クラウド移行(インフラ・DB)

オンプレからクラウドへ移行する方法とは?移行の種類と手順を紹介

オンプレからクラウドへ移行する方法とは?移行の種類と手順を紹介

オンプレからのクラウド移行を成功させるためには、移行方式の種類や手順について理解を深めなくてはなりません。本記事では、クラウド環境への移行方式やマイグレーションの基本的なプロセスなどを紹介します。クラウド移行のメリットやオンプレミスとの違いについても解説しますので参考にしてください。

クラウド移行 まるわかりガイド

クラウド移行のメリットとオンプレミスとの違い

クラウド移行のメリットは導入費用と管理コストを削減できる点です。オンプレミス環境ではサーバーやネットワーク機器などを導入し、物理的なITインフラを基盤としてシステムを運用します。クラウドは仮想化されたインフラストラクチャを基盤としてシステムを運用するため、ハードウェアの導入を必要としません。そのため、システム導入時の初期費用を抑えられるとともに、物理的なITインフラの保守・運用における管理コストを削減できるという利点があります。

また、クラウドはシステムのリリース速度と拡張性に優れる点も大きなメリットです。たとえば、オンプレミス型のERPは年単位の開発期間を要する場合も多く、機能の追加や拡張時にサーバーの増設が必要になるケースが少なくありません。それに対して、クラウド型はハードウェアの設計・実装が不要なため、導入費用だけでなく開発期間を大幅に短縮できます。そして、ハードウェアを増設することなくコンピュータリソースを柔軟に追加できる拡張性の高さもメリットのひとつです。

一方でクラウドはオンライン上でリソースを共有するという性質上、閉じたネットワークでコンピュータリソースを運用するオンプレミスと比較して、情報セキュリティの脆弱性を指摘する声も少なくありません。とくに、SaaS型のクラウドサービスはその傾向が顕著です。しかし、近年では「ISO/IEC 27701」や「ISO/IEC 27017」など、国際標準のセキュリティ認証を取得しているクラウドサービスも多く、情報セキュリティに関する懸念事項は払拭されつつあります。

クラウド移行の種類

クラウド移行の代表的な手法として挙げられるのが以下の3つです。

  • リフトアンドシフト
  • リファクタリング
  • リプレース

リフトアンドシフト

クラウド移行戦略の代表的な手法として、クラウドリフトとクラウドシフトが挙げられます。クラウドリフトは既存システムをそのままクラウドに移行する手法で、クラウドシフトはクラウド環境で新たにシステムを構築する移行方式です。リフトアンドシフトはこれら2つの中間的な移行方式で、主にIaaSを基盤として既存のシステムをクラウド環境に移行し、必要な領域のみ最適化を施します。移行ツールを活用して短期間でクラウド環境へ移行できる点がリフトアンドシフトの特徴です。しかし、要件を明文化しないまま運用を開始すると、移行先でクラウドのメリットを活かしきれない可能性があります。

リファクタリング

リファクタリングは既存のシステムをクラウド環境の制約や特徴に応じて、クラウドネイティブなアプリケーションとして再構築する移行方式です。一般的にはミドルウェアやランタイムなど、アプリケーション開発に必要な基盤一式をクラウド環境で提供するPaaSを基盤とします。そしてクラウドコンピューティングの特性をベースにアプリケーションを再設計するため、クラウドの長所を最大限に引き出せるとともに、トータルコストの最適化を図れるのが大きな特徴です。ただし、単体の機能だけでなくアーキテクチャを変更するケースも多く、クラウド環境への移行に多大なコストと工数を要する恐れがあります。

リプレース

リプレースは同一あるいは類似する機能を有する別のシステムに置き換える手法です。クラウド移行に関しては現行のシステムを破棄し、主にSaaSのクラウドサービスへ移行する方式を指します。たとえばオンプレミス環境で運用しているファイルサーバーの運用を停止し、SaaS型のクラウドストレージに乗り換えるといった方法です。基本的には既存システムをSaaSに刷新するだけなので、他の移行方式と比較してコストや時間を削減できるというメリットがあります。しかし、SaaSは提供される機能の範囲でしかカスタマイズができず、自社の要件を満たせるとは限りません。また、要件を満たせるとしてもベンダーロックインを招く可能性があります。

どの方式が自社に合うのか詳細な調査が必要

クラウド移行にはさまざまな手法が存在し、それぞれに一長一短があります。どの移行方式が適しているかはクラウド移行の目的や企業の組織規模、既存のシステム環境などによって大きく異なります。ただし、移行方式の選定はITインフラの詳細な調査が必須であり、そのためにはシステムの設計・開発における高度な知見が必要です。システム環境のクラウドマイグレーションを検討しているのであれば、株式会社システムエグゼが提供する「Microsoft Azure移行サービス」の利用がおすすめです。

クラウド移行の手順

Microsoft Azure移行サービスでは、以下のフローに基づいてクラウド環境への移行を推進します。

1.現行調査/アセスメント

クラウド移行を成功させるためには、まず既存のシステム環境を調査・分析してクラウド化する領域を特定し、業務要件とシステム要件を明確化するプロセスが必要です。そのためにはサーバーの稼働状況やネットワークの構成、ソフトウェアの利用状況、アプリケーションのソースコード、セキュリティポリシーなどを調査し、IT資産の現状や課題、クラウド移行に伴うコストとリスクなどを分析しなくてはなりません。こうしたIT資産を調査・分析するプロセスをアセスメントと呼びます。Microsoft Azure移行サービスはこのアセスメントの工程を代行し、移行作業やコストをシミュレーションするとともに、その結果を調査報告書にまとめて説明します。

2.移行計画

クラウド環境への移行にはデータの破損やファイルの消失、ダウンタイムの発生、想定外の事象による不具合などのさまざまな懸念事項が存在するため、あらゆるリスクを想定して綿密な移行計画を立案しなくてはなりません。また、クラウド環境への移行後に速やかにシステムを稼働するためには、移行前にテスト環境でアプリケーションやソフトウェアの稼働状況を検証し、問題を特定・修正するプロセスが必要です。Microsoft Azure移行サービスでは、ヒアリングとアセスメントの結果に基づいて最適な移行計画を策定するとともに、移行手順の確立と課題の洗い出しを事前に実施します。そして事前検証後に移行計画を再度修正した上でお客様レビューを実施します。

3.移行作業

アセスメントの実施と移行計画の策定後は移行先のクラウド環境を設計・構築し、アプリケーションの動作確認を実施します。そして、必要に応じてアプリケーションを改修し、本番環境への移行を実施します。このとき、作業が想定通りに完了すれば問題はないものの、想定外の事象が発生するケースも少なくありません。事業活動そのものに支障をきたすようであれば、移行前の環境にシステムをロールバックする必要があります。Microsoft Azure移行サービスはクラウド環境の設計・構築やアプリケーションの改修を行い、ユーザーの動作確認を経て本番環境への移行を実施するとともに、問題が発生した場合は速やかに切り戻しを実行します。

まとめ

クラウドはオンプレミスと比較してシステムの導入費用と管理コストを削減できると同時に、リリース期間の短縮や拡張性の柔軟さといったメリットを得られます。クラウド移行の代表的な手法として挙げられるのが「リフトアンドシフト」「リファクタリング」「リプレース」の3つです。これらの移行方式はそれぞれ一長一短があるため、自社に適した手法を選定しなくてはなりません。そのためには、クラウドマイグレーションに関する高度な知見が求められます。ITインフラのクラウド移行を検討しているのであれば、「Microsoft Azure移行サービス」の利用がおすすめです。

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