製造業消費財・リテール

グローバルブランドとは? ブランド構築の方法や製品ページの活用について解説

海外市場への進出を見込む上で、市場で競争に打ち勝つためには、他社との明確な差別化が必須です。そのためにも、顧客が自社を選ぶことの理由付けに繋がるグローバルブランドを確立する必要があります。本記事ではグローバルブランドの意義と、海外でも通用するブランドを確立するための方法について紹介します。

グローバルブランドとは?

ブランドとは、企業やその企業が展開する製品・サービスと、他のそれらとを差別化するための価値であり、顧客が持つイメージの集合体でもあります。中でも「グローバルブランド」とは、国内のみならず世界的に統一されたブランドを指します。

ブランドは短期間で形成されるものではありません。顧客が製品やサービスを体験し、口コミや継続的なプロモーションなどを通じて心の中に特定のイメージが定着していき、徐々にブランドとして形成されていくものです。

このようにブランドの構築にはある程度の時間と労力がかかる一方で、ブランドイメージを確立することで他の企業との差別化が図れ、企業独自の強みも得られます。市場においても競合企業との競争から一歩抜きん出ることができます。

特にグローバルブランドとは世界に通じるブランドであり、国際市場に進出する上での大きな手助けとなります。

ブランドには直接目に見えるような実体があるわけではありません。しかしこのように自社の利益に繋がる価値があるため、無形資産(=ブランドエクイティ)と呼ばれます。

コーポレートブランドと製品ブランドの関係

ブランドには大きく分けて「コーポレートブランド」と「製品ブランド」があります。

コーポレートブランドとは、企業そのものに対して顧客が持つイメージや価値観、信頼性です。一方製品ブランドとは、企業が提供する製品やサービスに対して顧客が持つイメージや価値観、信頼性であり、製品やサービスを選ぶ際の判断材料になります。

それぞれのブランドはお互いに影響しあっています。

信頼性の高い製品ブランドを持つ企業は、企業自体の信頼性も高まっていきますし、製品ブランドの認知度を高めることで、コーポレートブランドそのものの認知度を高めていけます。

逆に、すでに確立したコーポレートブランドを持っている企業は、イメージを共有する製品を提供することで、顧客からの信頼性や認知度が高まるなど、製品ブランドの構築に役立てられます。

このようにコーポレートブランドと製品ブランドを有機的に絡めて戦略的に運用することで、顧客に強いイメージを印象づけられます。

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グローバルブランドを持つ意義

グローバル市場で通用するブランドを育てること、すなわちブランドエクイティの確立には、次のような目的と意義があります。

国内での成長が頭打ちになった場合、さらなる企業発展と市場拡大のためにも、海外進出を検討することになります。しかし、国内だけで通用していたブランドでは、海外での認知度はほぼありません。海外の顧客に対して自社の製品やサービスの魅力が届けられず、厳しい展開を強いられることになります。

そこで必要になるのが、新たなる世界共通のグローバルブランド確立です。

海外で通用するブランドを展開するためには、まずブランドアイデンティティ、すなわちブランドメッセージやデザイン、品質などの要素を、どの国や地域でも一貫して届けることが肝心です。複数の国にまたがったブランドイメージの定着に成功すれば、顧客からもそれだけ強いブランドと認知され、人気と信頼性も高まります。

ブランドの展開を続けていくことで、顧客にも自社の雰囲気が伝わっていきます。例えばSONYであれば「先進的」「洗練された」、Appleであれば「常識にとらわれない」などのように、用語から連想されるイメージが構築されていきます。これをブランドアソシエーションと言います。

一方で、それぞれの地域においてマーケティングを成功させるためには、ローカライゼーションが必要です。文化や嗜好が異なる海外において、それぞれの地域のニーズを調査した上で、現地の顧客にマッチするような製品やサービスを作らなければなりません。そして、それぞれの地域の風習やマナーに違反することなく、マーケティングを行う必要があることに注意することも重要です。

一連の取り組みを実施することで、強いグローバルブランドが確立されます。世界的にも一流のブランドであると認知されることで、市場での競争力も強まります。

逆に、海外においてコーポレートブランドが認知される前に、優れた製品を提供することで信頼感からその国に製品ブランドが定着し、後でその製品を提供する企業のコーポレートブランドの定着が進むパターンも多くなっています。

グローバルブランド構築の方法

グローバルブランドは次のような順序で構築されます。

1. セグメントの選定

まずは自社の置かれている環境と経営状況を調査・分析して、自社のターゲットを明確にしましょう。

地域ごとに様々なバックグラウンドや生活習慣などを持つ顧客をセグメント化し、それぞれのニーズを把握してください。そして、自社と競合他社の相違点に着目し、自社がもっとも強みを発揮できる市場を選定しましょう。

2. ブランドアイデンティティの決定

セグメント設定後、顧客が自社に抱くことを想定したイメージ、すなわちブランドアイデンティティを決定します。ブランドアイデンティティを設定する上で、具体的に言語化を行い、イメージを明瞭化してください。

ブランドイメージとして設定すべきキーワードは、自社が目指す価値や強みが明らかになり、メッセージ性のあるものほど効果的です。伝えたいキーワードをリストアップし、その中から最良のものを選びましょう。

最終的には、そのキーワードを聞いただけで顧客が自社をイメージできるようなブランドづくりを目指すことが大切です。

3. ブランドの可視化

ブランドアイデンティティを決定した後は、そのブランドイメージを顧客に対して視覚的に訴求できる、次のようなものを制作しましょう。

  • ブランド名
  • ブランドメッセージ
  • ブランドのイメージカラー
  • キャッチコピー
  • ロゴデザイン
  • 商品画像

ブランド名やメッセージは、ブランドアイデンティティを的確に表したものであるほど効果的です。アイディアを出して候補の中からより最適なものを選定してください。

ロゴは様々な場所で使われることを想定し、拡大縮小しても判別が容易で、顧客にもひと目で認識できるようなものをデザインすることがポイントです。

これらを効果的に用いることで、ブランドの世界観を的確に伝えられます。

4. 発信方法の選定

ブランドアイデンティティを明確化するとともに、そのブランドの発信方法についても検討しましょう。

ブランディングは顧客とのタッチポイント(接点)なしには行えません。タッチポイントにはTVや雑誌など様々な選択肢がありますが、ブランドターゲットに合わせたものを選ぶことが重要です。

例えば、大衆向け製品の展開を狙うのであれば、広くアピールできるTVコマーシャルが有効です。高級なイメージづくりを目的とするのであれば、展示会を開催して顧客を招待するなどのブランディングを検討してみるのも一案です。

それ以外にもインターネット上のWebサイトも、タッチポイントの選択肢として有力です。

製品ページ活用はブランドを構成する重要な要素

ブランドの確立には、まずは自社や自社の製品について顧客に知ってもらう必要があります。そのため企業の製品を紹介するホームページは、ブランドを構築する上で重要な要素となります。

ここではグローバルブランドを確立する上で、製品ページを運用するために重要なポイントを紹介します。

製品ページを充実させる

製品ページは、製品を紹介することで、その製品ブランドの世界観や、魅力や価値を伝える役割を果たします。

そこで製品ページにおいては、ユーザーの共感を生むコンセプトの紹介や、ストーリーテリングにより制作者の想いや商品の歴史を届けるコンテンツを充実させます。製品そのものの魅力を効果的にアピールし、顧客の信頼を築く必要があります。

ただ内容を充実させるだけでなく、検索性を高めたり、新しい情報を定期的にリリースして情報の鮮度を維持したりするのも大切です。閲覧した人に自社が伝えたい情報が伝わるようにすれば、ブランドの信頼性も高まります。

また、イメージカラーを基調としたウェブデザインやロゴの配置など、ブランドイメージを主張したビジュアルを打ち出すことも重要です。

製品ページを最適化する

製品ページを最適化するために有効なのが、サイトの多言語化対応です。各国の言語へ対応したり、地域別のコンテンツカスタマイズを行ったりすることで、現地で適切なアプローチを行えるようになります。これにより、海外でのブランディング力向上や、現地顧客の認知度向上と製品への理解を促します。

一方、翻訳漏れなどサイトのローカライゼーションが不十分であった場合、ブランド構築に本気でないと現地の顧客に思われてしまい、ブランドの信頼性低下を招いてしまいます。

製品ページを共通化する

グローバルサイトを共通基盤で開設しておくことで、製品ページをグローバルで共通化できます。それぞれの国の顧客に対して伝えたいメッセージを一貫でき、各国で異なる構成や画像を利用したホームページを運営することによる、デザインの不統一といったブランドイメージのぶれを防げます。

共通基盤での製品ページの運営を行うことで、ローカライゼーションの差異の作業漏れ防止や、工数の削減も見込めます。

グローバルブランド構築の成功事例

実際に製品ページを含む諸施策により、グローバルブランドの構築に成功した企業の事例について紹介します。

まず、コーポレートブランドの事例を見てみましょう。

インターブランド社の発表によると、グローバルブランドのTOP5は毎年ほぼ固定化されていて、世界的に認知されている大企業であり、そのすべてがテクノロジー系です。

インターブランド「BestGlobalBrands2022」レポート

テクノロジー系の企業が上位となりやすい理由としては、地域による文化的要素の影響が低いことが挙げられます。製造業やメーカーなどはテクノロジー系の業種に含まれるため、ブランドを確立させる際に障害となる要素が少なくなることが見込めます。

グローバル市場において製品ブランド構築を成功するためには、「一貫したメッセージ性」を追求することが不可欠です。そのための手段として、上位企業は製品ページを有効活用しています。

2000年代初頭、電器大手の松下電器は、社名と製品ブランド名が異なり、製品ブランド名も地域によって異なるなど、グローバル的に統一が取れていない状態でした。そこで2003年、社名やブランド名をすべて「Panasonic」に統一する大胆な改革を打ち出し、グローバルなブランド名として印象づけます。同時にPanasonicの名を含めたグローバルブランドスローガンも発信することで、さらなるブランドイメージの定着を図りました。

このような取り組みを経て、Panasonicのコーポレートブランドと製品ブランドのグローバルでの定着に成功しました。

まとめ

グローバルブランドの確立には、社内で一貫した方針を持ち、他社との差別化や打ち出すメッセージを明確にしておく必要があります。そして、営業する地域の顧客特性やニーズを把握し、それに合ったグローバル化を推進しましょう。

強力なグローバルブランドを確立することで、海外市場での競争でも優位に立てます。海外への営業を考えている際は、適切なグローバルブランドの構築と製品ページの活用により、自社ブランドのグローバルな認知度向上を目指してください。

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