SAP Basisの基本情報から運用業務負荷を軽減する方法まで解説

SAP Basisの基本情報から運用業務負荷を軽減する方法まで解説

「SAP Basis」の導入や運用についてお困りの方も多いのではないでしょうか。本記事では、SAP Basisの基本的な情報から、運用業務負荷を軽減する方法まで、課題や注意点を含め、解説します。

SAP Basisの基本的な知識や、運用業務への影響の仕方を正しく知ることで、導入への不安を解消することができるでしょう。また、運用業務の委託を考えている企業であれば、その際に注意すべき点や、業務委託先の選択基準も押さえておきましょう。

SAP Basisとは何か

「SAP Basis」(以下:Basis)とはSAP社が提供するERPシステムを最適に動かすための、ミドルウェアコンポーネントのことです。SAP社のERP「SAP S/4HANA」や「SAP R/3」を効果的に運用するためにも、このBasisの理解は重要です。そこでまずは、ERPのおさらいからはじめ、Basisについて整理していきましょう。

ERPとは?

ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)は、企業が基幹としている「生産・物流・販売」また「人事・会計」までを、1つの統合管理し、効率的に運用するシステムです。各分野を個々に管理するよりも、人的・時間的やコストを削減でき、ミスも生じづらくなります。そしてERPのデータベースには、あらゆる分野のデータが一元統合されています。これをチェックすることで、経営者は企業内のすべての動きを円滑に追い、的確な状況判断を行えるようになるのです。

こうしたERPは欧米で生まれ、日本で広まるには時間がかかりました。しかし今日の日本では、さまざまな企業へ向けたERPパッケージも提供されており、中小企業も積極的に導入しはじめています。こうした中で代表的なものの1つがSAP社のERPであり、日本法人SAPジャパンが提供・サポートを行っています。

SAPとは?

SAP社はヨーロッパの大手ソフトウェア開発企業。そこから提供されるERPパッケージも同様にSAPと呼ばれます。このSAPに代表的されるように、「ERPをソフトウェアとして実現してくれる製品」を、ERPパッケージと呼んでいます。

SAP R/3は世界で広く用いられているERPパッケージで、多くのERP製品がそれを基に作られてきています。そして2015年に次世代ERPパッケージとして登場したのが、SAP S/4HANAです。

専用ミドルウェアSAP Basis

SAPの大きな特徴が、専用のミドルウェアコンポーネントを利用する点です。一般的には、ソフトウェアはOSへインストールして使用します。しかしSAPは、まずOSにミドルウェアを用意し、そのミドルウェア上で各種ERPソフトウェアなどを作動させる仕組みになっています。

このミドルウェアがBasisです。Basisには、専用プログラム言語「ABAP」など、SAPを動かすための根幹的要素が入っています。つまり、SAPを効率的に動かす基盤がBasisなのです。なお現在は、Basisをさらに拡張した「SAP NetWeaver」も広く使用されています。

SAP Basisの運用業務内容

ERPを実現するため、Basisを具体的に運用していく際には、「稼働管理・運用管理・障害管理・変更管理」という業務が生じることが想定されます。

稼働管理とは、SAPアプリケーションの稼働監視業務です。パフォーマンスの監視・チューニング業務、およびリソース監視などを行います。

運用管理では、日次・週次・年次などの定期的な報告を行います。基本的には、SAPシステムの管理が主軸業務なので、バックアップ管理や、ソフトウェア・システム・データなどのマイグレーション業務、ユーザー管理、そしてアップグレード作業も含まれます。

障害管理は、発生した障害を切り分け、対応する業務です。また予防的な保守業務も含んでいます。

変更管理は、設定に関する変更、適宜行われる更新プログラムの適用を管理します。設定や更新プログラムについては、環境やタイミングによって判断しなければなりません。またBasis上のアプリケーションと、下層OSとの兼ね合いも考慮しなくてはならないので、専門的な担当者が必要になるでしょう。

SAP Basisの運用業務における課題

Basisの運用には、上記のような多様な業務が想定されています。加えて、SAPを自社で実際に運用すれば、サポートへの各種問い合わせや、課題調査を行う必要まで生じるでしょう。
こうした点に鑑みると、Basis運用者に求められるスキルは以下のような項目です。

  • サーバ管理経験
  • Windows Server、Linux、UnixなどのOS経験
  • SAP HANA、SAP ASE、SQL Serverなどのデータベース経験

上記を満たしている、経験豊富な従業員を、Basisの運用者として割り当てる必要があります。それができた場合も、Basisの運用者に多くの負荷がかかること、運用コストも大きくなりやすいこと、など多くの問題が実際には浮上するでしょう。

自社でSAP Basisの運用を行うなら、上記の課題を克服する必要があります。しかし今日では、そうした課題を解決する方策も普及しています。

SAP Basisの運用業務負荷を軽減する方法とは

Basisを大幅に負担軽減して活用するために、その運用をアウトソーシングすることが、現在主流になってきています。

Basis運用について認定資格を持っているコンサルタントや、それと併せて専門的知識を保有する企業などが、アウトソーシング先として考えられます。この具体的なメリットを挙げてみましょう。

  • 専門に自社人材を育成するためのコストを削減
  • 運用や保守業務について、属人化が発生しない
  • 障害発生時にも、専門家による迅速な対応が望める
  • 運用全般が安定する

例えば、こうした専門性の高い業務を自社運用した場合、属人化という大きな問題が起こる恐れもあります。つまり、特定の社員だけが専門ノウハウを保有してしまい、その社員なしには業務が回らなくなってしまうのです。アウトソーシングにより、こうした属人化しやすい分野へ、自社の人員が割かれることがなくなり、また不要な教育コストが発生することもありません。

加えて、システム障害などのトラブル時にも、アウトソーシング先の専門家たちが対処してくれる点も重要です。自社で症状を調べながら、SAP社のサポートを請う必要はなくなるため、社員たちの手間・心労は大幅に低減するでしょう。こうした点から、SAP運用の効率的な安定化が期待できます。

SAP Basisの運用業務委託先を選ぶとき注意すること

Basisのアウトソーシング先を選定する場合は、下記のような点を基準にしましょう。

  • 業務実績が豊富で、運用体制が整っている
  • 料金に見合ったサービスが、充実している
  • どのくらい認定資格保有者が在籍しているのか、公開されている

これらは必ず確認が必要です。特に「どのような専門的知識・視覚を保有する人材が在籍しているのか」を、きちんとチェックしましょう。必要なら適宜問い合わせ、本当に運用を任せられる専門家が担当してくれるのか、確証を得てから契約するようにしてください。

アウトソーシング先の業務実績や運用体制について調べることも重要です。しかし仮に実績豊富なことがわかったとしても、それだけで即契約してはいけません。専門性を保障する資格保有者が、在籍していないケースもあります。または、資格保有者が在籍していても、自社の担当としてはついてくれないかもしれません。そうした疑いがある業者は、避けたほうが望ましいでしょう。

料金について調べるときは、各プランのサービス内容が明確に記載されているのかを中心にチェックしましょう。運用してもらえる範囲や、対応可能な障害の範囲、そして対応スピードの基準などが、明確に開示されている業者を選択するようにしましょう。

おすすめは、SAP(ERP)の専門的知識だけではなく、クラウドサービス(PaaSIaaS)にも精通している事業者を選ぶことです。クラウド事業を展開する業者が、Basis運用サービスも請け負っていることもあるため、探してみましょう。

そうしたサービスの1つに、「MKIマネージドサービス for SAP S/4HANA®」があります。こちらはSAP S/4HANAに完全対応したサービスです。三井情報のクラウドを活用しながら、高い運用ノウハウを共有する専門家たちが、保守・運用に関わるさまざまな業務を行ってくれます。こうしたサービスは、基本的にPaaSで提供されつつ、ERPに関わる状況ではIaaSでも提供されます。

加えて、体制やサービスに至るまで明確に提示されているので、選定時も安心できるでしょう。そしてサービスデスクは、障害発生時なら24時間365日対応という充実した内容になっています。
アウトソーシングの候補として、ぜひ検討してみましょう。

まとめ

Basisの基本的な情報から、アウトソーシングについてまで解説しました。Basis導入を効率的に行い、ERPを滞りなく実現していくことは、今日の企業にとって最重要課題の1つとなってきています。
「自社ではBasis運用を行えない」と判断したら、本記事を参考によりよいアウトソーシング先を選定しましょう。ぜひ安心・信頼できる業者と契約し、適切にBasisを導入してください。
Basis運用の負担を軽減しつつ、ERPを安定化させ、企業全体の事業をスムーズに推進していきましょう。

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