クラウド移行(インフラ・DB)

クラウドネイティブの考え方を活かしたネットワーク構築方法

クラウドネイティブによる考え方が浸透するにつれて、その特徴や手法を取り入れたネットワーク化も進みはじめました。クラウドネイティブネットワークが一般化すれば、将来的にはネットおよびクラウド環境を活用した事業に多くの変革が起きるでしょう。

そのため今のうちにクラウドネイティブネットワークについて学び、環境の構築や導入の準備を進めておくこともおすすめです。こちらではクラウドネイティブを使ったネットワークの基本情報や、メリットについて解説します。

クラウドネイティブの考え方を活かしたネットワーク構築方法

クラウド移行 まるわかりガイド

クラウドネイティブネットワークをわかりやすく解説

クラウドネイティブネットワークとは、「クラウドネイティブの考え方」を取り入れたネットワークのことを意味します。
クラウドネイティブとは、「クラウドの機能や利点を活用するためのシステム」のことで、クラウドの魅力を最大限に引き出すことを目的に作成されるのが特徴です。このクラウドネイティブを導入したネットワークを、クラウドネイティブネットワークと呼称します。

クラウドネイティブのシステムにはさまざまな機能を仮想化してパッケージ化する「コンテナ」や、複数の小さなサービスを統合して連携させる「マイクロサービス」などがあり、年々利便性が向上しています。近年はその技術がネットワークの構築にまで影響し、クラウドネイティブネットワークとして構築されています。
クラウドネイティブネットワークは現代のネットワークの仮想化を進め、5Gをはじめとした未来のネットワークの構築にも貢献していくでしょう。

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クラウドネイティブモバイルネットワークとは

クラウドネイティブモバイルネットワークとは、これまでソフトウェアやハードウェアごとに実施していた機能を、仮想化してクラウド上でまとめあげるモバイルネットワークを意味します。
スマートフォンなどの携帯製品に必要なネットワーク機能をクラウドでカバーする技術で、本来必要な基地局の設備などを最小限にして運用可能です。

クラウドネイティブモバイルネットワークを実現するには、ハードウェアを抽象化したり、ソフトウェアを自由に結合・分割できたりする必要があります。そのため専用ハードウェアからの脱却や「完全な仮想化」が求められ、技術的な敷居の高さが課題として挙げられていました。

失敗?完全仮想化ネットワークを実現した楽天の事例

携帯通信事業者として新規参入した楽天は、世界初の完全仮想化ネットワークを実現したことで話題となりました。アンテナなどの物理的な媒体を除いたすべてのネットワーク関連設備を仮想化し、専用のハードウェアを必要としない環境を構築したのです。
楽天はこの完全仮想化ネットワークの実装によって、事業コストの大幅ダウンなどを実現し、それを月額利用料の安さに応用してビジネスアピールにつなげました。具体的には他通信事業者と比較して30%のコスト削減に成功し、ソフトの立ち上げ速度なども向上しています。

一方で、楽天は完全仮想化ネットワークの実現に成功したものの、基地局の少なさなどが課題となって、他企業とのシェア争いに悪戦苦闘することになっています。せっかくのクラウドネイティブモバイルネットワークがあっても、その魅力はまだ十分に多くのユーザーや事業者に伝わっていないと言えるでしょう。
もちろん今後クラウドネイティブモバイルネットワークの知名度が社会的に高まる中で、上記のような楽天の先見性が浸透していけば、再度その成果に注目される機会も訪れると期待されています。

クラウドネイティブネットワークを導入するメリット

クラウドネイティブネットワークの導入は、携帯事業者だけでなくあらゆる企業にメリットがあります。
以下からは、クラウドネイティブネットワークの導入におけるメリットを解説します。

設備・運用にかかるコストを削減

クラウドネイティブネットワークの導入は、コスト面の削減に大きな効果を挙げます。
ネットワークの仮想化によって、本来必要だった設備や運用費がなくなるため、事業コストが安く抑えられるでしょう。新規で設備投資をする必要もなければ、現在の設備をメンテナンスしたり買い換えたりする必要もなくなります。

今後はすべて仮想化されたクラウドネイティブネットワークによって機能が賄われるので、コスト面による負担を少なくして事業展開を進められるでしょう。仮想化によって設置のために人を配備したり、緊急時に現場に派遣したりすることもなくなります。そのため人件費も抑えることができ、社内リソースを別の部分に回せるのです。

成果物完成の期間短縮

クラウドネイティブネットワークは、成果物完成までの期間を短縮するメリットもあります。
仮想化されたネットワークを使用することで、クラウド上でスムーズなやり取りが可能となります。成果物の納品や確認もスピーディに行えるため、無駄な待ち時間を作らずに事業を展開していけるでしょう。

単純に重たいデータの受け渡しも容易となるので、さまざまな事業で役立つことが予想されます。
そのほか、事業に関する連絡、修正・追記など、さまざまなコミュニケーションもしやすくなります。
現代は電話やメールのほかに、チャットツールやビデオメッセージによるコンタクトが活性化しています。クラウドネイティブネットワークの導入によってネットの快適性が向上すれば、そういったリアルコンタクトを伴ったコミュニケーションもやりやすくなるでしょう。

柔軟性が高く満足度の向上が期待できる

クラウドネイティブネットワークは柔軟性が高いシステムなので、顧客の求めるニーズに対応しやすく、満足度を高められるメリットもあります。
顧客のニーズは時代とともに変化することはもちろん、技術の発展などによっても牽引されるため、簡単には予想ができません。そのためこれからの事業には顧客が新しいニーズを提示したときに、スムーズに応えられる環境作りが必要となるのです。

クラウドネイティブネットワークは大規模なスケーラビリティーにも対応できるため、需要に合わせて新しい機能の追加やサービスの充実などを行えます。サービスの更新・リニューアルも用意となり、必要に応じて完全新規のサービスをクラウド上に構築可能です。
非常に柔軟な機能性を持つため、導入することで今後のあらゆる事業にメリットを与えられるでしょう。

クラウドネイティブネットワークを導入する際の課題

クラウドネイティブネットワークは素晴らしいシステムですが、導入を検討する際には課題があります。その1つがセキュリティ面で、仮想化・クラウド化を進めるのならセキュリティリスクへの理解と対処方法を正しく把握する必要があるでしょう。

パロアルトネットワークス株式会社は、「クラウドネイティブセキュリティジャパンサーベイ 2021年版」の調査結果で、クラウド活用における課題の53%が「包括的なセキュリティの確保」であることを発表しています。

具体的には脆弱性の可視化、セキュリティ確保のための予算確保、反復的なセキュリティ対応における自動化などが挙げられ、多くの課題があることが浮き彫りになっているのです。クラウドネイティブネットワークのような巨大なプラットフォームに対しては、これまで通りのセキュリティ対策では不十分な可能性もあります。
今日はますます、クラウド全体を常に監視し、安全性を確保するクラウドネイティブのためのセキュリティ技術が求められる時代になってきていると言えるでしょう。

まとめ

クラウドネイティブネットワークは、今後のネットワーク関連技術に大きな影響を与える可能性があります。今からでも基本的概要やメリットを確認して、具体的な導入計画に着手することも考えられるでしょう。
クラウドネイティブネットワークはまだ発展途上とも言える技術ですが、いずれビジネスの現場や生活のシーンで役立つ機会が来ると予想されます。事業に影響するメリットを活かせるように、この機会に自社で活用方法を考案してみることもおすすめです。

また、クラウドネイティブネットワークの導入の際には、 Microsoftが提供するクラウドシステム「Azure」の利用がおすすめです。AzureはITインフラをクラウドネットワークで構築し、コスト削減かつスムーズな業務効率化をサポートします。
多種多様な機能が備わった総合クラウドサービスとなっているので、ぜひ1度Azureの利用を試してみてはいかがでしょうか。

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