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ChatGPT Plusの料金と、個人契約を業務利用するリスク|企業が確認すべき判断基準

ChatGPT Plusの料金と、個人契約を業務利用するリスク|企業が確認すべき判断基準

ChatGPT Plusは月額20ドル(日本円で約3,000円)の個人向け有料プランで、多くのビジネスパーソンが自己判断で契約しています。しかし、従業員個人のPlus契約を会社の業務にそのまま使わせることには、データの取り扱いや契約管理の面でいくつかのリスクが潜んでいます。本記事では、Plusの料金体系を押さえたうえで、企業として押さえておきたいガバナンス上の判断基準を整理します。

この記事で分かること

  • ChatGPT Plusの料金と、法人向けプラン(Business)との基本的な違い
  • 従業員個人のPlus契約を業務利用させることに潜むリスク
  • Plus継続と法人向けプランへの移行を判断する基準
  • 稟議・意思決定に活用できるチェックポイント

ChatGPT Plusの料金と基本機能

ChatGPT Plusは、OpenAIが提供するChatGPTの個人向け有料サブスクリプションで、月額20ドル(日本円で約3,000円)の定額制です(決済方法により税込3,000〜3,300円程度)。年間契約による割引は用意されておらず、毎月同額が請求される仕組みです。契約すると、無料版と比較してフラグシップモデルの利用上限が大幅に拡大されるほか、Deep Research(複数の情報源を横断して調査結果をまとめる機能)、画像生成、ファイルアップロード・分析、音声対話といった機能を、無料版より高い上限で利用できます。個人が自分の判断で業務効率化のために契約するケースが多く、実際に多くのビジネスパーソンが日常的に活用しています。

従業員個人のPlus契約を業務利用させることのリスク

Plusは便利な一方、あくまで個人向けに設計されたプランです。企業の業務で使わせる際には、以下のようなリスクを理解しておく必要があります。

デフォルトで会話データが学習に利用される

最も重要な注意点は、無料版およびPlusでは、初期設定のままだと入力した会話データがOpenAIのモデル改善(学習)に利用される仕組みになっている点です。個人ユーザーがこれを止めるには、設定画面の「データコントロール」内にある「すべての人のためにモデルを改善する」というスイッチを手動でオフにする必要があります。これに対し、法人向けのBusinessやEnterpriseプランでは、標準設定で入力データが学習に利用されないポリシーが適用されています。従業員が会社の機密情報や顧客の個人情報を、オプトアウト設定をしないままPlusに入力してしまった場合、その情報がモデルの改善に使われ、将来的に他のユーザーへの回答に反映されてしまうリスクを否定できません。

契約主体が個人であることの管理上の課題

Plusは個人のクレジットカードやアカウントで契約するプランのため、会社として契約状況を一元管理できません。従業員が退職した場合、その従業員が使っていたPlusアカウント内の会話履歴やカスタムGPTなどの資産は、会社側で引き継ぐことができず、そのまま失われてしまいます。また、法人カードで決済していても、契約自体は個人アカウントに紐づくため、利用ルールの統制や、退職時のアカウント削除・情報消去といった管理を会社側から行うことが困難です。

シャドーIT・シャドーAI化のリスク

情シス部門が把握しないまま、複数の従業員がそれぞれ個人でPlusを契約し、会社の経費で精算しているケースも少なくありません。この状態は、従来の「シャドーIT」と同様に、会社が利用実態や情報の流出リスクを把握できない「シャドーAI」の温床になります。経費精算の明細では「サブスクリプション費用」としてしか記録されないことが多く、経営層がAI活用にどれだけコストをかけているかを正確に把握できていないケースも見られます。

Plus継続とBusiness移行を判断する基準

個人のPlus契約を許容し続けるか、法人向けプランへ移行するかは、以下の観点から判断することが望まれます。

損益分岐点となる人数の考え方

Businessプランは、2ユーザー以上から契約可能で、1ユーザーあたり月額20〜25ドル程度(年払い・月払いにより変動)と、Plusとほぼ同水準の価格でありながら、学習データの非利用や管理者によるアカウント一括管理、SAML SSOといった機能が標準で付帯します。複数人の従業員が個別にPlusを契約している状態であれば、同程度の費用でBusinessへ切り替えられる可能性が高く、コストをほとんど増やさずにガバナンスを強化できる分岐点と言えます。すでに2名以上がPlusを契約している場合は、Businessへの統合を検討する価値があります。

セキュリティ・コンプライアンス要件による判断

機密情報や個人情報を扱う業務でAIを活用する場合、学習データの非利用が標準で保証されるBusiness・Enterpriseへの移行は、コストの問題というより、情報漏えいリスクの管理という観点で必須の検討事項になります。特に金融・医療など、コンプライアンス要件が厳しい業種では、個人のPlus契約を業務利用のデフォルトとして許容しないという方針を、社内ルールとして明文化することが望まれます。

稟議・意思決定に活用できるチェックポイント

情シス部門やDX推進担当者が、ChatGPT利用方針を検討・稟議する際は、以下の項目を整理しておくと判断がスムーズになります。

  • 現在、社内で個人のPlus契約を業務利用している従業員が何名程度いるか
  • その利用実態を会社として把握・記録できているか
  • 入力データのオプトアウト設定が徹底されているか、あるいは徹底が困難な状況か
  • 退職時のアカウント・データ引き継ぎに関するルールが存在するか
  • 法人向けプランへの移行によるコスト増減の試算

これらを整理したうえで、個人契約の許容範囲を限定するのか、あるいは法人向けプランへの全面移行を進めるのかを、経営層を交えて判断することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. ChatGPT Plusの料金はいくらですか?

月額20ドル(日本円で約3,000円、決済方法により変動)の定額制です。年間契約による割引プランは用意されておらず、毎月同額が請求されます。

Q. 従業員が個人のPlus契約を業務で使うことに問題はありますか?

Plusは初期設定のままだと入力データがモデル改善に利用される仕組みになっているため、機密情報や個人情報を扱う業務での利用にはリスクがあります。また、契約主体が個人であるため、退職時のアカウント管理や利用実態の把握が困難という課題もあります。

Q. Plusのデータ学習利用を止めることはできますか?

設定画面の「データコントロール」から「すべての人のためにモデルを改善する」というスイッチを手動でオフにすることで、以後の会話データの学習利用を止められます。ただし、この操作は以後の会話にのみ適用されるため、過去の会話データまで遡って除外するには、OpenAIのプライバシーポータルから別途申請する手続きが必要です。

Q. PlusからBusinessへの移行はどのように判断すればよいですか?

Businessは2ユーザー以上から契約でき、料金はPlusとほぼ同水準(1ユーザーあたり月額20〜25ドル程度)であるため、すでに複数人がPlusを契約している場合、コストをほとんど増やさずに学習データの非利用や管理機能を得られます。2名以上が個別にPlusを契約している状況であれば、移行を検討する価値があります。

Q. 個人のPlus契約を放置すると、どのようなリスクがありますか?

情シス部門が利用実態を把握できない「シャドーAI」状態に陥り、機密情報の入力によるデータ漏えいリスクや、退職時のアカウント・データ引き継ぎ不備といった問題が生じる可能性があります。

まとめ

ChatGPT Plusは月額20ドルで手軽に始められる便利なプランですが、企業として業務利用を許容する際は、料金の安さだけで判断しない視点が必要です。

  • Plusは初期設定でデータが学習に利用される仕様のため、機密情報の取り扱いには注意が必要
  • 契約主体が個人であるため、退職時のアカウント管理や利用実態の把握が困難という課題がある
  • 情シス部門が把握しない個人契約の広がりは、シャドーAIのリスクにつながる
  • Businessプランは2ユーザー以上・ほぼ同水準の料金で学習データの非利用や管理機能が得られるため、複数人利用の場合は移行を検討する価値がある
  • 稟議の際は、現状の利用実態把握とコスト試算をセットで整理することが重要

まずは自社でどれだけの従業員が個人のPlus契約を業務利用しているかを把握するところから始めてみてください。

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