データガバナンスに役立つ3つのフレームワークとは?

データガバナンスに役立つ3つのフレームワークとは?

事業活動を通して収集・蓄積された膨大な情報を効率的に運用するためには、データの運用方法を管理する仕組みを構築しなくてはなりません。そこで重要な役割を担うのが「データガバナンス」です。本記事では、データガバナンスの概要を詳しく解説するとともに、具体的なメリットと3つのフレームワークについてご紹介します。

データガバナンスに役立つ3つのフレームワークとは?

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データガバナンスとは?

「データガバナンス」とは、ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源である、「情報」の管理体制を統制する仕組みを指します。「Governance」は「統治」や「管理」を意味する言葉であり、「国を治める」といった意味合いで使用されます。このガバナンスという概念を情報管理の領域に応用したマネジメント手法が、データガバナンスです。

データガバナンスは情報管理におけるルールの策定と、そのルールを遵守する体制を整備するための仕組みであり、しばしば国家の統治機構を構築している「三権」にたとえられます。日本では、国会の法律を定める「立法権」、内閣の法律に基づいて政治を行う「行政権」、裁判所の法律遵守を統制する「司法権」の三権が相互に抑制し合うことで、権力の濫用を防ぎ、国家の安定が保たれています。

データガバナンスも同様に、情報管理のルールを策定する「立法」と、その仕組みを運用する「行政」、そして策定されたルールや仕組みの尊守を徹底する「立法」という、3つの概念によって構築される情報管理手法です。データガバナンスを整備することで、情報管理における体制を最適化するとともに、コンプライアンス意識を高め、情報漏洩インシデントのリスクを最小限に抑えられます。

データガバナンスはデータマネジメントに必要不可欠

蓄積されたデータを事業領域で活用するためには、情報を適切に管理する「データマネジメント」が不可欠です。そして、データマネジメントを最適化するためには、情報の閲覧・編集における権限管理や職務分掌の設定や、データベースのファイル保管場所や保存形式のルール作り、セキュリティポリシーの策定など、具体的な仕組みを整備しなくてはなりません。

これらの仕組みやルールを欠いては、組織内のファイルやデータが散在してしまい、情報の検索性が著しく低下するとともに、セキュリティインシデントを招く原因にもなるでしょう。このように、情報の運用・管理における仕組みを整備して統制するのが、データガバナンスの役割です。つまり、データガバナンスはデータマネジメントに内包される手法のひとつであり、データマネジメントを監督・サポートするものといえます。

データマネジメントとは?

データマネジメントについてもう少し深く掘り下げてみましょう。現代は情報爆発時代と呼ばれており、テクノロジーの発展に比例して、企業が取り扱うデータ量は指数関数的に増大しています。このような時代のなかで、企業が市場における競争優位性を確立するためには、膨大なデータをいかにして効率的に活用するかが重要な課題といえるでしょう。

事業活動を通して収集・蓄積されたデータを需要予測や市場分析などの領域で活用するためには、情報の収集・蓄積・加工・可視化・分析といったプロセスを必要とします。そこで重要となるのが、収集された情報を適切に管理し、事業活動に活用するデータマネジメントです。組織内に分散しているさまざまなファイルやデータを一元化し、データ分析に最適化された状態で管理することで、情報をマネジメント領域に活用できます。

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データガバナンスのメリット

ここからは、データガバナンスの具体的なメリットについて見ていきましょう。情報管理におけるルールや仕組みを統制することで得られる主なメリットは、以下の3つです。

  • データ品質が向上する
  • データ活用の効率化を図れる
  • データの安全性の確保やコンプライアンス遵守に役立つ

データ品質が向上する

企業のファイルやデータは、各部門の情報システムに個別管理されているのが一般的です。そのため販売管理や生産管理、在庫管理など、情報管理のルールや仕組みがそれぞれの部署内で完結しており、部門間のデータに矛盾が生じる可能性があります。情報の保管・共有におけるルールや仕組みを整備することで、データ品質が向上し、データの重複や取りこぼしを削減するとともに、全社横断的な業務連携が可能になります。

データ活用の効率化を図れる

データ分析を実行するためには、各部門に散在しているデータを収集して一元化し、分析しやすいフォーマットに加工しなくてはなりません。この情報収集のプロセスに時間を要するほど、データ分析の遅滞につながります。事前にデータの保存形式や保管場所、情報の収集・蓄積のプロセスを標準化し、データガバナンスを整備しておくことで、データ活用の効率化を図れます。

データの安全性の確保やコンプライアンス遵守に役立つ

企業の情報システムには顧客情報や製品開発情報、従業員の個人情報など、決して流出してはならない機密情報が保管されています。こうした情報をセキュリティインシデントから保護するためには、データの閲覧・編集における権限設定が不可欠です。記事冒頭でも述べたように、データガバナンスは三権の観点から情報管理を最適化し、データの機密性と安全性を確保しつつ、コンプライアンスの遵守に貢献します。

データガバナンスに必要なフレームワーク

最後に、データガバナンスに必要なフレームワークをご紹介します。情報管理におけるルールや仕組みを整備するうえで、参考となるフレームワークは以下の3つです。

  • DMBOKホイール
  • データガバナンス成熟度モデル
  • データマネジメント成熟度モデル

DMBOKホイール

「DMBOKホイール」は、非営利団体「DAMA International」が定義する、データマネジメントに関する知識体系です。データガバナンスを中心として、「データアーキテクチャ」「データモデリングとデザイン」「データストレージとオペレーション」「データセキュリティ」「データ統合と相互運用性」「ドキュメントとコンテンツ管理」「参照データとマスターデータ」「DWH・BI」「メタデータ管理」「データ品質」などの知識領域について網羅的に解説されています。

データガバナンス成熟度モデル

「データガバナンス成熟度モデル」は、米国のコンサルティング企業のガードナー社が定義した、データガバナンスにおけるフェーズの考え方や必要なアクションをまとめたフレームワークです。「unaware(気付かない)」「Aware(気付いている)」「Reactive(反応)」「proactive(積極的)」「Managed(管理)」「Effective(効果的)」という6つの成熟度モデルについて解説されています。自社のフェーズにて取り組むべき施策が示されているものの、やや抽象度が高く難解な傾向にあります。

データマネジメント成熟度モデル

「データマネジメント成熟度モデル」は、データマネジメントにおける達成度を定義したフレームワークです。米国のピッツバーグに本部を置くカーネギーメロン大学が開発したモデルで、「データ管理戦略」「データガバナンス」「データ品質」「データオペレーション」「プラットフォームとアーキテクチャ」「補助プロセス」という6つのカテゴリによって、データマネジメントの成熟度を分析します。この分析モデルを用いることで、データマネジメントにおける自社の長所や短所を可視化できます。

まとめ

企業にとって「情報」はヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源であり、テクノロジーの進歩・発展に伴って、その重要性は増してきています。経営データを事業領域で活用するためには、データガバナンスを整備し、組織内の情報管理を最適化しなくてはなりません。ぜひ、本記事を参考にしてデータガバナンスの整備に取り組んでみてください。

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