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レガシーシステムから脱却する方法とは?3つの主なアプローチ

レガシーシステムから脱却する方法とは?3つの主なアプローチ

システムが古くなっているのは分かっているが、どこから手をつければよいか分からない。レガシーシステムを抱えながら、こうした状態のまま立ち止まっている企業は依然として少なくありません。IPA(情報処理推進機構)の調査でも、いまだ多くの企業が何らかのレガシーシステムを残したまま運用しており、放置すれば年間で巨額の経済損失につながると指摘されています。

参照元:経済産業省「DXの現在地とレガシーシステム脱却に向けて」 

とはいえ、脱却に向けた動き出し方さえ分かれば、過度に身構える必要はありません。本記事ではまず「どうすれば脱却できるのか」という具体的な3つのアプローチを示し、続いてレガシーシステムの定義とリスク、脱却が進まない要因を整理します。最後に横河ソリューションサービス株式会社のソリューションについても簡潔に紹介します。

レガシーシステムから脱却するための3つのアプローチ

「まず何をすれば脱却できるのか」を知りたい方に向けて、代表的な3つのアプローチを先に示します。具体的には、段階的なマイグレーション、一括刷新(ビッグバン方式)、クラウド移行の3つです。どの手法が最適かは、企業規模や予算、業務継続性への影響度によって変わります。

段階的なシステムマイグレーションで移行リスクを最小化する

段階的なマイグレーションとは、機能単位でレガシーシステムを新システムへ少しずつ移し替えていくアプローチです。代表的な手法に「ストラングラーパターン」があります。これは旧システムを稼働させたまま新機能から順次切り替え、最終的に旧システムを終息させていく考え方です。 この方式の利点は、業務を止めずに移行を進められる点にあります。一度にすべてを置き換えないため、不具合が起きても影響範囲を限定でき、リスクを分散しながら着実に前進できます。大規模なシステムを抱え、停止リスクを抑えたい企業に適した進め方だといえるでしょう。

一括刷新(ビッグバン方式)によってドラスティックな業務変革を推進する

全社の基幹システムを一度に置き換えるのが「ビッグバン方式」です。予算や業務への影響度は大きいものの、短期間で全面的な業務刷新を成し遂げられる強力なアプローチです。とりわけ、ERPを用いて業務そのものを標準化したい場合に向いています。 従来の自社仕様にこだわった「手組み(オーダーメイド)」のシステムは、自社にぴったり合う一方で、環境変化への対応や効率化の妨げにもなりがちです。これに対しビッグバン方式では、グローバル標準のSaaS型ERPという「既製の服」に業務を合わせていく(Fit to Standard)ことで、データドリブン経営への転換を一気に実現できます。影響範囲が広い分、丁寧なプロジェクト体制と現場教育を整え、リスクを制御しながら進めることが成功の鍵です。

クラウド移行によってインフラコストと保守負荷を削減する

クラウド移行は、オンプレミスのレガシー環境からAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウド基盤へ移し替えるアプローチです。自社でサーバーを購入・保守する必要がなくなるため、インフラの調達コストや保守管理の負荷を大きく削減できます。クラウドERPやPaaS/SaaSを活用すれば、アプリケーションの開発・運用工数も抑えられます。 ただし、既存のシステムをそのままクラウドへ移すだけの「リフト&シフト」では、根本的な技術的負債が残ったままになる点には注意が必要です。クラウド移行はあくまで手段の一つにすぎません。何のために移行するのか、目的を先に整理したうえで取り組むことが大切です。

そもそもレガシーシステムとはどのようなシステムか

脱却の方法を押さえたところで、ここからは前提となる「レガシーシステムとは何か」を改めて確認します。具体的にどのような弊害が生じ、なぜ経営課題になるのか、2つの観点から整理します。

老朽化とブラックボックス化がもたらす業務上の弊害

レガシーシステムとは、COBOLや旧式のメインフレームなどで動く、技術的に老朽化したシステムを指します。長年にわたる改修の積み重ねで内部構造が複雑化し、いつしか全体像を把握できる人が社内に誰もいない「ブラックボックス」状態に陥っているケースが少なくありません。 こうした状態では、障害が発生しても影響範囲を特定しづらく、復旧に時間がかかります。さらに、クラウドやAIといった新しい技術と連携させにくいため、新たな取り組みの足かせにもなります。IPAの「DX動向2025」によれば、約8割の企業が依然として何らかのレガシーシステムを抱えているとされ、これは多くの企業に共通する課題だといえます。

保守コストの肥大化がDX投資を圧迫する構造

レガシーシステムがもたらすもう一つの深刻な問題が、保守コストの肥大化です。経済産業省のDXレポートでは、IT予算の多くが既存システムの維持・保守に費やされ、新技術への投資に回せる資金が構造的に不足していることが指摘されてきました。 つまり、レガシーシステムを放置し続けることは、コスト削減どころか、かえってコスト増大の温床になりかねません。逆にいえば、脱却に踏み切れば、これまで保守に費やしていた資金や人材を成長領域へ振り向けられます。レガシーシステムからの脱却は、単なる老朽化対策ではなく、コスト最適化の手段でもあるのです。

それでもレガシーシステム脱却が進まない3つの要因

必要性は理解していても、実際にはなかなか動き出せない企業が多いのも事実です。その背景を、コスト・技術・組織という3つの軸で整理します。これらの要因は独立しているわけではなく、互いに絡み合って問題をより複雑にしています。

移行コストとシステム停止リスクへの懸念が先行する

大規模なシステムの刷新には、膨大な予算と期間がかかります。費用対効果を明確に示せないまま経営の承認が得られず、計画が頓挫してしまうケースは珍しくありません。 加えて、「切り替えで何かあれば業務が止まる」という現場の不安も、意思決定を先送りさせる大きな要因です。動いているものは変えたくないという現状維持バイアスが働き、判断が後ろ倒しになっていきます。こうした懸念に対しては、先に紹介した段階的なマイグレーションが有効です。一度に置き換えないことで停止リスクを抑えられるため、最初の一歩を踏み出しやすくなります。

ブラックボックス化をしておりどこから手を付けて良いかわからない

システムの全体像を把握している担当者が社内におらず、設計書などのドキュメントも残っていない。そうした状況では、移行に向けた影響調査だけでも膨大な手間とコストが発生します。調べること自体が負担となり、いつまでも着手できないという悪循環に陥りがちです。 「どこから手をつければよいか分からない」という状態こそが、脱却の入口をふさいでいる正体だといえます。まずは現状のシステムを棚卸しして可視化し、全体像をつかむこと。そこから着手することで、次の一手が見えてきます。

楽観的な経営層とDXを急務とするIT部門の間の認識がずれている

「まだ動いているのだから問題ない」と考えがちな経営層と、技術的なリスクを肌で感じているIT部門との間には、しばしば認識のギャップが生まれます。このずれが社内の推進体制を弱め、プロジェクト化を阻む一因になります。 経営層を巻き込むには、技術的な課題をそのまま伝えるのではなく、コストやリスク、競争力への影響といったビジネスの言葉に翻訳して示すことが欠かせません。経営とIT現場が同じ目線で危機感を共有できれば、脱却に向けた推進力は一気に高まります。

横河ソリューションサービス株式会社が提供するレガシーシステム脱却支援の概要

ここまで見てきた課題に対し、伴走しながら脱却を支援するパートナーの一社が横河ソリューションサービス株式会社です。横河ソリューションサービス株式会社は、創業以来培ってきた計測・制御・情報の各分野の実績を有機的に連携させ、製造業として自ら積み重ねてきた経験に基づくノウハウを提供しています。 その強みは、現場の計器・制御機器からMES・ERPまでを、制御と情報を「つなぐ」技術で一気通貫に支える点にあります。OT(制御技術)とITを融合させることで、現場とシステムが分断されがちなレガシー環境の課題に正面から応えられるのです。実際に、飼料メーカーのフィード・ワン株式会社では、手組みの基幹システムからSaaS型ERPへの刷新を二人三脚で支援し、申請業務のペーパーレス化や実績に基づく原価計算の実現、月次決算の早期化といった成果につなげています。

まとめ

レガシーシステムからの脱却には、段階的なマイグレーション、一括刷新(ビッグバン方式)、クラウド移行という3つの代表的なアプローチがあります。最適な手法は、企業規模や予算、業務への影響度によって異なります。脱却が進まない背景には、コスト・技術・組織という複数の要因が絡み合っていますが、現状を可視化し、経営とIT部門が危機感を共有することで、最初の一歩は確実に踏み出せます。横河ソリューションサービス株式会社は、制御と情報を「つなぐ」技術を軸に、レガシーシステム脱却に向けた伴走支援を数多く手がけてきました。自社だけで進め方に迷ったときは、こうした知見を持つパートナーとともに検討を始めることが、脱却への近道となるはずです。

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