RPA/ワークフロー

クラウドサービスを使ったワークフロー強化とは?手順や手法を紹介

ワークフローの適正な管理や改善は、無駄な業務の削減やスムーズな事業展開へつながる重要なポイントです。近年のワークフローは「SaaS」によってクラウド化されることが増えてきており、新しいスタイルに変化を遂げつつあります。
こちらではワークフローをSaaSでクラウド化するメリットと、「Power Automate」を使った具体的な効率化の手法について解説します。

クラウドサービスを使ったワークフロー強化とは?手順や手法を紹介

Microsoft PowerApps はじめてのアプリ開発

ワークフローをSaaSでクラウド化しよう

ワークフローとは、業務における基本的な流れのこと、もしくはそれを図式にして可視化したものを指します。一般的に企業のワークフローは、申請や提案から上司の承認につなげ、最終的な意識決定および行動に移るのが基本です。

このワークフローが曖昧だったり、明確な流れが決められていなかったりすると、事業展開のスピードが低下してスムーズに行動を起こすことが難しくなるでしょう。ワークフローは、これまでExcelや紙媒体のマニュアルなどによって管理されていましたが、近年はインターネットを経由して必要な機能を利用できる「SaaS」の台頭によってデジタル化することが多くなっています。

デジタル化によるワークフローの管理は、必要なときに申請や承認を行える効率化や、手軽な修正などに対応できる柔軟性の付与などあらゆるメリットにつながります。今後はDX化の浸透などに合わせて、ワークフローの管理方法もデジタル化されるケースが増えるでしょう。

ワークフローの管理には、「オンプレミス」と「クラウド」の2種類に分けられ、それぞれに特徴があります。ワークフローに関してはクラウド化によるメリットが多く、SaaSも充実しているため環境構築もしやすいです。これからワークフローの管理をデジタル媒体に移行するのなら、まずオンプレミスとクラウドの違いを把握した上でシステムの導入を行うのがポイントになるでしょう。

クラウドとオンプレミスを比較

ワークフローの改善やシステム強化を行う場合には、「オンプレミス」と「クラウド」の違いを比較してみることがおすすめです。

オンプレミスとは、自社内でシステムやサーバーを管理する手法で、企業内部ですべての作業を賄うのが特徴となっています。一方で、クラウドはオンライン上の仮想空間を使ったシステムで、ネットによる接続によって各種機能を利用するシステムです。
ワークフローシステムにおいてはオンプレミスとクラウドの両方が使用されていて、それぞれ各種項目ごとに以下のような違いがあります。

<コスト面>
オンプレミス:自社に専用の環境を構築して長期運用を想定することから、コスト面は高くなる傾向にあります。
クラウド:低コストでの利用が可能で、初期費用無料などコスト面で優遇されるケースが多いです。

<カスタマイズ>
オンプレミス:自社が求める機能を自由に追加可能で、必要に応じて機能の開発や改修が行えます。
クラウド:サービスによってはオプションなどによって追加が可能ですが、基本的にカスタマイズ性は低く、1から機能を開発するといった方法は難しいです。

<バージョン管理>
オンプレミス:自社で管理するため費用が発生し、作業もすべて行うのが一般的です。
クラウド:サービスを提供している企業によって無料アップデートされ、特別な費用がかからないケースが基本となっています。

<障害対応>
オンプレミス:自社で直接対応が必要で、場合によっては専用の保守エンジニアを派遣してトラブルに対処しなければなりません。
クラウド:サービスの提供事業者がインターネットから対応するため、特別に自社が行動を起こす必要がないでしょう。

ワークフローをSaaS導入でクラウド化するメリット

ワークフローを強化・最適化するのなら、便利な機能をインターネットから必要な分だけ利用できるSaaS導入によるクラウド化がおすすめです。
ワークフローのクラウド化にはさまざまなメリットがあり、今多くの企業で実践されています。以下からは、ワークフローをSaaSでクラウド化する具体的なメリットを解説します。

クラウド化で場所や端末を選ばない

ワークフローをクラウド化すると、場所や利用端末を選ばずに済むのがメリットです。
オンプレミスと違ってインターネットの仮想空間にデータを保存・管理できるので、どこからでもアクセスが可能となります。社外からのアクセスや、個人デバイスでの利用なども考えられるテレワーク環境においても、クラウド環境なら臨機応変に対応可能です。もちろん、急な営業による外出などにも応用ができるので、社内のあらゆる業務形態に合わせられるでしょう。

インターネット環境が前提とされるため、アクセスに関するセキュリティが高く設計されており、自社以外からのアクセス制限やIPアドレスの限定などさまざまな対策を追加で実行していけます。ワークフローの流出などの心配も少ないため、安心して利用できる点もメリットになります。

自動アップデートによりシステム管理を効率化

SaaSによるクラウド環境では、システム、OS、アプリの自動アップデートが行われます。
そのため例えばセキュリティに脆弱性が見つかっても、こちらで特別な対応をすることなく問題を対処できるのです。自動アップデートは、システム管理の手間を減らせるので、その分の労力を別の業務に使うことができます。担当部署の管理コストを削減しつつ、事業全体の効率化につなげられるでしょう。

システム導入のコストを削減できる

SaaSのクラウド環境は、ワークフロー管理システムの導入コストを削減する結果にもつながります。
クラウドサービスは基本的に月額課金制で提供され、初期費用等が無料に設定されていることも多いです。サービスの内容ごとに複数のプランが用意されているケースも珍しくなく、出費を抑えたい場合には最安値のプランを選ぶことで簡単にコスト削減が実現します。

カスタマイズやデータ容量の追加などの必要に応じてプランを変更できるので、その後より大規模なワークフロー管理システムが必要になっても問題ないでしょう。特にオンプレミスと比較すると、自社内で構築と運用を行う必要がないため、初期費用だけでなくランニングコストの削減も可能です。もちろん、管理のための専用人材を確保しておく必要もないので、人件費の削減にもつながります。

「Power Automate」でワークフローを自動化

ワークフローの強化を行うのなら、Microsoftのソフトである「Power Automate」の導入がおすすめです。

Power Automateはオンプレミスで使用しているソフトウェアと、SaaSが提供するアプリケーションの両方を横断し、ワークフローの自動化を実現できます。すでにオンプレミス環境を構築している企業も、SaaSのクラウド環境でワークフローの効率化を目指している企業にも、Power Automateの導入は検討できるでしょう。

「Power Automate」がワークフローを効率化できる理由とは

Power Automateが持つ特徴的な機能の数々は、ワークフローを効率化できます。
例えばオンプレミス環境とSaaSを横断した上でワークフローの自動化が行えるので、リマインダー送信、簡単なタスク、基本的な承認の流れなどを自動的に実施可能です。

また、Power Automateでは以下の3つのシステムから、特化したワークフローを構築できます。

  • クラウドフロー:自動フロー、インスタントフロー、スケジュールフローなどの多種多様な機能の総称
  • ビジネスプロセスフロー:承認作業や転記作業を自動化するシステム
  • デスクトップフロー:キーボード入力やコピー&ペーストなどの動きを再現するRPA機能フロー

特にデスクトップフローのRPA機能は、簡単にパソコンの画面操作を記録して自動化可能なので、日々の単純作業を効率化して無駄を短縮できるでしょう。

そのほか、2,300を超えるテンプレートから自由に形式化された機能を導入できるので、専門知識がなくてもさまざまなプロセスを自動化可能です。まずはテンプレートを試しつつ、自社のワークフローに合ったシステムを活用してみましょう。

Power Automateにはプロセスマイニング機能もあり、ワークフローを図式で表示して客観的に確認できます。自動的にプロセスマップの作成を行い、プロセスKPIやアクティビティイベント、所要時間、レコードした元ソースなどを管理・表示可能です。
ワークフローを共有して社内で話し合いを進めやすくなるので、より最適なスタイルへの改善も目指せるでしょう。

まとめ

ワークフローはSaaSを使用したクラウド化などによって、最適化を進められます。ワークフローをクラウドに移行することには多くのメリットがあるので、この機会に詳細を確認して導入および改善を検討してみてはいかがでしょうか。

ワークフローの強化や管理の際には、専用ツールとしてPower Automateを使うことがおすすめです。Power Automateはワークフロー強化だけでなく、多くの企業で役立つさまざまな機能を持つので、まずはどのような魅力があるのかをチェックしてみてください。

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