仮想デスクトップ

製造業に選ばれるクラウドVDIとは

新型コロナウイルスの影響により、製造業ではテレワークや市場の変化に応じて迅速に拡大縮小できるオペレーションの必要性が高まっています。ファブレス(fabless)という事業形態が注目されたことがありましたが、多くの製造業には工場があります。グローバルな企業では、海外工場を閉鎖して国内に回帰する傾向がみられました。

仮想デスクトップにはVDIDaaSがありますが、MicrosoftとCitrixはアライアンスを組むことにより、両社のサービスを統合したクラウドVDIを提供しています。製造業の変化と直面している課題を整理しつつ、MicrosoftとCitrixのアライアンスで実現する製造業向けのクラウドVDIについて紹介します。

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製造業の抱える3つの課題、コロナ禍で求められる変革

社会のさまざまな側面に打撃を与えた、新型コロナウイルスの感染拡大。製造業にも大きな影響を及ぼしました。製造業で解決しなければならない課題のうち、サプライチェーンの見直し、製品需要の予測、工場の働き方の変化について取り上げます。

サプライチェーンの見直しは情報流通が重要に

入国制限やロックダウンによって物流網が切断され、サプライヤーの確保が困難になりました。そこで、サプライチェーン全体の見直しが求められています。グローバルな企業では日本国内の工場に回帰する傾向もあり、資材調達や生産で国際間の取引におけるリスクを可能な限り回避することが重要です。

製造業のサプライチェーンは、人と情報で成立しています。これまで主には人のつながりによって維持されてきましたが、コロナ禍によって人的なネットワークが分断し、情報流通の重要性が高まるようになりました。リアルタイムの情報収集を含めて、災害や緊急事態に直面しても継続可能な仕組みが必要です。

セグメントした地域でチャンスを掴む製品需要の予測

受発注の変化に対応することも重要です。急激に需要がなくなる商品がある一方で、予測しなかった需要が生じます。予期せぬビジネスチャンスに対しては、既存のノウハウを生かしながら確実に機会をつかむ俊敏性(アジリティ)が求められるようになりました。

需要の変化は地域差が激しいことも特長です。というのは、首都圏と地域では新型コロナウイルスの感染状況に大きな差があったからです。新たな需要予測の方法を確立し、需要予測に基づいた生産と販売の計画を見直すことが必要であり、リスク対応はもちろん、同時にチャンスを的確につかんでいかなくてはなりません。

工場の働き方の変化、製造業でもテレワークが必要

新型コロナウイルスの感染拡大と外出自粛によって、従業員が工場や現場に行けない事態も発生します。3密を避けた作業と健康の配慮を重視しつつ、労働力の確保が必要です。ロボットの導入が進む工場ですが、人間の労働力を疎かにすることはできません。こうした状況から、製造業の現場においても働き方改革が求められています。

スマートファクトリーのコンセプトが提唱され、Webカメラやセンサーなどで生産ラインの監視や品質検査が検討されてきた製造業ですが、さらにIoTの活用が注目されています。出荷前の立ち合い検査のリモートによる実施、人工知能ARとVRなど、先端テクノロジーの活用が期待されるようになりました。

中小企業の製造業ではテレワークが困難です。また、大企業の設計部門、開発部門、保守部門は、機密保持のためリモート化できない業務を抱えています。しかし、デジタルフォーメーション(DX)による新たな働き方の実現は、もはや避けては通れない時代に突入しています。

製造業のDXは、これからどうあるべきか

需要予測に関してはAIの機械学習、人間を介さない検査ではIoTが有望なテクノロジーですが、生産拠点におけるニューノーマルを見据えた働き方の変化で活用すべきテクノロジーはクラウドや仮想デスクトップです。

既に述べた通り、製造業の現場では設計図などの機密情報を扱うため、デジタル化が困難でした。しかし、オフィスにとらわれない環境が求められる現在、ものづくりの現場においても例外はありません。

クリアしなければならないのは、IT プラットフォームとクラウドを活用するためのネットワーク基盤の整備です。緊急事態の一時的な対策としてテレワークを取り入れた企業があるかもしれません。しかし、常時稼働を前提として見直すべきです。テレワーク化が難しいコールセンターやCADを使う設計業務も検討の余地があるでしょう。

クラウドVDIはオフィスの自由度を拡張し、変化への対応を迅速化します。Azureでクラウドを提供するMicrosoftとVDIの黎明期から仮想化テクノロジーのリーディングカンパニーだったCitrixのアライアンスは、製造業のDXを実現する上で有望な組み合わせです。

なぜMicrosoftとCitrixは製造業のDX推進に有望なのでしょうか。それぞれの企業の特長や背景を踏まえながら解説します。

製造業に選ばれるMicrosoftとCitrixのパートナーシップ

MicrosoftとCitrixには30年に及ぶパートナーシップがあります。顧客は50万、共通した利用者は1億を超えています。MicrosoftとCitrixのそれぞれの強みを整理します。

Microsoftが製造業に選ばれる理由、AVDとセキュアな環境

Azureは柔軟なクラウドサービスによって、変化の激しい製造業のビジネスを支えます。Windows 10マルチセッションを活用したAzure Virtual Desktop(旧Windows Virtual Desktop)(AVD)は、業務の効率化とコスト削減を実現する機能を備えています。

特に堅牢なセキュリティが特長です。Microsoftはサイバーセキュリティの研究と開発に年間 1,000 億円を投資し、グローバルで90以上のコンプライアンス認証を取得している信頼性があります。

Azureは製造業の大規模なネットワークに対応するキャパシティがあり、グローバルな160を超えるデータセンターの相互接続で構成されています。また、Azure Virtual WANでグローバル接続を一元管理できます。

Citrixが製造業に選ばれる理由、CADのVDI導入実績

Citrixは、AVDのクラウドVDIの価値を高める多くの機能を提供しています。大規模のユーザー管理機能、コスト削減のためのトラフィック制御など、製造業の大規模の企業のニーズに応えるソリューションがあり、包括的なセキュリティ機能を実装しています。

CADの分野において、Citrixには大手企業のクラウドVDIの実績があります。Citrix Virtual Apps and Desktops導入の一例を挙げると、日産自動車株式会社ではグローバルな実験設備をセキュアな環境で共用しています。三菱航空機株式会社は、海外から国内の設計支援システムにアクセス可能な環境を実現し、次世代旅客機の設計と開発を大幅にスピードアップしました。

MicrosoftとCitrixによるクラウドVDIの拡張

MicrosoftとCitrixともにVDIおよびDaaSを提供していますが、アライアンスのメリットを端的に述べると、互いのクラウドVDIソリューションを補完し、ワークスペースの領域を拡張できることです。

AzureのDaaSであるAVDは従来のVDIになかった簡便性などのメリットを提供しますが、その反面、強固なセキュリティを備えた閉域網接続の構築や、きめ細かなVDI管理が困難という課題があります。

しかし、モダンなワークスペースを実現するCitrix Cloudには、自社開発のICAプロトコルによるセキュアな画面転送のほか、GUIコンソールでVDIを詳細に設定する機能を備えています。

そこでCitrix CloudにAVDを包含させると、クラウドVDIを拡張して利便性を高められます。AVDコントロールプレーンをCitrix Cloudに置き換えることにより、高度な管理機能が使えるようになり、柔軟でセキュアなワークスペースを実現します。

VDIの領域で独自の優位性を築き上げてきたCitrixと、ビジネスに必須ともいえる業務用アプリケーション領域で進化を遂げてきたMicrosoftがアライアンスを組むメリットは、相互補完とカバー領域の拡張にあります。

現場レベルのメリットでは、これまでテレワーク化が困難だったコールセンターやCADを使った設計部門でも、強固なセキュリティに守られたクラウドVDIの活用が可能になります。

まとめ

製造業のテレワーク化には課題があります。CADを扱う設計部門やコールセンターでは、機密性の重視から外部の端末で業務を行えないケースがありました。しかし、クラウドVDIの活用によって、セキュリティを強化しつつ仮想デスクトップが利用できるようになります。MicrosoftとCitrixのアライアンスによって提供されるソリューションは、製造業の多様なネットワークやビジネスニーズに対応したクラウドVDIを提供します。

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