SAPをクラウドプラットフォームへ移行する手順

SAPをクラウドプラットフォームへ移行する手順

調査会社ITRによれば、ERPにおけるSaaS市場が急速に拡大しており、2016年度の売上金額は前年度比44.2%増の137億円となりました。2021年度にはSaaS市場がERP市場の45%に達すると予測されています。海外ERPをはじめ多くのERPがクラウドベースでのサービス提供を行っており、オンプレミスでの導入が不可能だった中小企業でのERP導入も進んでいます。

では、ERPシステムをどのようにクラウドプラットホームへ移行すれば良いのでしょうか。ここでは改めクラウドプラットフォームのメリットと移行する手順の概要についてご紹介します。

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IaaSとSaaS

クラウドの基本から解説すると、ERPの移行方法としてはIaaSに構築するものと、SaaSを利用するものがあります。

IaaSとはInfrastructure as a Serviceのことで、ERP構築に欠かせないインフラをクラウドサービスついて提供します。一方SaaSはSoftware as a Serviceといって、ソフトウェアそのものをクラウドサービスとして提供します。

IaaSでERPを構築する場合、調達してインフラの上にOSやミドルウェアをインストールし、その上にERPを構築します。SaaSの場合はソフトウェアをクラウド経由で提供しているため、ユーザー企業としては特別なインフラ調達を必要としません。

どちらの方法でERPをクラウドへ移行するかは、企業が持つ要件やニーズに応じて選択します。

ERPをクラウドへ移行するメリットとは?

近年多くの企業がこぞってクラウド移行をはじめていますが、クラウドにはどういったメリットがあるのでしょうか?

軽い運用負担

クラウドでも当然ながらERPの運用管理は必要なのですが、システム面での運用管理はクラウドベンダー・ERPベンダーがほとんどの管理項目を実行しているので、ユーザー企業は運用管理に消費していたリソースを余らせることができます。

外部からのアクセスを可能に

ERPへの要件は日々多様化しており、その中には社外からアクセスできる環境を求めている企業もあります。クラウドはインターネット経由で提供されるサービスです。従ってクラウドにアクセスするためのデバイスとインターネット接続環境があれば外部からでもアクセスできます。

高い拡張性

ERPはビジネス要件に応じて常に変化を続けます。その際に新しいリソースの確保が必要になったり、反対にリソースを削減するという対応が必要です。クラウドは高い拡張性を持っています。オンプレミスの場合、スケールアップやスケールアウトによってリソースを拡張を行いますが、クラウドの場合、管理画面からリソースの拡張を依頼すれば必要な分のリソースをすぐに確保、あるいは削減できます。

セキュリティの強化

クラウドがオンプレミスに比べてセキュリティが低いとはいっても、近年のクラウドはセキュリティが非常に強化されています。そのため既存のオンプレミス環境に比べて、クラウドではセキュリティが強化されるケースもあります。

省スペース

クラウドにはサーバーを設置するためのスペースが不要なので、余ったスペースを活用することができます。

海外拠点との共有

ERPをクラウドに移行することで外部とのシステム共有を容易にすることができます。インターネット経由での共有なので物理的距離は関係ありません。従って海外拠点との共有も行え、グループ全体で経営状況を把握できます。

BCP(事業継続計画)の一環

社内のインフラ環境にERPを構築している場合、災害などで物理的な被害を受けるとERPはもちろんそのデータごとダメージを受けることになります。クラウド環境ではデータが分散管理されるため、災害時のBCPの一環として活用できます。

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ERPをクラウド移行する手順

では、ERPをクラウドへ移行するためにはどういった手順を踏めばよいのでしょうか?そのポイントをご紹介します。

手順1. 移行する環境を検討する

ERPのクラウド移行にはIaaSとSaaSという2つのパターンがあると前述しましたが、その中にもいくつかの選択肢があります。たとえばIaaSにはAmazon Web ServiceやMicrosoft Azureといったサービスがあり、SaaSにもSAPなど様々なERPが提供されています。まずは自社にとって適切な移行環境を整えることが大切です。

手順2. 要件定義

既存環境をクラウドへ移行するといっても新しい要件を定義する必要があります。この要件定義が、クラウド移行初期で最も時間がかかる作業です。業務プロセスを整理して改めて要件を定義し、適切なクラウド移行を目指します。

手順3. データ移行

細かい要件が定義できたら実際にデータ移行に取り組みます。この作業に関しても、長い時間をかかえる必要があるため、パートナーと協業してデータ移行を進めていくことが大切です。

手順4. カットオーバー

データ移行が完了すれば、本番環境で稼働検証を行ったらカットオーバーに入ります。クラウド移行が完了してもそこで終了ではなく、そこからの運用が重要です。

クラウド移行の課題

ERPをクラウドへ移行するにはたくさんのメリットがありますが、移行には課題もあります。1つは運用コスト。クラウドのERP以降は「攻めのIT」よりも「守りのIT」の側面が多く、クラウド環境に移行することで運用管理負担を大幅に軽減したり、業務効率を大幅に改善することができます。そこでクラウドに高いパフォーマンスを要求する必要があり、運用コストはオンプレミスと変わらないか、むしろ増加する場合もあります。もちろん、移行方法によってはクラウド環境の方が低コストになることもあります。

もう1つの課題がセキュリティです。クラウドベンダーの努力によってセキュリティ性が向上したとは言っても、本当に不備なくセキュリティ運用が行われているかどうか、ユーザー企業が不安に感じる点もあります。企業にとって重要な基幹系システムのセキュリティ運用を任せてよいのかどうか、他社で発生した障害が自社に影響を与えないかなど疑念は残ります。さらに、現地監査対応など法令遵守に関する要件にも注意が必要でしょう。

SAP on Azureという選択肢

コベルコシステムでは、グローバルな視点で業務システムの効率化とコスト削減を目指すオーディオテクニカ社に対して、SAP on Azureによるクラウドプラットフォームへ移行を全面的に支援しています。

特に、システム要件が確定しないと環境設定が進められないオンプレミス型と比べ、クラウドプラットフォームでは柔軟なサイジングが可能なため、そのメリットを最大限に活用しています。

また、インメモリデータベースのSAP S/4HANAがAzureをサポートしたことにより、どこよりも早くS/4 HANAをAzure上でシステムを稼働させることに成功しました。

詳しくは、コベルコシステム社が提供する「SAP on Azure導入事例」をご覧ください。

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