Azure Content Delivery Network(Azure CDN)とは?その概要やメリット、機能を解説

Azure Content Delivery Network(Azure CDN)とは?その概要やメリット、機能を解説

モバイルの通信環境では5Gの時代が到来します。通信回線の高速化によって大容量のコンテンツ配信が可能になり、現在よりもハイクオリティの動画や音楽が配信されることから、エンターテイメントの分野で期待されています。2020年は東京オリンピック・パラリンピックの開催をひかえています。最新の5G に対応したスマートフォンやタブレットでスポーツ観戦を楽しむ人も増えることでしょう。

5Gの技術が普及することによって、メディアを運営する企業やインターネットの動画・音楽・ゲームなどのコンテンツ配信企業には、大きなビジネスチャンスがもたらされます。しかし、コンテンツ配信ビジネスで重要なことはUX(User Experience:ユーザー体験)であり、信頼性が高く安定したインフラや配信システムが必要です。アクセスが集中したときの負荷分散も十分に考慮しなければなりません。

Azure Content Delivery Network(以下、Azure CDN)」は、コンテンツの読み込み時間の短縮、柔軟な帯域幅の変更によって、コンテンツ配信の最適化およびコストの節約、レスポンスを向上させるAzureのグローバルなコンテンツ配信サービスです。

ここでは、CDNについての基礎知識から、Azure CDNの概要と機能について解説します。

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CDNとは何か、どのようなメリットがあるか

Azure CDNの機能について解説する前に「Content Delivery Network(CDN)」とは何か?」ということについて簡単にまとめます。

インターネットのコンテンツには、WebサイトのページやPDFファイルはもちろん、頻繁に更新される公共性の高いニュースなどの情報、アプリケーションとアップデートのデータ、動画や写真などのファイル、ゲームなど、さまざまなリッチコンテンツがあります。このような同一のコンテンツを、複数の配布先、つまり多くのユーザーに配信する仕組みがCDNです。

従来はWebサイトにトラフィックが集中した場合、サーバーがダウン、ネットワークがつながらない、遅くなるようなリスクがありました。そこで負荷を分散させることによって障害を回避する目的でCDNが生まれました。分散ネットワークの技術によって、安定した高速なコンテンツ配信を行う仕組みです。

CDNでは、まず「カスタマーエッジ」と呼ばれるユーザーから最も近いネットワークを利用して、コンテンツ配信用の「エッジサーバー」と呼ばれるサーバーに接続します。このサーバーに配信するコンテンツのキャッシュ(コピー)を置き、ユーザーがコンテンツにアクセスするときに、キャッシュのあるエッジサーバーに誘導します。このような仕組みで、オリジナルのファイルがあるサーバーへのアクセスを回避し、ユーザーに対するレスポンスやダウンロードを高速化します。

グローバルで事業を展開する場合には、エッジサーバーを置く配信拠点(PoP:Point of Presence)を世界各地に置くことにより、大容量かつ広帯域幅のコンテンツを快適に配信できます。

負荷が最大化したときを基準にサーバーやネットワークを構成すると、安全性を確保できますが、逆に負荷が低い時期にコストがかかります。そこで、負荷が高いときには分散処理をして、負荷が少ないときにはフレキシブルにネットワークの帯域幅を変えられることがメリットです。セールの時期にアクセスが集中するECサイトではCDNは欠かせません。

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Azure CDNの概要

Azure CDNは、世界中の拠点にコンテンツをキャッシュして、コンテンツを広帯域幅で高速に配信するグローバルなCDNです。

大規模な新製品の発表会、オリンピックやサッカーなど世界中が注目するスポーツイベントのように、トラフィックの急増やネットワーク負荷が大きい動画配信においても、インフラストラクチャを追加することがなく、コストや容量を気にせずにコンテンツ配信が可能になります。Azure CDNのPoPで各種ネットワークを最適化して、キャッシュできない動的なコンテンツの高速化も可能です。

その他には以下のようなメリットがあります。

各種Azureサービスとの緊密な連携

Webアプリケーションをデプロイする「Azure Web Apps」、優れた高可用性と拡張性でアプリおよびAPIのデプロイに特化した「Azure Cloud Services」、クラウドベースでメディアのエンコードやストリーミングなどを行う「Azure Media Services」、BLOBなど大規模なデータから小規模なデータまで対応する「Azure Storage」などのサービスと連携できます。数クリックで各種サービスに適用でき、操作も簡易化されています。

AkamaiとVerizonとサービス統合、堅牢なセキュリティによる安全なCDN

Azure CDN は複数のプロバイダーを選択できます。また、CDNとセキュリティ事業を展開するAkamai、ネットワークやセキュリティの統合ソリューションを展開する Verizon のサービスと統合されていることが大きなメリットです。

さらに分散型サービス拒否(DDoS:Distributed Denial of Service)攻撃など、セキュリティの脅威を軽減します。自社ドメインの HTTPS を有効化して、追加コストや証明書の管理の負荷を生じることなく、セキュリティの最適化が可能になります。

Azure CDNの機能

概要で取り上げたメリットのほか、Azure CDNには以下のような機能があります。

リアルタイムでコンテンツを生成する動的Webアプリケーションの高速化

通常CDNでは、ユーザーに近い場所にコンテンツをキャッシュして静的ファイルの配信を高速化します。しかし、ユーザーの行動に応じてコンテンツを生成する動的Webアプリケーションでは、特定の場所にコンテンツをキャッシュできません。このようなコンテンツの配信速度を向上させることは、従来の方法では複雑でした。しかし、Azure CDNのDSA (動的サイトの高速化) 最適化を使うことにより、動的コンテンツを含むWebページの配信向上に貢献します。

キャッシュの動作を制御する2つのキャッシュ規則

Azure CDNには、キャッシュ期限切れの動作を設定あるいは変更する方法として、2つのキャッシュ規則があります。「グローバルキャッシュ規則」では、プロファイルのエンドポイントごとに、グローバルキャッシュ規則を1つだけ設定し、エンドポイントに対する要求すべてに適用します。 「カスタムキャッシュ規則」では、プロファイルのエンドポイントごとに1 つ以上のカスタムキャッシュ規則を設定可能で、特定のパスやファイル拡張子と一致させて順番に処理します。グローバルキャッシュ規則が設定されている場合は上書きします。

Azure診断ログによる高度な分析

Azure 診断ログのコア分析は、Azure ストレージアカウント、Azure Event Hubs、Log Analyticsワークスペースに保存され、ユーザーの行動を追跡してビジネスに役立てることが可能です。すべての料金のAzure CDNのエンドポイントで利用できます。

BLOB ストレージにエクスポートすることが可能ですが、CSVとしてエクスポートするとExcel でグラフを作成できるようになります。Azure Event Hubsへのエクスポートでは、他のAzureサービスから得たデータと関連付けられます。ログ分析にデータをエクスポートすると、Azure Monitorログのワークスペースでデータを表示させて活用することが可能です。

ファイル圧縮による転送速度とページ読み込みのパフォーマンス向上

2つの方法でコンテンツのファイルを圧縮して、帯域幅の負荷を軽減し、レスポンスを改善します。配信元サーバーで圧縮する方法では、Azure CDNは圧縮ファイルをクライアントに受け渡して配信します。Azure CDN PoPサーバーで即時圧縮する方法では、配信元で圧縮されていない状態でもAzure CDNがファイルを圧縮し、ユーザーに配信します。

まとめ

高速な通信環境が浸透した現在、そのスピードに慣れてしまうと、少しでもレスポンスが遅れたり、コンテンツを見ることができなかったりするだけでストレスになります。これから、さらに5Gで高速化および高精細で大容量化したコンテンツが配信されるようになったとき、「表示が遅い」状態は企業が展開するビジネスにとって致命的です。ネットワークが「つながらない」状態は顧客の離反を招きます。

優良顧客のサービス利用を維持し、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高めるためには、コンテンツそのもののクオリティはもちろん、コンテンツを配信するネットワークの安定性が重要です。Azureであれば、コンテンツの開発から配信までの一貫したソリューションにより開発および運用コストを低減させるとともに、継続的なデリバリーによってビジネス全体の信頼性を向上させることができます。

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