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IIoTとは?IoTとの違いとIIoTに必要なことについて解説

IIoTという言葉をご存じでしょうか。IIoTは、インダストリアルIoTとも呼ばれ、産業に特化したIoTを意味する言葉です。IIoTにより、産業分野で作業の見える化やデータ収集・分析などを行うことで、業務効率化や生産性向上が期待されています。
産業分野で扱うデータは、一般の企業と比較すると膨大な量となります。その膨大なデータを扱うためにはクラウドソリューションが必要です。さらに、製造ラインの停止やミスが許されない産業の現場では、セキュリティ対策や安定して稼働できる仕組みの構築が求められます。
本記事では、IIoTの概要とIIoTに求められること・IIoTで可能になることなどについて解説します。

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IIoTとは

近年、IoTという言葉が一般的になりつつあります。IoTは「Internet of Things」の略称で、「モノのインターネット」を意味します。IoTは、様々なモノをインターネットを通じて、クラウドサービスやサーバーに接続し、相互に情報をやりとりする仕組みです。IoT技術を活用することにより、これまでなかった高い価値やサービスを生み出すことが可能です。IoTはIoTデバイスの低価格化や高性能化により、様々な分野で普及が進んでいます。
一方で、産業向けIoTであるIIoTについては、まだ広く浸透していないのが現状です。
以下では、IIoTの概要、IIoTとIoTの違いを解説します。

IIoTの概要

IIoTは「Industrial Internet of Things」の略称で、産業分野向けのIoTを意味します。産業分野で作業の見える化やデータ収集・分析などにより、業務効率化や生産性向上を実現するものです。IIoTは、製造業・物流石油・ガス・輸送などいくつもの業界で活用されています。

IIoTとIoTの違い

IIoTとIoTは、IoTの仕組みを導入する分野に違いがあります。IoTは主にスマートデバイスを用いて、日常生活やバックオフィスで利用されます。一方IIoTは、産業分野で利用されます。

IIoTは、製造・輸送・物流といった産業分野の現場で使われるため、下記のような特性が求められます。

  • 常時稼働が可能であること
  • アクセスレベルの制御が可能であること
  • 安定した通信品質が保てること

工場の製造ラインは、24時間稼働していることも珍しくありません。そのため、常時稼働が求められます。また、扱うデータには機密情報も含まれます。外部に漏洩することのないように、必要のない社員にはデータにアクセスさせない、セキュリティ対策も必要です。常時稼働や、多くのIoTデバイスを使用することにより、扱うデータも膨大になります。それらのデータを処理するネットワークで、安定した通信品質を保つ必要があります。
これらの特性を備えたIIoT環境を構築するためには、処理速度・拡張性・セキュリティ面で高性能なクラウドソリューションの導入が欠かせません。

IIoTに求められること

IIoTは、製造・輸送・物流などの産業分野の現場で使われるため、以下のような機能が求められます。

機密性

生産に関わる重要なIoTデバイスをインターネットに接続するIIoTでは、不正アクセスや外部からの攻撃に注意する必要があります。IIoT設備に脆弱性がある場合、機密情報や個人情報などが不正に取得されてしまうリスクがあります。高度なアクセスレベル制御やデータの暗号化など、セキュリティ面での対策が必要です。

安定性

通常業務だけでなく、生産などの過程に利用されるため、接続が途切れることなく、常時稼働できる安定性が必要です。予期せぬ障害やアクセス過多などによりIIoT設備が停止した場合、稼働していた生産工程が全てストップしてしまうリスクがあります。アクセス負荷に備えた対策やネットワークの冗長化・障害発生時の保守対応などの対策も必要です。

通信サービスの品質

IIoTでは様々なIoTデバイスをネットワークに接続するため、従来のネットワーク帯域を圧迫する可能性があります。多くのIoTデバイスをネットワークに接続するためには、十分なネットワーク帯域を確保する必要があります。
また、リアルタイムの情報処理が必要な場合、通信の遅延が発生すると、業務に支障をきたす可能性もあります。そのため、高速かつ大容量・低遅延のネットワーク構築が重要となります。近年登場した5Gや、ローカル5Gの導入が、通信サービスの品質問題を解決する手段となることが、期待されています。

IIoTで可能になること

IIoTによって次のようなことが可能です。

サプライチェーンの最適化

生産分野では、サプライチェーンの最適化が可能です。サプライチェーンとは、製品やサービスの原料製造から、消費者へ提供するまでの一連の流れのことです。サプライチェーンのそれぞれの工程の稼働率を数値化したり、管理することにより、工程ごとの無駄をなくすことにつながります。

業務効率化

IIoTを導入することで、作業状況や人の動きをリアルタイムで把握できます。生産数や停止時間、稼働率などのデータを組み合わせることで、現場の具体的な改善につながる分析データが作成できます。作業員の稼働状況が把握できるため、最も効率的な動きとなるように作業員数を調整することも可能です。作業を可視化し、設備の故障やトラブルを未然に防ぐことで、余計な時間やコストの削減にもつながります。

品質向上

IIoTで取得したデータを組み合わせることで、製品の設計および製造の全体的な改善が可能です。IIoTデータを活用することで製品の設計を改善したり、ユーザーの多様なニーズをくみ取り、個別に最適化された機能を製品ごとに付与したりするなど、イノベーションに向けた応用が期待できます。また、工程の可視化によって人的ミスが削減されることで、品質の安定化にもつながります。

まとめ

近年、IoTの普及が進む中で、産業分野に特化したIIoTにも注目が集まっています。産業分野の現場でIIoTを活用するためには、機密性・安定性・通信品質の確保が課題です。この課題を解決する手助けとなるのが、処理速度・拡張性・セキュリティ面で高性能なAzureのクラウドソリューションです。Azureはマイクロソフト社が世界的に展開しているクラウドサービスで、IoT向けのサービスが数多く展開されています。

例えば、Azure IoT Centralでは、IoTデバイス接続からデータ処理・格納、分析・可視化まで、多様な業種向けのサービスが提供されています。Azure IoT Centralには、各業界に特化したテンプレートが用意されており、産業の分野でもスムーズにIIoTを導入できます。
また、Azure IoT Centralは、Azureとクラウドの連携が簡単であるという特徴もあり、Azureの専門的な知識がなくても、プログラミングなしで、IIoTの環境を構築できます。

同じくAzureのソリューションである、IoT Hubには、何十億台ものあらゆるデバイスを管理し、セキュリティを強化した通信チャネルを確保する仕組みがあります。多くのIoTデバイスを接続する産業分野でも、セキュリティを保ちながら、IIoTを実現できます。

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