クラウド移行(インフラ・DB)

Microsoft Azureとは何か?入門から応用まで徹底解説

企業はもちろん消費者もクラウドを利用する時代です。ところが、いまさら「クラウドって何?」と聞けない人がいるかもしれません。あるいは、費用が分からない、何ができるか知りたいなど、さまざまなレベルの疑問を持つ人々がいるのではないでしょうか。

Microsoft-Azure

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雲で描かれるクラウド、そして Azureとは

「Azure」は、マイクロソフトの提供しているクラウドのサービスで、「アジュール」と読みます。インターネットを介して、さまざまな開発者向けのサービスを中心に提供しています。それでは、Azureが提供しているクラウドとはいったい何でしょうか。

システム構成図で「雲」で描かれるクラウド

従来からシステム構成図で、インターネットには雲の図形が使われていました。無数のネットワークで構成されるインターネットの拡大を雲で表現したからです。企業や消費者はこの雲のようなインターネットを介して、データセンターという巨大な施設にPCやタブレットやスマートフォンを接続して、その巨大な施設のサーバーに格納されている、さまざまな機能やサービスを利用します。

これが「クラウド」の全体像です。ざっくりした表現になりますが、いわばクラウドは「インターネットを介した、サーバーやアプリケーションのレンタルもしくは運用管理のアウトソーシング」といえるでしょう。

ところで、雲で表現されたインターネットを使ったクラウドですが、「仮想化」という技術を採用した仮想マシン(VM:Virtual Machine)を使うことにより、物理的な制限を超えて、まさに雲のように自由自在に容量などを変えることができます。

サーバーやネットワークなどのインフラストラクチャー(ハードウェアの基盤)だけではなく、開発環境やアプリケーションまで提供し、さらに人工知能(AI)やIoT(Internet of things:モノのインターネット)のプラットフォームとして進化しました。

開発環境のプラットフォームを提供するクラウドを「PaaS(Platform as a Service)と呼びます。このPaaSを主に提供しているのがAzureです。

ちなみにAzureの英語の意味は「空の青色」。ブランドロゴもブルーです。雲(クラウド)とAzure(空の青色)は、とてもマッチするネーミングではないでしょうか。

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Azureが解決する企業の3つの課題

「Azureとは何か?」について解説するとき、いきなり技術的内容を取り上げても、ITとは無縁の業界の営業マンには、それこそ雲(クラウド)をつかむような話です。「情報部門でAzureがどうしたとか言っているが、さっぱり分からん」という大企業の幹部の方も多いでしょう。

ビジネスの視点から3つの課題を挙げて、その課題に対して「どんな解決ができるのか?」にフォーカスして、Azureのメリットをわかりやすく解説します。

【課題1】サーバーを購入したが、設置場所が必要な上に管理が大変

自社で社内のシステムを開発および運用管理する場合には、社内に広いサーバールームを確保して、サーバーを購入、開発や運用の環境をゼロから構築しなければなりません。ちなみに、このように社内に置かれた物理的なサーバーを「オンプレミス」と呼びます。

社内サーバーの運用管理には専任の管理者が必要です。サーバー管理者の仕事はウィルス対策から社内の問い合わせ対応まで多岐に渡ります。老朽化したサーバーは新しく買い替え、Windows Server 2008 および 2008 R2のようにサポートが終了(2020年1月14日)する場合は、そのままにしておくと、セキュリティ面のリスクが高まるので対策が必要です。

ゼロからシステムを構築するには、膨大な時間とコストがかかります。また、担当者が辞めてしまうと引き継いだ後任の担当者がさっぱりわからないなど、属人的な課題が発生します。

【Azureができること】

Azureはクラウドのサービスなので、物理的なサーバーつまりオンプレミスを置くスペースが不要です。社内にサーバールームを設置する必要がなく、運用管理者の負担も大幅に軽減されます。というのは、仮想マシンやネットワークのメンテナンス、セキュリティ対策のアップデートはマイクロソフト、つまりAzureのクラウドが担うからです。アプリケーションやOSの更新も自動的に行われるので煩わしさがありません。

ちなみにAzureでWindows Server 2008および2008 R2を利用する場合、最大で3年間の延長保証を受けられます。オンプレミスの環境はAzureに簡単に移行できます。

さらに開発者と運用者が密接に連携して、社内で情報を共有しながらシステムを開発・運用することが可能です。これは「DevOps(デブオプス)」と呼ばれる方法で、この考え方を基盤とした機能も備えています。

【課題2】お客様が急増、顧客データベースの容量が足りなくなった

ファイルなどを保存する機器をストレージ、顧客管理などの情報を格納する機能をデータベースといいますが、企業が急激に成長してファイルの保存や顧客データが増加すると、新しい機器を購入しなければなりません。このときにも、社内システムを構築している会社に連絡して、新しいストレージやサーバーの購入やデータベースの拡張が必要ですが、コストや時間がかかります。

【Azureができること】

Azureは仮想化という技術が基盤のため、インターネットを通じてパソコンのブラウザの管理画面から、クリックするだけでストレージやデータベースの容量を増やしたり、余裕のあるネットワーク回線を確保したり、柔軟にリソースの増減が可能です。使用しなくなった仮想マシンは停止し、利用した分だけ費用を支払う「従量課金制」が採用されています。したがってコストを抑えて、システムの開発や運用ができます。

【課題3】サイバー攻撃を受けた! 自然災害で機材が破損してデータが消滅した!

多様化した働き方の側面からは、在宅勤務などによって自宅で会社のネットワークに接続して、仕事をすることが多くなりました。このときにもセキュリティの問題は重要です。これまで社内のネットワークをファイアウォールで防御していましたが、社外における利用が増加すると、社内と社外の境界があいまいになります。自宅に持ち帰ったパソコンをそっくり盗難される恐れもあります。

一方で、2019年、記録的な台風15号と19号の猛威によって、日本全体が大きな被害を受けました。社内でバックアップしても、サーバーやディスクが水没したり、建物とともに損壊した場合は、貴重な情報資産が失われて復元できない場合があります。

経営者や情報部門の責任者にとって、セキュリティの問題を事業戦略として考慮するとともに、災害時の早期復旧(DR:Disaster Recovery)、あらゆる脅威の中で事業を継続すること(BCP:Business continuity planning)が重要課題です。

【Azureができること】

Azureは多重構造のセキュリティによってデータを守っています。技術的に保護するだけでなく、全世界において3,500名以上のサイバーセキュリティの専門家のチームがビジネス資産とデータを守るために常に監視と対策を行っています。

また、「ゼロトラスト」つまり信頼性ゼロの状態からセキュリティを考える発想のもとに、Azure Active Directoryに加えてAzure SentinelなどID管理を徹底しています。たとえパソコンが盗難されたとしてもロックして、重要な情報に対するアクセスを防ぎます。

バックアップも多重化され、ある地域(リージョン)のデータセンターで3つにコピーされるだけでなく、日本であれば東日本と西日本のデータセンターでそれぞれ3つにデータをコピーして備えることも可能です。したがって、東日本のデータが失われた場合でも、西日本のバックアップデータを利用して事業を継続できます。

ここからは実践編として、クラウドが提供するサービスや機能の一般的な解説とAzureのメリットを整理したあとで、実際にAzureがどのような構成で提供されているか、コスト削減のメリットを解説します。

Azureは簡略化すると、次の5つのサービスで構成されています。

  • コンピューティング
  • データベース
  • ID管理とアクセス管理 (IAM:Identity and Access Management)
  • 開発と運用のための環境(DevOpsを含む)
  • AIやIoTなどのサービス

このそれぞれについてコスト削減メリットがあります。しかしながら、その前に「クラウドの形態」と「XaaSの種類」から、Azureにどのような機能とメリットがあるかを挙げていきます。

クラウドの形態とAzureのメリット

クラウドは仮想化という技術を使って仮想マシン(VM)で構築しますが、サービスを公開する範囲やオンプレミスとの連携によって、主に以下の3つのパターンがあります。Azureはこれらのすべてに対応します。

プライベートクラウド

社内だけで利用するクラウドのサービスです。オンプレミスのサーバーを仮想化して活用します。Azure Stackを使えば、オンプレミスでサーバーやストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアなどを統合したHCI(Hyper-Converged Infrastructure)を構築できます。

パブリッククラウド

外部のサービスを利用しますが、社内の各部門など限られた狭い範囲で利用するクラウドです。企業内で独占的な利用ができるため、企業独自の利用目的に特化したシステムを構築できます。また、セキュリティの面でも強化することが可能です。Azureは開発環境から簡単にサービスをデプロイできます。

ハイブリッドクラウド

社外にあるパブリッククラウドとプライベートクラウド、そしてオンプレミスの仮想マシンなどが混在したクラウドの形態です。AzureとAWSなど、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウドの企業も多くなりました。

このとき重要になるのは、それぞれのクラウドにアクセスする際のIDやパスワードの管理です。異なったクラウドに接続するたびに独自のIDやパスワードを使う場合、煩雑になります。Azureでは、Azure Active Directoryにより複数のクラウドの包括的なアクセスとID管理(IAM)を実現します。

XaaSが提供する範囲とAzureとの関連性

クラウドの3つの形態を解説しましたが、さらに提供するサービスによってクラウドは「アズ・ア・サービス」として、さまざまな名称で呼ばれます。提供するサービスには、インフラストラクチャー、開発プラットフォーム、一般向けのアプリケーションやシステムがあります。これらを総称してXaaSといいますが、XaaSの種類は次々と増えつつあります。

Azureが提供するサービスは「PaaS」が中心です。また「IaaS」も提供しています。他にも「IDaaS」によってセキュアな環境を提供していることが特長です。代表的なXaaSとAzureの関連を中心に挙げていきましょう。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSが提供するのは、サーバーやストレージなどのハードウェア、ネットワーク環境、ファイアウォールなどのセキュリティです。いわばサービスの基盤(インフラストラクチャー)を提供します。

Azureでは仮想マシン(VM)のインスタンスやデータベースを提供し、その容量は自由に変えることができます。

PaaS(Platform as a Service)

開発や実行環境を提供するサービスで、OS、ミドルウェア、言語環境、分析ツール、ライブラリやフレームワークを提供します。

Azureが主に提供しているのがこの「PaaS」で、OSなどの環境は自動的にアップデートされるため、メンテナンスの必要がありません。WindowsのほかLinuxもサポートしています。また、ライブラリやフレームワークでは、多くの有名なオープンソースソフトウェア(OSS)を利用できることが特長です。

SaaS(Software as a Service)

Webブラウザでアプリケーションソフトウェアを実行するなど、クラウドでソフトウェアを提供するサービスです。一般的には、Webメールやオンラインストレージ、チャットやSNSなどのコミュニケーション系のソフトウェアがあり、財務会計アプリケーションもクラウドで運用されるようになりました。

Azureを使えば、開発したSaaSアプリケーションをすぐにデプロイして、ビジネスを迅速かつ効率的に展開することが可能です。

IDaaS (Identity as a Service)

セキュリティの重要性の高まりとともに重視されているのがIDaaSです。クラウド経由でID認証とパスワード管理、シングルサインオン、情報に対するアクセス権限の制御などを行います。

Azure Active DirectoryによってID管理をするとともに、Azure Sentinelが加わることによって、サードパーティソリューションのアクセスログなどを集中管理できるようになります。

DaaS (Identity as a Service)

在宅勤務など働き方が多用になり、ノートPCを社外に持ち出して利用することが増えました。そこでデスクトップ環境自体をクラウドで提供する技術が生まれました。これが「DaaS」です。自社内の閉鎖された環境で運用される場合はVDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれます。

AzureはAzure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)によって、DaaSもしくはVDIを構築できます。年間 10 億米国ドルを超えるセキュリティに対する投資、3,500 人を超えるセキュリティのエキスパート、多数のコンプライアンス認定による堅牢なセキュリティによって情報が守られているので安心です。場所を問わない生産性の高い働き方を実現します。

DBaaS (Database as a Service)

クラウドでデータベースを提供するサービスで、このことにより開発者はデータベース環境を構築する負担が減少します。また、利用量に合わせてデータベースの容量を自由に増減できることもメリットです。

Azure SQL DatabaseはAzureが提供するDBaaSの中核となる製品で、オンプレミスのSQL Serverを円滑に移行できます。自動的なチューニングとパフォーマンスの最大化とともに、脅威に対するアラートなどセキュリティ対策に注力しています。

Azureのライセンス体系と費用

クラウドの形態とXaaSの種類からAzureのメリットを整理しました。それでは次に、コスト削減の側面から概要を解説していきましょう。

Azureの無料アカウント

Azureは無料アカウントを取得して、30日間の試用期間があります。このときに、あらゆるサービスを利用できる¥22,500のAzureクレジット が付与され、このクレジットの範囲内で試してみたいサービスを利用できます。クレジットを使い切るか30日が経過した後に、使用制限を解除してサブスクリプション(従量課金制)に切り替えることによって引き続いて利用が可能です。

Azureのライセンス体系

Azureは無料で提供されている機能と従量課金製の機能で構成されています。Azureの価格については、以下のページで詳細に解説され、「料金計算ツール」「TCO計算ツール」もあり、費用のシミュレーションが可能です。

Azureの価格

以下は注目したいオプションです。

開発やテストの利用では割引料金

開発/テストの使用に限定して、個人向け、エンタープライズもしくはその他のチーム向けに割引料金が設定されています。すべてWindows 10 Virtual Machinesが実行でき、チーム向けの場合はインスタンス数が無制限です。個人向けの場合は、Visual Studio サブスクライバーごとに1つです。

ハイブリッド特典

ソフトウェアアシュアランス付きのWindows ServerもしくはSQL Serverオンプレミスのライセンスを持っている場合は、Azureの費用を大幅に節約できる特典があります。

AWSと比較したコスト削減メリット

クラウドを選択するにあたって、Azureと競合になるのは業界トップシェアのAWS(Amazon Web Services)でしょう。マイクロソフトのサイトでは、AWSとのコスト削減のメリットを次のような数値で示しています。Windows Server 2008および2008 R2 では、AzureのVM用として延長セキュリティ更新プログラムが無償で提供されることも大きな特典です。

Windows Virtual Machines
AWS EC2と比較して「最大71%割安」

SQL Database Managed Instance
Amazon RDSと比較して「最大85 %割安」

SQL Server 仮想マシン
AWS EC2と比較して「最大45%割安」

なお具体的なコンピューティング(仮想マシン)、データベース、ID管理とアクセス管理 (IAM)、開発と運用のための環境(DevOpsを含む)、AIやIoTのサービスなどについては、企業のニーズに合わせてコストを計算できるサイトが設けてあります。以下で、必要なサービスを追加して、プルダウンメニューで環境を選択していくと概算が分かるので便利です。

「入門編」では基礎、「実践編」ではクラウドの形態や種類を踏まえた上で、Azureの機能と構成、そしてコスト削減のメリットを取り上げました。
最後の「応用編」では、効率的な運用とバックアップやセキュリティによる企業の情報資産を守るソリューションから、AI(人工知能)やIoT(Internet of things:モノのインターネット)など、Azureの最先端テクノロジーで何ができるか、そして実現のために用意されたAzureの機能について概要を解説します。
実現したいことをメインに、逆引きのようにAzureの機能を紹介していきます。

DR、BCP対策を実現するAzure

ソフトウェア開発企業はもちろん一般の企業では、もしもの場合に備えて、システムのバックアップや復旧のための設備が重要です。BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画やDR(Disaster Recovery:災害復旧)として、企業経営では軽視できない課題です。

このBCPやDRのためにAzureを活用する方法があります。オンプレミスに障害があった場合にも、自動的にクラウド上のシステムに切り替えることによって、ダウンタイムが生じることなく事業を継続できます。

このような目的からAzureには次のような機能があります。

Azure Site Recovery

システムのメンテナンスで稼働を止める時間は最短にすべきであり、また災害などで支障が生じた場合には、一刻もはやくもとの状態に復旧する必要があります。Azureでレプリケーション、フェールオーバー、復旧プロセスをデプロイして、アプリケーションを実行し続ける機能がAzure Site Recoveryです。

Azure Backup

インフラストラクチャーの追加やデプロイなしに、Azureの仮想マシン、SQLワークロードはもちろん、オンプレミスの仮想マシンをバックアップします。プラットフォームに組み込まれたシンプルなバックアップ機能で、ランサムウェアのような脅威や人間のエラーからもデータを守ります。

TCO削減と クラウドシフトを加速するAzure

Windows2008ならびに2008R2サーバーの延長サポートが、2020年1月14日に終了しました。サポートが終わると、最新のセキュリティ対策の更新が行われなくなるため、リスクが高まります。しかし、Azureに移行すれば、3年間の延長保証が受けられます。

これまで社内でオンプレミスを利用してきた企業には、クラウドシフトの絶好の機会です。クラウドシフトを安全かつ確実に行うため、Azureには以下のようなサービスがあります。

Azure Migration Center

マイクロソフトとパートナーによって、クラウドの移行をサポートします。以下のような手順で、オンプレミスの環境をAzureに移行することが可能です。

移行するクラウドと現状の評価・検証

優先順位と目標を定めます。組織全体の関係者を招集し、Azureとオンプレミスを比較した総保有コスト(TCO)を検討し、移行するアプリを検出して評価します。このときクラウド移行のための自動化ツールを利用すると、現在の環境と依存関係が分析できます。迅速に移行を進めるためには、依存関係の少ないアプリケーションの移行から着手することが重要です。
SQL ServerをAzure に移行する互換性の確認には「Data Migration Assistant」が用意されています。

クラウドへの移行

クラウドへの移行には、一般的に次の4つのレベルを考えておく必要があります。リビルドを選択することは負荷がかかりますが、クラウドネイティブなアプリケーションとして最先端の機能を活用できます。

リホスト コードを編集することなく移行します。IaaS、データベースを移行し、最適化します。
リファクター アプリケーションに若干変更を加えて、クラウドに最適化します。その後、データベースを移行、Azure DevOps Servicesで最適化します。
リアーキテクト アプリケーションのコードを変更もしくは拡張して、クラウド向けに最適化します。これまでのアプリケーション資産を生かしたいときに有効です。
リビルド アプリケーションをクラウド向けにゼロからビルドします。クラウドネイティブなアプリケーションに進化させることで、AIなど最新の技術に対応させることができます。

クラウドの最適化

Azure Cost Managementを用いてクラウドアプリケーションの支出を管理し、仮想マシンのサイズの調整、Azureの特典を利用したコスト削減など、移行したシステムを最適化します。

セキュリティの保護と監視

移行後は、Azureが仮想マシン、アプリケーションやデータを保護します。Azure Security Centerは業界最高水準のセキュリティを提供し、Azure Backupでデータを保護、Azure Monitorによって利用統計情報を監視し、正常かつ最大のパフォーマンスを発揮できるような分析を行います。

働き方改革のためのAzure

グローバル化で世界各地に拠点ができ、在宅勤務によって喫茶店や自宅などでノートPCを使って仕事をするなど、オフィスの範囲は拡がりつつあります。このような時代において、クラウドは多様な働き方を支援する最も強力なツールです。

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)のAzure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)を、あらためてピックアップし、仮想デスクトップ以外のメリットを解説します。

Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)

他のVDIと異なる大きな特長は、マルチセッションのWindows 10をサポートしていることです。また、Office 365 ProPlusに最適化され、リモートデスクトップサービス環境をサポートします。Azure Portalの統合管理によって、わずか数分で使い慣れたデスクトップを簡単に仮想化してAzureで利用できます。
企業や官公庁によっては、まだWindows 7を使っていることも多いのではないでしょうか。しかし、Windows 7の延長サポートは2020年1月14日に終了しました。サポート終了によって、テクニカルサポート、ソフトウェア更新プログラム、セキュリティ更新プログラムの提供がなくなります。Windows Server 2008の延長サポート終了とともに、そのままPCを使い続けることはリスクが高まります。したがってWindows 10にアップデートすることが必要です。

ところが、AzureでAzure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)を導入すれば、延長サポートの特典が得られます。また、Windws10の操作性に慣れておくという意味でも意義があるといえるのではないでしょうか。

AIの分野におけるAzure

AIは気づかないうちに人々の生活に浸透しつつあります。IT業界を問わずに、さまざまな企業で採用されています。マイクロソフトでは、自社製品であるOffice 365、Bing、Microsoft Dynamics 365のほか、XBOX ONEなどのゲーム機にも人工知能を導入しています。また、Microsoft Hololensは建築や医療などの業界でも活用されつつあります。
多岐に渡るAzureのAIプラットフォームから「機械学習」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つにフォーカスして製品を紹介します。

機械学習

機械学習では、膨大なデータを利用して人工知能がアルゴリズムによってデータを分類、認識します。主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」があります。

AzureではPhythonベースの「Azure Machine Learning」を核として、Azure Machine Learning を統合してApache Sparkを基盤にビッグデータを扱う「Azure Databricks」、オープンソースの「ONNX」を機械学習のサービスとして提供しています。また、TensorFlowなどのオープンソースのAIフレームワークを使うこともできます。

ナレッジマイニング

ナレッジマイニングは人工知能が主体ではなく、人間が膨大な情報の中から洞察を得るためにデータを深く掘り下げていく手法です。この分野でもAzureの人工知能がサポートします。

「Azure Search」は言語によるテキストだけでなく、視覚や音声の検索にも対応しています。10年以上にわたって検索エンジンのBingやOfficeに組み込まれてきた自然言語処理などのAI技術が活用されています。PaaSとして提供されているため、独自の検索ソリューションを開発できます。ドキュメントの構造は「Form Recognizer」という製品によって抽出を担います。

AIアプリとエージェント

企業の問い合わせ対応でチャットが活用されています。チャットオペレーターが回答している場合もありますが、AIが問い合わせを認識して、FAQから最適な回答をする自動化が行われています。

「Cognitive Services」はAIによる認識機能の中核であり、Face APIによる顔認識、「Bot Framework」と組み合わせることによってコールセンターで対応する人間のオペレーターの負荷を軽減するサービス、映像から話者を認識するなど、さまざまな活用が可能です。

IoTの分野におけるAzure

IoTは消費者の生活はもちろん、産業の中で「IIoT(Industrial Internet of Things)として積極的に取り入れられています。時代を遡れば、ドイツのインダストリー4.0の構想を契機に「スマートファクトリー」というコンセプトが生まれました。工場全体と人間がインターネットで接続され、具体的には装置に取り付けられたセンサーから異常や老朽化を発見する予知保全や、ARを使って装置の状態や現実と重ねてマニュアルを見せる技術が使われています。

Azureでは「Azure IoTソリューションアクセラレータ」というリモート監視、メンテナンス、デバイスのシミュレーションを含めた包括的なソリューションを提供しています。別途、「Azure IoT Central」というSaaSソリューションを提供していますが、Azure IoTソリューションアクセラレータはサブスクリプションで提供されるPaaSになります。
「Azure IoT Edge」も、これから注目されているサーバーレスコンピューティングの分野で期待されるサービスです。

まとめ

Azureは一般的にPaaSを提供しているといわれていますが、大規模から小規模のシステム開発まで、さまざまなレベルの利用に合わせてカスタマイズすることが可能です。無料体験として使い始めたとしても「目的」が明確ではなければ、どの機能を使えばよいのか途方に暮れることになります。柔軟に機能を追加したり拡張できたりすることがクラウドのメリットですが、ある程度の目的を持って利用することが重要です。

また、Azureの提供している範囲は、PaaSを超えて拡がりつつあります。一方で、セキュリティに関するIDaaSをはじめHCI、エッジコンピューティング、DaaSなど、最先端のテクノロジー分野を次々に取り込みつつあります。
「クラウドシフトには抵抗がある」という企業があるかもしれませんが、少し先の未来を見通したとき、Azureを導入する、さらに先端の技術をトライアルで試してみることは、意義があるのではないでしょうか。

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