仮想デスクトップ

VDI/DaaS導入と運用の実績14,000台!TISによる仮想デスクトップ活用の「落とし穴」と対策

VDI/DaaSを導入すると、運用管理の効率化やセキュリティの強化を実現します。ところが企業の中には、期待した効果が得られない場合も少なくありません。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。

VDI/DaaSにおいて14,000台あまりの導入と運用の実績があるTIS株式会社(以下、TIS)のノウハウをもとに、導入計画、移行、運用の各フェーズにおける見過ごしがちな課題、いわゆる「落とし穴」を解説します。

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VDI/DaaS 導入と運用の「落とし穴」とは?

VDI/DaaS導入の最大の目的は、あらゆる場所から業務用のデスクトップにアクセスして、時間にとらわれずに仕事できることです。さらにスマートフォンやタブレットのモバイル活用も促進します。端末にデータが残らないため、セキュリティの強化も可能です。

一方で、情報システム部門や管理部門には、運用管理の効率化、セキリティの集中管理のメリットがあります。OSやアプリケーションを一括して最新の状態にアップデートし、ハードウェアに故障があった場合はデバイスを交換するだけで業務を継続できます。

ところが、次のような意外な「落とし穴」があります。

コストが割高になる「落とし穴」

移行前のシステムの調査と診断、事前検証が不十分なまま導入した場合、追加費用が必要になる場合があります。また、パフォーマンスの低下を危惧すると、オーバースペックな設計を行いがちです。このときにもコストが割高になります。

パフォーマンスが得られない「落とし穴」

仮想化技術ではハイパーバイザーによってハードウェアとOSを分離しますが、論理的に分割するハードウェアの処理能力が不足していた場合、結果としてパフォーマンスが大きく低下する可能性があります。

障害の範囲が大きい「落とし穴」

VDI/DaaSではデスクトップ環境全体でリソースを共有しているため、障害時には稼働しているOSやアプリケーションすべてにトラブルが生じることがあります。さらにシステム全体の問題と特定のマシンの問題の切り分けが困難です。

専門知識と技術が必要になる「落とし穴」

オンプレミスの物理サーバとクラウドを利用した仮想化環境では、運用が大きく異なります。したがって、新たな知識を学習することが必要です。社内で対応できない場合は、仮想化技術やクラウドに詳しい外部のベンダーに依頼しなければなりません。

こうした「落とし穴」は、導入計画、移行、運用それぞれのフェーズで生じます。なぜ「落とし穴」が生まれるのか、どのように解決すればよいのか解説していきましょう。

フェーズ1「導入計画段階」の対策

導入計画段階のコストとレスポンスの「落とし穴を回避するためには、次のような対策を行います。

コストの最適化は、ワークスタイル別に適切なサービスを選択する

一般的にVDI/DaaS導入の傾向として、ハードウェアとソフトウェアの費用が高額になります。その大きな要因はアセスメントにあり、全部の仮想デスクトップに一律のリソース設定を行うからです。

たとえば、一般の事務職と研究開発職のデバイスでは、要求されるCPU能力やメモリ容量が格段に違います。ワークスタイルごとにCPUやメモリ、ストレージI/Oなど、リソースの利用実態を緻密なアセスメントによって把握するとよいでしょう。

TISには14,000台のVDI/DaaS導入実績があり、適切なコストとリソースの設定を提案することが可能です。

レスポンスの改善は、サイジングを工夫する

導入時のサイジングは、CPU性能、メモリ使とディスクの使用量、ディスクI/OとネットワークI/Oの性能など、現状の仕様と負荷を計測して最適なリソースを設計します。

サイジングを誤ると、VDI/DaaSの動作遅延によるトラブルが発生しがちです。アクセスが集中する時間帯にレスポンスが低下したり、特定のアプリケーションやデータ処理のために一部の端末の動作が遅くなったりします。これは一般的に、数値に頼りすぎるサイジングが問題です。

さらにVDIに関していえば、多くの場合、物理的なPCに比べてCPU処理やディスク性能が低い環境になります。したがって、複数のアプリケーションを同時に起動したり、ブラウザのタブを多数開いたり、物理PCでは当たり前だった操作がレスポンスを悪化させます。リソースを追加して回避するとコストが割高になり、投資コストを最適化できません。

社員が通常業務で使っているPCに測定ツールを導入し、負荷の計測などを行った上で、サイジングを計画することが重要です。また、VDIよりもDaaSであれば初期投資を軽減し、ユーザー数を柔軟に変更できます。

TISには、VDIとDaaSのどちらが最適か、システムの選択を提案するノウハウがあります。適切なコストと良好なレスポンスを実現する設計が可能です。

フェーズ2「移行段階」の対策

VDI/DaaS環境の移行で必須の検討項目は「既存の業務用アプリケーションの移行」です。サーバやストレージ、ネットワークなどに比べて軽視されがちですが、業務を行う社員には、むしろ重要な項目といえるでしょう。

業務アプリケーションの動作検証を行う

利用予定の業務アプリケーションが問題なく動作するかどうか検討しておくことが重要です。既存と新規導入予定の全体を検討すべきです。

VDI/DaaS環境では、さまざまなリソース設定がアプリの動作に影響を与えるため、一定期間の入念な動作検証が必要です。AVD(Azure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop))であれば、小規模の環境におけるPoCが簡単に行えます。

また、社員に必要なアプリをインストールできる権限を認めている場合、VDI/DaaS移行とともにアプリの標準化や、ライセンス形態の変更を考慮に入れなければなりません。

TISではVDI/DaaS移行の際にAVDの利用も考慮しつつ、アプリの動作検証と最適化を行います。

ビッグバン型の移行から、段階型の移行へ

主な移行方法には、全部のデスクトップを一括して移行する「ビックバン型」と、移行するデスクトップを限定して適用範囲を拡大していく「段階型」があります。

ビックバン型の場合、データ移行が大規模のトラフィックを生み、システムやアプリケーションの動作が不安定になることがあります。さらにネットワークの過負荷による大きなトラブルが生じるなど、リスクが高まります。障害の影響する範囲が広く、トラブルに見舞われると原因の解明や回復が長時間に渡り、コストが増大します。

一方、段階型では、移行完了まで一定の期間が必要ですが、障害が発生した場合にリスクを最小限に抑制できます。問題が起きた場合の切り分けも容易です。

組織単位あるいは製品やプロジェクト単位、外勤と内勤のワークスタイル、利用するアプリケーションなど、切り分けて細かな動作検証を重ねていくとよいでしょう。TISには大規模な移行に関する豊富な実績とノウハウがあり、要件に合わせた移行を提供しています。

フェーズ3「運用段階」の対策

VDI/DaaS環境を構築すると、会社のすべてのデスクトップを集約的に管理できるようになり、運用の工数は大幅に削減されます。ところが、運用段階で新たな「落とし穴」が生じるので、次のような対策が必要です。

利用状況を常にモニタリングする

VDI/DaaS環境では、移行前には社員の個別のデスクトップの問題で済んだトラブルが全社的な影響を与えます。というのは、VDI/DaaS環境ではひとつのハードウェア上で複数のアプリケーションを稼働させているため、システム全体に障害が生じるからです。したがって、安定稼働を維持する重要性が増します。

このときシステム自体は安定していても、VDI/DaaS環境に変わったことでユーザーの使い方が大きく変わることがあります。マスタ管理、端末管理、サポートなどに加えて、利用状況をモニタリングして、定期的にサイジングの見直しやリソース設定の最適化が必要になります。

TISは、数千台規模の大規模VDI運用のアウトソーシングを展開し、ミッションクリティカルシステムに対応する24時間365日の運用体制を維持しています。

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まとめ

VDI/DaaSを導入するときには、事前に快適に業務を行える前提で、アプリケーションの動作確認や検証をすることが必要です。それでも移行や運用において、想定外の「落とし穴」が発生する可能性があることを認識しておくとよいでしょう。

TISには、導入計画、移行、運用すべての段階における「落とし穴」を回避する14,000台の実績を基盤としたノウハウがあります。

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