
Power Appsの料金プランを調べていて、記事によって説明が違うと感じていませんか。結論から言うと、2026年1月にMicrosoftはPower Apps per appプラン(サブスクリプション型)の新規販売を終了し、現在の料金体系は「Power Apps Premium(ユーザーごと)」と「従量課金制(Pay-as-you-go)」の2本柱に整理されています。この記事では、最新の料金プランの内容と、2026年の体系変更が既存導入企業に与える影響、プラン選定のポイントを解説します。
この記事で分かること
- Power Appsの現在の料金プラン内容(2026年最新)
- 2026年1月に発生したper appプラン新規販売終了の経緯と影響
- 購入チャネル(EA・CSP・MPSA)によって対応が異なる点
- Microsoft 365・Dynamics 365ライセンスに含まれる範囲
- 自社に合ったプランを選ぶための判断ポイント
結論:2026年の体系変更でPower Appsの料金は「Premium」と「従量課金」の2本柱に
Power Appsの料金体系は、長年「開発者向けプラン(無料)」「per userプラン(ユーザーごと)」「per appプラン(アプリごと)」「従量課金制(Pay-as-you-go)」という4本立てで案内されてきました。しかし2026年1月2日、Microsoftはper appプラン(サブスクリプション型)の新規販売を終了しました。
この変更により、現在Microsoftが公式に案内している料金プランは、実質的に「開発者向けプラン(無料)」「Power Apps Premium(旧per userプラン)」「従量課金制」の3本柱に整理されています。ただし、購入チャネルによって扱いが異なる点には注意が必要です。詳しくは後述します。
Power Appsの現在の料金プラン(2026年最新)
Microsoft公式サイトで案内されている、2026年時点の料金プランは以下の通りです。
開発者向けプラン(無料)
非運用環境でアプリを構築・テストするための無料プランです。3つの開発環境、2GBのDataverseデータベース容量、1か月あたり最大750個の自動化フローが含まれます。ただし、作成したアプリを運用環境で実際に使う(デプロイする)には、Premiumプランまたは従量課金制のいずれかが別途必要です。
Power Apps Premium(ユーザーごと)
ライセンスを取得したユーザーが、無制限のアプリケーションを構築・実行できるプランです。公式サイトでは、年払いで1ユーザーあたり月額2,998円(税抜)と案内されています。2,000シート以上を契約する企業向けには、月額1,799円(税抜)のボリュームプランも用意されています。
従量課金制(Pay-as-you-go)
Azureサブスクリプションと連携し、使った分だけ料金を支払う仕組みです。季節性のある業務や、利用者数が変動するアプリに向いています。1か月にアプリを実際に利用したアクティブユーザー数に応じて、Azureサブスクリプションの請求に加算される仕組みで、海外の一次情報ではアクティブユーザー1人・1か月あたり10米ドルという水準が案内されています。日本円での正確な請求額は、契約しているAzureサブスクリプションの条件によって変動するため、利用前に自社のAzure契約担当者や販売代理店に確認することをおすすめします。
料金プラン比較
| プラン | 料金の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 開発者向けプラン | 無料 | 学習・検証・非運用環境でのテスト |
| Power Apps Premium | 月額2,998円/ユーザー(年払い、2,000シート未満) | 複数アプリを組織全体で継続的に使いたい場合 |
| Power Apps Premium(大口) | 月額1,799円/ユーザー(年払い、2,000シート以上) | 大規模な全社展開を計画している場合 |
| 従量課金制 | アクティブユーザー数に応じた変動制 | 利用者数が変動する、季節性のある業務 |
【重要】2026年1月、per appプランの新規販売が終了
「PowerApps 料金」を調べると、多くの記事が「per appプラン(1ユーザー・1アプリ月額数百円程度)」を紹介していますが、この情報は2026年1月以降、新規契約には適用されなくなっている可能性が高い点に注意が必要です。
何が変わったのか
2026年1月のPower Platformライセンスガイド改訂で、per appプラン(サブスクリプション型、旧価格で1ユーザー・1アプリあたり月額5米ドル程度)が変更履歴に記載され、新規顧客への販売が終了したことが明らかになりました。Microsoftからの大々的な告知はなく、ライセンスガイドの記載変更という形で静かに実施された点も、この変更が見落とされやすい理由の一つです。
購入チャネルによって対応が異なる
この変更の影響は、どの契約形態でPower Appsを購入しているかによって異なります。
- Enterprise Agreement(EA)契約:既存のper appライセンスを引き続き更新可能。契約期間中のユーザー数調整は、通常の年次トゥルーアップ(棚卸し)プロセスで対応
- CSP(Cloud Solution Provider)経由:Microsoft公式は「影響を受けない」と説明しており、既存・新規のCSP顧客とも継続して購入・利用・更新が可能。ただし価格表の更新作業中で、実務上は2026年4月上旬から新規購入の窓口が本格的に開く見込み
- MPSA(Microsoft Products and Services Agreement)契約:新規販売が終了し、既存契約は契約満了まで有効。契約終了後は60日間の移行期間が設けられる
つまり、「per appプランがもう使えない」と一律に判断するのは正確ではなく、契約している購入チャネルによって現状が異なります。自社がどのチャネルでPower Appsを契約しているかを、まず確認することが重要です。
情シス担当者が今すぐ確認すべきこと
per appプランで既にアプリを運用している企業は、次の点を確認しておくことをおすすめします。
- 自社の契約がEA・CSP・MPSAのいずれの購入チャネルかを確認する
- MPSA契約の場合、契約満了時期と、満了後の移行期間(60日間)を把握しておく
- 新規にPower Appsの導入を計画している場合、per appプランを前提とした予算試算をしていないか見直す
- Premiumプランと従量課金制、どちらが自社の利用実態に合うかを事前に比較する
特に、per appプランの低コストを前提に大規模な社内展開を計画していた企業にとっては、この変更が予算計画に直接影響する可能性があるため、早めの確認が重要です。
Microsoft 365・Dynamics 365ライセンスに含まれる範囲
Power Appsは、単独契約以外に、Microsoft 365やDynamics 365の一部プランに含まれる形でも利用できます。この範囲であれば、追加料金なしでPower Appsの基本機能を使い始められます。
具体的には、Office 365 E1・E3・E5、Microsoft 365 Business Basic・Standard・Premium、Microsoft 365 E3・E5・F3といったプランに、「Power Apps for Microsoft 365」というライセンスが含まれています。ただし、この範囲には次のような制限があります。
- Dataverseを利用できない
- モデル駆動型アプリの構築ができない
- プレミアムコネクタを利用できない
SharePointやExcel、Outlookなど、Microsoft 365内のデータソースだけで完結する簡易的な業務アプリ(社内アンケート、簡単なタスク管理など)であれば、この範囲でも十分対応できるケースが多いでしょう。一方、外部データベースとの連携や、より高度な業務アプリを構築したい場合は、Premiumプランへのアップグレードが必要になります。
Dataverse容量アドオンの料金
Power Apps Premiumには、250MBのデータベース容量と2GBのファイル容量を持つMicrosoft Dataverseの権利が含まれています。この容量では不足する場合、追加のDataverse容量をアドオンとして購入できます。
公式サイトでは、Dataverse Database Capacity add-onが、年払いで1GBあたり月額5,997円(税抜)と案内されています。データベース容量・ファイル容量・ログ容量の3種類があり、いずれもテナント単位でプールされ、組織内の複数のアプリ・フロー・ソリューションで共有される仕組みです。データ量の多い業務アプリを検討している場合は、Premiumライセンスの費用に加えて、このアドオン費用も見込んでおく必要があります。
料金体系を選ぶときの判断ポイント
自社にとってどの料金プランが適切かは、主に次の観点で判断できます。
- 少人数での試験導入や検証段階:まずは無料の開発者向けプランで要件を固める
- 全社的に複数のアプリを継続利用したい:Power Apps Premiumが適している
- 利用者数が季節や部署によって大きく変動する:従量課金制が向いている
- すでにMicrosoft 365やDynamics 365を契約している:まず含まれる範囲でどこまで対応できるか確認する
いずれの場合も、2026年のper appプラン新規販売終了という前提を踏まえたうえで試算することが、予算超過や導入後の再検討を避けるポイントです。
よくある質問(FAQ)
Power Apps per appプランはもう契約できませんか?
購入チャネルによって異なります。EA契約者は既存ライセンスの更新が可能、CSP契約者はMicrosoft公式が「影響を受けない」と説明しており、継続して購入・利用・更新できます(価格表更新のため、実務上は2026年4月上旬から窓口が本格的に開く見込み)。一方、MPSA契約や、CSP・EA以外での新規契約では購入できません。自社の契約チャネルを確認してください。
Microsoft 365を契約していれば、Power Appsは無料で使えますか?
対象プランであれば、SharePointやExcelなど一部のデータソースに限定した基本機能を追加料金なしで利用できます。ただし、Dataverseやプレミアムコネクタは利用できないため、高度な業務アプリを作りたい場合はPremiumプランが必要です。
Power Apps Premiumと従量課金制、どちらを選べばいいですか?
全社で継続的に複数のアプリを使う想定であればPremium、利用者数が変動しやすい、あるいは特定の時期だけ使うアプリであれば従量課金制が向いています。
2026年の料金変更で、既にper appプランを契約している場合はどうなりますか?
契約している購入チャネルによります。EA契約であれば契約中は継続利用・更新が可能です。MPSA契約の場合は契約満了まで利用でき、満了後は60日間の移行期間内に別プランへの切り替えを検討する必要があります。
Dataverseの容量が足りなくなった場合はどうすればいいですか?
Dataverse Database Capacity add-onとして、1GB単位で追加購入できます。データベース・ファイル・ログの3種類があり、いずれもテナント単位でプールされる仕組みです。
最新の料金体系を踏まえて、自社に合ったプランを選ぼう
Power Appsの料金体系は、2026年1月のper appプラン新規販売終了により、実質的に「Premium(ユーザーごと)」と「従量課金制」の2本柱に整理されました。
- Power Appsの現在の料金プランは、開発者向け(無料)・Premium(ユーザーごと)・従量課金制の3本柱に整理されている
- 2026年1月にper appプランの新規販売が終了したが、EA・CSP契約者は継続して利用・更新でき、影響が大きいのは主にMPSA契約者
- Microsoft 365やDynamics 365の対象プランに含まれる範囲であれば、基本機能を追加料金なしで利用できる
- Dataverse容量が不足する場合は、1GB単位でアドオン購入できる
まずは自社の契約チャネル(EA・CSP・MPSAなど)を確認し、per appプランに依存した予算計画になっていないかを見直すところから始めてみましょう。










