Azureで提供されるAIサービスについて 全体像と3つの領域から解説

Azureで提供されるAIサービスについて 全体像と3つの領域から解説

Azureは、クラウドで利用できるAI(人工知能)のサービスを拡充させています。

第3次AIブームとして2000年代の初頭頃から多様な取り組みが活発になり、ビジネスやデータサイエンスの分野で、実用化が進められるようになりました。技術動向の変化に応じて、Azureもまた最先端のAIサービスの追加やアップデートを積極的に行っています。

包括的なクラウドとして拡大したAzureのAIサービスの全貌とともに、メインであるPaaSとSaaS、IaaSという側面からまとめます。

Azureで提供されるAIサービスについて 全体像と3つの領域から解説

Azureで提供されるAIサービスの全体像

まずAzureのAIサービスを対象者、メリット、サービスの種類から整理します。

Azureで提供されるAIサービスの対象者

AIサービスを利用したビジネスやデータサイエンスのシステム開発には、さまざまな人材が関わります。経済産業省が課題解決型AI人材育成の「AI Quest」で提示したように、AIサービスに関わる人材には、技術理解をビジネスに翻訳するような能力が求められます。広義ではあらゆる開発者がAIを理解して、実際のソリューションに活用できることが理想といえるでしょう。

したがって、AIに特化したデータサイエンティスト、AIエンジニア、機械学習(ML)エンジニアなど専門的な職種の人材とともに、アプリケーション開発者全般、そしてAIを採用したビジネスを拡大する役割の営業部門やマーケティング部門を巻き込む必要があります。

このうちAzureが展開するAIサービスは、データサイエンティストや機械学習エンジニアに先端的な環境を提供します。さらにGUIによる直感的な操作を実現しているため、専門外の開発者も対象としています。

データサイエンティストには、オープンソースによる人気の高いフレームワークと連携することによって、高度な数学や統計処理にも応えられる環境を提供します。機械学習エンジニアに対してはDevOpsの環境を整備し、実験とトレーニングを繰り返して機械学習の精度を上げるAzure Machine Learningのサービスがあります。

AIのプロフェッショナルを対象としつつ、一般的な開発者も、これまでの延長線上で直感的にアプリケーションにAIサービスを追加できることが特長です。

Azureで提供されるAIサービスを利用するメリット

MicrosoftではSAPなど外部のソリューションに対して、社内で実証した後でサービスを提供しています。AzureのAIサービスも社内で実証済みです。Microsoftの社内で蓄積されたノウハウおよび最適化された技術で、サービスを使うことが可能になります。

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また、Azureの強みであるエンタープライズビジネス向けのインフラストラクチャーや、世界に拡がるリージョンの利用、幅広いコンプライアンスに対応した堅牢なセキュリティを利用できます。このようなAIを搭載したシステムに対する理解、機密性の確保、統合された管理機能によって、信頼性の高いAIサービスの導入を実現します。

ガートナーでは2020年2月に「Magic Quadrant」のレポートで、マイクロソフトをAIサービスのリーディングカンパニーのひとつとして位置づけました。

Microsoftの強みとして、まずトレーニングが必要な機械学習とともに、学習済みのサービスを提供していることが評価されました。この優位性によって、市場で最も包括的なAIサービスのひとつとしています。その他の強みとしては、導入の選択肢がAzureだけでなく他のクラウドやオンプレミスなど幅広いこと、自然言語サービスにおいて最大級ともいえる多言語を採用していることがあります。

参考:Magic Quadrant for Cloud AI Developer Services(英文)

Azureで提供されるAIサービスを「アズ・ア・サービス」で分類する

AzureのAIサービスを大きくソフトウェア、プラットフォーム、インフラストラクチャーで分類し、代表的な5つを以下のようにピックアップしました。

SaaS

  • Azure Cognitive Services
  • Azure Cognitive Search

PaaS

  • Azure Machine Learning
  • Azure Databricks

IaaS

  • Data Science Virtual Machines(DSVM)

それぞれの概要を解説します。

Azureで提供されるサービス:SaaS編

チャットボットはAIサービスを利用したアプリケーションのひとつで、カスタマーサポートで導入が進んでいます。Cognitive Servicesの自然言語処理とボットサービスを連携させることによって、チャットボットのAIサービスを構築することが可能です。

Cognitive Servicesには、言語処理、音声処理、画像・動画処理、意思決定があり、学習済みのモデルをAPIで提供しています。検索機能としては、AIによるクラウド検索のAzure Cognitive Searchがあります。

AzureCognitive Services

Azure Cognitive Servicesには、ビジネスの実用面における認知(コグニティブ)に特化したAIサービスで、ガートナーが評価している通り、学習済みのAIサービスを提供しているところに特長があります。以下のような、広範囲のサービスが用意されています。

言語処理関連のAIサービス

テキストの読み上げや翻訳機能のImmersive Reader、アプリケーションやボット、IoTなどに自然言語処理を組み込むLanguage Understanding、FAQ機能のQnA Maker、テキストからキーフレーズなどを抽出するText Analytics、70種以上の言語でリアルタイムの翻訳を行うTranslatorがあります。

音声処理関連のAIサービス

音声を検索可能なテキストに書き起こすSpeech to Text、逆にテキストから滑らかな発音の音声を生成するText to Speech、音声をリアルタイムで翻訳するSpeech Translation、音声から話者を認識するSpeaker Recognition(プレビュー版)が音声処理関連のAIサービスです。

画像・動画処理関連のAIサービス

画像と動画を分析するAIサービスがComputer Visionで、Custom Visionでは製造業や小売業など特定の導入ケースに合わせてカスタマイズされています。人間の顔や表情を検出するFace、ドキュメントのフォームを認識してテキストや構造などを抽出するForm Recognizer、OCRの手書き文字やデジタルインクを読み取るInk Recognizer(プレビュー版)、映像をインデックス化するVideo Indexerのように、ビジュアル関連のさまざまな用途に渡ってAIサービスを拡充しています。

意思決定関連のAIサービス

経営の意思決定に関連する売上や販売の予測などのほか、異常検知やカスタマイズの分野です。Anomaly Detectorは問題を検出、Metrics Advisor(プレビュー版)はパフォーマンスを監視します。Content Moderatorはテキストなどから不快感のあるコンテンツを検出し、Personalizerはユーザーに最適なカスタマイズを行うAIサービスです。

Azure Cognitive Search

Azure Cognitive Search は、AI サービスを組み込んだクラウド検索サービスです。BingやOffice で使われていた自然言語処理に加えて、音声や映像など非構造化データに対して高速なインデックス化を行い、検索可能にします。

Azureで提供されるサービス:PaaS編

PaaSつまり開発環境のプラットフォーム提供がAzureの主要領域です。AIサービスの構築やデータサイエンスの核となるAzure Machine Learning、Azure Databricksを取り上げます。

Azure Machine Learning

機械学習モデルのトレーニング、デプロイ、さまざまな処理と保存の自動化、分析結果を追跡、総合的な管理環境を提供します。Azure Machine Learningの特長は、GUIによる直感的な操作ができることです。SDKを使用してPythonもしくはR言語のコードを記述して処理を行うことも可能ですが、Azure Machine LearningデザイナーもしくはAzure Machine Learning Studio (classic)による直感的な操作を備えています。

Azure Databricks

Apache Sparkベースで分析を行うための分散処理ソリューションで、Databricksの環境をAzure上に自動的にセットアップします。Azureに最適化され、ソリューションを組み合わせて多様なアーキテクチャを構成することが可能です。大企業でビッグデータの分析を行うときに信頼性の高い処理を確保し、共同作業のできる環境を構築します。

Azureで提供されるサービス:IaaS編

AIの機械学習では膨大な学習データを扱うため、Azureでは高速かつ柔軟に容量を変えられるストレージはもちろん、専用の仮想マシンを用意しています。Data Science Virtual Machines(DSVM)を取り上げます。

Data Science Virtual Machines(DSVM)

データサイエンス、AIの機械学習を目的としてプロビジョニングされたクラウド上の仮想マシンです。Azure Machine Learning SDKおよびCLIのような頻度の高いツールを事前にインストールして、セットアップの負荷を軽減します。以下の2つのエディションがあります。

  • Data Science Virtual Machine - Windows 2019
  • Data Science Virtual Machine - Ubuntu 18.04

まとめ

AzureのAIサービスは、ビジネス向けに最適化されていること、多様な言語に対応していることが大きな特長です。また、AIエンジニアやデータサイエンティストが注目する最先端のオープンソースによるフレームワークなどを取り入れ、用途に合わせて利用できる環境が整備されています。既に学習済みのAIサービスなどを活用することで、ビジネスへの実装を迅速かつ簡略にできるメリットがあります。

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