソフト

Excelは請求書作成などの帳票作成に広く活用される表計算ソフトです。しかし、本来はデータ分析などを行うためのソフトウェアであり、売上予測を行う上では不可欠なツールです。

もっとも、Excelで売上予測を立てるためには、高度な操作スキルとマクロと活用したテンプレートを作成するなど、高いレベルが要求されます。

SFA

営業支援システムとも呼ばれるSFAは、あらゆる角度から顧客情報や商談情報を取得するために必要なツールです。本来は営業活動を効率良くするためのシステムであるものの、案件情報などが適切に入力されていれば、売上予測に関するデータを効率良く収集できます。

売上予測のためのCRM/SFA活用とは

Excelなどのツールは多くの企業において利用されています。そして、いくつかの企業においては売上の管理や予測などもこのExcelを活用している方かもしれません。

しかし、本格的な売上予測を行うとなるとExcelだけでは直ぐに限界が来るでしょう。例えば、統計分析に関する専門知識やスキルが必要になったり、人材確保や教育のためのコストや時間がかかってしまいます。

そして、Excelなどで加工・分析を行うデメリットとして、リアルタイムな分析結果ではなく、常に過去のデータであることがあげられます。そこで売上予測に必要不可欠なツールがCRM/SFAというソリューションです。また、SFA/CRMだけでは、本当に売上計上されたかどうか分からないため、正確性を求める場合には、それらSFAやCRMがERPなどと連携させる必要が出てきます。

つまり、売上予測を正確に行うという目的があれば、SFAとCRM、マーケティングツールと分析ツールを統合したERPを選ぶのがベストです。ERPは異なるシステムでも各データを一つのマスタとして管理できるため、Excelなどのようにデータ収集と加工の手間をすべて省くことができます。

さらに、複数のシステムが連なっていることで売上予測に関する様々なデータを簡単に収集できるため、正確な売上予測を行うための基盤がすでに整えられているのです。

CRMとSFAの違いを解説!」の記事で詳しく調べてみましょう!

分析ツールが統合されていると売上予測がなお簡単になります。BI(ビジネス・インテリジェンス)などの分析ツールは、統計分析に関する専門知識やスキルを持たないユーザーでも、最低限の知識とスキルで扱えるように改良されています。そのため、SFAなどのシステムから収集したデータを、用意に売上予測への変換できるというメリットがあるのです。

ERPとCRMを統合したDynamics 365の魅力について

Microsoftが新たなに導入するクラウドサービスであるDynamics 365。これは、先述したERPと顧客管理のためのシステムであるCRMを統合し、さらにブラッシュアップしたものです。

Dynamics 365は営業支援、カスタマーサービスフィールドサービス、タレント、ファイナンス&オペレーション、リテール、プロジェクトサービスオートメーション、マーケティング、カスタマーインサイトという8つのアプリケーションから構成され、それぞれが各部門の効率良い業務を支援します。

そうしてDynamics 365全体から得たデータは一手に集約され、ダッシュボードには様々な情報を表示できます。このため、売上予測に関してもほとんど人手を加えることなく、正確な予測をリアルタイムで得ることができるのです。

まとめ

営業活動にとっての売上予測は生命線です。正確な予測であるほど、企業活動における意志決定を臨機応変に対応できるため、効率良くセールスを行い必要な売上を立てていけます。そのためには、ERPやCRMの活用などを検討し、正確な売上予測が行えるだけの環境を整えていきましょう。

Dynamics 365ならばクラウドサービスであるため、新たなインフラ投資をせずとも、すぐにサービス利用を開始できます。さらに、ビジネスパーソンにとって使い慣れたMicrosoft社製品なので、現場への定着も早いというメリットがあります。

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