Mixed Reality

MRデバイス HoloLens 2を紹介 導入実績や活用法は?

Hololens 2は、Microsoft社が生み出した「MRデバイス」です。Hololens 2の導入によって人材育成の効率化や、トラブル発生時の迅速な対応が可能となります。
本記事では、MRデバイスであるHololens 2の基礎知識やできること、導入実績についてお伝えします。

MRデバイス HoloLens 2を紹介 導入実績や活用法は?

複合現実(MR)とは? VR・ARとの違いや利用シーンを解説

MR (Mixed Reality)とは

MRとは、仮想世界を構築する「VR(Virtual Reality)」と、現実世界に仮想世界を重ね合わせる「AR(Augmented Reality)」を組み合わせた技術です。MRは「複合現実」とも呼ばれており、現実世界と仮想世界がリンクしたデジタル空間を構築できます。

具体的には、現実世界の空間をデジタル化して、そこに仮想的なオブジェクトを追加します。そのオブジェクトは現実世界とリンクするため、ユーザーの操作によって動かすことが可能です。例えば、MRによって架空のドミノをデジタル空間に配置した場合、ユーザーがひと押しすることでドミノが倒れます。

MRによって構築したデジタル空間を目にするためには、専用のMRデバイスを頭部に装着する必要があります。MRデバイスは海外の大手メーカーを中心に開発が進んでいますが、その中の1つがHololens 2です。

MicrosoftのHololens 2

Hololens 2は、スタンドアロン型のMRデバイスで、Microsoft社が2019年にリリースしました。Windows 10が搭載されているため、パソコンと接続せずに使える特徴があります。また、2015年にリリースされた初代HoloLensと比べて、操作性や視野の広さなどが改良されました。

ここではHololens 2の機能と価格について、順番に解説します。

Hololens 2の機能

Hololens 2は実際の景色に3Dホログラムを表示して、ユーザーが操作できます。専用のソフトウェアによって、作業物の上に注釈を付けたり、MRの景色を離れた相手と共有することも可能です。

Hololens 2には専用のコントローラーが存在せず、代わりにジェスチャーや音声コマンドによって操作します。使用者の動作と連動するハンドトラッキング機能により、ホログラムに対するつまむ、握るといった細かい動作も、各種センサーにより正確に検知可能です。

またHololens 2では、上記に加えて「視線トラッキング(アイトラッキング)」が追加されました。眼前に配置されたセンサーが目の動きを追跡し、3Dホログラムの表示位置を自動で調整してくれます。

価格

Hololens 2は、用途に応じていくつかの価格体系があります。ここではその代表的なものの概要や価格について、順番に解説しましょう。

①Hololens 2:422,180円(税込)

Hololens 2の通常版です。Hololens 2本体に加えて保護キャリーケース、オーバーヘッドストラップ、充電器が付属されています。保証期間は1年です。

②Hololens 2 Industrial Edition:571,780円(税込)

製造業向けのエディションです。「UL Class I」などの認証を受けているため、クリーンルームや危険な場所でも使えます。また保証期間も2年と、通常のHololens 2よりも長くなっています。

③Hololens 2 Development Edition:422,180円(税込)

MRアプリケーション(以下、アプリ)の開発者向けのエディションです。独自のMRアプリを、Hololens 2上でビルド・テストできます。

Hololens 2でできること

Hololens 2でできることの特筆すべき点は以下の2点です。

  • Microsoft Mesh
  • Dynamics 365 Guides

1つずつ、順番に解説します。

Microsoft Mesh

「Microsoft Mesh」とは、離れた相手とMRを用いたコラボレーションが行えるクラウドプラットフォームです。映画「スターウォーズ」さながらの3Dホログラムをリアルタイムに共有でき、相手と同じ場所にいるような体験ができます。

また、自分の動きを反映したアバター同士で会話することも可能です。例えば、離れたチームメンバーが同一のMR空間にアバターとして集まり、会議を行えます。

Dynamics 365 Guides

「Dynamics 365 Guides」とは、HoloLensを通して見える景色に3Dホログラムのガイドを表示するソフトウェアです。作業に合わせて適切な作業手順や注釈を追加することで、3Dのマニュアルを作成できます。紙やWebのマニュアルを見る必要がなくなるため、大幅な作業効率の向上につながります。人材育成を効率化する目的で、製造業や医療機関など幅広く用いられています。

また、前述したDynamics 365 Remote Assistを併用すれば、ガイドが表示されたMR空間を離れた相手と共有することも可能です。指導者がその場にいなくても指示を受けられるため、予期せぬトラブルにも迅速に対応できます。

導入実績

Hololens 2は、さまざまな業種で導入が進んでいます。最後に、自動車メーカー大手のトヨタ自動車における導入実績を紹介します。

トヨタ自動車の整備士は、紙やWebの作業手順書・修理書を用いてカスタマーサポートを行っていました。しかし、こうしたマニュアルに記載された2Dのイラストでは、細かい内部構造までは正確に把握できません。マニュアルのイラストと実際の車の該当箇所を照合しなければならず、多くの時間がかかってしまうのです。

そこで、トヨタ自動車はHololens 2やDynamics 365 Guidesを導入し、紙やWebのマニュアルを3D化しました。自動車の部位上に作業手順が表示されるため、経験の少ない整備士でもスムーズに作業ができるようになりました。また3D化したことで、車種ごとに存在した大量のマニュアルが圧縮され、管理の負担軽減にもつながったのです。

トヨタ自動車におけるHololens 2の活用事例については、次の記事も参考にしてください。

参考:ホロレンズ (HoloLens) 導入事例 トヨタ自動車との取り組みとは?

まとめ

Hololens 2を使うことで、実際の景色に3Dホログラムのガイドなどを追加し、ユーザーが操作できます。Windows 10搭載のためパソコンへの接続が不要、ジェスチャーや音声コマンドにより操作が可能です。

Hololens 2を活用すれば人材育成の効率化や、迅速なトラブル対応が実現できますので、ぜひビジネスに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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