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製造業での販路拡大・開拓の方法や手順、事例を紹介新たな収益源を確保!

本記事では、売上向上の一手段として、製造業における販路拡大の方法や手順を解説します。日本の製造業には依然、デジタルファーストに対応しきれていない側面があります。販路拡大で売上向上を目指すのには、Webを上手に活用しながら今以上に効率よくビジネスを運営する必要があります。

売上向上に不可欠な販路拡大

すでに現在、十分な販路を確保していたとしても、既存の販路だけで売上を拡大していくには限界があります。競合他社が既存の販路を拡大したり新しい販路を切り開いたりしていけば、自社の売上が縮小してしまう恐れすらあります。

販路拡大への早期着手は、競合他社よりも早く販路開拓を行え、自社の優位性をさらに強固なものにできます。また、新たな販路を開拓することで、新規顧客も獲得できます。さらに、販路拡大は企業や製品・サービスの知名度を高め、企業自体の成長の機会にもつながり、シェア拡大や売上向上に大きく貢献できます。

売上が縮小するリスクを回避するためにも、既存販路の拡大や新規販路開拓の可能性を模索していく必要があります。

製造業における顧客体験のよくある課題と改善策は?

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製造業におけるカスタマーエクスペリエンス(CX)が大切な理由や、CRM とERP が分断化されていることの具体的な弊害、CX 実現を支えるシステムのポイントなどをご紹介いたします。

  • 製造業でカスタマーエクスペリエンス(CX)が大切な理由
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販路拡大の手順

販路拡大はより少ないコストで最大の効果を得られるよう、正しい手順を理解したうえで方針を検討するのが賢明です。

市場の分析

まずは、市場の調査と分析を行います。この場合の分析とは、売上分析・マーケティング分析・顧客分析などがあげられます。現在の販売状況を調査・分析し、自社の製品・サービスがどのような販路で、どのような顧客に購入されているかを明らかにします。

市場調査には、マーケティングの4P(Product(製品戦略)、Price(価格戦略)、Promotion(販促戦略)、Place(流通戦略))と呼ばれるフレームワークを活用するのが効率的です。これらを組みあわせて市場の調査・分析を行い、自社の製品・サービスの位置づけを把握します。たとえば、製品戦略では自社や他社の製品・サービスがどのような特徴や利点を持っているかを分析し、市場における自社の立ち位置や顧客ニーズを把握します。また、流通戦略では、顧客が製品・サービスを購入する際、どこでどのような方法で購入するのかを分析します。これにより顧客の購買行動が明らかになり、効果的な流通戦略が立てやすくなります。

そのほかにも、購入履歴やECサイトのユーザ属性などを分析し、自社のどのような製品・サービスがどのような顧客に購入されているかを把握して需要傾向を分析したり、ユーザ属性別にマーケティング戦略を展開したりすることで、効果的な販路拡大を狙えます。

もし、既存の業界だけでなく他業界への販路拡大を検討する場合は、製品の関連分野だけでなく、一見すると関連がないように思える分野についても、市場の調査・分析をしておくと思いもよらない発見があるかもしれません。

ターゲットの決定

市場の調査・分析ができたら、分析結果をもとに自社の製品を売り込むターゲットを選定します。

ターゲットの選定においても、RFM分析やCLV分析といったフレームワークを活用すると効率的です。

RFM分析はRecency(最新購買日)、Frequency(購入頻度・回数)、Monetary(購入金額)を意味する三つの指標を使って、顧客をグループ分けする手法です。
RFM分析を使って、優良顧客や新規顧客、離反顧客などと分類し、どの層が多いのか、最近はどの層が減っているのかを明らかにします。その結果、販路拡大のために力を入れるべきターゲットを見極められます。

CLV(Customer Lifetime Value)分析は個々の顧客の生涯価値を評価する方法です。顧客の平均購入金額や購入頻度、ブランド指名率、継続期間などによって顧客の生涯価値を評価します。これにより生涯価値のもっとも高い顧客層を見極められ、そこにフォーカスすることで販路拡大の成功率を高められます。また、新規市場における顧客の潜在的な生涯価値の予測にも役立ちます。
現在は、トレンドの変化のスピードが速く、需要に対して柔軟かつ迅速に対応すしなければいけません。これらのフレームワークも駆使しながら、注力すべきターゲットを的確に素早く見つけることが求められます。

販路の選択

ターゲットを選定したら、今までの分析を踏まえて最適な販路を選択します。自社にとってどの販路が最適なのか、どのように選択するべきなのかは難しいように思えますが、これまでの市場調査・分析を徹底していれば、必ず選択するべき販路は見えてくるはずです。

しかし、とりあえず考えつく販路全部に取り掛かろうとすると、コストがかかりすぎて非効率なうえ、効果測定も手間がかかり煩雑になりがちです。販路を絞り込むことで、生産性を向上させコストを削減できます。また、その市場のニーズやトレンドにも精通でき、競合他社よりも優位に立てる可能性が高まります。

販路拡大に重要な2つの柱

Webの活用

販路拡大において、Webの活用はもっとも重要な観点のひとつです。製品情報を活用したWebサイトの構築や顧客情報の集約・一元化など、社内システムを最適化することは結果的に販路拡大につながります。
また、製品情報をECサイトと連携させることで、新規顧客、既存顧客、代理店に向けた情報発信がタイムリーに、そして効率的に行えます。顧客や代理店向けの適切な情報発信は、販路拡大や売上向上に直結する内容であるため欠かせません。

顧客を起点とした情報の一元管理で在庫・契約などの情報をリアルタイムで取得し、常に最新化することで、GDPRなどの法制度に適合しながら顧客情報の適切な管理が行えます。そして、取得した顧客情報をもとに顧客360度ビューを実現できれば、顧客が真に求める最適なサービスを迅速に提供でき、顧客満足度の高いサービス提供や業務の効率化にも役立ちます。

海外への展開

Webの活用は海外への展開にも重要です。海外の市場規模が拡大すれば、国内よりもさらに販路が拡大していくことが期待できます。Webを活用して海外でも24時間対応が可能になれば、地理や時差などの制約を受けることなく潜在顧客へのリーチが可能です。また、SNSを活用したタイムリーなデジタルキャンペーンや、地域別にカスタマイズしたデジタルマーケティング戦略も実施できます。

また、デジタルアンケートや問い合わせ窓口などを介して、海外顧客とのダイレクトコミュニケーションも可能です。このように、地域や顧客の特性に合わせたグローバルマーケティングの展開や、海外顧客との直接的なつながりによって集客や知名度の向上も期待でき、販路拡大に大きく貢献できます。

代理店の開拓

代理店の開拓も、販路拡大に向けた効果的な戦略です。直接販売と代理店では、取引先や顧客の属性が異なるためです。

代理店が保持している販路を自社製品・サービスの販路に活用できれば、新たな販路拡大が期待できます。販路は、多くの場合簡単に開拓できるものではなく、何年もかけて築いていくことさえあります。しかし、代理店を開拓できれば、一瞬にして販路を拡大できる可能性があります。代理店の開拓とその後の良好な関係の維持には、Webを活用した適切な情報発信や情報共有が重要です。

一方、製造業は、デジタルファーストに十分に対応できていない側面があります。代理店開拓においてもWebの活用を強化していけば、より少ないコストで効果的な代理店開拓ができ、その後も活発な情報共有などを通して緊密な関係を構築できます。

D2Cの活用

D2C(Direct to Consumer)の活用は、多くの企業が注目している戦略です。広告代理店や小売店を介すことなく、メーカーと消費者が直接取引を行う手法です。製造業がD2Cを活用して独自のECサイトなどを構築することで、顧客との直接的な関係構築やより効率的な顧客情報の収集、ブランドコントロール、収益率の改善など多くのメリットを享受できます。

顧客との直接的なコミュニケーションを構築できれば、顧客の好みやニーズをより明確に把握でき、顧客体験の向上が期待できます。また、顧客からの意見や要望を直接吸い上げることで、需要予測やトレンド変化への迅速な対応も可能です。

また、サイトのアクセス数や滞在時間などさまざまなWebの情報を収集・分析することで、顧客の特性やニーズを的確に把握できます。それにより、販路拡大や新製品開発に役立ち、適切なマーケティング戦略を実施できます。
通販サイトなどを介さない独自のECサイトでは、その製品やサービスが描きたい世界観を自由に表現でき、柔軟なブランディングが可能です。また、直接取引のため収益率も向上させられます。

このように直接消費者とつながりを持てるD2Cを活用することで、ECサイトの構築で物理的な制約を排して販路を拡大したり、顧客体験を向上させたりできます。また、日本ではまだ十分に活用されているとは言い難いOMO(Online Merges with Offline)の利用も重要です。キャッシュレス決済やモバイルオーダーはもとより、適切な在庫管理や包括的なセールス戦略など、オンラインとオフラインそれぞれの利点を生かしながら、チャネルをシームレスに運用することで顧客体験を向上させられ、顧客との関係構築強化に貢献できます。

展示会への出展

展示会への出展は、関連分野に関わる人との新しい出会いの場であり、部門に関係なく現場のメンバーと直接話せる場でもあるため、関係づくりの第一歩としては最適です。

展示会や見本市の出展に限らず、参加するだけでも新たな交流が生まれたり、これまでにない視点を見つけられたりするため、販路拡大のヒントになりえます。また、多くの企業が同時に集まることから、単に交流を増やせるだけでなく、キーパーソンと接点を取りやすいというメリットもあります。展示会に出展する際は競合他社も同じように出展するため、SNSやメルマガなどを利用して魅力的な情報発信を心掛け、アピールすることが大事です。

営業力の向上

営業力の向上には、オンライン・オフラインを問わず、企業内のタッチポイントの集約化が重要です。これには企業が発信する広報物や広告などのほかに、口コミやSNSでの評判など、顧客側から発信される情報も含まれます。

かつてはテレビCMや新聞広告などのオフライン広告が主流であったため、タッチポイントは限られたものでした。しかし、購買行動のオンライン化が進んだことで、口コミやSNSなどに代表される顧客側から発信される情報が増加し、タッチポイントも多様化しています。

これらの情報を集約して一元管理することが、良質なサービスや顧客360度ビューの実現にもつながります。顧客と一貫性のあるコミュニケーションを取れれば、顧客満足度の向上が期待でき、結果として販路拡大が実現できます。

営業チームの強化

営業チームの強化は、市場への進出や顧客へのアプローチを考えるうえで重要な役割を果たしており、販路拡大には不可欠です。

具体的には、チームのスキルや個人の能力の向上、効率的な営業プロセスの確立、適切な顧客対応などが挙げられます。営業プロセスを見直し、効率的なプロセスを確立できれば、自社の営業活動における課題やボトルネックを見つけられます。また、受注までのプロセスが確立されると、自分が今すべきことが明確になり、効率的に営業活動を進められます。

営業チームの強化による効率的な営業活動の促進は、新規顧客の獲得や既存顧客の休眠・離脱防止にもつながるため、販路拡大に不可欠です。

顧客360度ビューの実現

顧客360度ビューは顧客満足度やロイヤリティの向上などが期待できます。具体的な構成要素は、顧客からの問い合わせ内容、アンケートの回答、製品の購入履歴、顧客が参加したイベントなど、顧客と自社の間でやりとりされたすべてのものを指します。

顧客360度ビューを実現するためには、あらゆるデータを統合し、顧客の全体像を把握することが重要です。顧客の要求をより正確に把握できれば、個別ニーズに合わせた製品やサービスを提供できるようになります。その結果、顧客満足度が向上し、企業や製品・サービスへのロイヤリティも高まります。この流れが実現できれば、結果的に販路も拡大します。

販路拡大以外の売上向上策

販路拡大以外にも売上向上を目指せる戦略があります。

新製品開発

新製品開発は、売上を伸ばすことにつながります。そのためには、市場の調査や分析をしっかりと行ってトレンドを理解し、消費者ニーズに的確に応えることが重要です。新製品を通して新たな市場に進出できれば、新規顧客の獲得につながることも十分に考えられます。

具体的には、近年のトレンドを考慮して、IoTや環境に配慮した製品を検討するのもよいでしょう。新製品の開発に、AI、ロボット、5Gなどの新しいデジタル技術を活用してみてもよいかもしれません。まったく新しい製品を考えなくても、既存製品に新しいデジタル技術を活用するという方法もあります。すでにニーズがあることはわかっているため参入リスクは低く、そこから新たな市場を生み出せれば新規顧客の獲得も期待できます。

サービタイゼーション

サービタイゼーションとは、製品の販売ではなく製品をサービスとして顧客に提供し売上を上げるビジネスモデルのことです。製造業では、「モノ」を売ることが主流でしたが、製品を活用するためのサービスを含んだ「コト」として売るビジネスが注目されています。

時代の流れとともに、多くの顧客が「モノ」ではなく、「モノ」を通して得られる体験やサービスに価値を見出すようになりました。たとえば、空調設備メーカーでの取り組みがあります。
空調設備にIoT技術を搭載し、機器の稼働状況や室温などの情報を収集し分析することで、自動制御で快適な空調環境を提供するサービスです。

サービタイゼーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

リピーターの獲得

リピーターの獲得に向けては、ブランディング戦略や顧客とのコミュニケーションが重要なポイントです。
リピーターを獲得できると、既存製品の売上拡大が見込めるだけでなく、口コミによって新規顧客の獲得も期待できます。

通常、新規顧客の獲得にはコストがかかりますが、口コミを活用して新規顧客が獲得できれば、コストを限りなくゼロに近づけられます。

リピーターの獲得手法のひとつに、アップセルとクロスセルによる客単価向上があります。どちらも既存顧客の単価向上が目的です。リピートオーダーをする際は、顧客自身が購入履歴をすぐに確認できたり、繰り返し使う消耗品などは簡単に追加できたりする仕組みがあるなど、手間をかけさせないことも大事です。このような配慮がリピーター獲得につながりやすくなります。

広告戦略

オンライン・オフラインを問わず、広告戦略に取り組むことも売上向上の戦略のひとつです。
リスティング広告や動画広告などは、予算にあわせて柔軟に打ち出すことが可能なため利用しやすく、ユーザーの興味関心に基づいた広告展開ができ、ターゲット精度が高いなどのメリットがあります。

テレビCMや新聞広告などのオフライン広告はオンライン広告に比べて情報量が多く、一度に幅広い層に伝えられます。また、大規模な広告や高品質な印刷物などを通じて、企業の知名度やイメージ向上につながるメリットがあります。

さらにこれからの広告戦略では、オンライン、オフライン広告のほかにDMP(データマネジメントプラットフォーム)の導入も重要です。

DMPについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

販路拡大の事例紹介

販路拡大の成功事例として、ヒロセ電機の「SAP Marketing Cloud」の導入によるデジタルマーケティングの変革があります。Oneプラットフォームで全体最適を実現したことが成功へとつながりました。顧客とのコミュニケーションをオンライン、オフラインに関わりなくデジタルデータで一元管理できるようになり、多言語対応が実現したことで、グローバルなマーケティング施策も実行可能になりました。

さらに、業務が平準化され、業務品質の底上げにもつながっています。顧客とのコミュニケーションが可視化されたことで必要な情報はチーム全体で共有し、状況に応じた最適な対応方法がすぐにわかるようになりました。

詳しくはこちらをご覧ください。

まとめ

販路拡大には、Webの活用が不可欠です。とくに製造業では、デジタルファーストに対応していくことが重要であり、情報発信を含めたWebの活用には積極的に取り組む必要があります。

昨今は、サービタイゼーションの発展や情報発信の媒体の多様化など、企業や顧客を取り巻く環境も大きく変化しています。だからこそWebを上手に活用することで、企業と顧客に関連するあらゆる情報を集約し一元管理できれば、今後の販路拡大、売上向上につながります。

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